Billboard Japan HOT100の集計が変わったこと

Billboard Japan HOT100の集計のレギュレーションが、上半期から下半期に入るタイミングで変更になりまして。

これによって、「CDの売上数」のチャート全体にかかるウェイトが更に下がることになります。
毎週算出しているチャート、「世間でヒットしている曲を可視化する」ことを最大の目的とするのであれば、「一部固定層による多数枚購入」はその目的から考えた場合むしろ「ノイズ」である、という判断。ある意味正しいと思います。

一方、3年前にCD売上のみだったところを離れて「合算チャート」を作成し始め、徐々にそちらが優先の方向へと進んでいる感のあるオリコンですが、それでもまだ「CDチャート」は捨て切れていませんし、「合算チャート」におけるCD販売数のウェイトも大きめ。

従って、これくらいの違いが出てきております。

Billboard Japan HOT100(6/7付)
オリコン合算シングルチャート(6/7付)

オリコンはまだネットなど何もなかった時代からチャートの算出を行うことで「世間でヒットしている曲を可視化する」ということを行ってきましたが、その根本的な基礎はネットが普及するまではまさに「いかにレコードの売上(実売数)を詳細にカウントするか」ということでした。
星光堂が己のマーケティングや販促をより精緻化するために開発した、リアルタイム性高く売上を把握するシステムをチャートのカウントにも使用したり、様々な試みを行った結果、数値に基づいた一定の信頼を得られるだけのチャートを導き出すことに成功したわけです。

ただ、1980年代以降、そういう仕組みであることをレーベル側も認識して、少年隊あたりから始まる「同タイトルシングルの複数種リリース」や、おニャン子クラブやそのソロ活動で行った「帯の生番組」という当時最も速報性が高いスタイルのメディアを使用しての「リリース初週の販売数の最大化(=オリコン初登場1位化)」を狙ったプロモーションであるとか、その仕組みのある意味「裏をかく」チート的なアクションが普及し始め、その後当たり前になっていきます。

その他、CDシングル時代になって勃発した「何曲入りまでがシングルやねん」問題や「DVD入っててもシングルと呼んでいいのか」問題等、様々な問題に直面しては、恐らくレーベル側と調整を繰り返してきたオリコン、そんなレーベル側との関係もあってか、「ヒットしている曲を可視化する」=「いかに精緻にレコードの売上(実売数)をカウントするか」であるという思考から逃れられなくなってそのままレガシー化してしまっている状況が内部で発生していて、今もそこからどう変わっていけるのか試行錯誤の真っ最中、という気もします。

ただ、じゃあそういうしがらみの薄いBillboard Japanは安泰かといえば、「サブスクやYouTubeにおける一部固定層による多数回再生」を四六時中続ける行為は「一部固定層によるCD多数枚購入」とどう違うのか問題もありますし、SNSでは「中ヒット」くらいだった曲を既存メディアで大展開することで「大ヒット」っぽく見せる技とかも、最近出てきているように思えます。
ファンもレーベルもこれからもきっといろいろ編み出してくるでしょうから、レコード/CD時代と同様かそれ以上の「闘い」が、この先も続いていくのでしょう。割と地獄。

ベテラン勢の最近のアルバムリリースのこと

先日、「山下達郎は10年オリジナル・アルバムを出していない」ということを書いたのですが、その後仲間うちのLINEで「ベテランは総じてあんまり出てなくね?」的なツッコミをもらいまして。
そういえばそうかなと思って、ざっくり1970年代にデビューして今も現役の方々の状況を調べてみた次第。とりあえず「こっち最近3作のオリジナル・アルバムがいつ出ているか」。

■山下達郎
1998:COZY
2005:SONORITE
2011:Ray Of Hope

■竹内まりや
2001:Bon Appetit!
2007:Denim
2014:TRAD

■浜田省吾
2001:SAVE OUR SHIP
2005:My First Love
2015:Journey of a Songwriter ~旅するソングライター

■井上陽水
2002:カシス
2006:LOVE COMPLEX
2010:魔力

■吉田拓郎
2003:月夜のカヌー
2009:午前中に…
2012:午後の天気

■小田和正
2005:そうかな 相対性の彼方
2011:どーも
2014:小田日和

■泉谷しげる
2009:愛と憎しみのバラッド
2014:突然炎のように!
2019:スキル/栄光か破滅か!

■谷村新司
2010:音標 ~Voice to Voice~
2012:NINE
2015:NIHON ~ハレバレ~

■長渕剛
2010:TRY AGAIN
2012:Stay Alive
2017:BLACK TRAIN

■松任谷由実
2013:POP CLASSICO
2016:宇宙図書館
2020:深海の街

■松山千春
2013:生きている
2015:伝えなけりゃ
2017:愛が全て

■矢野顕子
2014:飛ばしていくよ
2015:Welcome to Jupiter
2018:ふたりぼっちで行こう

■中島みゆき
2015:組曲 (Suite)
2017:相聞
2020:CONTRALTO

■さだまさし
2017:惠百福(たくさんのしあわせ)
2018:Reborn ~生まれたてのさだまさし~
2020:存在理由 ~Raison d'etre~

皆さんおよそ60歳台後半以上。正味もう働くのやめて隠居しても全く問題のない年齢です。
でも、「ツアーをこれで最後にします」的なことを仰った方はいても、全面的に引退するとかは聞きませんし、上記は全部オリジナルアルバムで、他に過去音源を新録でやったのとかを出している方もいますし、ツアーをがっつりやられている方も多いですし、テレビで見かける方もいます。
隠居している感のある人はあまりいらっしゃいません。正味、現役でいていただけるというだけでもありがたい。今後もマイペースでいいので是非できるだけの活動継続をお願いしたい次第。

しかしその中で、この5年でオリジナルアルバム3枚リリースしているだけでも他の同年代と比較して著しく突出しているのに、他にも過去音源を新録でやったセルフカバー集3枚リリースし、ツアーをがっつりやり、テレビでもよく見かけるさだまさし。奴は化け物か。

B'zがストリーミング解禁されたこと

遂にB'zがサブスク解禁
Being所属ミュージシャンの楽曲はなかなか出てこない印象強いですが、TUBEの一部楽曲は出ていましたし、大黒摩季は2019年大晦日に所属期の音源解禁、今年3月に倉木麻衣の「コナン」関連楽曲24曲が解禁されたという動きはありましたので、決して事務所として全否定ではない、ということは解っていました。
が、それ以外は実際出てきていなかったのも事実。
それがここに来て親玉B'zが全解禁も全解禁、本体全曲、2人のソロや部外活動も全ての880曲一挙解禁という、今まで何だったんだ状態の徹底的なだだ漏れです。

恐らくこれでみんながすごい勢いで再生すると思いますので、事務所側もこれに気をよくして考えを改め、ZARDとかT-BOLANとかもぐいぐい解禁していただけることを期待しています。
ZARDなんか「CDまでは買わない」とか「聴きたいと思ったからBOOKOFFに行く」層を相当に持ってこれるのではないかと思います。
「負けないで」だけでもどんだけ再生されるんだっていう。

これで「サブスクやらない」勢の大きな山がひとつ崩れたわけで、では大きな山としてどこらへんが残っているかというと、

・ジャニーズ所属グループ(嵐以外)
・アップフロント所属グループ・ミュージシャン
・山下達郎全部&竹内まりやの大部分
・ブルーハーツ&ハイロウズ&クロマニヨンズ
・マキシマム ザ ホルモン
・中島みゆき(一部楽曲Amazonのみ解禁)
・CHAGE AND ASKA

メジャーなところではここらへんでしょうか。
ジャニーズは、嵐を全編英語詞&海外作家引っ張ってきたりしてのそこらへん周りは解禁していたりしますので、これ完全にビジネス判断であることは間違いなく、今後仕掛けたり仕掛けなかったりした結果、例えばキンプリがアジア全域で大人気になったりしたら、速攻キンプリ解禁しそうな、そういう雰囲気は感じます。

アップフロントも総じてビジネス判断だとは思うのですが、ハロプロ関連だけなら完全にそう判断できるものの、在籍時のKANの1990年以降の音源や演歌系までその相当数が対象ですので、ジャニーズよりは何らかの感情込みというか「意地」も感じられます。
ただ、森高千里は普通に解禁されていますし、今見てみたら先日まではなかったはずのスターダスト☆レビューが相当数解禁されていましたので(確認したら3月24日配信開始)、背に腹は代えられん感じで。
今後はハロプロだけに絞り込む気でしょうか。それとも全解禁に向かうのでしょうか。

ヒロト&マーシーの一連のバンドやホルモンはもう「レコードで売りたい」という意志のもとでしょう。クロマニヨンズなんかリリースの度にアナログ盤もリリースしていますし、相当なこだわりです。止むを得ない。

中島みゆきは多分、一定期間はAmazonだけ、みたいな契約があるんじゃないかと思いますが、山下達郎&竹内まりやはこれ正味の話、時間の問題ではないかと思っています。
今年に入ってこういうニュースが出てきているので。

もうこれ断る理由がないと思うのですが、いかがでしょうか。
というか、山下達郎氏、オリジナル・アルバムはもう10年出ていませんし、新曲も2019年の「RECIPE」以降リリースなし。決して多作ではないにしてもここ最近間が開きすぎ。
もちろん、セッションも簡単にできない今の世の中、録音も容易ではないでしょう。かといって、何もしてないとも思えない。
正味の話、過去音源をひたすらストリーミング用にマスタリングし直しているのだとしたら、辻褄合うのではないかと思っているのですが。
どうでしょう。どうなんでしょう。

GEOの新業態「GEO SPEED」が速攻で終わること

GEO SPEED 祖師ヶ谷大蔵店が6月30日に閉店します。

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「GEO SPEED」は、GEOが2019年に立ち上げた新業態。
こういう感じで、スマホで発注してから店舗に行って指定されたロッカーを開けると発注したDVDが入っている仕組み。
2019年10月24日に調布市仙川、同年11月27日に世田谷区祖師ヶ谷大蔵に店舗を立ち上げたのですが、仙川の方は翌年3月31日に半年も持たずに閉店し、そしてそこから1年ちょっと、祖師ヶ谷大蔵店も閉店ということで。

この惨状について少し考えてみたのですが。
まず出店した立地。双方とも都市の中心ではないが郊外でもない、そこそこの住民を持つ街で、昔から住んでいる古い住民もいれば学生もいるような、老若男女入り乱れて生活している感じの街。そして駅前商店街がまだそれなりに機能している街で、GEOもその商店街に出店する形。
恐らくは非常にテストケース的にそういう似た状況の場所へ出店したのだろうと思います。
駄目なものは駄目でしたけど。

こういうコンセプトの店舗、要するに「いかに人件費を抑えるか」という課題に対しての回答であるわけで、スマホで専用WEBサイトにアクセスして発注して、店舗はそのピックアップを行うのみの場所。店舗としてはバックヤードに1-2人がいれば回る仕組みでしょう。人件費はかなりカットできます。

ただ、こういう業態の場合、店舗にかかる人件費の代わりに発注用のWEBサイトの運用維持のコストはかかってきます。で、そういうWEB系のコストはサーバ増強以外の部分はおよそ固定費ですから、ある程度以上の規模になって初めてスケールメリットが発揮されるわけです。

この新業態はある程度の規模を伴っていればいるほど利益率が上がるものの、正味1-2店舗でのみ使用するだけであれば、大したコストカットは見込めません。
きっとGEOは仙川店・祖師ヶ谷大蔵店の状況を見ながら徐々にGEO SPEED型店舗を増やしていきましょう、みたいな青地図を描いていたのではないかと思います。
なので、仙川店が半年足らずで力尽き、その後同じ業態の店舗が増えていかなかった状況、祖師ヶ谷大蔵の店舗も正味「時間の問題であった」と言わざるを得ません。

かくして仙川地域からも祖師ヶ谷大蔵地域からも「レンタル」という業態が消滅ということになります。
仙川の場合、隣駅の千歳烏山にTSUTAYA、逆の隣のつつじが丘にはGEOの通常店舗がありますが、祖師ヶ谷大蔵の場合は狛江のGEOか馬事公苑のTSUTAYA。いずれも祖師ヶ谷大蔵の店舗からは2.5km以上離れたロードサイド型店舗で、首都圏では代替店舗として使えるレベルではありません。

元々小田急沿線はGEOがさほど強くなかったところに、小田急商事が2018年にTSUTAYAのフランチャイジーから手を引いたことで一気にすっかすかになりまして、小田急沿線都内ではこれで「駅前型」のレンタル店舗自体が全滅です。
地方では「市内に1店だけだったレンタル店舗が閉店した」みたいな感じでレンタル空白地域がどんどん生じていますが、都内でもそういう地域が都内なりの規模で増加しているわけです。

ただ、ことGEO SPEEDについては、後出しで言ってしまえば「ネット活用と実店舗の悪いとこどり」だったような気もして、こうなるのも詮無いかと。
そして「省コスト型店舗」のテストケースが失敗したことで、いよいよ業態全体が待ったなし状態。
正味、粛々とウォッチし続けるのみです。

Weezer「Van Weezer」のこと

まさにそのタイトルのような、そういう作品を制作しているということは既に2年ほど前から明らかになっていたアルバム
馬鹿だなあと思いつつワクワクしながら聴いたのですが、やっぱりWeezerはWeezerでした。
ライトハンドとかそれっぽいギターエフェクト等そういう系統の「おかず」は確かにふんだんに盛り込まれているのですが、四半世紀以上一切ブレずに活動してきたバンドが、多少の脚色で「違う」音になるはずもなく。

まず全10曲31分といういつも通りの尺。HR/HM系の音であればもう少し長くなってもいいはずなのですが、そもそも各曲イントロはそういう方向性ではあるものの、ギターソロ入りの間奏がほとんどなく、曲の終わりもHR的にセッション風に長々やることなく実にスパっと終わります。長くなりようがない。ここらへんの「いつも通り」加減がやっぱりWeezer。

メタルらしい間奏って「1 More Hit」くらいでそれもスラッシュメタル系、「She Needs Me」の間奏なんてこれハードロックというよりはもっと直系の先祖であるパワーポップ系の風情。全体的にパワーポップですけど。「Hero」の間奏の、一応早弾きっぽい演奏はしているものの上にコーラス乗っかっているところは何となくCheap Trickっぽい。

要するにこのアルバムは、1stアルバムにして「Weezer節」を確立してしまい、己のみならずその後の世界中のギターバンドの物差しのひとつにさえなってしまったバンドが、ここに来てHR/HMのみならず過去の個人的ルーツをぶっ込みまくりの全開にしてみたものの、結局四半世紀以上磨いてきたコアがブレることはありませんでした、というそういうことなのではないかと。
それでもその全開っぷりはとても愛しく、ここ何年かの彼らの中では出色の出来のアルバムになったのではないかと思います。やっぱ何つうか、楽しそうなんだよ。

フタバ図書がTSUTAYAになること(2)

広島拠点のCD/DVDの販売やレンタルも手掛ける総合書店、フタバ図書。
割と業績がよろしくなくなってきたところに割と滅茶苦茶な粉飾決算が明るみに出たりして、結局自力での再建を諦め、主力事業を広島県が100%出資したファンド運営会社に譲渡、そのファンドに蔦屋書店も出資する流れで、フタバ図書のほとんどの店舗がTSUTAYA化されることが決まっています。

その転換第1弾として4月9日(金)にGIGA五日市店が「フタバ図書 TSUTAYA GIGA五日市店」としてリニューアルオープンする、というところまでが前回の範囲でしたが、先の予定がある程度出てきたので続き。

以下、TSUTAYA化が決まった店舗。

05月20日:フタバ図書 TSUTAYA 五日市福屋店
05月27日;フタバ図書 TSUTAYA 広大前店
06月03日:フタバ図書 TSUTAYA 大竹店
06月10日:フタバ図書 TSUTAYA GIGA宇品店
06月17日:フタバ図書 TSUTAYA GIGA防府店
06月24日:フタバ図書 TSUTAYA GIGA福岡春日店

きっかり週1で1店舗変更。確かにこのペースで行ければ年内に26店舗のリニューアルも可能。これで当面は安泰。のはずなんですけど、前回書いた通り、やっぱり過去の類似案件、「すみや」の事例がチラつくわけです。

こちらもおよその流れは前回書きましたが、今回のフタバ図書のように「すみや」から「TSUTAYAすみや」名義に転換されたのが2007年の4月から11月頃。
それでそのままどの店も幸せであったらよかったのですが、それらの転換店舗の2/3近くは2010年頃までには速攻で閉店ています。
一部の方に熱烈に愛されていたサウンドトラック専門の渋谷店も2008年早々に閉店しました。
また元々すみや本店だった静岡市の繁華街の店舗は2014年に移転後、2018年にはTSUTAYAの大手フランチャイジーのトップカルチャーに譲渡されてしまい、その直後に「蔦屋書店 静岡本店」という名義に変更、一応店舗は今もありますが元々のすみやの跡形もありません。
そして2007年に転換で「TSUTAYAすみや」となった店舗は約40あったにもかかわらず、2021年の段階でその名義のまま現存しているのは、

TSUTAYA すみや 大仁店(伊豆の国市)
TSUTAYA すみや 磐田南店(磐田市)
TSUTAYA すみや 三島店(駿東郡清水町)

以上3店舗のみという風前の灯火状態。

TSUTAYAへの譲渡対象ではなかった楽器販売や教室業務は「すみやグッディ」という別会社となり、そちらは今も静岡の繁華街はじめ6店舗といくつかの教室を運営してるので、「すみやが消滅した」という状況ではないのですが、CD/DVD販売についてはそんな感じ。

一方業態のほぼ全てがTSUTAYAと被っているフタバ図書は、CD/DVD販売やレンタル自体が業態として風前の灯火な状況下、この後どうなっていくのでしょうか。
正味、よい気持ちにはなれんですね。当然。

Dry Cleaning「New Long Leg」のこと

グランジがブームになる以前のオルタナティブの匂いがするバンドが4ADからリリースしたニューアルバム

NirvanaとPearl Jamを筆頭に、1991年頃から「グランジ」と呼ばれる音楽カテゴリがブームになったわけですが、それ以前からオルタナティブな指向性のギターバンドはたくさんおりまして。
で、グランジの以前と以後の決定的な差異は、ユーモアというか緩さというか、何となく「抜けた」部分の有無だと思っています。

グランジ以前から活動しているPixiesとかDinosaur Jr.とかMudhoneyとかJane's Addictionとかは、そういうどことなく抜けた結果の軽み、ファニーさすら感じられる部分をその音楽性に内包していたのが、NirvanaやPearl Jamは皆無とは言わないまでも成分としては少なめ。
その「純粋に近い」分だけ訴求力も強く、だからこそブームになり得たのであろうとも思うのですが、やっぱそういう姿勢を貫き続けるのはとてもしんどいことで、だからこそ「グランジ」というカテゴリも急速に収束し、当事者もいろいろ大変なことになったりしたのかなあ、と思っています。

そして今、もはや「ギターバンド」というスタイル自体が「オルタナティブ」になってしまった時代に、かつてのオルタナティブの「ノリ」を持ち得ているこういうバンドが、しかもUKから登場するのが面白いなあ、と。
そしてこういう音をフックアップしているレーベルが4ADというのは、もう全くブレてなくて最高です。

「PixiesとかDinosaur Jr.とかMudhoneyとかJane's Addictionとか」って、要するに私の思春期を直撃していますので、まあ単にそういうことなんですけどね。

緊急事態宣言下のCD店のこと

緊急事態宣言が出た4都府県のCDショップの営業状況。

タワーレコード

<休業>
渋谷店(4/25-当面の間)
池袋店(4/25-当面の間)
新宿店(4/25-当面の間)
アリオ亀有店(4/26-緊急事態宣言終了まで)
錦糸町パルコ店(4/25-当面の間)
ダイバーシティ東京プラザ店(4/25-当面の間)
ららぽーと立川立飛店(4/25-当面の間)
町田店(4/25-当面の間)
京都店(4/25-5/11)
梅田大阪マルビル店(4/25-当面の間)
梅田NU茶屋町店(4/25-当面の間)
あべのHoop店(4/25-5/11)
もりのみやキューズモール店(4/25-緊急事態宣言終了まで)
北花田店(4/25-当面の間)
高槻阪急店(4/25-当面の間)
くずはモール店(4/25-5/11)
アリオ八尾店(4/25-当面の間)
神戸店(4/25-5/11)
ららぽーと甲子園店(4/25-当面の間)

<時短営業>
リヴィン光が丘店
八王子店
難波店
明石店

<通常営業>
秋葉原店
吉祥寺店


HMV

<休業>
HMV&BOOKS 渋谷(4/26-当面の間)
HMV&BOOKS 日比谷(4/25-5/11)
HMV&BOOKS 新宿(4/25-休業要請終了まで)
HMV record shop 渋谷(4/25-5/11)
HMV record shop 新宿(4/25-5/11)
HMV record shop 吉祥寺(4/25-当面の間)
HMVエソラ池袋(4/25-当面の間)
HMV立川(4/25-当面の間)
HMVららぽーと豊洲(4/25-当面の間)
HMV SPOT 有明ガーデン(4/25-当面の間)
HMV洛北阪急スクエア(4/26-5/11)
HMV&BOOKS 心斎橋(4/25-当面の間)
HMVグランフロント大阪(4/25-5/11)
HMVららぽーと和泉(4/25-当面の間)
HMV阪急西宮ガーデンズ(4/25-5/11)
HMVイオンモール伊丹(4/25-当面の間)

<時短営業>
HMV三宮オーパ
HMV&BOOKS SPOT 伊丹空港


新星堂

<休業>
アリオ葛西店(4/26-当面の間)
アルカキット錦糸町店(4/25-当面の間)
阿佐ヶ谷店(4/25-5/11)
アトレ吉祥寺店(4/25-当面の間)
国分寺駅ビル店(4/25-当面の間)
ルミネ立川店(4/25-当面の間)
イオンモール高の原店(4/25-5/11)
天王寺ミオ店(4/25-当面の間)
難波店(4/25-5/11)
京橋店(4/25-当面の間)
イオンモール四条畷店(4/25-5/11)

<時短営業>
武蔵境ヨーカドー店
昭島店
明石ヨーカドー店


山野楽器

<休業>
西武池袋店(4/25-5/11)
小田急新宿店(4/25-当面の間)
成城コルティ店(4/25-当面の間)
イオンモール東久留米店(4/25-5/11)
調布パルコ店(4/25-当面の間)
南町田店(4/25-当面の間)
セレオ八王子店(4/25-5/11)
イオンモール鶴見緑地店(4/25-5/11)
リノアス八尾店(4/25-5/11)

<通常営業>
銀座本店
府中フォーリス店


■バンダレコード

<時短営業>
イトーヨーカドー赤羽店

<通常営業>
イオン板橋店
LIVIN田無店

■JEUGIA

<休業>
イオンモール久御山店(4/25-5/11)
上本町近鉄店(4/25-5/11)
イオンモール茨木店(4/25-5/11)

<通常営業>
三条本店
[ Basic. ]


こんな感じ。
正味、ほとんどの場合テナントとして入っている商業施設全体の方針に沿った形です。多くのショッピングモールや都市部の駅近くの商業施設の場合、営業するのは食品と飲食のみで、概ね専門店は休業というのが多いのですが、ヨドバシカメラは「我々は社会生活の維持に必要である」という自己評価なのでしょう、テナント含めて普通に営業する方針のようで、都内のタワレコ秋葉原店と吉祥寺店は通常営業。
山野楽器とかJEUGIAとか自社の店舗を持っている場合は当然のように「我々は社会生活の維持に必要である」という判断だったり。非常に納得度高い。

TSUTAYAの各店舗までは頑張れなかったんですけど、SHIBUYA TSUTAYAは時短で営業していますので、ゴールデンウイークに23区内でどうしてもCD/DVDを買わなければいけない場合、山野楽器本店かSHIBUYA TSUTAYAかタワレコ秋葉原店に行きましょう。

「筒美京平の世界 in コンサート」@東京国際フォーラムのこと

18日は「筒美京平の世界 in コンサート」@東京国際フォーラム。

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正味、エゲツないコンサートでした。というか初めて観たよこんなコテコテの「歌謡ショー」。

指揮者(船山基紀氏)率いる管弦含めて20名以上のフルバンドがドカンと一発音を出した時の「圧」がまずすごい。
そしてそこから始まるこれもんの曲の数々。曲名の後はこのコンサートでの歌唱者、カッコ内は原曲の歌唱者。
つまりカッコがないのは本人が登場しての歌唱ということです。

<前半>
01.ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ) / 伊東ゆかり
02.誰も知らない / 伊東ゆかり
03.雨がやんだら(朝丘雪路) / 夏木マリ
04.真夏の出来事 / 平山三紀
05.芽ばえ / 麻丘めぐみ
06.わたしの彼は左きき / 麻丘めぐみ
07.赤い風船 / 浅田美代子
08.にがい涙(The Three Degrees)/ AMAZONS
09.セクシー・バス・ストップ (浅野ゆう子)/ 野宮真貴
10.ロマンス / 岩崎宏美
11.木綿のハンカチーフ / 太田裕美
12.九月の雨 / 太田裕美
13.東京ららばい(中原理恵)/ 森口博子
14.リップスティック(桜田淳子)/ 森口博子
15.青い地平線 / ブレッド & バター
16.哀愁トゥナイト(桑名正博)/ 大友康平
17.セクシャルバイオレットNo.1(桑名正博)/ 大友康平
18.センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代
19.夏色のナンシー / 早見優
20.あなたを・もっと・知りたくて(薬師丸ひろ子)/ 武藤彩未
21.卒業 / 斉藤由貴

<後半>
22.Romanticが止まらない / C-C-B
23.Lucky Chanceをもう一度 / C-C-B
24.WAKU WAKUさせて(中山美穂)/ AMAZONS
25.なんてったってアイドル(小泉今日子)/ 伊藤純奈・樋口日奈<乃木坂46>
26.Oneway Generation(本田美奈子)/ Little Black Dress
27.抱きしめてTONIGHT(田原俊彦)/ 藤井隆
28.人魚 / NOKKO
29.AMBITIOUS JAPAN!(TOKIO)/ ROLLY
30.男の子女の子 / 郷ひろみ
31.よろしく哀愁 / 郷ひろみ
32.甘い生活 / 野口五郎
33.GOOD LUCK / 野口五郎
34.時代遅れの恋人たち / 中村雅俊
35.海を抱きしめて / 中村雅俊
36.たそがれマイ・ラブ / 大橋純子
37.飛んでイスタンブール / 庄野真代
38.モンテカルロで乾杯 / 庄野真代
39.さらば恋人(堺正章)/ 松崎しげる
40.魅せられて / ジュディ・オング

<アンコール>
41.オレンジの雨 / 野口五郎
42.シンデレラ・ハネムーン / 岩崎宏美<後半:松本伊代/早見優/森口博子/武藤彩未/Little Black Dress>
43.また逢う日まで(尾崎紀世彦)/ 松崎しげる<後半:全員>

そしてバックバンドのメンツがこれもん。

船山基紀(指揮)
中西康晴(Keyboards)
安部潤(Keyboards)
土方隆行(Guitar)
増崎孝司(Guitar)
吉川忠英(A.Guitar)
高水健司(Bass)
山木秀夫(Drums)
斉藤ノヴ(Percussion)
AMAZONS(大滝裕子・斉藤久美・吉川智子)(Chorus)
ルイス・バジェ(Trumpet)
竹内悠馬(Trumpet)
鍵和田道男(Trombone)
アンディ・ウルフ(Saxophone)
石亀協子Strings

まずこれだけの歌い手とバンドマンがひとつの場に集まること自体が普通に考えたらもうあり得ない。
これ要するに今こういう状況で、大きなコンサートやツアーがあんまりない状況だからこそみんながここに集まれたという奇跡的な流れもあったわけで。

とにかくそれでこれを観られました。
次々にスターが出てきてはみんな知ってるヒット曲を続々と披露する。これ、ものすごく濃いんですよ。クラクラするくらいの数珠繋ぎ。すごいんですよ、昭和のスターは。
で、やっと平成デビューがいたと思ったらROLLYだし。濃いわ。
本人じゃないところの歌唱で、乃木坂の2人、武藤彩未、Little Black Dressという若い女性も出てくるわけですけど、スクリーン映像用のカメラがこの時だけはすごい寄る。いろいろ事情があることも理解する。昭和ですもの。

筒美京平先生の曲だけ。もうそれも堪能しまくりですが、自分の中では彼の曲に「ヒネり」が加わったのは70年代末頃からと思っていたのが、前半のほぼ時系列で並べられた流れで聴くと麻丘めぐみの「芽ばえ」のサビラストの「離れないわ」の節回しは改めて聴くと相当にトリッキーだとか、いろいろ気付きもあったり、そっち方面もやたら面白い。もう楽しくて仕方がない。

出演者の中での個人的なMVPは、まさにデビュー当時の空気感を歌唱から佇まいから完全再現してしまった斉藤由貴。さすが大女優。
ピンポイント的なMVPは髪型をデビュー当時に寄せてきた松本伊代でしょうか。

正味、観たことないどころか普通に生きていたら観ることのなかった方々までバンバン出てくる見どころだらけの凄いコンサートだったのですが、ベタなところで何が一番自慢できるかと考えたら、ジュディ・オングのあの衣装とあのアクションを生で観たということでしょうか。観たよ。俺観たよ。

フタバ図書がTSUTAYAになること

会社自体曰く「40年もやってないもん」ということですが、言うても長いこと粉飾決算を続けていたことは事実であったということで、正味もうどうしようもなくなった、広島を拠点に書籍やCD/DVD販売やレンタルを運営しているフタバ図書。
とりあえずバタバタと店舗を閉めまくっていましたが、その程度でどうにかなるレベルではなく。

遂に自力では如何ともし難く、主力事業を広島県が100%出資したファンド運営会社に譲渡する形となりました。
で、そのファンドに蔦屋書店も出資する流れで、店舗をTSUTAYAのフランチャイズにぶち込み、その第1号として、フタバ図書 GIGA五日市店がこの4月9日に「フタバ図書 TSUTAYA GIGA五日市店」としてリニューアルオープン

今年中に26店舗置き換えるということですが、数えてみたらほぼ全部。
正直このドタバタを聞いた時、既に駅前の再開発が発表されているGIGA広島駅前店はもうきっと長くないだろうし、このまま閉店なのだろうなと思っていたのですが、どうも数に入っているっぽい。

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広島駅周辺地域のある意味ランドマークみたいな存在ではありますし、架け変える看板代分だけでも稼げれば、ということでしょうか。

しかし、「フタバ図書 TSUTAYA GIGA五日市店」という名前を見た時に思い出したのが「TSUTAYAすみや」。
静岡を拠点にCDや楽器の販売店としてそれなりの店舗網を持っていたすみや。
特に表立っての不祥事や悲惨な状況はなかったはずなのですが、手を出したエレクトロニクス系のお店がうまく行かない等で全体的に経営が芳しくなく、2006年に株式の2/3をCCCが引き受ける形で連結子会社化。
その後、2010年には完全子会社になり、さらに全事業をCCCに譲渡する形で完全に会社消滅という道をたどったわけですが、要するにフタバ図書もいずれそうなるのではないかと、そう思うわけです。
何年か、フタバ図書として転がして、従業員の風土とかを徐々にTSUTAYAに寄せていき、よきタイミングで一体化する、みたいな。

と、考えたんですけど、書籍販売・CD/DVD販売・レンタルというこのあんまり明るくない事業群を、10年前ならともかく、今の段階で更にかき集めるというのはビジネス的にどうなんだろうという気もしなくはなく、正味どういうつもりで投資して、TSUTAYA化するのかはわかりません。

というか、ここまで広島市や呉市あたりまでは、レンタルはフタバ図書が強く、TSUTAYAがなかなか大きく入り込めない地域ではありまして、代わりに福山市にやたらとTSUTAYAがあったりするのですが、今回これで遂に広島市を実質的に攻略ということにはなりますので、自分が経営側だったらちょっと気持ちよくなると思います。
だから経営とかマネージメントとか向いてないんです、自分。