MUSIC SHOP BIGと新星堂のこと

新星堂、ぼろぼろと閉店していくペースにはまるで合いませんが、それでも2月14日、今年になって2店目を新たにオープンさせます。

新星堂 イオンモール高の原店

この1月まで入店していたCD店はMUSIC SHOP BIG。2007年のイオンモールのグランドオープン時から入っていたのが退店し、代わりに入ったのが新星堂ということになります。
この状況に大変に時代を感じてしまいまして。

元々BIGを運営している株式会社音光は、広島を中心に音楽周辺商品の卸を行っていたのですが、「MUSIC SHOP BIG」「MEDIA STATION BIG」の屋号で小売りも展開し始めまして。しかしその店舗展開は全国に及ぶものの、何ともイビツで。
2010年の公式サイトの店舗一覧がこんな感じ。

f:id:wasteofpops:20200213001828p:plain

これは要するに、元々テナントとして入っていたCD店が退店した跡地に、ほぼ居抜きで入っていっては店舗網を拡大していくというスタイル。ということです。
退店した店舗は、元々そのショッピングモールができる前に地元の商店街で営業していた個人店がショッピングモールに支店を出すという形だったり、他の大手チェーンの店舗だったり。
たとえばこの画像の中で、確認できた限りでジャスコ八事、四日市、和泉府中は元々は新星堂だったのがその退店後にBIGが入った形で。
卸も事業として持っているということは、小売店が減るとその分アガリも減ります。それを自社でやれるところまで何とかする、という方針ですね。

それがこのイオンモール高の原がオープンする頃から、新規オープンのショッピングモールにタワーやHMV等の大手がぐいぐい入店するパワーが落ちてきまして、グランドオープン時からBIGが入店するという事例が散見されるようになってきます。

そして2020年、逆転が起きたわけです。
ずっと残り物をつまんできたBIGが、グランドオープン時から入店できるようになり、そして今回、BIGが退店した後に新星堂が入るという下克上、ではないな。でもなんかそんな感じの状況。
何となく、見た目としては感動してもいい状況ですが、もう少し深掘りすると正味のところそんないいストーリーでもなく。

というのは、新星堂が現在RIZAPの子会社だということは前々から申し上げているのですが、実は株式会社音光も現在はRIZAPの子会社でして。新星堂の親会社ワンダーコーポレーションがRIZAPの子会社になったのが2018年3月、音光が子会社になったのは同年6月。
つまり、単純にグループ内の屋号を整理する一環なだけじゃないかと、そんな気もするのです。

BIGはそういう方針でしたので、閉店した店舗があっても他のショッピングモールの大手CD店舗が潰れたらそこに居抜きで入ることで、店舗数をキープしていたのですが、ここんとこはもうそれもできなくなって閉店店舗ばかりが増えていきます。

2019/05/26 メディアステーションBIG 高松店(香川県高松市)
2019/07/28 メディアステーションBIG 金沢八景店(神奈川県横浜市金沢区)
2019/07/31 MUSIC SHOP BIG 今治新都市店(愛媛県今治市)
2019/08/31 メディアステーションBIG 綾川店(香川県綾歌郡綾川町)
2019/09/29 MUSIC SHOP BIG 出雲店(島根県出雲市)
2020/01/26 MUSIC SHOP BIG 高の原店(京都府木津川市)
2020/01/31 MUSIC SHOP BIG 三田店(兵庫県三田市)

少なくなっても25店舗を切ったことのなかった店舗数が、遂に20を切りました。
そしてBIGを新星堂に挿げ替えるというアクション。これつまり今後、全国のBIGが新星堂になってもおかしくないわけです。ぶっちゃけBIGという屋号よりは新星堂の方が世間的には覚えもめでたいわけですし。

それを一斉にやるためのコストとか子会社の人事的なところとか。その天秤によるのでしょうから、部外者はわからん。ただそんな予想をしてあとは眺めるのみ。