何でギターが上手でベースが下手になりがちなのかという話

バンドの配置は何でギターが上手(かみて)でベースが下手(しもて)が多めなのか問題。

VIVA LA ROCKで散々いろんなバンド観て、Theピーズ観て、BAND-MAID観て、チャットモンチー観て、やっぱりギターが圧倒的に上手でベースが下手にいるのですよ。いや、常々思ってはいたことなんですけど。
で、検索してみたところ、はっきりとした答えは出ず、FACEBOOKで知り合いに投げてみても、現役ドラマーも元ベーシストも音楽ライターも参加してくれたのですが結局結論出ず。
ただ、何となくそのプロセスが面白かったので紹介する次第です。

出てきた仮説いくつか。

1.ジャズマンのリズム隊位置取り説
生音で聴かせるジャズやまだモニタースピーカーが未発達だった時代には、ドラマーの特にハイハットの音でベースもリズムキープするため、ハイハットの横つまりドラムの下手にいて、それが伝承された説。

2.ビートルズ由来説
ビートルズはベースのポールが左利きのため、ネック同士が干渉しないようにポールが一番下手にいたわけですが、並び順はそれが伝承された説。

3.花形は上手説

人間の心理として右の方をよく観るため、上手に花形であるギタリストを置く説。

1.と2.についてはそんな多くのバンドがそれに縛られるというのも考えにくく、3.については3ピースバンドでVo&Bの場合も下手にいるバンドも多かったりしていまいち納得度低い。
つうことで、とりあえず思いつく限り並べてみる。

 上手下手備考
チャットモンチーG&VoB
yonigeG&VoB
忘れらんねえよG&VoB
くるりG&VoB
Hi-StandardGB&Vo
MONGOL800B&VoG
10-FEETG&VoB
SHANKGB&Vo
WANIMAGB&Vo
locofrankGB&Vo
HAWAIIAN6G&VoB
TheピーズGB&Vo
UNISON SQUARE GARDENG&VoB
eastern youthG&VoB
人間椅子G&VoB
TRICERATOPSG&VoB
凛として時雨G&VoB&Vo
サンボマスターG&VoB
ACIDMANG&VoB
a flood of circleG&VoB
dust boxG&VoB
back numberG&VoB
People In The BoxBG&Vo上手からDr→B→G&Vo
打首獄門同好会G&VoB
G&VoB
ザ50回転ズG&VoB
My Hair is BadG&VoB
ヤバイTシャツ屋さんG&VoB&Vo
シナリオアートBG&Vo上手からDr&Vo→B→G&Vo
SHISHAMOG&VoB
リーガルリリーG&VoB上手からG&Vo→B→Dr
表はGとBのいる3ピース以下の現役バンドに限定して見繕ってみましたが、本当にいない。表の中ではセンター奥にドラマーがいる標準配置でベースが上手なのはモンパチだけ。
4人編成以上になると数多すぎて思い出すのも面倒臭いのですが、ベースの基本位置がセンターより上手なのはサザン(ただしサポートのリードギターよりは下手)、Mr.Children、UVERworld、サカナクション、フレデリックくらいしか出てこない。とりあえず少ない。

これは日本だけの傾向かと海外に目を移したところ、3ピースで解散したのしないの混ぜて考えても、Bが上手なのはThe Jam、Rush、Primus、Nevermind以降のNirvanaくらいしか思いつかない。
もっと目を移すとオーケストラなんかのクラシック系は上手に低音楽器多めだし、大編成のブラスバンドでも低音楽器は上手後方のイメージ。

さあわけわかんなくなってきたところで、バンドもやってるライブハウス店長より「ハイハットの音でベースもリズムキープするため説、モニタースピーカーよりも生音で聴くことの多いキャパ200くらいまでの箱だと実感あり」という話が出て何となく納得感あって、それということにしておいて一旦お開き。
今は大人数の前でやっているバンドにも小さな箱でやっていた過去があり、どれだけ人気者になっても位置取りだけはその時からそのまんまなんだね、というちょっといい話風にまとめて終了。

きっとモトリー・クルーにも、そんな時代はあった。はず。たぶん。