GEO SPEEDが閉店のSPEEDもなかなかだったこと

CD/DVDレンタル店がいよいよ厳しくなってるという話は以前から無闇にしているわけですが、各企業ぼんやりしているわけではありません。
TSUTAYAはもうそろそろレンタル業には見切り付けそうな勢いで、とはいえ9割がフランチャイズなのでそこらへん話しながらだと思いますが、店舗網を徐々に縮小の方向に持って行っているようです。
GEOはCD/DVDとゲームという範疇から、総合リユース業の方に転換し、小規模な「GEO」名義店舗から比較的規模の大きい「セカンドストリート」名義への置き換えを進めています。

とはいえゲオ・コーポレーションは、現状で社が持っているリソースから言って、BtoBに力を入れているCCCのような方向には行きようがありませんので、レンタル業についても生き残りの模索を行っています。

その一環として生まれたのが「GEO SPEED」という業態。
GEOからの説明はこちらを見ていただくとして、雑に説明すると、スマホアプリで観たいDVDを注文して指定の店舗を訪れて専用ロッカーを開けると、そこには注文したDVDが入ってるよ、という店舗。

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客側からすれば、店員を介するとちょっと恥ずかしいDVDとかも気にせず借りられる、通常のGEOと料金体系が異なっているため普通に取り回せば多少料金が安くなりがちで延滞金もあまり気にしなくていい、というメリットがあります。
一方店舗側からは「人件費を削減できる」という圧倒的なメリットがあります。2人オペで充分、時間帯によってはワンオペも可能というスタイルです。

先んじて東京都に2店舗、2019年10月24日に調布市仙川に、同年11月27日に世田谷区祖師ヶ谷大蔵に出店し、これからどう展開していくのだろうと思っていたのですが、まさかの展開。

GEO SPEED 仙川店、2020年3月22日に最終貸出、31日に完全閉店。

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最近で「オープンしてすぐ閉める」店舗といえば、駅から比較的遠い場所にあったTSUTAYAの綾瀬店が駅前のBOOKOFF内にTSUTAYA綾瀬駅前店として2019年7月1日に移転オープンしたものの、この3月に閉店するというのもありますが、CD/DVDの販売・レンタル含めて、オープンから閉店まで半年を切ったのを見たのは記憶のうえでは初めてです。
この期間で我慢もせずに見切って閉店を決定するって、正直どんだけ客が入ってなかったんだって話ですよ。

先ほど客側のメリットを紹介しましたが、後出しならどんどん言えるデメリット。
「店で探す楽しみがない」とか「クレジットカード登録しないといけない」とかもありますが、恐らく最大の理由は「スマホがないと利用できない=お年寄りの切り捨て」だったのではないかと思います。
「ある一定層より上の年齢の方をヘビーユーザーとして取り込む」ことは今後の店舗型ビジネスにとっては必須に近い生き残り条件だと思うのですが、仕組みの時点でその年齢層とミスマッチが起こっていたのではないかと。

TSUTAYAが恵比寿やら豊洲やら武蔵小杉の店舗をここ数年でバサバサ閉じていますが、それは「その地域に住んでいる人間の多くはライフスタイル的にネットでストリーミングに向かいがち」であることを認識した結果だと思っているのですが、そういう意味でも祖師ヶ谷大蔵・仙川という地域のチョイスはどうだっただろうか、という気もしなくはないですが。

というわけで、アプリ開発が伴う業態っていうのは店舗数が増えれば増えるほどスケールメリットが享受できるのですが、これどうしましょうか。アプリの開発費くらいは回収できたのでしょうか。
祖師ヶ谷大蔵の場合は、2019年1月にTSUTAYAが閉店し、11月には首都圏ローカルチェーンのドラマも閉店、わずかな間に「レンタル」を完全に失った地域になってしまった直後にGEO SPEEDがオープンしましたので、仙川よりはまだ需要は残っているかもしれません。

が、アプリ周りの保守運用考えると、1店舗で満足のいく利益が出るというのは考えにくいので、さてどうなるか。
今一生懸命3店舗目以降に見合う土地を探しているのか、祖師ヶ谷大蔵の命運を検討しているのか。
どっちにしろ、あんまり素敵な未来は見えないっす。

CD/DVDのパッケージ販売・レンタルの現在と今後のこと

本日19時頃のタワーレコード新宿店7階。

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金曜日ということもあり、いつもであればだいたいインストアイベントをやっていて人がいっぱいいる時間帯なのですが、当然のように全部中止となり、現在がっつりレイアウトも変更してあって、もう最初から「インストアって何?」レベルの店内状況です。
で、適当にスマホ出して撮ったら、もう誰も写り込んでいないという、それくらいの客入り。

現在大変な状況になっている宿泊、交通、飲食。そしてここらへんは積極的に名指しで避けられることはないにしても、ただでさえもう冴えない感じの業態、外を出歩く人が減ればもう確実に売り上げが落ちるわけで。

そして、今回のこういう状況がけっこうCD/DVDのパッケージ販売・レンタルという業態の首をすごい勢いで締めているのではないかと思います。
単純な話、出歩かず家にいることが推奨されるという状況で暇になれば、それまではCDを買い、DVDをレンタルしていたという人だってストリーミングに移行する可能性が圧倒的に高くなるよね、というだけのこと。

ここ数週間、CD/DVD販売店・レンタル店が閉店するよ、という情報のアウトプット量は正直例年よりも減っています。
が、それは現状がよろしいわけではなく、今の状況に対してチェーン運営企業が全体的な運用をアジャストさせるのに必死で、個々の店についてそういう判断している場合じゃない、ということではないか、と思っています。

今の状況が改善したとして、一度ストリーミングに慣れた人がパッケージに戻ってくるとは思えません。
ということで、改善した後が販売店・レンタル店の正念場ではないかと思います。本当に、再発リマスター盤とか初回限定デラックス盤を買い求めるおっさんおばさん以外は、ジャニーズファンとハロプロファンと演歌ファンとB'zファンしか残らないのではないかという、そんな気さえします。

とはいえ、10年前の私の脳内未来予想図と比較すれば、今の状況であっても正直「随分マシ」ではあるのですが。
遂にマクりに来るのかもしれません。

これからやりたいと思っていること

今ちょっと依頼を受けてゴリゴリ調べつつ書いている案件があって、調査に予想以上に手間がかかり、かつ普通のサラリーマンなので平日はなかなか手が進まず、でも休日は休日で遊びたいというジレンマの中匍匐前進的に進めつつ、でもそういう時に限って別案件を思いついてそっちやりたくてたまらなくなっている。

以前やったことを拡大したらもう少しいろいろ知れるんじゃないか、という点で。

AKB坂道系の男女人称についての確認を拡大してみたら「アイドルソング」の歴史についての相当面白い検証になるんじゃないかと思ったり。

バンドのベーシストの位置を考えたこともありますが、King Gnuのような異質な並びって、その音楽性の異質さにも関連してるのかとか。ドラムとベースが並びの両端に位置するって、他に知らないのよ。

ついこの間やった現在ストリーミングに出ていない過去ミュージシャン、けっこうアイドル系は出たり出ていなかったりなので、もう少し突っ込んで調べたい。山口百恵はいない。

あと、ずっとずっときっちり調べて書きたいと思っているのは「レコード販売店の歴史」。
人や店にスコープした書籍は既に何冊かあるんですけど、もっと淡々と過去の事実を連ねた総論的なヤツ。
SP盤が塩化ビニールになったり、塩化ビニールがCDになったり、メディアの交代は歴史上当然すごく大きいのですが、ざっくり調べた限りそれ以上に大きい変化が「蓄音機がゼンマイ式から電蓄になったこと=ハードが電化製品になったことでソフト専門店という存在がありえるようになったこと」と「レコード店は特約店形式で事実上の認可制だったのが、昭和36年に完全自由化されたこと」だと思っていて。

そういうことを淡々と書きたい。すごくニーズがないことはわかっているにしても、ないならないで適当に書くので、今後もよろしくお願いします。

エンターキングが復活すること

「無観客ライブ一覧」とか何かできねえかとか昨今の世の中の状況について考えていたら、もうとんでもなく滅入ってきて。
ダメだこれは、何か楽しいことはないかと探し回ったところ、足立区と千葉県の一部の方について微妙に楽しいことが発見されましたので、標記の件について。

千葉県・埼玉県あたりを商圏にして、中古を中心に、ゲーム・CD・DVD・トレカ等を販売していたチェーン、エンターキングの滅亡への道については、過去に3度ほど取り上げました。

玉光堂とエンターキングの運営企業がダメになったこと

エンターキングがおよそ消滅したこと

エンターキングの続報のこと

ここまで来ての最大の残課題は、閉店セールもできず、桃太郎王国としての再オープンもできなかった西新井・千葉中央・南行徳の3店舗の行く末。
西新井なんかは観に行ったらシャッターも閉めずに在庫丸見え状態で非常に切なかったことを覚えているのですが、遂にここに来て動きが。

「エンターキング Supported by 駿河屋」が千葉と東京に3店舗順次オープン!

まさかの「エンターキング」の屋号復活。
「桃太郎王国」も駿河屋の業態のひとつなので、これ何が違うねんというところは気になりますが、一旦駿河屋が桃太郎王国にしたところも含めて全部権利を拾って行けそうなところは自社店舗として取り込み、流通等は単独ではなく駿河屋のものに乗る形にしてコスト圧縮、それを前提にエンターキング側の人間に改めて再建策を提出させ、確認したうえでこうなった、みたいな流れは何となく想像できるのですが。

ともあれ、一番悲惨な状況は脱しました。
正味、こういうパッケージ販売店という業態自体がいつまでやれるかっていう話はあるのですが、今は置いておきましょう。

ライブを中止するとか無観客ライブするとかのこと

ライブが続々中止になっている中で、いくつかのバンド・グループはYouTubeで観られる無観客ライブという形で開催。
私は頭とお尻はBAD HOP、真ん中はNUMBER GIRLを観ていましたが、BAD HOPは普段聴かないジャンルだけにたいそう興味深く観ることができ、NUMBER GIRLは向井が滅茶苦茶やったり、森山未來が無観客のフロアで踊りまくったりと「無観客」でないと観られないものでした。
NUMBER GIRLはライブ・ビューイングがありましたので、そちらでの収入もなくすわけにはいかないという現実的な判断、BAD HOPはライブ・ビューイングはなかったものの、草の根で人気を勝ち取ってきた彼ららしい判断で無観客でも開催し、代わりに投げ銭&クラウド・ファウンディングで支援を募っています。
こんなん速攻で満額いくやろと思っていたのですが、思ったよりも今のところは伸びていない。考えてみたら彼らの熱狂的なファンは圧倒的に若く、カードも持っていないという子も多いでしょう。ここらへんなかなかマッチング難しいです。

中止すること開催することについては皆さんそれぞれ自分なりの意見もあるかと思います。
が、自分みたいに会場の大小問わず年に最低数十本は観るような人間と、年に1度か2度好きミュージシャンのライブにイベント的な気持ちで参加する人、もしくは全く行かない人では「ライブ」を捉える視点は全く違うでしょうし、そもそも落としたものを「3秒ルール」とか言いながら食える人間と、他人の握った吊革に触れない人まで、そっちの感じ方も千差万別。
これくらい、自分にとって「正しい」と思っていることが他人にとって「正しくない」になるテーマもなかなかありません。

だからこれに対して自説をこねる気はありませんが、ただ、東日本大震災以降、SNSで繋がっていた友人の中でも様々なイデオロギーや認識の相違があることがわかり、実際それ以降世の中もそういう相違による「分断」があからさまに可視化されるようになったなあ、と思ったのですが、今回のウイルスの件は、さらなる「分断」の可視化という意味では、東日本大震災並みの現象になってしまうのではないかと、何だか嫌な気分になっています。

1980-90年代SONY系ミュージシャンのストリーミング解禁っぷりのこと

aikoがストリーミングに解禁されて、そろそろ現役第一線組についてはそろそろ「もとより出す気がない」組以外はだいたい出尽くしたのではないかと思います。
そこで、今後期待したいのは過去のメジャーになりきらないまま解散したバンドや、多少売れたもののそれ以降は地道にやってるソロミュージシャンとかの音源がどれくらい分厚くなるか。
特に80-90年代のソニー系のそこらへんは魅力的なラインナップが揃っていますので、とりあえず1980年代から90年代前半くらいまでにメジャーデビューしたソニー系レーベル所属のバンド・ミュージシャンがどれくらいストリーミングに出てきているのか確認。結果として今も一線で活躍しているバンド等も含んでいますが。

〇はソニー系からリリースされた、少なくともオリジナルアルバム音源は全部あるもの、△はソニー系からリリースされた音源はあるけど全部ではないもの、▲はソニー系からリリースされた音源は全くないけど、他レーベルから出た音源は多少なりともあるもの、×は確認できた限り全くないものです。

朝日美穂
安藤秀樹
五十嵐浩晃
伊豆田洋之
一風堂
X
ECHOES
エレファントカシマシ
AURA
大江千里
大沢誉志幸
大瀧詠一 ×
岡村靖幸
尾崎豊
オナペッツ ×
小野正利
小山卓治
カステラ
GARDEN
加藤登紀子
かの香織
河合夕子 ×
くじら
楠瀬誠志郎
国安修二
久保田利伸 ×
クライズラー&カンパニー
GRASS VALLEY ×
五島良子
小比類巻かほる
ゴンチチ
PSY・S
佐野元春
詩人の血(Oh!Penelope)
シネマ ×
シャネルズ(RATS & STAR)
上々颱風
JUDY AND MARY
JUN SKY WALKER(S)
白井貴子
鈴木聖美
鈴木祥子
スチャダラパー
THE STREET SLIDERS
SPARKS GO GO
聖飢魔II
相馬裕子
染谷俊
ソウル・フラワー・ユニオン ×
千年COMETS
橘いずみ
谷村有美
種ともこ
玉置浩二
CHIEKO BEAUTY
CHARA
町支寛二 ×
TM NETWORK
dip in the pool
てつ100%
東京JAP ×
東京スカパラダイスオーケストラ
DREAMS COME TRUE
The 東南西北
中崎英也 ×
ネーネーズ
野田幹子
PEARL
HOUND DOG ×
BARBEE BOYS
爆風スランプ
VANILLA
バブルガムブラザーズ
PIZZICATO V
ヒートウェイヴ
BE-MODERN
PINK ×
ビンゴボンゴ ×
FENCE OF DEFENCE
フラワーカンパニーズ
PRINCESS PRINCESS
古内東子
BO GUMBOS
堀江淳
真心ブラザーズ
松岡英明
宮尾すすむと日本の社長 ×
宮原学 ×
村下孝蔵
THE MODS
モダンチョキチョキズ ×
遊佐未森
YOYOYO ×
ラブ・ポーション
竜童組 ×
LOOK
LADIES ROOM
REBECCA
ロッテンハッツ
渡辺美里

思ったより頑張ってるじゃん、というのが正直な気持ち。
千年COMETSとかVANILLAとか嬉しいです。各アルバム3枚ですが。一方、種ともこやLADIES ROOMはベスト盤のみ、鈴木聖美や堀江淳は一番のヒット曲が収録されたオリジナルアルバム1枚のみとか、ストリーミング用に音源を整えるのもタダではないので、そこらへんを見込めるところを、ということでしょうか。

ただ、レベッカはラストアルバム「BROND SAURUS」のみ見当たらなかったりとか、BE MODERNはアルバム4枚全部あるのにSPARKS GO GOは見当たらなかったりとかは何とも解せない。
ハウンドドッグは権利的に揉めに揉めているでしょうから、たぶん一生出てこないと思います。

全く出さないものには本人や所属の意図もあったりすることもありますし、権利が転々とする間によくわからなくなったというのは海外でもよくあること。
でも案外「マスター失くしちゃった」が一番多いのではないかと思ったりもしています。ちょうどこのあたりの時期って、マスターがDATであることも多いので、あんな小さいの失くすわ。自分なら失くす。

あと、宮原学が1曲もないわ、と思ったら2017年に覚醒剤所持で逮捕されていた。こんなところにも。

2019年ブックオフオンライン年間ランキングのこと

毎年、年末年始にやっていたけど今回すっかり忘れていて今頃思い出したのですが、抜けの年があるのも悔しいので今からやります。
とはいえ1位が1999年リリースの盤ということでおわかりの通り、CD全盛期のスター達の主にベスト盤がおよそ10年から20年、買われて売られてのサイクルを繰り返しているだけの日本一随分なランキングです。

アルバム 名前 発売年 13 14 15 16 17 18 19
RECYCLE スピッツ 1999 10 3 4 8 5 1 1
Mr.Children 1992-1995 Mr.Children 2001 3 7 5 2 2 4 2
SINGLE COLLECTION VOL.1 宇多田ヒカル 2004 11 1 1 1 1 3 3
Impressions 竹内まりや 1994   6 6 11 13 9 4
MESSAGE MONGOL800 2001 4 2 2 5 4   5
Mr.Children 1996-2000 Mr.Children 2001 5   8 6 7 5 6
自己ベスト 小田和正 2002 8   13 10 15 8 7
CYCLE HIT 1991-2017 スピッツ 2017             8
無罪モラトリアム 椎名林檎 1999   8 9 18 14 7 9
TOP OF THE POPS 桑田佳祐 2002           13 10
ザ・ビートルズ1 ザ・ビートルズ 2000 F1 11 10 20 12   11
All the BEST!1999-2009 2009 2 J1     16   12
ALL SINGLES BEST コブクロ 2006 13 4 3 4 9 2 13
ZARD BEST The Single Collection~軌跡~ ZARD 1999   9 21 12 19 16 14
青春の輝き カーペンターズ 1995 F4 14 14 13   10 15
BEST 中島美嘉 2005 21 13 20       16
海のYeah!! サザンオールスターズ 1998 1 15 11 3 8 6 17
いきものばかり いきものがかり 2010 6         20 18
Smap Vest SMAP 2001 20 J2 16 9     19
GREATEST HITS “THE SOUL” Dreams Come True 2000 15 5 7 7 10   20
SMILING. 槇原敬之 1997   12 19 19   11  
DRIVE GLAY 2000 30         12  
GOLDEN BEST 井上陽水 1999 12         14  
ジュエルズ クイーン 2004           15  
BEST FICTION 安室奈美恵 2008 18   17   18 17  
B'z The Best“Pleasure” B'z 1998           18  
181920 安室奈美恵 1998     26     19  
Fantome 宇多田ヒカル 2016         3    
First Love 宇多田ヒカル 1999     28 17 6    
Distance 宇多田ヒカル 2001         11    
DEEP RIVER 宇多田ヒカル 2002         17    
DISCOVERY Mr.Children 1999         20    
ハチミツ スピッツ 1995     15 14      
ULTRA BLUE 宇多田ヒカル 2006       15      
CRUISE RECORD 1995-2000 globe 1999     22 16      
BEST OF DREAMS COME TRUE Dreams Come True 1997     12        
I LOVE U Mr.Children 2005     18        
It's a wonderful world Mr.Children 2002     23         
LIFE 小沢健二 1994     24        
深海 Mr.Children 1996     25        
歌バカ 平井堅 2005     27        
グレイテスト・ヒッツ スキマスイッチ 2007     29        
BOLERO Mr.Children 1997     30        
ULTRA Pleasure B'z 2008 27 10          
OPUS 山下達郎 2012 7            
GAME Perfume 2008 9            
日本の恋と、ユーミンと。 松任谷由実 2012 14            
jupiter BUMP OF CHICKEN 2002 16            
沿志奏逢 Bank Band 2004 17            
ユグドラシル BUMP OF CHICKEN 2004 22            
SINCE 1975 浜田省吾 2000 23            
Expressions 竹内まりや 2008 24            
8UPPERS 関ジャニ∞ 2010 25            
Singles 2000 中島みゆき 2002 26            
SUPER BEST THE BLUE HEARTS 1995 28            
Home [1997-2000] ゆず 2005 29            

結局今回初ランクインはスピッツの新しい方のベスト盤のみ。供給量(=売上枚数)は1999年の方が多いので納得の順位ですが、店頭で感じた限り、恐らく新しい方のベストはしばらくは高値安定だったのが値下げされてきたために今回ランクインしたのではないかと。

安室奈美恵の引退ベスト盤は、店頭にはそれなりに出ているはずなのに結局ランクインせずじまいで、やっぱり「現役で活躍していること」がこういうところでも売れる条件になるのだということがよくわかります。
ので、前のベストがランクインしている嵐も、活動休止発表後のベスト盤がどれくらいランクインするかと考えると、今回の安室っぽい感じになるのではないかと思います。

ただ、ほとんどのミュージシャンがストリーミングに楽曲提供している現状、それがどう影響してるかと言えば、多分ほとんど影響ない。竹内まりやの「Impressions」のランク上昇はもしかしたらそれも一因かもしれないのですが、まだストリーミングに楽曲を出してないB'zやaikoが上がってるかといえば全くそんな気配もなく。

だから、BOOKOFFで昔のCDを買う人は、サブスクのサービスを有料で登録するほど音楽を聴く人ではない、ということがわかります。新しい音楽を聴く気のない人。CD全盛期に流行りで買って、断捨離流行りで全部捨てたものの、今何となく思い出して買いなおしている人。そこらへんじゃないかと。

私は、断捨離できずにいまだに1万枚以上のCDを捨てられずにいるというか、そもそも捨てる気がない。例え半分近くがベッド下の段ボールに詰め込まれたままだとしてもだ。

ジェニーハイ@Zepp DiverCityのライブのこと

昨晩はジェニーハイ@Zepp DiverCity。
後から聞いたら即完もいいところだったらしいのですが、LINEチケットの先行でぶっこんでおいたら取れたのでもうラッキーですよ。とりあえず頭のおかしい編成の人たちなので、どういうスタイルでやるのか一度ワンマンで観ておきたいと思っていたので。

幕前ずっとステージのスクリーンにアー写とバンド名のロゴが繰り返し映し出されるという、なかなか他に見ない状況から暗転すると、出てきたのは天竺鼠。要するに前座ではなく「前説」です。
ちょっと喋ってショートコント2本やってハケるとようやくジェニーハイ登場。そして当たり前のようにステージ中央に5人並んで「ジェニーハイのテーマ」からスタート。あのぬるい振り付けも生で観られました。今度はステージの上の方にのぼって椅子に座って「愛しのジェニー」。まだ楽器に触らない。
ようやく楽器を持ったと思ったら「ランデブーに逃避行」「ダイエッター典子」とわりかし最高めのヤツを連続でカマす。ガッキーのピアノが抜群。このバンドの音楽的な要はやはり彼で、彼の作る音色で楽曲全体の色が決まっていくのだなと理解する。絵音くんのギターは基本刻みに徹しているわけですが、何て言えばいいのだろうか、本当にうまくピアノに寄り添う音になっていて。
リズム隊も頑張っている。友人に聞いた話では、彼が都内のとあるスタジオで練習をして喫煙所に入ったところくっきーと小藪がいたという話。要するに2人で特訓していたということで、実際ステージでも間違いなし。

途中で観客からお題もらって即興で曲を作るというバラエティ的な展開もあり、そこでものすごい勢いでクッキーがネタぶっこんで来たり、それをあしらう小藪が実に座長ぽかったり、「不便な可愛げ」ではアイナ・ジ・エンド(本物)が登場したり、結果として前説あり歌あり踊りあり笑いありゲストありという、ものすごく「芸能ショー」として成立しているステージになっていて。

ゲスの極み乙女。というバンド名を付ける時点で絵音くんはそういうトリックスター的センスであり、そんな頭脳に最強にマッチした「本体」がこのバンドだと思うのです。
元々バンドでフロントの2人、芸人の2人、そして演奏上の圧倒的な要であるガッキー。言うたら5人全員フロントで、実際5人横並びでラップしたりする楽曲も多数。もう「ロック」であることとか「バンド」としての有り様とかどうでもよくて、やってて面白い、観ていて面白い音楽があればいいというとても清々しい態度。もうそんなの圧倒的にアリに決まってるじゃないですか。

絵音くんについては未だに嫌悪感がある、という方もいらっしゃいますし、その気持ちは何となく程度は理解しますが、そんな人間の作る音楽は最低だという方がいらっしゃるのであれば、4人揃ってドラッグキメまくっていたビートルズとか、プロデュースしたアイドル歌手をアルコール漬けドラッグ漬けSEX漬けの廃人同然にしたローリング・ストーンズの作る音楽なんかはさぞや最低に聴こえるのだろうなあ、難儀だなあと思う次第です。

新型コロナウイルスでライブがいろいろ困ること

現在世の中は新型コロナウイルスで大変です。というか、都民なのであんまり他人事でもなく、でもどこまでビビればいいのかもよくわからんです。

東京マラソンも規模縮小ということですが、今のところ国内のライブが中止・延期になったというのは、見た限り一部の海外ミュージシャンのアジアツアーや一部のアマチュアバンドの集まりが飛んだくらいで、「興行」として開催されている国内ミュージシャンの国内ライブが中止になったという話は今のところ聞きません。

が、さすがに中国等の海外公演を予定していたところはおよそ延期・中止です。

嵐:北京公演
渋谷すばる:上海・台北・香港公演
Suchmos:上海・北京・深セン公演
FLOW:上海・広州・台北公演
May'n:台北公演

米津玄師も4月に中国公演予定していますが、現状で様子見の模様。

また、直接利益にならない「興行」以外のイベントでは中止・延期になっているものが国内でもけっこうあります。

SixTONES・Snow Man:スペシャルイベント+ハイタッチ会
AKB48:大握手会
SKE48:個別握手会
NMB48:個別握手会
STU48:個別握手会・発売記念イベント
日向坂46:個別握手会
EXILE:スクラッチカード抽選会
TWICE:お渡し会
など。

あと、国内公演は予定通り開催しても、ツアーグッズの製造が中国なため納品が遅れているという、別の事態も発生中。

浜崎あゆみ:グッズの発売遅延
THE ORAL CIGARETTES:「ライブ会場での販売が現在確約できかねる状況」
和楽器バンド:「当初予定しておりました商品数全ての納品が難しい状況」
など。

本当、CD販売が厳しくなって以降、興行・物販に軸足が完全に移っていますので、グッズの遅延だけでも相当キツいはずで、国内ライブまで止まったりすると我々だけでなく演者の皆さんも相当に困るんですけど、でも健康は何よりも大切ですし、いろいろ難しいところです。
とはいえ、どっか大きめのミュージシャンが国内ライブ中止しようものなら、ドミノ倒しのように一気に行っちまうような気も。
まあ、普通に毎日ラッシュの電車で通勤している時点でどうなんだって話ではありますが。

MUSIC SHOP BIGと新星堂のこと

新星堂、ぼろぼろと閉店していくペースにはまるで合いませんが、それでも2月14日、今年になって2店目を新たにオープンさせます。

新星堂 イオンモール高の原店

この1月まで入店していたCD店はMUSIC SHOP BIG。2007年のイオンモールのグランドオープン時から入っていたのが退店し、代わりに入ったのが新星堂ということになります。
この状況に大変に時代を感じてしまいまして。

元々BIGを運営している株式会社音光は、広島を中心に音楽周辺商品の卸を行っていたのですが、「MUSIC SHOP BIG」「MEDIA STATION BIG」の屋号で小売りも展開し始めまして。しかしその店舗展開は全国に及ぶものの、何ともイビツで。
2010年の公式サイトの店舗一覧がこんな感じ。

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これは要するに、元々テナントとして入っていたCD店が退店した跡地に、ほぼ居抜きで入っていっては店舗網を拡大していくというスタイル。ということです。
退店した店舗は、元々そのショッピングモールができる前に地元の商店街で営業していた個人店がショッピングモールに支店を出すという形だったり、他の大手チェーンの店舗だったり。
たとえばこの画像の中で、確認できた限りでジャスコ八事、四日市、和泉府中は元々は新星堂だったのがその退店後にBIGが入った形で。
卸も事業として持っているということは、小売店が減るとその分アガリも減ります。それを自社でやれるところまで何とかする、という方針ですね。

それがこのイオンモール高の原がオープンする頃から、新規オープンのショッピングモールにタワーやHMV等の大手がぐいぐい入店するパワーが落ちてきまして、グランドオープン時からBIGが入店するという事例が散見されるようになってきます。

そして2020年、逆転が起きたわけです。
ずっと残り物をつまんできたBIGが、グランドオープン時から入店できるようになり、そして今回、BIGが退店した後に新星堂が入るという下克上、ではないな。でもなんかそんな感じの状況。
何となく、見た目としては感動してもいい状況ですが、もう少し深掘りすると正味のところそんないいストーリーでもなく。

というのは、新星堂が現在RIZAPの子会社だということは前々から申し上げているのですが、実は株式会社音光も現在はRIZAPの子会社でして。新星堂の親会社ワンダーコーポレーションがRIZAPの子会社になったのが2018年3月、音光が子会社になったのは同年6月。
つまり、単純にグループ内の屋号を整理する一環なだけじゃないかと、そんな気もするのです。

BIGはそういう方針でしたので、閉店した店舗があっても他のショッピングモールの大手CD店舗が潰れたらそこに居抜きで入ることで、店舗数をキープしていたのですが、ここんとこはもうそれもできなくなって閉店店舗ばかりが増えていきます。

2019/05/26 メディアステーションBIG 高松店(香川県高松市)
2019/07/28 メディアステーションBIG 金沢八景店(神奈川県横浜市金沢区)
2019/07/31 MUSIC SHOP BIG 今治新都市店(愛媛県今治市)
2019/08/31 メディアステーションBIG 綾川店(香川県綾歌郡綾川町)
2019/09/29 MUSIC SHOP BIG 出雲店(島根県出雲市)
2020/01/26 MUSIC SHOP BIG 高の原店(京都府木津川市)
2020/01/31 MUSIC SHOP BIG 三田店(兵庫県三田市)

少なくなっても25店舗を切ったことのなかった店舗数が、遂に20を切りました。
そしてBIGを新星堂に挿げ替えるというアクション。これつまり今後、全国のBIGが新星堂になってもおかしくないわけです。ぶっちゃけBIGという屋号よりは新星堂の方が世間的には覚えもめでたいわけですし。

それを一斉にやるためのコストとか子会社の人事的なところとか。その天秤によるのでしょうから、部外者はわからん。ただそんな予想をしてあとは眺めるのみ。