Chilli Beans.@渋谷WWW Xのこと

日曜の晩はChilli Beans.のライブ。
誘われるままではあったのですが、これが非常に面白く。

2019年結成、2021年8月デビューの若い女の子の3ピースバンド。3ピースとはいってもドラマーはサポートで、正式メンバーはVo&G、G&Vo、B&Voの3人編成という形。
経験も浅くワンマン未体験(9月に開催予定)で、実際演奏はどんなもんかと思ったらきちんとうまい。というかシーケンス最小限できちんと演奏を聴かせようというかなり確固たる意志。
ただ、最初のうちは確固過ぎてベースの音が不自然にデカく、これはグルーヴとか期待したらあかんわいなとか思っていたら後半徐々にバランスもこなれてきてかなりいい感じに。

既存のバンドで近しいポジションを考えると、SCANDALとかSIREN SIRENあたりでしょうか。
それでも音の感触は曲によってUKっぽかったりUSぽかったりで、とにかくポップにという方向性でもなく、かつライブ演奏はきちんと荒々しくてエモい。
若者のこういう感情の発露を目の当たりにすることができて、何かとても嬉しい。拝みたい気持ちになる。ありがたいありがたい。

彼女たちの現所属はホリプロ、出自は音楽塾ヴォイス。
音楽塾ヴォイスは過去にyui、絢香、家入レオらを輩出した名門でございます。最近ではVaundyもここ出身。
Chilli Beans.の3人も元々はシンガーソングライター部門の生徒だったのが、勧められてバンド結成に至ったということですが、ここ最近の世の中を考えると何となく理解できるアクションです。

どれだけ手間をかけてシンガーを育成してデビューさせようとしたところで、それまで誰も知らない「歌ってみた」の人がいきなりバズって話題を全部持っていくのが当たり前という最近の世の中。
デビューさせて終わり、後は知りませんという方針ならいいですが、そこまで無責任になれないのであれば、正味かなり厄介な状況です。

だからこそ、今のところそういう急バズり度が低いバンド界隈、かつSIREN SIRENは解散し、SCANDALは結成15年を経て音的にもティーン向けとは言えない状態になってきて、ガールズバンド全盛の今の日本でも、ここらへんの「ポップでメジャー感のある音」は今の日本、層としてはそんなに厚くありません。
考えても相当いいところ突いているのではないかと思うのです。

今回は自主企画2マン、7月に1stアルバムをリリースして9月には恵比寿リキッドで初ワンマン。そして11月から全国8箇所回るツアーでファイナルは12月に豊洲PIT。
初ワンマンの3か月後に東京で再度ワンマンでキャパは3倍という、正味エグいレベルの急速拡大予定です。

ただ既に初ワンマンは完売、夏にはROCK IN JAPANとサマソニはじめフェスも決まっています。もしかしたら夏以降すごい勢いでメディア展開するのかもしれません。
何にせよ、恐らく12月の勝算は見えているのだと思います。

どういう形であっても、これから伸びていくバンドをこういうタイミングで見るのはワクワクします。
叩き上げでなくってもいいんだ。Princess Princessは元々アイドルバンドとしてオーディションで寄せ集められたわけですし、バンドじゃないけど渡辺美里は元々アイドル歌手のオーディション出身です。
で、渡辺美里が作った道の上に、音楽塾ヴォイスがyuiや絢香を乗っけて名を上げて、今度はChilli Beans.がこういうタイプのバンドの道を拡張していくのかもしれません。

いろんな音楽がいろんな流れで出てくる。そういうのがいいですよ、絶対。

あと、対バンのKlang Rulerも、「タイミング」のカバーやったり、間奏に「Smooth Criminal」のベースラインをぶっこんできたり、大変に楽しいバンドでした。
当然ですが、フロアはほぼ全員若者だったので「タイミング」のサビであの振り付けをするような方は誰もいらっしゃらず、私もすんでのところで止めました。賢明な判断だと思います。

「握手会」と最近のCD売上のこと

音楽業界、「盤」を売るためにアイドル歌手が「握手会」を開催するというのは、自分が認識している限り1980年代からあったもので。

それらのほとんどはレコード会社の地方支社と地元のレコード屋が組んで、ちょっとした都市のジャスコとかのショッピングセンターであったり街中の公園のステージで開催され、数曲披露してからの握手会(もしくは購入したシングルジャケットにサイン会)という流れ。
私も、伊藤麻衣子さんがそういうキャンペーンで四日市の諏訪公園に来たのに行っています。可愛かったです。
当然ですが当時の「熱心なファン」の中には、何枚も購入して何回も握手する人も少なからずいらっしゃいました。そこらは今とさして変わりません。

菊池桃子等ごく一部は既に1980年代半ばの時点で「全国握手会」と称して大会場に大人数を集めての握手会を開催していたようですが、そういうイベントを他歌手も続々追随してメジャーな現象になるということは当時はありませんでした。
それは、会場確保や設営等の準備とスタッフ人員等に伴う事前支出が大きな負担になるため、相当なビッグバジェット以外そんなことできなかったという単純な理由だと思います。

ですので、「握手会ビジネス」そのものについてAKB48が「創始者」というわけではなく、そういうふうに過去から綿々と続いてきた握手会を、一気に超大規模化&ルーティーン化して産業レベルで成立させた存在、という感じでしょうか。
過去の握手会ビジネスとAKBグループとの差異は、端的に言えば「握手会ビジネスのイオンモール化」という言葉で比喩できるかと思います。前にも言ったことを再度言ってるだけですが。

元々は少人数&小規模、歌手自身が転々と移動しながら多くの会場を回る形で開催されていたものが、大都市圏の大会場で圧倒的な規模で行われるようになったわけで。
かつては熱心なファンが個人単位で行っていた「複数枚購入で複数回接触」を事実上運営側が推奨し、そういう層の拡大を促した、という点もこの時の変化として挙げられるかもしれません。

「AKBグループ」という存在の、圧倒的な過去との相違点として、メディアを使用しての空中戦からどぶ板の地上戦までを一貫したブランドでもって実施できるだけの人数規模(キャラクターの差異も)であったことを生かしまくって、大人数を集められるだけの認知に繋げていったことが大きいと考えていますが、そんな認知拡大と共に、インターネットが一般にまで広がったことで口コミを拡大させやすく、また告知が圧倒的にしやすく&届きやすくなったこと、高速道路や新幹線が地方と都市を繋いだことでファンの移動が容易になったこと、大規模な握手会を開催できるだけの大きな「箱」が各大都市圏にできていたこと等、様々な周辺的な要因も込みで、AKBが「イオンモール化」を実現できたのだろうと考えます。

そして「劇場盤」とかもありますが、そういうビジネススタイルで運営していたアイドルグループが、各地のCD店の売上の中で相当な割合を占めていたことは間違いないわけで、海外で「新譜CD販売」という業態がほぼ絶滅状態である中、そういう売り方ではあっても店舗型の「CDビジネス」が生き残るのを支えたひとつの大きな要素であることには間違いありません。

しかしコロナ禍でそんな「大規模握手会ビジネス」はとどめ刺された感はありまして、AKB48の5月リリースの最新シングルは33万枚。正味それでもまだ頑張ってると思える数字ですが、一時期と比較するとそれはそれは減りました。
それ以外の接触上等型のアイドルグループも軒並みピークから見れば相当に売上数を減らしています。

それによってCD店も一蓮托生ですごい勢いで減っていくであろうと、正直思っていたのですが、ここ2年もちろん店舗数は減ってはいるのですが、何となくコロナ初期に想像していたよりも「踏ん張っている」感がありまして。
TSUTAYAは着々と減っていますが、郊外型の「書籍販売兼CD販売兼レンタル」型の店舗は都市型の「レンタル専業」店舗よりも減少の幅は低め。その他CD販売の大手チェーンも減ってはいますが、以前に「数年後を想像」した状況よりは「まだ維持している」と思えます。体感ではありますが。

そういう体感レベルに更に仮説を乗せてしまって恐縮ですが、オリコンのCDチャートの方を眺めていて「生き残っている」のひとつの理由として挙げられるのが「CDを売りたいタイプの男子ダンス&ヴォーカルグループ」の増加ではないかと思っています。

ジャニーズが、もちろん現役各グループ元気に活動中とはいえ、メディアの支配力というか影響という意味では数年前より相対的に低下した結果として、テレビ局が積極的に新しい男子ダンス&ヴォーカルグループを継続的に番組で応援する、というパターンがちょいちょい出てきています。

コロナ期間中に新規で、地上波メディアでも紹介されながらデビューした日本の「男子ダンス&ヴォーカルグループ」は以下の3組ですが、正味かなり盤を売りまくっております。

■JO1(2020年メジャーデビュー)
2020/03 1stシングル:394,000(3種)
2020/08 2ndシングル:330,000(3種)
2020/11 1stアルバム:195,000(4種)
2021/04 3rdシングル:317,000(3種)
2021/08 4thシングル:369,000(3種)
2021/12 5thシングル:450,000(4種)
2022/05 2ndアルバム:261,000(5種)

■INI(2021年メジャーデビュー)
2021/11 1stシングル:588,000(3種)
2022/04 2ndシングル:642,000(3種)

■BE:FIRST(2021年メジャーデビュー)
2021/11 1stシングル:220,000(5種)
2022/05 2ndシングル:146,000(5種)

一方相対的に低下したジャニーズも、メディアとのコネクションを駆使して各グループのメンバーをバラエティ等でガンガン露出したり新グループをこれまでより速いペースでデビューさせて対抗。
ジャニーズ勢がコロナ禍以降にリリースしたCDの売上はこんな感じ。過去5年内にデビューした4組を見てみます。

■King&Prince
2020/06 5thシングル:603,000(3種)
2020/09 2ndアルバム:636,000(3種)
2020/12 6thシングル:618,000(3種)
2021/05 7thシングル:507,000(3種)
2021/07 3rdアルバム:509,000(3種)
2021/10 8thシングル:484,000(3種)
2022/04 9thシングル:502,000(3種)

■SixTones
2020/07 2ndシングル:761,000(3種)
2020/11 3rdシングル:532,000(3種)
2021/01 1stアルバム:610,000(3種)
2021/02 4thシングル:529,000(3種)
2021/08 5thシングル:557,000(3種)
2022/01 2ndアルバム:558,000(5種)
2022/03 6thシングル:440,000(3種)

■Snow Man
2020/10 2ndシングル:1,145,000(3種)
2021/01 3rdシングル:1,030,000(3種)
2021/07 4thシングル:936,000(3種)
2021/09 1stアルバム:989,000(5種)
2021/12 5thシングル:843,000(3種)
2022/03 6thシングル:856,000(3種)

■なにわ男子
2021/11 1stシングル:909,000(7種)
2022/04 2ndシングル:595,000(5種)

ものすごくCD売れています。全部合計したら女子グループの目減り分くらいは埋められそうな勢いで。
ただでさえ新興勢力が盛り上がっている中、実はジャニーズ勢も「事務所所属グループの総売り上げ枚数」でカウントすると、SMAPの「世界で一つだけの花」がメガヒットしたとか楽曲単位の大ブレイクがあった年を除けば、2020-2021年は過去最大レベルに達しています。

これらのグループは積極的に接触イベントを行うタイプではないですが、特にボーイズグループのファン界隈で目立つのが「追い〇○○」というアクション。
「○○○」にはその時リリースされた楽曲やアルバムのタイトルが入ります。

フラゲ日に購入するのは当然として、土日にオリコン集計対象のCDショップを巡回し、さらに可能な限りの在庫を買い足すという行動をかなり多くのファンが行っています。
最近リリースされた盤で言えば、JO1の5/25リリースの2ndアルバムは「KIZUNA」というタイトルですが「追いKIZUNA」でTwitter検索すると、だいたいのニュアンスを理解していただけるかと。

これらの行動は、応募特典の口数を最大化することが概ねの目的ですが、オリコン集計対象のCDショップに発売週の日曜まで実施することが通例でして、それは要するに翌週のチャートに枚数としてカウントされるためであり、「売上に少しでも貢献する」ことを目的としているところもある行為でして。
恐ろしいほどのファンの底力を感じます。

「盤販売の権化」であり、今もそうあり続けるジャニーズの「事務所としての地位の相対的低下」によって「CD販売したい」勢がむしろ増加し、その増加に対してジャニーズが今の力で迎え撃ったところ割と各陣営が「本気で頑張りまくる」こととなり、「ボーイズグループ」という括りでは現在が史上最強にCDを売りまくっているという事態。
正直、実際に目の当たりにするまで想像すらしていませんでした。何だこの状況。

こういう状況をどう評価するのかは各人の捉え方それぞれだと思いますが、この結果としてCD販売店舗が生き残るのであれば、私は素直にうれしいです。

で、「キャバクラ」発言の作詞家の方についてですが、そこを気にする以前にそもそも過去の日本が単発のヒットではなく業界として「失くすほどの国際競争力を持っていた」時代のことを浅学にして存じ上げておりませんので、私は何とも言えません。

映画「a-ha The Movie」のこと

「シン・ウルトラマン」も気になっていますが、こっち優先で本日観てきました「a-ha The Movie」。

ここんとここういうミュージシャンのドキュメンタリーが立て続けに公開されていますが、Dinosaur Jr.とかSparksとかは観たいなと思いつつぼんやりしている間に公開終わってしまい、これはよくないと前売り買って隙を見て。

a-haはUSチャートメインで眺める限りでは「Take On Me」の一発屋的な捉え方もできますが、日本では感覚的には3rdアルバムくらいまでは一時は過剰な感じもあったもののアイドル的人気を博していましたし、本国ノルウェー以外でもヨーロッパや南米ではデビュー以来ずっと人気で、特にドイツとブラジルでは正味「大スター」と呼べるレベルの地位を確立したバンドです。
それでも1993年の「Memorial Beach」から2000年の「Minor Earth Major Sky」の間は活動を停止して各自ソロ活動を行っていましたし、2010年にはいったん解散もしています。

そこらへんからも察するにもう「華やかなスターダムの裏に隠された苦悩」みたいなところがテーマであることは容易に想像でき、実際その通りだったのですが、ただそれがいちいち重い重い。想像以上のネガネガしいエピソード連発。
しかもバンドの3人のみでなくパートナーやらプロデューサーやら周辺人物も含めて数珠繋ぎ状態で様々なエピソードを告白しまくり、ライブ演奏とかは申し訳程度ですので、これ映像としてのダイナミズムは皆無。
正直途中で辛くなった時もあったのですが、それでもやっぱり目は離せなくて。

映像としては、ところどころにa-haならではの「Take On Me」MVメソッドがぶち込まれているところがポイントです。

特に日本ではアイドルバンドの権化みたいな扱いでしたが、1stアルバムの時点でアルバムタイトル曲のようなスケール感の化け物みたいな楽曲を放り込んできたりとか、映画内でも言及されていた「Manhattan Skyline」の構成のエゲつなさとか、2009年の「Foot Of The Mountain」はここに来てアルバムとしてのキャリアハイを更新したんじゃないかと思ったりとか、ミュージシャンとしてずっと信頼の置ける人たちでもありました。
そういう認識で見ると非常に納得度は高いので、とりあえず昔一度でも彼らの音楽を「好き」と思った人間は観るべき。「Take On Me」の1st Ver.以外のレアなヴァージョンも聴けます。
逆に顔だけでファンだった人間は観ると悲しい気持ちになると思うので注意です。
実際、映画館は自分含めて極めておっさんだらけでした。若者は一人もいませんでした。

あとはコロナで中止になった来日公演を、改めて何とか。よろしくお願いします。

「Take On Me」の1st Ver. 基本は一緒だけどプロダクションの重要性をここまで感じる事例ってなかなかない。

ひたちなかの新フェスのこと

昨年のROCK IN JAPANは、開催1か月と少し前、7月4日というタイミングで出された茨城県医師会の要請を受けて、7日に渋谷陽一氏のビジネス的な発表としては最大級のブチギレ感を露わにした声明でもって中止決定。
それを受けて14日には茨城県医師会、「来年度、この催しが安心安全な中で開催できますよう」とか呑気な声明を出していたものの、結局ひたちなかに戻ることなく今年の1月、千葉市での開催発表
別にただキレてひたちなか市を無視して蘇我に移ったのではなく、きちんと話を通しての移転でもありますので、この件について知らない部分を想像しての揶揄は避けますが、ただ、ひたちなか市は何十億もの経済効果を失ってしまったことはものすごく事実でありまして。

それを受けて開催決定した地元資本主催による新フェス、ROCK IN JAPANが千葉移転を発表した1月5日正午から数時間後には開催することが発表されていまして、フェス名や開催日等まで発表されたのが4月28日。7/23-24の2日間開催、名称はLuckyFM Green Festival
日本の大きな夏フェスはだいたいその年の年初には開催の発表を行っていますので、開催3か月前を切っての発表はいかにも遅い。
のですが、千葉移転をもし公表前の段階で内々に聞いていたとしても、恐らく準備期間は半年あるかないか。
正味、よくぞこのスピードでゼロから立ち上げたというレベルです。

こうして立ち上がったフェスですが、集客の規模は2日間各15,000人合計3万人。ROCK IN JAPANが5日間で最大33万人集めていましたので1/10以下の規模です。
正味、相当に逃した魚は大きい感じは致しますが、初開催でここまで半年の準備期間ではこの規模以上は逆に危険な気もします。これから少しずつ育てていけばいいのです。

いいんですが、ただすごく気になるのがその2日間のラインナップ。何ぞこれ。

1日目は「普通のフェスっぽい感じ(ただし目玉らしい目玉なし)」+数組のベテラン勢。そして2日目はガチガチのヒップホップ勢が相当数を占める中、ALI、JASMINE、SIRUP、水曜日のカンパネラ、SPECIAL OTHERS、 SOIL & “PIMP” SESSIONS、TOOBOE、yamaという感じなのですが。

今日出演者の追加発表がありまして、TOOBOEが入りましたのでyamaさん多少救われたのですが、それでもP&歌い手界隈のこの2組が何故ここにいるのか。
というか、2日目のヒップホップ界隈以外、全くどういうところを目指してのキャスティングなのかがまったくわからない。わからないんだけど、でも何となく状況は想像できます。

単にROCK IN JAPANの劣化コピーにするわけにもいかず、かといってこれまでひたちなかに来てくれていた人を全無視するわけにもいかないというタイトロープ。
かつ7/23-24日という日程。この週末以降は8月末まで毎週末どこかで大規模フェスが開催されている中、唯一「夏休み」にかかる日程で大規模なフェスのない週末ではあるのですが、そんな週末がただ空いているはずもなく、浜松市の渚園ではFUNDAY PARK FESTIVAL、大阪市舞洲ではOSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVALと、中堅サイズのフェスが同日開催を既に発表していて、当然ブッキングも着々と進めている、その中に無理くりにねじ込まざるを得ない立場。

ただの地獄じゃないか。よく2日分埋められるだけ揃えたな。もうそれだけで称賛したくなる。
それでもこれもう少し日割り何とかならなかったのか。泊りで2日間通いたいと思う人がどれくらいいるのだろうか。不安です。
過去の自分の性分が頭をもたげてきました。これ、行きたいです。

ももいろクローバーZ「祝典」のこと

ももクロ、ちょうど3年ぶり6枚目のアルバム

もはやメジャーデビュー初期のようなトリッキーな楽曲はほぼありませんが、言ってみれば彼女たちのメジャーデビュー以降、そんなトリッキーさをベンチマークして活動する地下アイドルがそれこそ山ほど出現した結果、ポップス音楽として成り立つあらかたのトリッキーさが既存になってしまったわけで。

パイオニアが無理する必要もなく、というか今作は、ジャニーズ楽曲を主戦場にしているKOUDAI IWATSUBOやEXILE TRIBE勢に多く楽曲を提供しているamon hayashiが参加していたり、むしろより一層「王道」的な方向性のアルバムです。

2011年から2012年頃にはもう夢中になって彼女たちを追っていたのですが、その時からまさかこんなにグループとしての活動が続くなんて思ってもいませんでした。
ちょうど追っていた時期が「身体能力&体力任せ」の無茶苦茶なライブをやり倒していた頃なので、特にそう思ったというのもあるかもしれませんが、正味最年少のあーりんが20歳になるまで続けば御の字くらいの気持ちでいました。

ただ、改めて彼女たちの活動の経歴をずっと見ていくと、そこかしこに「長く続ける」ための工夫はありまして。

大御所からの楽曲提供に留まらない、初期のライブの常連だった「南国ピーナッツ」こと松崎しげるや、2012年の「ももクロ☆オールスターズ」や「お台場フォーク村」あたりからの昭和歌謡・ニューミュージック周りとの連携。

プロ野球では、田中将大選手(楽天)がファンを公言したことから始まったコラボレーションだけでなく、石川柊太選手(ソフトバンク・あーりん推し)や佐藤輝明選手(阪神・れにちゃん推し)と、モノノフ選手が現れるたびにきっちり拾って絡む。ここは特にグループとして特定の球団と何らかの固定的な関係を持たないところがポイント。

2013年以降継続して参加している警視庁主催のイベントや、2017年以降地方行政と組んで開催している「春の一大事」等の所謂「公」との接点を継続・拡大していく試み。

ヒットした時にその立場をその時の短期的な売上の最大化のみに使用せず、様々な立場の人や組織とコネクションをつなぐことで活動のフィールドを面的にも時間的にも拡張することに成功した結果が、この長期にわたる活動になっているということで。
もちろんコネクションをつなごうとした時、彼女たち本人のキャラクターが最大の強みとして機能したことは想像に難くないわけですが。

自分が本格的にももクロに転んだのは2011年2月25日、今は亡きSHIBUYA-AXで開催された「HMV THE 2MAN ~みんな仲良くできるかな?編~『ももクロとかまってちゃん』」という企画ライブで、どっちかと言えばかまってちゃん目当てで行ったところ、彼女たちのこの日のパフォーマンスが「『身体能力&体力任せ』の無茶苦茶なライブ」のひとつの頂点だったためなのですが。

今回のアルバムの収録曲「孤独の中で鳴るBeatっ!」が神聖かまってちゃんのの子作詞作曲ですが、これも2011年のその2マンライブ以来再び交わったささやかな、でも「コネクション」のひとつなのかと思うと、少しグッと来ます。少し。

NUANCE@KT Zepp Yokohamaのライブのこと

5月5日はKT Zepp Yokohamaで、横浜基盤のアイドルグループ、ヌュアンスの新体制初ワンマン。

正味、ここに来るまでは随分とヒヤヒヤしました。
元々、ごく初期を除いて5年近くずっと固定メンバーの4人組として活動してきたのが、2021年12月にみおが抜け、今年3月には彼女は何があってもグループを離れないだろうと思っていたmisakiが割とあっさり抜け、あっという間に半分に。

ただ、みお脱退時に準備していたであろう新メンバー募集の流れでしょう、素早く3人の新メンバーを加入させ4月から改めて5人グループとしての活動を開始し、この5月5日がその新体制での初ワンマン、という流れ。

元々横浜の商店街の企画でできたアイドルグループ、坂道のようなすごい数から選りすぐられたド美少女でもなく、厳しい歌唱審査を勝ち抜いてきたような凄い歌声の持ち主が集まってきているでもなく、それでも楽曲はいちいち素晴らしくライブの演出も観るたび素晴らしく、普通に近い女の子たちが一生懸命練習をして挑み、そういう「装置」にスポンとハマることができた時にステージ上ですごく輝く。
自分の考える最高の「アイドル」像ってこういうのじゃないかと思える存在なので、こうやって割と速攻で新体制で本格的に動き出したことは大変に喜ばしく。
恐らく水面下ではものすごいジタバタされていたのであろうということも割と速攻で想像できてしまうとしてもだ。

で、そのライブ。自分が見たNUANCEのライブの中で最高の出来。
ここまで観たライブは、様々な演劇的な演出があったり、ゲストが登場したりしていたのですが、今回はほぼそういうのなし、ただいつもワンマンの時は生バンドなのですが今回のそれは9人編成という過去最高の大所帯。
元々ライブ時の生バンドは間違いなかったのですが、今回が過去最高レベルの演奏。そして再出発を期した5人のモチベーションも相まってそのステージへの「スポンとハマ」りっぷりも過去最高。

過去を思い返しても、生バンドをバックにしたアイドルのライブの最高峰としては、2015年のゆるめるモ!@Zepp DiverCityと2017年のsora tob sakana@リキッドルームと並んで2019年のヌュアンス@O-EASTが挙げられるのですが、今回その2019年を更新しました。軽く。

4人が2人になって大丈夫だろうか、メンバー入れたものの長くはないんじゃないかとか、すごく余計な心配でした。今が最高なんじゃないか、そしてこれから最高をまた更新していくんじゃないか。
だから、少なくとも生バンドでのライブの際には行かなくちゃいけないんです。つうかみんなも観た方がいい。

あと思ったことは、新メンバーの一番小さな恭美さん、過去のヌュにはいなかったレベルで「歌える」人なのですが、彼女の歌がこれからの楽曲の空気感を変えていくのであれば面白いなあ、とか、既存メンバー「わか」「珠理」が今回の新体制に伴って「川井わか」「環珠理」という新しい芸名になっているのですが、片や単なる回文で片やTwitterのプロフ欄で「三冠王!」とか言っててこいつら本当にバカだなあと思ったりとか、それでもそのお姉さん2人がすごい勢いでMCを回していて「やればできるじゃん」と思ったりとか。

ちなみに自分が推しメンを1人挙げるとすれば、ステージの一番下手側にいるドラマーのUさんです。会場自由席だったのですが、そこはそれ、ちゃんと下手側ドラムキットの正面に陣取りました。
もう一人ドラマーがいてツインドラムじゃない曲では概ね1曲ごとに交代で叩いていて、自分の担当楽曲でないときは手拍子したり踊ったりタンバリン叩いたりしていたのですが、立って踊りながらドラムキットのシンバルを叩こうとして届かなくて失敗していた時が最高の萌えポイントでした。

もう当日の映像が上がっている。フジP仕事早い。でも体を大切に。
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セカオワ主催ライブ「THE PARADE」のこと

昨日24日は幕張メッセで「THE PARADE」

SEKAI NO OWARIのデビュー10周年記念のイベントです。いうても彼らの実際のデビューは2010年。本来は2020年初頭には出ていた企画が実現するまでに2年半近くかかったということで。

出演はSEKAI NO OWARIの他に、Vaundy、マキシマム ザ ホルモン、BiSH。
正味このメンツを初めて見た時笑ってしまいました。なんじゃこりゃ。
大きめのフェスに行って、気の赴くままあちこちのステージを回った結果としてこういう感じにもなりそうな並びを、指定席からビタイチ動かずに観られる。何て素晴らしい。

入場時も、さすがにVaundyを身につけた方はなかなか見つかりませんでしたが、それ以外の3組については本当に同じ数くらいTシャツやらグッズやらを身に着けた方々。このばらけ方、すごくいい。
というかこのメンツ以前にこの日の海浜幕張、マリンスタジアムではX GAMES、幕張メッセの別のエリアではTHE IDOLM@STERのライブと、混ぜるな危険気味の状況というか、人数的にも相当ヤバげな状況でしたが、そこは開演や終演をうまくズラしていただいた結果か、京葉線が地獄とかメッセへの歩道が渋滞とかいうこともなく。素晴らしい。

そしてそういう感じのライブですから、各組が相当に「一見さん」を意識した構成。要するにわかりやすくて知っている曲が多め。もうぼさっと観る分には最高です。もうある意味フェスというか、ミニフェスです。そういう気持ちになりました。

■Vaundy
初めて観ました。そんな頑張って追ってきたというほどでもないのですが、とにかく「聴いたことある」曲ばっかり。さすがタイアップ大王。
世に出てまだ2年程度のキャリアですが、去年だけでもフジロックをはじめ割とエグい数のフェスもこなしているだけあって、もう余裕のステージング。
バックバンドが間違いないという話は前から聞いていたのでそっちも楽しみにしていたのですが、正直PAのせいか音質があんまりよくない。もちろん幕張メッセで抜群の音響を求めるわけにはいかないのですが、以降の3組はさして気にならなかっただけに残念。
音響のいいホールでワンマン観たい。まだ終わらない。

■マキシマム ザ ホルモン
いつ振りでしょうか。もう覚えてないくらい久しぶり。久しぶりですが、彼らは日本で一番間違いないライブバンドと言ってもいいと思いますし、実際間違いない。
安心して首振って腕上げて、ナヲちゃんが馬鹿なこと言ってるの笑って。ただやっぱり唯一、現状まだルールとして声出せないのがキツい。
ただ、ナヲちゃんはここ数年は止むないですが、ワイドショー系のTV番組には正直あんまり出ない方がいいと思っている派です。

■BiSH
彼女たちも久しぶり。2019年のサマソニ以来か。その前はsadsとのツーマンで更にその前が幕張ワンマン。幕張率が異常に高い。
その幕張ワンマンの時のことを思い出しながら観ていたのですが、あの時と比較するともうものすごく安定している。
そりゃその間にどれだけ活動して場数を踏んで来たのか考えると当たり前といえば当たり前なんですけど、幕張ワンマンの時はもっとヒリヒリした感じがあって、更に前、ギュウ農フェスあたりに出ていた時のあのダダ洩れの「危うさ」を思い出すともう違うグループ。
来年の解散というところには、そういう変化もあるのかもしれないとか、いろいろ考えながら観ていました。

■SEKAI NO OWARI
実はライブ初めてなんですよ。
やたらフェスに出るタイプのバンドでもないし、ワンマンそう簡単にチケット取れないし。
で、テレビ出演を見ていてずっと思っていたのは「掴みどころのないバンド」という感想。
バンドサウンドっぽいと思ったらEDMになるし、激バラード歌うし、原則リズム隊はいないし、そもそもかなりの曲で絶対4人では鳴らし切れない音が鳴っていて、そこはLOVEさんが出しているのかと思ったら「Silent」のようにやたら音数の多い曲でも一切スイッチ触る気配なくずっと鈴を振っていたり。
もちろんシーケンスを使うのは当たり前っちゃ当たり前なのですが、彼らの音は生身の音とそうじゃない音の境目がとても曖昧で。
そこを見極めたいという気持ちでライブに臨んだわけですが、結果、余計わからなくなった。
今回サポートのドラマーが後ろの方にこっそりいたのですが、だからといって他の音の出所がシャープになるでもなく、かといって間違いなくKakajinギター弾いてるとかSAORIのピアノだとわかる瞬間もある。
結局何もわからんままでした。でも、それでいいんだろうなとも思いました。こういうバンドがいてもいいというか、こういうのもポップミュージックの有り様のひとつです。

そして、一見さんが聴きたくて待っていたドラゲナイ、アンコールでかましてくれたので、それでいい。それがいい。


以上、退場は規制退場なので時間かかるだろうと思っていたのですが、出口に近い席だったためか真っ先にコールされて外に出られて、そしたらメッセ前のタクシーを捕まえることにも成功したため、そのまま幕張本郷に出て余裕の帰宅。
最後まで完璧でした。よし。

セットリスト以下に載ってました。やっぱ凄い並びだ。

銀座地区の中古レコード&オーディオ店のこと

4月2日に銀座の東急プラザ5階に「Space Is The Place」というお店が開店したのを今日見てきました。

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一応中古レコード屋にはカウントしていますが、どっちかといえばオーディオ機器販売の方がメインのお店。レコード棚は壁際に1列のみ、あとはオーディオ機器のリスニングスペースというか、部屋で聴くような感じで試聴できるようになっています。

ここらへん界隈には、有楽町の阪急メンズ館に2019年にオープンした「ギンザレコード」というお店がありまして、そちらもレコード販売とともにオーディオ機器の販売も行っている店で。
こちらは床面積の半分以上はレコードで残りのスペースでインテリア性の高いスピーカーとかを販売している形なのですが、「Space Is The Place」はより一層オーディオに振っている感じで。
21世紀の始まりと同時に銀座ハンターが死んで以降、もう銀座のメイン地域でレコード売って商売成立させることはできなくなって、利益率の高いオーディオを押さえに行くのは非常にわかります。

アナログ再評価以降、都市の商業ビルにそういうショップを入れたいという希望もきっとあるのでしょうが、正味それをきちんとそういう都会の商業ビルにマッチした形でビジネスとして提供できる企業はほとんどいないというのが日本の現状。
現在の日本で最もアナログを売ることに最適化された企業はディスクユニオンですが、ディスクユニオンはその最適化の方針がデカい商業ビルのテナントに当てはまるような形ではなく。

「Space Is The Place」はFace Recordsが関連企業と組んで立ち上げた店舗ですが、Face Recordsは元々1990年代に裏渋谷というか、宇田川町の外れの雑居ビルから始まり、Yellow Pop渋谷店跡に移転して(元)シスコ坂界隈に進出して堅実に商売していると思ったら、アメリカに進出したり渋谷のMIYASHITA PARKに支店出したりいろいろ展開しての今回のこれ。
正直、いつの間にかディスクユニオンに次ぐレベルの「中古アナログ」界を背負って立つ企業になっていました。

一方、ギンザレコードはレコード通販大手のサウンドファインダーが手がけている店舗ですが、現状でビジネスとして大受けしている様子もなく、そのメソッドをガンガンに拡大していこうという感じでもありません。

こうやって見てると、恐らくいろんな商業施設に「今流行りのアナログ」の店舗を出したいというニーズはけっこうあるのではないかと思うのですが、レコ―ドだけではやっぱりしんどく、ではそれ以外の関連アイテムも含めてと考えると、そのニーズを完全に満たすだけの受け皿になる企業が今の日本にはFace Recordsというかその運営企業であるFTF以外に存在していないというのが実際なのではないかと。

ということをいろいろ考えていると、現状ではそっちにタッチしていないものの「オーディオユニオン」という業態も持っているディスクユニオンが本気出したら、他は全部死ぬんじゃないかとも思ったり。
ただ、Space Is The Placeもギンザレコードも「中古レコードを日々掘っているような人間」はまるで相手にしていない値付けですので、やっぱりユニオンはこっちには出張ってこないんじゃないかと思います。
ユニオンを信じている。

Tears For Fears「The Tipping Point」のこと

Tears For Fears、17年ぶりのアルバム。1989年に3rd「The Seeds Of Love」をリリースした後の1990年にCurt Smithが脱退して、それ以降2作はRoland Orzabalのソロユニットとしての作品だったわけですが、2004年に再び2人合流してのアルバム「Everybody Loves A Happy Ending」をリリースし、今作はそこから17年ぶりのアルバムということになります。

「Everybody Loves A Happy Ending」リリース時、非常に期待して聴いたものの正直イマイチだなあと思いまして、17年後の今作は正直恐る恐る聴き始めたのですが、今回はよい。
どう違うのかと改めて聴き比べてみたのですが、「Everybody Loves A Happy Ending」は「The Seeds Of Love」の次を作ろうとアイデアを様々ぶち込んだでみたものの、どれも練り切れていない印象で。

一方今回は、そこここに新たなクリエイティブは垣間見えるものの、全体的には1st、2nd、3rdという過去の資産を持ってきてそれらの音を組み合わせたような、既聴感ありつつ何となく気持ちいいところに落とし込んだ音になっているので、非常に安心してゆったり聴けます。

もちろん1stのような若さゆえの焦燥感とか、2ndのような堂々とした空気感とか、3rdのような時間とお金を潤沢に使ったプロダクションはもうここにはありませんが、アルバムタイトル曲のように1stのようなイントロからドラムが入ると2ndっぽくなり、サビ後半は3rd感あるみたいな感じとか、M-5の「Shout」のような「ポップではないけどやたらキャッチ―」なメロ+「Sowing The Seeds Of Love」ばりにローランドの低音Aメロからカートのハイトーンのサビに入る時の気持ちよさとか、とてもTears For Fears。
無理はしてないのですがとても丁寧に作られた楽曲の数々。よいです。

行政区域ごとのDVDレンタル店の数を計測してみたこと

かつてはちょっとした町の駅前にはほぼあったはずのレコードレンタル。
徐々にそれらの店舗は減っていき、CD時代になってチェーンの買収や合併が繰り返された結果ほぼTSUTAYAとGEOに収斂し、そしてそうなった店も徐々に減りつつある今。
お店の動向を観察し続けた結果、現在はそういうお店の数の差が都市によってかなり大きくなってきた感じがしておりまして。
そこで、きちんと値を取ってみようと思いました。行政区域ごとのレンタルの店舗数を。

  • 人口10万人に換算した場合の店舗数を計算しています。
  • 多い方については2店舗以上あるところのみで。人口の少ない行政区域だと1店舗あるだけで特異的に大きな数になってしまいまして、そういうのは省きました。
  • 「市」「東京特別区」に限りました。宮城県涌谷町、福島県棚倉町、沖縄県与那原町等2万人に満たない町にTSUTAYAもGEOもあったりする事例もありますが、それも「特異例」として省きました。
  • 少ない方については「0店舗」の行政区域は入れていません。正味過半数の行政区域は「0」ではありますので。その結果、東京都中央区・文京区・千代田区も入っていません。
  • 個室DVDでレンタルもやってるところとかもありますが、そういうのはカウントしていません。具体的にはCDV-NETのレンタル店一覧に掲載されているレンタル店チェーン・店舗をベースとして、その4/1段階での営業店を基準にしました。

■レンタルDVD店の多い市・区
01.鹿児島県出水市:7.69
02.石川県野々市市:6.99
03.富山県滑川市:6.18
04.佐賀県伊万里市:5.70
05.東京都羽村市:5.52
06.新潟県燕市:5.18
07.福島県会津若松市:5.11
08.岐阜県関市:4.69
09.滋賀県長浜市:4.4
10.愛知県半田市:4.24
11.新潟県三条市:4.23
12.新潟県新発田市:4.21
13.沖縄県沖縄市:4.2
14.栃木県大田原市:4.16
15.北海道千歳市:4.08
16.秋田県由利本荘市:4.02
17.岩手県宮古市:3.97
18.茨城県龍ヶ崎市:3.93
19.宮城県名取市:3.81
20.岐阜県大垣市:3.79

■レンタルDVD店の少ない市・区
01.東京都新宿区:0.29
02.東京都目黒区:0.35
03.東京都府中市:0.38
04.東京都港区:0.38
04.東京都渋谷区:0.41
05.神奈川県茅ヶ崎市:0.41
06.東京都世田谷区:0.42
07.大阪府豊中市:0.50
08.東京都小平市:0.50
09.大阪府吹田市:0.51
10.大阪府岸和田市:0.52
11.東京都日野市:0.53
12.愛知県安城市:0.53
13.東京都立川市:0.55
14.東京都北区:0.56
15.東京都江東区:0.57
16.大阪府東大阪市:0.60
17.兵庫県西宮市:0.62
18.兵庫県尼崎市:0.65
19.東京都杉並区:0.68
20.大阪府茨木市:070

思っていたより結果がはっきり出た。
多い方は地方都市多め。感覚的には倉敷市・福山市が多いと思っていたのですが、そこらへんはそれなりに人口も多いので結果として上位20には入りませんでした。

新潟県の市が多いのはまずTSUTAYAの最大手フランチャイジーのひとつ、トップカルチャーの本拠地であること、もうひとつ「ひらせい」というホームセンターもTSUTAYAを運営していて、県内で2つのTSUTAYAフランチャイジーが競うように出店していることが大きいです。
あと、GEOもありますし中堅チェーンのビデオ1も健在、というかなり特殊な状況のため。

野々市市や名取市はそれぞれ金沢市・仙台市という大都市に隣接した都市で、店の名前も「金沢御経塚店」とか「仙台南店」とかそういう感じなのですが、行政区域で切って値を出していますのでこうなりました。

東海地方は三洋堂書店、滋賀県はサンミュージック等、TSUTAYAとGEO以外でレンタルを実施しているチェーンがある地域はやっぱり総数も割と多めだったりとか。

少ない方の上位は完全に東名阪大都市圏だけということになりました。
新宿区は約35万人住んでいるところにGEO1軒だけ。目黒区は約29万人在住でTSUTAYA1軒のみ。港区は今年に入ってから赤坂・新橋の店舗が次々閉店し、六本木蔦屋書店にはレンタルはなく、残っているのは田町の店舗だけ。

<追記>
TSUTAYA 田町駅前店は2020年の改装の時にレンタルやめていて、「0店舗」地域でした。すみません。

世田谷区・豊中市あたりは、かつては多くの駅前に店舗がありましたが徐々に減り、世田谷区は現状で4店で区内最大店舗はロードサイドの馬事公苑店、豊中市も残っているTSUTAYAはロードサイドの上新田店のみ(GEOも1店舗)。
というか、GEOは大都市圏の真ん中には過去からあまり店舗が多くありませんでしたので、そういうところでも大都市圏は弱い。

で、今日こういう記事が出ていまして。

閉店相次ぐTSUTAYAと、堅調なゲオ。逆風のレンタル業界で差がついたワケ

自分がここでずっと言っていたようなことをコンパクトにまとめてある記事ですが、これに対するSNS等での感想を見ていて思ったことは、生活圏によってTSUTAYAの捉え方は違うよな、という点。

大都市圏内が生活拠点の人にとってのTSUTAYAは、SHIBUYA TSUTAYAのような一部大型店舗や「蔦屋書店」名義の店以外では概ね「レンタル専業」店舗を想起するのに対し、地方に生活拠点がある人にとってのTSUTAYAは、レンタルのみならずCD/DVDや書籍雑誌、文具や雑貨等の販売までを行う総合店舗であることが多く。

GEOが全国どこでも概ね「CD/DVDレンタルとゲーム販売」であることと比べると、TSUTAYAは同じ名前でも業態が随分違います。GEOの大部分が直営なのに対して、TSUTAYAは9割がフランチャイズのため、フランチャイジー企業の考え方や地域特性によって変わってくるのは必然ではありますが、そのせいで各人個々のTSUTAYAのイメージも変わってくるわけで。

まあそれにしても、トップカルチャーはこの1年でレンタルをやめることを公表していますし、大都市圏のレンタル専業店はこれからも続々閉店するでしょうし、TSUTAYAの捉え方の差異も徐々に埋まってくるのではないかと思います。良くも悪くも。