先日、東京23区の「街のレコード屋」の数をカウントしたら13しかなかったのですが、実際どうなのということで、全店回ってきました。確認したらこの前にカウントしたのは2021年でその時は21店舗でしたが、今回きちんと数えたら実際には14店残っていました。
毎度の「街のレコード屋」の定義ですが、
1.大手資本傘下ではなく、多くの支店を持たない
2.CD新譜販売をメインにしている
3.販売している商品にセレクトショップ的な偏りがない
といったあたりですが、挙げた店舗の中には厳密には上記「3」に当てはまらない「演歌の専門店」的な店は存在しています。
入れているのは、現在「演歌の専門店」的な存在になる前は、そのほとんどが元々流行歌全般を取り扱っていた普通の「街のレコード屋」だったのが、その後演歌専門店化していった、元々は普通のCD店だから、という理由です。
J-POP以降の流行歌の多様化とカタログの増加、それに伴って昭和の頃までは割と明確だった各レコードメーカーの「一押し」的存在がわかりにくくなったこと、またCD卸会社の衰退によって「営業の見立て」機能がほぼ失われたこと。
要するに、昔のレコード店の店長さんは自分がよく知っている範囲で工夫を凝らしつつも、メーカーの「一押し新人」や卸営業によるレコメンド商品を置いていれば商売になっていたのが、今やレコード屋の店長という個人においてフォローし切れる状況ではなくなってしまい、そんな中で責任を以って「商売として取り回せる範囲」として「演歌・歌謡曲」に絞った結果の今、というお店が非常に多く、そういう流れですのでそういう店は「街のレコード屋」としてカウントしておきたい、というところです。
以下、閉店した店舗も、初めて「東京23区内の街のレコード屋」をカウントした2012年に存在していた店は名前とモノクロ写真は残しています。
■中央区:ミヤコ銀座店(東京メトロ銀座駅):2013年12月閉店

■港区:東京堂(JR新橋駅):2015年9月閉店

■新宿区:ムトウ楽器(JR高田馬場駅):2013年4月閉店

■新宿区:ニッポー(都電早稲田駅):営業中(全般)

■台東区:マコト商会(東京メトロ仲御徒町駅):閉店(閉店時期不明)

■台東区:ヨシダ(TX浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:宮田レコード本店(東武浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:宮田レコード新仲店(東武浅草駅):2015年8月頃閉店

■台東区:イサミ堂(東武浅草駅):営業中?(演歌中心)

■台東区:ヨーロー堂(東武浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:リズム(JR上野駅):営業中(演歌のみ)

■墨田区:交楽堂(JR両国駅):2017年頃閉店

■墨田区:セキネ楽器(JR錦糸町駅):営業中(演歌中心)

■墨田区:光音堂スペースジャム(東武押上駅):2013年5月閉店

■江東区:天盛堂(JR亀戸駅):2021年1月閉店

■江東区:マエダ楽器(都営地下鉄森下駅):2024年12月閉店

■品川区:MMP1号店(東急武蔵小山駅):2016年10月閉店

■品川区:MMP2号店(東急武蔵小山駅):2019年5月閉店

■品川区:ペットサウンズレコード(東急武蔵小山駅):営業中(全般)

■目黒区:小田レコード(東急学芸大学駅):2025年1月閉店

■大田区:音楽堂(東急大岡山駅):営業中(全般)

■世田谷区:ピエス・マキ(東急松陰神社前駅):2021年10月閉店

■世田谷区:ノヴァリス(小田急千歳船橋駅):2021年8月閉店

■世田谷区:コヤマ(京王千歳烏山駅):2014年頃閉店

■中野区:中野名曲堂(JR中野駅・中野ブロードウェイ2階):営業中(演歌中心)

■杉並区:ゴトウレコード(JR西荻窪駅):2019年5月閉店

■杉並区:ツツ井サウンド 久我山店(久我山駅):2020年頃閉店

■豊島区:聖楽堂レコード店(JR大塚駅):2021年10月閉店

■豊島区:後藤楽器店(JR巣鴨駅):2016年11月閉店

■豊島区:山根楽器 東長崎店(西武東長崎駅):2017年12月閉店

■豊島区:五番街(JR池袋駅・東武百貨店内):2024年8月閉店

■北区:詩音堂(JR赤羽駅):2021年9月閉店

■北区:美声堂(JR赤羽駅):営業中(演歌中心)

■北区:ミュージックショップダン(JR東十条駅):営業中(演歌中心)

■荒川区:オガワデンキ(JR日暮里駅):営業中(全般)

■荒川区:三井屋楽器店(東京メトロ三ノ輪駅):2019年8月閉店

■板橋区:三光堂(東武中板橋駅):2023年頃閉店

■練馬区:ゆうき堂(西武富士見台駅):2023年頃閉店

■足立区:中田星光堂(JR綾瀬駅):2019年3月閉店

■足立区:一陽堂(東武五反野駅):2022年頃閉店

■足立区:ミュージックショップ演歌星(東武大師前駅):2017年頃閉店

■足立区:Fronte.Wonder Music Store(東武竹ノ塚駅):2012年頃閉店

■葛飾区:ワカナ堂(JR金町駅):2013年10月閉店

■江戸川区:音曲堂(JR小岩駅):営業中(移転)(演歌中心)

■江戸川区:アオヤマ(都営地下鉄一之江駅):閉店(閉店時期不明)

以上、現存はたぶん14店舗。
浅草のイサミ堂は演歌中心というか、伝統芸能系の音源に強く、浪曲については過去音源含めて日本屈指の品揃えの店なのですが、土曜の昼というタイミングでシャッターが閉まっていました。
が、状況調べるに今年になって店を開けていたようですし、今は午後から営業という店も割とあるので。
ヨーロー堂は雷門通りの店舗からほぼ裏手、若干横道に入ったところに移転、音曲堂はフラワーロードの自社ビルから駅前のテナントに移転、いずれも店舗としては小さくなりましたが、きっちりとイベントスペースは別途確保し、演歌のキャンペーンはできるようにしています。
他でも、セキネ楽器、中野名曲堂、美声堂、ダンは、そんなに広くない店舗の中にパイプ椅子をぎちぎちに並べてキャンペーン対応しています。
浅草の宮田レコードはゴリゴリめの演歌系である一方、同じく浅草のヨシダもそうかと思いきや、ジャズとクラシックの扱いも丁寧な店。
上野のJR高架下のリズムは、「演歌のセレクトショップ」と呼ぶにふさわしい硬派な品揃え。
早稲田大学にほど近いニッポーや日暮里駅前のオガワデンキ、大岡山駅前商店街入ってすぐの音楽堂は、昭和からのレコード店の雰囲気を色濃く残しています。
局地的な有名人だった「ニッポーのお姉さん」は今もお店を守られていて、時々チョコやキャンディーをくれます。
ペットサウンズレコードはその名の通り、残った店舗の中では断トツで洋楽に強く、またナイアガラ関連の音源の在庫も厚く、セレクトショップ的な雰囲気もあります。
武蔵小山駅前にして5階建て自社ビルの1階での営業ということもあり、時に触れては購入者にトートバッグやタオルを配布していたりする程度の余裕をもって商売されています。
で、ずっと23区内の話をしてきましたが、東京都全体ではどうなんだというところですが、23区以外の都下で現在も営業している「街のレコード屋」は、町田市の鈴木楽器だけじゃないかと思います。
西八王子のミチル楽器は移転後もCD取り扱っていらっしゃるのでしょうか。
ということで、これから今度は大手チェーンの店舗数もカウントしてみますが、多分この「街のレコード屋」含めても23区内に50あるかないか、だと思います。
人口約1000万人で、今もうこれです。通勤通学する人がいても、そんなもんです。
特にこういう「街のレコード屋」はPOSレジを導入されていないところも多く、その場合は主にボーイズグループの熱狂的ファンによる「週末に狙った盤が枯れるまで買い尽くす」行動パターンの対象にはなりませんので、CD販売が伸長している今の恩恵も受けにくく、今後更に減っていくかとは思います。