「GEOYA(ゲオヤ)」のこと

CD店やレンタル屋の開店閉店情報の集約に、各地の地域情報ブログはけっこう大事な情報源なのですが、巡回しているそのひとつにこんな情報が。

GEOの新業態「GEOYA(ゲオヤ)」が蓮根と南常盤台にオープンするみたい。

TSUTAYAは、図書館業務の委託やT-SITE等のテナント型店舗によるBtoB業態を拡大する一方、従来の店舗型BtoC業態としては、レンタルと書籍販売の総合書店型の閉店はさして多くないものの、レンタルのみの小型店舗の閉店割合は非常に多く、また新規オープンのほとんどは書籍販売の専門店でありまして、あからさまに書籍販売の方に比重を高めています。

一方、GEOはBtoB型の業態をほとんど持たない一方、店舗型BtoC業態は、TSUTAYAのような書籍販売との併設店はあまり多くなく、代わりにほとんどの店舗がレンタルと共にゲーム販売を行っているわけですが、ゲームの方が現状全体的に悪くないためか、閉店はあまり多くありません。
ただし新規オープン店はこっちもやっぱりレンタル取扱いの店は多くなく、総合リサイクルショップの「セカンドストリート」名義の店が大部分。

ただGEOの場合、そういう総合リサイクルショップの業態というのは、BOOKOFFが本・CD・ゲーム以外のリサイクルにも手を伸ばした業態であるBOOKOFF SUPER BAZAARと丸被りでありまして、またそういう総合リサイクルショップは各地方に既にローカルチェーンもあったりしまして、正味どっちかと言えばレッドオーシャンな感じで。

とはいえ、GEOもそれはわかっておりまして、GEO、セカンドストリート以外にも、ブランド品の中古売買やレンタルを手掛ける「おお蔵」や文具のディスカウント販売の「文具のブンゾウ」等の様々な業態を立ち上げています。

で、新業態の「GEOYA」です。

ここまでは中古販売だったり総合書店型の店舗の多くでは文具も扱っていましたので、別業態も概ね「延長線上」ではあったのですが、この「GEOYA」はもう全く新しい形。
いや、最近のGEOはレジ前でお菓子等を結構なスペースを取って展開していたりもしましたので、そこの拡大型と考えればそうと言えないこともないのですが、ものすごく平たく言えば駅構内の売店の街中への展開という感じ、なのか。
でも駅構内の売店業務がどんどん大手コンビニに委託されている中ではむしろ逆行している感もあります。ていうか「焼いも」って何だよ。

要するにコンビニ業態から事前の施設への投資や流通等の大型コストが不可避な日配品関連をカットした形、ということになりますが、正味「これが会社の未来を担うんじゃ!」ほどの気合いでもって立ち上げたものではないと思います。今後の企業としての生き残りを模索するにあたっての観測気球的な側面が大きいのでではないかと。

セルフレジ形式云々というところから、仙川と祖師ヶ谷大蔵の2店舗を立ち上げて速攻で仙川の方が死んだ無人レンタル業態の「GEO SPEED」も、もしかしたらそのデータ収集の役に立っていたのかもしれません。
半年で死んだGEO SPEED 仙川店も、無駄死にではなかったと信じたい。

タワレコとHMVの店舗が閉店すること

1月25日、HMV SPOT あべのキューズモール閉店。
3月7日、TOWERmini 汐留店閉店。

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遂に来た、という感じです。
というのは、TSUTAYAとか個人店がバタバタ沈んでいく中、HMVもタワーレコードもここ数年ほとんど「閉店」してなかったんです。

HMVはここ3年で閉店したのは
HMVイオンモール船橋(2018/03/19閉店)
hmv BOOKS store ミーツ国分寺(2019/03/24閉店)
以上2店のみ。
国分寺の方はそもそもほとんど本屋でCDは棚ひとつ分程度の扱い程度、それでもミーツ国分寺という商業施設自体がなかなかのシオシオっぷりだったため、書店としても行き詰まった結果。

タワーレコードに至っては
TOWERmini 西武船橋店(2018/02/28閉店)
のみで、それも西武船橋店自体が閉店するに伴ってのもの。タワレコ自体はむしろこの3年で3店舗新たにオープンさせている状態。

正味、CDとかパッケージの状況的に考えて経営状況が麗しいはずもないのですが、そこはそれ、様々な企業努力で維持してきたわけです。


ただ、こういう今の状況下、如何ともし難いところもあります。
特に今回のあべの、汐留の閉店は、その位置付け、ロケーションによるものと考えます。

あべののHMV SPOTはびっくりするくらい小さな店舗で、正味陳列して販売というよりは予約商品の受け取り窓口という役割だったのですが、やはり繁華街に出向くというアクションが激減してしまった今、予約商品をわざわざ受け取りにいくくらいなら通販で買うわ、という方も多かったのではと思います。

汐留のタワレコも小型店舗ですが、こっちは一応見て回るくらいの広さはある店舗。ただ、汐留・新橋のショッピング等の周回ゾーンからは微妙に外れ、というか銀座のすぐ横であり、買い物したかったらハナからそっち行くわ状態の街でして、周囲の通行は近辺のオフィスへの通勤や地下鉄の乗り換えが圧倒的に多いというエリアにあります。そりゃてきめんに人は減ります。

ということで今回の2大チェーンの閉店は、非常に特徴的な位置付けの店舗がその特徴が故に閉店するという事例ですが、今後チェーンとしてどうなっていくかはもう考えたくもない。

アメリカのレンタルチェーンFamily Videoのこと

これで本当にアメリカのレンタルビデオチェーンがほぼなくなります。

全米最大のレンタルビデオチェーンだったBlockBusterは2010年に経営破綻、店舗網の大部分を閉じ、さらに2014年までに残った直営店はすべて閉店しました。その際、結構な数の方々が「これでアメリカからビデオレンタルがなくなった」的なことを仰っていたのですが、実際はFamily Videoが北米一体(主に中部から東部)に700程度の店舗網を有していました。

ただ、Blockbusterは全盛期には国内3000店舗を有し、大都市の目立つところに店舗を構えていたところもあったため、「なくなる」ことも非常にわかりやすかった一方、生き残っていたFamily Videoは、主に内陸部の地方都市郊外を主戦場として店舗展開していたため、アメリカ在住の日本人の方の多くは大都市圏の在住であることもあり、Family Videoはそもそも目に留まりにくいチェーンであったことは間違いないと思います。
しかし、その生き残ったはずのFamily Videoも遂に終焉を迎えます。

米国最大の映画レンタルチェーン「Family Video」が事業終了へ

他に残っているチェーンないか、さらっと確認してみたのですが、Hollywood Videoは2005年にMovie Galleryの傘下に入り、そのMovie Galleryも2010年にはクローズ。
West Coast Videoは2009年までにほぼ全店が閉店、その他アメリカで営業していた主な店舗型レンタルチェーンは、およそ2010年代前半の段階で倒産ないしは業転しているようです。

唯一、ショッピングモールや空港や駅などの拠点に自販機型のレンタル機を設置して運営を行っているREDBOXは、2018年6月の時点で40000か所以上に設置していることは確認できていて、今もまだ営業を続けているはずです。
が、最新状況を確認しようと公式サイトにアクセスしようとしたところ、403エラー
ページは存在しているものの、現状で不特定多数へのアクセスを制限している設定になっているものと思われます。
こういう状況になっている場合、そのページの企業が真っ当である可能性は極めて低いので、結構本気でドキドキします。

で、他に世界で頑張っているレンタルチェーンはあるのかと少し探してみたのですが、世界中100店舗以上の規模で営業継続している事例は、REDBOXと同様の自販機型で営業を継続しているオーストラリアのVIDEO EZY以外に見当たりませんでした。日本のTSUTAYAとゲオ以外。アジアとかどっかの国とかに他にもありそうな気はするのですが、それを見つけ出すほどの検索スキルは自分にはありませんでした。
ともあれCDがまだ売れる謎の国日本ですが、レンタルもまた同様の傾向であることは間違いありません。

ただ、NETFLIXはアメリカ国内ではDVD郵送型レンタルのサービスを続けていますし、実際ネットで見られる映画よりも郵送型の方が品揃えがいいという話もあったりします。
店舗は消えても、パッケージのレンタルという形は、もう少し続くことになりそうです。

REDBOXのページが403でドキドキしましたが、日本は静岡のCD店チェーン、イケヤの公式サイトは403や404ではないものの、ここ数か月ずっとこんな感じで、これはこれでドキドキしています。

年末年始のアルバムチャートのこと

年末年始の日本の音楽チャートが出ていました。
1月1日リリースの瑛人のアルバムはオリコン11位ビルボード9位
12月24日が実質的なフラゲ日で店頭に並んでいましたので多少割れたとは思うのですが、オリコンの初週は31位。多くの人がフラゲ日にがっついて買った感もなく。

SNS経由でブレイクした前例のCDアルバムの売上を確認してみましたが、

2020/05 Novelbright / WONDERLAMD(最高8位・約8,000枚)
2020/07 ヨルシカ / 盗作(最高2位・約64,000枚)
2020/08 ずっと真夜中でいいのに。/ 朗らかな皮膚とて不服(最高2位・約33,000枚)

確かに瑛人は年末年始あれだけ音楽番組に出演し、さらにバラエティにまで出たしもしてあれだけ一般層にまで届いているように見えてこれっていうのは一瞬ちょっと意外でしたが、ただ確かに「香水」のヒットは完全に「楽曲」として伝播したものではありました。

で、さっきテレビ見ていたらやっぱりバラエティにまで出演してしまったYOASOBIは1月6日にCDリリースしたばかりですが、彼女たちはそのCDリリース形態が4000円以上する限定盤のみということから、ハナからCD売上を伸ばそうという気はないのかなと思いますし、実際すごいCD売上枚数にはならないと思います。もうそこに物差しを求めてはいけない時代です。

ただ、瑛人もYOASOBIも普通にテレビに出てくるところは、まだギリギリそういう世代なのかなと思います。
あともう一回りしたら、地上波テレビに何の価値も抱かない世代が出てきます。
その頃自分がそういうポップスについていけるのかどうか、正直自信はないのですが、頑張ります。

2020年のアルバム10枚のこと

2020年の10枚。

Creeper / Sex, Death & The Infinite Void
かっちょいいのだけど「シンプルなロックンロール」ぽい瞬間はあってもとてもそれとは断言できない、何かいろいろ含みまくった謎の音源。

Beabadoobee / Fake It Flowers
鉄板ですが。みんな大好きだと思います。抗えないよこれは。

Fontaines D.C. / A Hero's Death
時々こういう音を欲するときがあるのです。派手に燃え上がることはないけれど、むしろそれより熱い静かな青い炎のような音。

Nothing / The Great Dismal
2020年シューゲイザー大賞受賞。

上坂すみれ / Neo Propaganda
いかれた美少女がいかれたミュージシャンたちが作った楽曲を歌ったら、案の定いかれたアルバムになりました。MVの曲は志磨遼平作詞作曲。

イヤホンズ / Theory of evolution
初回限定の2枚組CD限定で。サブスクの8曲をただ聴くだけだと全てはわからない、楽曲の構造がパッケージの購入促進策になっているという凄い事例。

マハラージャン / ちがう
今年秋以降、CD化されたりアナログ化されたり、急にざわざわし出してドキドキしています。

ROTH BART BARON / 極採色の祝祭
根っこはブレてないけど何かいろいろ変わっている。楽曲のタイトルの方針はたぶんBpn Iver好きすぎたから。

ポップしなないで /上々
ここまでの集大成。で、ラストの「ミラーボールはいらない」は次章へのイントロダクションという作りではないかと思ったら、楽曲提供のセルフカバーだったので少し困った。

ニガミ17才 / ニガミ17才o
遂に前バンドの跡形が全部消えました。ここからが始まりです。

2020年解散・活動休止のこと

2020/01/05 uijin(解散)
2020/01/05 World Maps(冬眠)
2020/01/13 LADYBABY(活動休止)
2020/01/19 TRANSPARENTZ(解散)
2020/01/20 ZeroCre(解散)
2020/01/22 ペンデュラム(解散)
2020/01/25 グッドモーニングアメリカ(活動休止)
2020/01/25 幻想しゅとらぶる(解散)
2020/01/26 suga/es(活動休止)
2020/01/31 MILK CIDER(解散)
2020/02/08 染脳ミーム(解散)
2020/02/08 ペンタゴン(解散)
2020/02/11 絶対直球女子!プレイボールズ(解散)
2020/02/15 AMA≒KOI(解散)
2020/02/16 ミソッカス(解散)
2020/02/16 monogatari(解散)
2020/02/18 JACK+MW(解散)
2020/02/23 閃光プラネタゲート(解散)
2020/02/24 avandoned(解散)
2020/02/24 AllS(解散)
2020/02/24 suger"N"spice(解散)
2020/02/24 Party Rockets GT(現体制活動終了)
2020/02/24 ミルクス本物(活動休止)
2020/03/01 コントラリエ(解散)
2020/03/01 さんみゅ~(全員卒業)
2020/03/02 バキバキメイロン(活動終了)
2020/03/09 Quince(活動休止)
2020/03/10 アンフィニ(活動休止)
2020/03/18 影喰イ(解散)
2020/03/18 虹彩☆RaveL(解散)
2020/03/21 JUMPIN'(解散)
2020/03/25 Salley(解散)
2020/03/26 HAMIDASYSTEM(活動終了)
2020/03/27 PRIZMAX(解散)
2020/03/30 こぶしファクトリー(活動終了)
2020/03/31 JUMPIN'(活動終了)
2020/03/31 MONSTER TAI-RIKU(活動休止)
2020/04/02 Rollo and leaps(解散)
2020/04/04 raith.(解散)
2020/04/10 PEACE$TONE(無期限活動休止)
2020/04/19 Happy3days(解散)
2020/04/19 FAVO(解散)
2020/05/03 (M)otocompo(封印)
2020/05/06 falls from the skies(解散)
2020/05/10 GzNDLH(解散)
2020/05/20 DADAROMA(活動休止)
2020/05/22 Fullfull Pocket(現体制活動終了)
2020/05/30 REIGN(解散)
2020/05/31 カレッジ・コスモス(活動休止)
2020/06/03 カメトレ(終幕)
2020/06/05 ニホンジン(活動終了)
2020/06/17 フェアリーズ(解散)
2020/06/19 テゴマス(活動終了)
2020/06/21 空中分解 feat.アンテナガール(活動休止)
2020/06/25 Tokyo Rockets(活動終了)
2020/06/27 バンドハラスメント(活動休止)
2020/06/30 シャムキャッツ(解散)
2020/07/01 ラパンテット(解散)
2020/07/15 The Winking Owl(無期限活動休止)
2020/08/08 PiiiiiiiN(解散)
2020/08/16 ハコイリ▽ムスメ(活動終了)
2020/08/29 アスティ(無期限活動休止)
2020/08/29 シグマメモリア(活動休止)
2020/08/29 Smileberry(解散)
2020/09/03 MAMIRETA(無期限活動休止)
2020/09/05 Mr.Nuts(解散)
2020/09/06 sora tob sakana(解散)
2020/09/08 BAROQUE(無期限活動休止)
2020/09/12 絶対倶楽部(解散)
2020/09/15 Crucifixion(無期限活動休止)
2020/09/22 あそびダンジョン(解散)
2020/09/23 JE:NOVA(活動休止)
2020/09/28 リムキャット(解散)
2020/09/30 ENGAG.ING(解散)
2020/09/30 Sweets×Sweets(解散)
2020/09/30 バレーボウイズ(“なつやすみ”を終える)
2020/09/30 フルーレット(解散)
2020/10/10 UMEILO(解散)
2020/10/15 CANTA(解散)
2020/10/17 amiinA(現体制終了)
2020/10/17 KissBeeWEST(解散)
2020/10/24 I.D.And Fly LooM(解散)
2020/10/24 凸凹凸凹(ルリロリ)(解散)
2020/10/28 あいくれ(活動休止)
2020/10/30 エルフロート(解散)
2020/10/30 COLOR CREATION(無期限活動休止)
2020/10/31 CARRY LOOSE(解散)
2020/10/31 グローバルシャイ(無期限活動休止)
2020/10/31 ラミヤ(解散(終幕))
2020/10/31 ONE CHANCE(解散)
2020/11/22 LIRAIZO(活動休止)
2020/11/23 LEZARD(解散)
2020/11/29 POIDOL(解散)
2020/11/30 NoisyCell(活動休止)
2020/12/01 カカトオトシ。(解散)
2020/12/01 CIRRRCLE(解散)
2020/12/06 はちみつロケット(解散)
2020/12/12 その名はスペィド(活動休止)
2020/12/13 うたたね(解散)
2020/12/13 脳内リフレイン(解散)
2020/12/13 RAKUGAKI(活動休止)
2020/12/18 FOXPILL CULT(活動休止)
2020/12/18 レイヴ(活動休止)
2020/12/20 ビビっとちきん(活動終了)
2020/12/20 MONECCO5(解散)
2020/12/20 re:Alice(解散)
2020/12/20 VELATRIA(解散)
2020/12/23 東京カランコロン(解散)
2020/12/23 Brian the Sun(活動休止)
2020/12/25 raymay(活動終了)
2020/12/26 レペゼン地球(解散)
2020/12/27 Starlight Tuning!(解散)
2020/12/27 No,SateLight(解散)
2020/12/27 FEEDWIT(解散)
2020/12/28 HELLO.(解散)
2020/12/29 回せ!グルーヴ開発部(解散)
2020/12/30 IVOLVE(全員卒業)
2020/12/30 ニコニコSWEET(解散)
2020/12/30 幻.no(解散)
2020/12/31 嵐(活動休止)
2020/12/31 E-girls(解散)
2020/12/31 GHEEE(解散)
2020/12/31 スダンナユズユリー(解散)
2020/12/31 AAA(活動休止)
2020/12/31 やなわらばー(解散)

2021/01/02 ゆくえしれずつれづれ(解散)
2021/01/10 CY8ER(解散)
2021/01/10 LINERNAUTS(活動休止)
2021/01/11 NAZARE(解散)
2021/01/15 SiXX(解散)
2021/01/23 WILL-O'(活動終了)
2021/01/23 ポポロコネクト(解散)
2021/01/30 マザー(解散)
2021/02/27 10神ACTOR(解散)
2021/03/01 NEVERLAND(解散)
2021/03/31 A応P(活動終了)
2021/04/16 街人(解散)
2021/04/17 Blu-BiLLioN(解散)
2021/06/XX DESURABBITS(解散)

今年もありがとうございました。
師走に入って友人複数と話して、今年更新が滞りがちになった理由が何となくわかりました。
いろいろ思い付きはするものの、思い付くことの相当がこういうご時世にネタとして使えないものばかりだったから。多分。
来年はチャンネル調整してみます。やるよ。多分。
明日は紅白見ます。

2020年ブックオフオンライン年間ランキングのこと

今年もまた、日本で最も地獄度の高い年間ランキングが発表されましたので共有いたします。

2020年ブックオフオンライン年間ランキング(CD)

今年で観察を始めて8年目、途中までは30位までだったり、洋楽やジャニーズが別チャートになったこともありましたが、洋楽やジャニーズは観察を開始した2016年を基準にしてその時ランキングに入っていたものに限っていますが、それでカウントすると合計で58種しかランクインしていない、要するに同じアルバムが売って買ってぐるぐると回り続けている、まさにBOOKOFFの存在を象徴するランキングです。

ブックオフオンライン年間ランキング(CD・2013-2020)(PDF)

今年も相変わらずの無限地獄っぷりですが、無理くり今年のトピックを挙げてみると、やはり今年それなりに露出の多かったミュージシャンが強いです。

そもそも前提としてある程度以上のセールスを上げたCDでないとランクインするはずのないチャートなわけですが、それでもたとえば安室奈美恵の引退前のベスト盤とかはランクインしていません。
やっぱり現役のミュージシャンであることは割と重要で、かつ上の方に行くのは、何らかの形でフックになるようなメディア露出がある人が多いような気がします。

MONGOL800とかコブクロのように、少なくとも今年の露出や、ライト層まで巻き込んで話題になるような出来事がなかったところは下がっている。メディアがやはり購入に至るまでのリマインダーとして機能していることは間違いないのではないでしょうか。

とはいえ、今までランクインしたことのなかった尾崎豊の「十七歳の地図」とJUDY AND MARYの「The Great Escape」が今年入ってきたのは、正直何でかわからんです。別に息子が例年以上に活躍しまくったわけでも、YUKIが今年に限ってすごく目立ったわけでもなく。販売価格が下がったのだろうか、という想像くらいしか正直できません。

で、これ去年も言ったのですが、B'zや倉木麻衣が上に来る様子がないことから、サブスクに解禁されることが中古盤の購入に与える影響というのはあまり大きくないというか、BOOKOFFのここらへんのセールスを支えているのは、サブスクのサービスに加入するほどでもないレベルの、ちょっと昔聴いていたのをまた聴いてみようかなレベルの方々が多そうだ、ということが推測できます。
そういう温度感の方々が買って売ってのグルグルを回しているとすれば、新譜CD店よりもう少し長く業態としては生きていけるのではないかと思います。
でも、BOOKOFF SUPER BAZAARタイプの大型店行くと、既にCD/DVDはたいていすごく奥の方ですが。

私もけっこうBOOKOFF行ってます。最近は「80年代-90年代」が他のJ-POPと並びが分離されていますので、その頃微妙に活躍して解散したバンドとか、当面サブスクに出てこなさそうな奴がとても探しやすくて助かっています。
具体的には、Grass Valleyとかメジャー期のDer Zibetとか。ISSAYかっこええ。

第71回紅白歌合戦の歌唱曲のこと

紅白歌合戦、歌唱曲が出ましたので「歌唱曲がいつリリースされたのか、売れた曲なのか、過去紅白で何回歌ったのか」の一覧を今年もやります。
曲名の後のカッコ内の数値が過去に歌った回数。数字無しは初披露。年はリリース年でカッコ内はシングルの売上数。最近の曲で合算の値が拾うことができたものには「合算」と付けてそっちの値を載せました。

歌手名 曲名 発表年(売上)
あいみょん 裸の心 2020(561,514・合算)
石川さゆり 天城越え(12) 1986(48,500)
坂本冬美 ブッダのように私は死んだ 2020(9,400)
櫻坂46 Nobody's fault 2020(425,800・合算)
JUJU やさしさで溢れるように 2009(18,400)
Superfly 愛をこめて花束を(2) 2008(46,700)
天童よしみ あんたの花道(3) 2002(114,000)
東京事変 うるうるうるう 2020(アルバム)
NiziU Make you happy 2020(配信)
乃木坂46 Route 246 2020(配信)
Perfume (メドレー)  
日向坂46 アザトカワイイ 2020(アルバム)
Foorin パプリカ(2) 2018(176,900)
BABYMETAL イジメ、ダメ、ゼッタイ 2013(24,100)
松田聖子 瑠璃色の地球(3) 1986(アルバム)
MISIA アイノカタチ 2018(46,700)
水森かおり 瀬戸内 小豆島 2020(29,200)
milet inside you 2019(15,000)
LiSA (メドレー)  
Little Glee Monster 足跡 2020(19,200)
     
(メドレー)  
五木ひろし 山河(2) 2000(61,300)
瑛人 香水 2019(660,466・合算)
Official髭男dism I LOVE... 2020(878,500・合算)
関ジャニ∞ 前向きスクリーム! 2015(318,100)
Kis-My-Ft2 We never give up! 2011(329,000)
King & Prince I promise 2020(未集計)
郷ひろみ (メドレー)  
GENERATIONS YOU & I 2020(配信)
純烈 愛をください 2020(50,000)
鈴木雅之 夢で逢えたら 1996(439,600)
SixTones Imitation Rain 2020(1,760,900)
Snow Man D.D. 2020(1,760,900)
氷川きよし 限界突破×サバイバー(2) 2017(21,900)
福山雅治 家族になろうよ 2011(321,900)
Hey! Say! JUMP (メドレー)  
星野源 うちで踊ろう 2020(配信)
Mr. Children Documentary film 2020(アルバム)
三山ひろし 北のおんな町 2020(24,200)
山内惠介 恋する街角 2008(9,000)
ゆず 雨のち晴レルヤ(2) 2013(73,500)

今回、瑛人が披露するのがCD化されていない楽曲だったり、NiziUの楽曲は先日CD化はされたもののカップリングとしてのリリースだったというのは、およそ想定できていたことですが、今回蓋を開けてみると、乃木坂やGENERATIONSも配信のみの楽曲ということになりましたし、キンプリは先週CDリリースのド新曲。
星野源の「うちで踊ろう」は非常に今年を象徴する曲で、選曲されること自体は順当なのですが、実際CDとして世に出ているのは10月リリースのシングルBOXセットの特典CDのみだったりとか、もうこういう状況は実に普通になってまいりました。

他に今年で特筆すべきところは、出場はしたものの他人の有名曲をカバーするだけ、というパターンがなくなったこと。
鈴木雅之の「夢で逢えたら」はそれと言えばそれですが、ラッツ&スターの楽曲としてもヒットしていることもあり、「あてがわれた」感じでもありません。
もちろん、既に特別枠でアナウンスされているさだまさしのようなパターンが今後も出てくるとか、企画枠で出場歌手が別の曲も歌うとかでどこかでフォローすることはあるのかもしれませんが。

一方、ベテラン勢で目立つのは、「今こそ歌おう みんなでエール」という今年の紅白のキャッチフレーズに寄せた感のある楽曲が多いというところ。
Superfly、福山雅治、松田聖子、ゆずあたりの選曲はまさにそういう意図でしょう。
12年ぶり2回目のミスチルは、ここ最近びっくりするくらい歌番組に出てはニューアルバムの楽曲を披露しまくっていて、紅白もその一環に過ぎないというブレない態度ではありますが、それでも「Documentary film」は、新作の楽曲の中でも一番紅白のテーマに近いものを選んだのではないかと思います。

個人的にはずっとその出場状況を追っている演歌勢が気になります。
石川さゆりが2007年以来の「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」のルーティーンを維持したとか、坂本冬美が桑田佳祐作詞作曲の奇曲「ブッダのように私は死んだ」を期待通りやってくれるとかもあるのですが、今年一番特筆すべきと思っているのが、五木ひろしの「山河」。

前から申し上げている通り、五木ひろしは「流行歌手としての矜持」を非常に強く持っている方で、その年亡くなられた作家さんに提供された楽曲を追悼で歌うとか、長野オリンピックの前年に「千曲川」を歌うとか、特殊な事態にならない限りその年リリースの楽曲を歌ってきた人なのですが、昨年は2018年リリースの「VIVA・LA・VIDA!」を2年連続歌唱して少しビビって。
それについてはこの曲を2年越しでプロモーションしていたという状況を把握して納得したのですが、今年2020年は「五木ひろし」名義でデビューした1971年以来、初めてシングルのリリースが一切ない年になりました。そのこと自体はまあ状況踏まえたら止むを得ないのかもしれませんが、ではそういう態度でここまで来た五木ひろしが何を歌うのか、ということを気にしていました。

それでセレクトされたのが、1970-80年代の超有名曲ではなく、2000年リリースの当時6万枚程度の売上の楽曲。それでも、他の演歌歌手にもカバーされているスケールの大きな名曲なのですが、それをここで引っ張り出してくることにワクワクしています。

正味今年は世の中が世の中だけに例年のようなノリにはなりにくいかもしれません。
ただ、無観客ということで今年しか見られないかもしれない演出もふんだんにブチ込んでくるでしょうし(BABYMETALはそういう特殊な演出ができるからこその初出場だと思っています)、それなりに見どころは多い紅白になるのではないかと思います。

もう「みんなが知っている流行歌」などほとんどこの世から消失している今、紅白が昭和の頃のようなことになることはありません。正直ここ何年か「このフォーマットでいつまでできるのだろう」と思うこともありましたが、去年の氷川きよしを観て、紅白が紅白でなくなるとすればその理由は「国民的ヒットの不在」より先にジェンダー関連が理由になるのではないかとうっすら思ったりもして。

でも、「男女混成グループ」が紅白に初登場したのが1968年・第19回のピンキーとキラーズ、それ以来本質的には矛盾をはらみ続けているわけで、それでも何となくやってきているのは「男女対抗」の部分は紅白生まれてからずっと緩い茶番に過ぎなかったからこそで。
今年も仲良くみんなで観ましょう。

2020年のTSUTAYAの閉店は80店舗ちょっとだったこと

およそ今年のTSUTAYAの閉店の状況が出そろいましたので、まとめ。
閉店するTSUTAYAは、2017年は70店以上、2018年は90店以上、2019年は100店舗を越え、さて2020年はどうなるよと思ったところで、例年とは比べようのないイレギュラーな事態。
そのせいなのかそうでないのか、2020年は数えた限りでは、移転を伴うものも含めて82店の閉店に留まりました。

01/05:TSUTAYA イオンモール日の出店(東京都)
01/05:蔦屋書店 塩尻店(長野県)
01/07:TSUTAYA 高倉店(東京都)
01/12:TSUTAYA 北25条店(北海道)
01/12:TSUTAYA 豊田四郷店(愛知県)
01/13:TSUTAYA 町屋店(東京都)
01/19:TSUTAYA ファミリークラブ 鷺山店(岐阜県)
01/26:TSUTAYA 押切店(静岡県)
01/31:TSUTAYA 川越モディ店(埼玉県)
01/31:TSUTAYA 大井町店(東京都)

02/02:TSUTAYA 水口店(滋賀県)
02/09:WonderGOO TSUTAYA 藤岡店(群馬県)
02/09:TSUTAYA アルプラザ宇治東店(京都府)
02/16:TSUTAYA ミユキモール庄内通店(愛知県)
02/16:TSUTAYA 針中野店(大阪府)
02/24:TSUTAYA グランデュオ蒲田店(東京都)
02/26:TSUTAYA スピナ到津店(福岡県)

03/01:TSUTAYA 立花店(兵庫県)
03/15:TSUTAYA 大河原バイパス店(宮城県)
03/17:TSUTAYA 戸田公園店(埼玉県)
03/22:TSUTAYA 綾瀬駅前店(東京都)
03/22:TSUTAYA AVクラブ 菊陽店(熊本県)
03/26:TSUTAYA チャチャタウン小倉店(福岡県)
03/31:TSUTAYA 川口駅東口店(埼玉県)
03/31:TSUTAYA 塩山店(山梨県)
03/31:TSUTAYA 川西能勢口駅前店(兵庫県)

04/17:TSUTAYA 三宮店(兵庫県)
04/26:TSUTAYA 草津店(滋賀県)
04/30:TSUTAYA 大洲店(愛媛県)

05/06:TSUTAYA 弁天町ベイタワー店(大阪府)
05/10:TSUTAYA 東久留米店(東京都)
05/24:TSUTAYA 日吉中央通り店(神奈川県)
05/24:TSUTAYA 岡本店(兵庫県)
05/31:TSUTAYA 旭川永山店(北海道)
05/31:TSUTAYA 草加松原店(埼玉県)
05/31:TSUTAYA 東村山店(東京都)
05/31:TSUTAYA 沼津三園町店(静岡県)
05/31:TSUTAYA 伊祖店(沖縄県)

06/03:平和書店 TSUTAYA 大津南郷店(滋賀県)
06/07:TSUTAYA 祐天寺店(東京都)
06/18:TSUTAYA 福島駅西口店(福島県)
06/21:TSUTAYA 瀬谷店(神奈川県)
06/25:TSUTAYA 千川店(東京都)
06/30:金澤文苑堂 TSUTAYA 金沢有松店(石川県)

07/05:TSUTAYA 東千葉祐光店(千葉県)
07/12:金澤文苑堂 TSUTAYA 入江店(石川県)
07/12:TSUTAYA 安城店(愛知県)
07/19:TSUTAYA 所沢北原店(埼玉県)
07/27:TSUTAYA 川沿店(北海道)
07/31:TSUTAYA 寝屋川駅前店(大阪府)

08/02:TSUTAYA 亀戸店(東京都)
08/20:TSUTAYA WAY 熊野店(三重県)
08/23:TSUTAYA 王子駅前店(東京都)
08/23:TSUTAYA 小林店(宮崎県)
08/31:蔦屋書店 フレスポ府中店(東京都)
08/31:TSUTAYA 守口店(大阪府)

09/10:TSUTAYA 宮の森店(北海道)
09/22:TSUTAYA 成城店(東京都)

10/11:TSUTAYA 笹塚店(東京都)
10/11:TSUTAYA 辻堂駅前店(神奈川県)
10/18:TSUTAYA 住之江店(大阪府)
10/20:平和書店 TSUTAYA 興戸店(京都府)
10/31:TSUTAYA 名古屋栄店(愛知県)

11/01:TSUTAYA 尾張一宮店(愛知県)
11/08:TSUTAYA 札幌インター店(北海道)
11/15:TSUTAYA 荒川沖店(茨城県)
11/15:TSUTAYA 南桜井店(埼玉県)
11/15:新宿TSUTAYA 歌舞伎町DVDレンタル館(東京都)
11/15:TSUTAYA 中目黒店(東京都)
11/15:TSUTAYA 北千住店(東京都)
11/15:TSUTAYA 桑名サンシパーク店(三重県)
11/15:TSUTAYA 南茨木店(大阪府)

12/06:TSUTAYA 中野新橋店(東京都)
12/10:TSUTAYA 国分寺店(東京都)
12/13:TSUTAYA 蓮田関山店(埼玉県)
12/13:TSUTAYA 荻窪駅前店(東京都)
12/18:TSUTAYA 長尾店(大阪府)
12/20:TSUTAYA 蕨駅西口店(埼玉県)
12/20:TSUTAYA 清見台店(千葉県)
12/20:TSUTAYA 勝どき店(東京都)
12/31:TSUTAYA 稲毛海岸駅前店(千葉県)
12/31:TSUTAYA 泉ヶ丘駅前店(大阪府)

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TSUTAYA 町屋店

5月くらいまでは粛々と、えらいことになる前に既に決まっている店舗を閉めている感じですが、それ以降は各FCとも各店舗の処遇よりも全体としての運営の最適化の方を重視していたように思えます。
そして若干でも状況や先行きが改めて見えてきて11月頃からまた本気出す、みたいな流れに見えます。

こうやって閉店店舗を眺めてみると、大都市圏の住宅地や郊外の店舗の割合が非常に多いです。前々から言っている通り、TSUTAYAは赤字でもたないから閉めるというだけではなく、少なくともここ数年は何らかの意図を持って店舗網を縮小させている様子があるのですが、そういう意味では順調に目減りしています。
全国的にもレンタル取扱店舗は、最大で1500近くあったのが遂に1000店舗を切りました(販売のみや書籍取扱いのみの店舗も入れると1100店舗ちょっと)。

今年に限っては「この店閉まったら車で容易に行き来できるエリア一帯からレンタルやCD/DVD販売店なくなるやんけ」という地域は三重県熊野市くらいで、だいたいの店舗は、市に複数ある店舗が絞られたり、2駅続けてあったうちの片方が閉店したりという状況。中央線沿線では荻窪は閉店しましたが阿佐ヶ谷と西荻窪はまだあるとか、世田谷区では成城店は閉まりましたが、三軒茶屋と馬事公苑の店舗はバリバリ営業中、みたいな。
ただ特に大都市圏、自動車ではなく鉄道での移動がメインの圏内では、それでも利用者にとってはダメージにもなります。
今のご時世で、その「被ダメージ者」の絶対数が減っているからこそ、こういう減らしっぷりもできるようになっているわけですが。

とはいえ、たとえば神戸市には数年前までは結構店舗あったのが、すごい勢いで減りました。

2015/12/20:TSUTAYA 王子公園駅前店(灘区)
2015/12/31:TSUTAYA 高速神戸店(兵庫区)
2016/03/21:TSUTAYA 大蔵谷店(西区)
2018/03/04:TSUTAYA 西神中央駅前店(西区)
2018/07/01:TSUTAYA 阪神深江駅前店(東灘区)
2019/05/06:TSUTAYA 学園都市駅前店(西区)
2019/08/25:TSUTAYA 高速長田店(長田区)
2020/04/17:TSUTAYA 三宮店(中央区)
2020/05/24:TSUTAYA 岡本店(東灘区)

今年も4月には中心街にある三宮店が、5月には東灘区の岡本店が閉店し、来年1月に灘区の六甲道店の閉店も既に決定していますので、市内に残るレンタルできるTSUTAYA店舗は、須磨区と垂水区と北区の計4店舗のみということになったりと、地域によっては相当なことになっていたりもします。

来年以降も全国でさらに店舗数は減り、「相当な」地域がより増え、でも「被ダメージ者」はより減り、そうやってだんだん「レンタルCD/DVD」は、過去の業態になっていくわけです。

眉村ちあき@日本武道館のライブのこと

昨日は眉村ちあきのライブ@日本武道館。

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彼女のワンマン、過去に観たのはロフトとスタジオコースト。
今回は日本武道館とはいえ、座席は市松での設定で定員の半分以下。ただそれでも間違いなく彼女の最高動員によるワンマンライブ。

もしかしてセンターステージじゃないの、とか思っていたのですが、実際入ってみたら通常通りの北位置へのステージ建て込みで、かつ植物っぽいのとか鉱物っぽいのとか、予想以上にセットは凝っていました。
でも実際全体としては照明以外の飛び道具的な演出は、過去に観たワンマンよりは抑え気味くらいではありました。
風船を割るためだけに吉田豪氏を召喚したり、クリトリック・リスをただ宙吊りにして放置したりする無茶もない。

それでも開始すぐにお母さんをゴンドラに乗せて会場中を回らせてステージ上以上に注目させてみたり、およそおっさんたちは声出せない中、ポジの表明は拍手、ネガの表明は足踏みという場内限定の謎ルールを制定するような流れに持っていったり、場全体を使っての「いじり」は過去最強。
志村けん的な仕掛けを組み込んで、親子シートの子供たちのみに「あっち!あっち!」と叫ばせる段に至っては、このためだけに親子シートを設定したのではないかと疑わざるを得ないレベル。

ただ、もうそれは完全に余興というかおまけというか、盛り上がりの本質ではなく、ただもう彼女の歌が素晴らしく。

武道館でのライブ、ここまで様々なミュージシャンを観てきましたが、ちょっと無理して初武道館という人の中には、結果としてその場を作れない方々もいらっしゃいました。
天井の高いあの会場で、明らかに「熱」が届き切っていないというか、場の空気を満たせないままライブが終わってしまったミュージシャンもたまに観たりしたわけです。
それが彼女の場合、「熱」が足りるの足りないのそんなの気になる以前にさくっと場を作ってしまっていて。

それが何か特別なことをした結果かというとそうでもなく、ただ眉村ちあきがいつも通りの眉村ちあきのパフォーマンスを行っているだけで、そうなっている。彼女の場合そもそもロフトの時を思い出すに、あの時点で明らかにロフトの枠を大幅にはみ出るレベルのライブを行っていたことは間違いないのですが、この武道館のそれは奇跡だったのか、当然の結果だったのかも正味よくわからない。
ただ今回そうなったのか元からなのか、武道館クラスの箱に見合うだけのパフォーマンスを余裕でかましていたことだけは事実。

しかも今回はニューアルバムのタイトルがまんまライブのタイトルになっている、言ってみればレコ発的な位置付けのライブで、実際ニューアルバムの楽曲を山ほど演ったのですが、その分過去曲少な目、特にいくつかあった「アゲ曲」的な、ライブの盛り上げ的には重要な位置付けだったはずの楽曲の多くが、穏やかな感じにリアレンジされたり、弾き語りのメドレーの中で一節だけ歌われたりで終了させる等、過去ライブの予定調和的な盛り上がりの期待をほぼ排してのそれ。

それでも全く問題なく、その場全体が、華やかだったり賑やかだったり穏やかだったりちょっとブルーだったり、彼女の歌うがままに満たされていくのです。
これは「技術」なのか、彼女の持って生まれたものなのか、その両方か、どっちでもないのか。
相変わらずよくわからないのだけど、ただ唯一無二のライブであったなあ、ということは彼女を生で観るたびに思うのです。

だからテレビとかで観てあのキャラは無理、とかいう人でなければ一度ライブを観ればいいと思うのです。
何か、他の誰のライブとも違う感覚は感じていただけるのではないかと。
つうか、もっと人呼んで、スタジアムクラスで相変わらずのスタンスでライブをする彼女が観たいんですよ。協力してくれよ。


ちなみに、改装後の日本武道館に初めて足を踏み入れたのですが、思ったよりよくなっていた。ここは一般的な用法としては「武道の試合場」ではなくむしろ「ライブ会場」であるということに、遂に本人が自覚的になった感があります。特に椅子が改善されているのが嬉しい。
これで首都圏ライブ会場のクソ座席ナンバーワンは東京ドーム一択となりました。
逆にライブ会場最強の座席は、渋谷マウントレイニアホール。全部のライブをあそこでしてほしい。