宙也と町田康の対バン@下北沢のこと

10日は、友からの浮いたチケットのトスを受け、下北沢CLUB CUEで「LOVE 69 SYMATHIZER Vol.6」という企画ライブへ。

ざっくり言うと、35年前に交わっていた2バンド、アレルギーの宙也とINUの町田町蔵の、それぞれ今のバンドの対バン的なヤツ。

一発目はそのどっちでもない首振りdollsから。
一時期メジャーデビューしてた頃に、何かで音源を聴いたくらいだけど、ライブよかった。
メイク&割と凝った衣装等、ヴィジュアル系に放り込んでもいい風体にして、ゴリゴリ&ドカドカのクドくてナイスな演奏。
まあ、「ヴィジュアル系」はそういうバンド同士で対バンしたりして、バンギャの皆様に認知される必要があるので。


二発目。マチダ地蔵尊。
町田康と中村JIZO敬治を中心にしたバンド。
ベースがグレッチでやたら目立つのを「すげえ」と思いながら見てたのですが、よく見たらドラムは、スネア・桶胴太鼓・和太鼓が並んでいて頭おかしいし、その演奏もどうかしてる。

町田康の「輩」感もキレキレだし、それで紡ぎ出す言葉もキレキレだし、「長崎は今日も雨だった」のカバーもキレキレだし、かといって無理して尖ろうとしている感も全くない、要するに18歳の頃からずっとやってきたであろう、そういう町田康。

宙也とは「19からの音楽仲間」であり「断酒仲間」であり「猫仲間」だそうです。


三発目。極東ファロスキッカー。
宙也と、De-LAXのギターの秀樹と、女性B.と女性Dr.。
宙也は全くもっていつも通りの宙也なのですが、そのリズム隊がまずエグい。異常なレベルで硬質なビート&グルーヴを叩き出す。

秀樹の書くメロディは歌謡曲に突っ込んだ感じの甘い感じのが多いし、宙也の声は粘度が高いわけですが、それがそういう硬いビートに乗っかることで、全体としてものすごくいい感じになる。
さすが一回セッションして速攻結成されたバンドだけあります。


3バンドとも違う方向に大変によい、素敵3マンでした。

で、終わった後はいつも通りあずま通り商店街に入り、中華食ってバーでハイボール飲んで終電で帰宅。
見た目は随分変わったけれど、下北沢は昔も今も楽しいです。

映画「ストリート・キングダム」のこと

映画「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」観ました。

原作は未読。
「東京ロッカーズ」にはまるで間に合わず、かつ地方在住。
登場バンドで生で触れたことがあるのはメジャーデビュー後のJAGATARAと、ワールドミュージック系サウンド移行後のZELDAのみ、というスペックで。

映画としての純粋な感想は、「傑作!」というほど映画表現として、もしくは物語として優れていたかというと、それほどでもなかったのかなと思いました。

それでもすごく丁寧に作られているのはセットや衣装を見ればわかるし、そもそも薄らぼんやりとしか捉えられていなかった「東京ロッカーズ」を、フィクションを借りた形ではあっても全体像を把握できたのはとてもよかったし、それをこういう物語として残る形で紡いだ、という事実だけでも、すごく意味のある映画だと思いました。

細かいところでは、小滝橋LOFT周辺の再現度が容赦ないレベルだなあとか、ミュージシャンの役を純粋な役者で固め、非ミュージシャン役に峯田・浜野謙太・渡辺大知というミュージシャン兼業を多く持ってきたのは面白いなあ、とか。


ただ、気になった点が2点。

ひとつはZELDA(ロボトメイア)の扱い。
映画の副題「自分の音を鳴らせ」は、映画全体を貫くメッセージであり、売れることと「自分の音」の間で揺れているバンドをずっと作中で描いていたわけですが、映画に登場した全バンドの中で最も「売れること」と「自分の音」とのバランスを取りながら長きにわたってしたたかに活動できたバンドは、史実としては間違いなくZELDAであり。

しかし映画の中ではヒロインの彼女もバンドやってみましたレベルの扱いで。
まあ、映画のストーリーにそういうリアルの部分をダイレクトにぶち込んだら、本編が歪むレベルで恐ろしく皮肉なことにもなりそうではありますが、もう少しでも「東京ロッカーズ以降」を描く中に差し込んでほしかったです。


ふたつめは作中での楽曲「もうがまんできない」の使い方。
正直あの演出にはものすごく違和感を持ちまして、パンフレット買って読んでみたらトモロヲさん自身がこの曲を「ポジティブ」と評している文言があり、「これは曲に対する認識が根本的に違うのだ」と思いまして。

私は10代の頃に「もうがまんできない」に初めて出くわして以降ずっと、この曲は「追い詰められて、でも自分の力ではどうにも状況を変えられない人間の断末魔」だと思っています。
自分の中でずっと、生半可に触れてはいけない曲です。

そうでなければ「それがちょっとの搾取ならば」の部分がああいう歌や演奏にならないし、そもそもこの曲名になっていないと思うので。

だから、自分の中で曲に対するそういう意固地さがもう少し薄ければ、もっと気持ちよく観られたであろうなあとは、思います。

でも、全体として「観てよかった」と素直に思える映画ではありました。

観た友人たちと呑んで話しても捉え方は様々で、SNSでもかなり賛否両論なのが面白い。
登場するバンドやミュージシャンをどう捉えるのかの角度、あの時代への思い入れや解像度、クドカンにフォーカスするのか、トモロヲにフォーカスするのか。

個々で見え方が相当違ってくる映画だと思います。
すごくいいことじゃないかと。


「今の峯田が31歳の役はさすがに無理があるだろう」説については、31歳の時の峯田は絶対に「ちゃんとして」見えないので、まあこれでもいいんじゃないかと思う派です。

久保田利伸@代々木第一体育館のライブのこと

29日は久保田利伸@代々木第一体育館。
40周年ツアーの東京公演。

何となく観たいとずっと思っていたところに友人からチケット浮いたとの報。そりゃ乗っかる。

代々木体育館に入ると夥しい数の花。ミュージシャン各氏はもちろん、ファンであることを公言し番組での共演もあるサンドウィッチマンや、CMで曲を使っているサントリーや、WBSのエンディングで曲を使用していたテレビ東京ミュージック等もあって面白いのですが、どうしても岩下志麻さんとの関連がわからない。

調べてみたら1994年に彼女が主演したドラマの主題歌を担当していたとのことですが、その繋がりだとすればその義理堅さよ。

代々木第一体育館と言えば、席がハズレだった時のハズレっぷりが他にないレベルでハズレなので、そこは少しドキドキしていたのですが、南スタンド1階の中ほどということで一安心。昔、OASISを観た時はアリーナの後ろから3列目という、ビジョンすら豆粒状態の席だったので、ほっとします。

開演時刻の10分程前から、バンドメンバーでもあるDJ DAISHIZENによるDJであっためにかかりますが、まあこれすごい。
頭からいきなりD'Angeloの「Brown Sugar」ぶっこみながら、The MetersからArrested Development。「Get Up And Dance」や「Get Lucky」あたりの大ネタもかましつつ、すごい勢いでとっかえひっかえしながらも実にスムーズに繋ぐ繋ぐ。もう気持ちいい。

そしてバンド演奏が始まるとまあこれもすごい。特にリズム隊完璧だと思っていたら、ドラムがChris Colemanでした。Princeともやったことあるし、Christina AguileraやBeckのライブサポートもしている人で、何でそんなレジェンド枠の人連れてきているんや。

ただ、バンドを見渡して「?」と一瞬思ったのが、こういうサウンドの場合他のバンドであればだいたいいるパーカッションと生ブラス隊がいなかったこと。
追って調べたところ、過去のライブによってはいたこともあるようなのですが、こういう大会場の周年ライブでいないということは、これが彼のライブの「基本」なのだろうと思います。

帰って調べても明確な理由は見付けられなかったのですが、音源聴き直したところ、パーカッションが引っ張るタイプの曲もあるといえばあるものの、その曲はやらなかったり、大幅にアレンジ変えていたり。

元々シンセブラス黎明期にそのサウンドを割とフィーチャーした音で出てきた人ですし、重要曲にそれらのパートが不要なバラード楽曲も多い人なので、そこらへん全体の塩梅での判断なのかと思います。

ただ、もうリズム隊の2人で完全にグルーヴは出来上がっていますし、そもそも久保田さんはリアルなソウル/R&Bを目指す人ではなく、それらのテイストを存分に含みつつも日本人に馴染む音楽を志してきた人ではあるので、これでいいんです。

彼の歌もいい。
ただ、その他の歌の上手い人、たとえば玉置浩二が単体でぶん殴りにくる声だとすれば、久保田利伸はバンドの演奏に乗っかることで本領発揮する感じだと思いました。チームプレイでぶん殴りにくるタイプ。

周年ライブなのでゴリゴリにヒット曲並べてくるかと思ったらそこまででもなく、とはいえみんな知っているような曲はきちんと漏らさず入れてくる、そして漏らさずバチクソに歌い倒す、キャリア全体を総括しつつもバランスを取った選曲の、そして存分に歌を楽しめる、大変に心地よいライブでした。

細かいところを言うと、テレビ東京のWBSで3月27日までエンディング曲として半年使用されていた「諸行は無常」、彼の楽曲の中では面白いくらい「抜け感」のある楽曲で非常に好きだったのですが、テレビで聴けなくなった直後に生で聴けるこの大団円感。

で、WBSの4月からのエンディング、中森明菜ですって。
彼女のライブも観たい。

天王寺にオープンしたHMVの新店舗がすごく割り切っていたこと

先日は、新規オープンしたタワーレコードの極小店舗、イクスピアリ店を見てきたのですが、先週に和歌山の方に行った帰りに天王寺で降りて、3月3日にオープンしたHMVの極小店舗「HMV SPOT 天王寺ミオ店」を覗いてみました。

天王寺の駅ビル商業施設ミオには元々随分長いこと新星堂が入居していましたが、今年1月23日に閉店し、その後に入居した形です。

一方、HMVは元々はミオの南にある商業施設あべのHoopに出店していたものの、2011年にキューズモールが開業した際に移転の形で「HMV SPOT」をオープンさせました。
しかし「会社帰りに予約商品をピックアップしてもらうための窓口」及び「近隣イベントでの即売」に特化した極小店舗であったため、コロナ禍で行き詰まって2021年に撤退を余儀なくされていました。

また、現在はあべのHoopにタワーレコードが通常の店舗を出店していて、路面店としてCD販売も行っているTSUTAYAあべの橋店が存在しているという、そういう近隣環境。

どういう差別化をして臨むのかと思いつつ天王寺ミオの8階へ。
元々新星堂があった位置にそのまま入れ替わるように入った形になっていますが、雰囲気が随分違います。

新星堂はその狭い床面積に無理くり棚を詰め込んで、いかに商品数を確保するかということに命を懸けていた店舗だったのですが、HMVはすっきり。とてもすっきり。

これは何をしてはるんですかと思って寄ってみてわかりました。
恐ろしいくらいに割り切っています。

棚の上に看板がかかっているのですが、

・STARTO ENTERTAINMENT
・Stray Kids
・SEVENTEEN
・HYBE
・hololive
・Colorful Peach
・すとぷり
・にじさんじ

あとはニューリリース棚とその他全部の棚。
にじさんじはグッズも含めて割と大きめに展開していたのですが、それと「その他全部の棚」が同じ大きさです。

完全に売るべき属性を絞り込んでそれに特化した作りで。

今、タワーレコードが史上最高益を叩き出したように、うまいところやっている店は好調ですが、その理由は雑に言えば「インバウンドも取り込む形でアナログを売る」と「CD複数枚買い・グッズ複数種買い当然の狭義の『推し活』対象となっているグループを積極的に売る」の2つです。

その後者を狭い面積なりに徹底的にやり倒そうという、そういう目論見です。
だから、男性グループの中でも相当売れているのに、事務所としてCD複数枚買いに消極的なBMSGのグループは普通のニューリリース&その他扱いだったり。
また、ニューリリース棚の相当な割合が盤を並べるのではなく、まだ販売開始していない盤の「予約」を促すものであったり。
小さい画像で恐縮ですが「IMP.」の下は全部未リリース盤の予約案内です。

で、この看板の並びはHMVなりのチョイスなのか、SHIBUYA TSUTAYA地下1階のようなプロモーション対象としての配置なのか、そこは数カ月してニューリリース・その他全部以外の棚がどう動くかでおよそ見えてくるのではないかと思います。

通って定点観測的なことをしてみたい気持ちはありますが、遠いわ。

舞浜に新規オープンしたタワレコがすごく小さかったこと

2月21日に、千葉県浦安市舞浜の商業施設イクスピアリに「TOWER RECORDS mini」がオープンしました。
元々イクスピアリでは新星堂が営業していたものの、2022年5月に閉店してそれ以降CD店は入らず、まあ今の時代当然だなと思っていたら突如1月20日に「オープンします」の告知がなされて。

ただそのオープン告知を見てちょっと引くわけです。

「日本一小さなタワレコ」
「店舗面積:9.93坪」

これはあかん。10坪ないってそれ駄菓子屋レベルじゃないですか。
ということで、大変に気になったのでとっとと見に行ってきました。

すごく小さい。
入って右手に新譜CD数十種程度。
左手はタワーレコードがプライベートブランド的に制作・販売している「推し活グッズ」類。
それだけです。

お台場・有明に行ったことがある方であれば、東京ガーデンシアターの建物の南側にコバンザメのようにくっついているHMV SPOT、あれと同じような感じです。
関西の方であべののキューズモールに行ったことがある方であれば、5年前くらいまであったHMV SPOT、あれと同じような感じです。


タワーレコードは2024年に神奈川県海老名市、愛知県名古屋市にそれぞれ今回の舞浜と同様の「TOWER RECORDS mini」の屋号で新店舗をオープンさせていますが、それはそれぞれ大型のイベントスペースを持つ商業施設内に入ったもの。

要するに、商業施設内領域でアイドルグループ等がイベントを行う際にその企画をサポートしつつ、開催当日にはCDやグッズの販売(及びイベント参加に必要な権利を得るための事前CD予約受付とお渡し)を引き受けることでアガリを得るというパターンに特化した店舗です。


商業施設内のパブリックな領域にあるステージや大きなスペースを使用する歌手イベントにおいて、その商業施設に入っているCD店が即売等を担当するというパターン、元々昔からそういう感じの商いは行われていましたが、昔はそれ以外で普通にCDがばかすか売れていた時代なので、イベントでの即売はおまけというか特需みたいなものでした。

それがこんな時代になったことで、店を継続させるためにはイベントで集客をして販売して、を回していくことが重要となり、むしろ店舗によっては欠かすことのできない生命線的な存在に。

新星堂が、経営が厳しくなってからも断続的に池袋サンシャインシティに店を出し続けたのは噴水広場でのイベントが大きかったわけですし(コロナ禍でイベントできなくなって撤収)、ラゾーナ川崎で、施設内で縮小移転しつつもオープンから現在に至るまでHMVが営業を継続しているのは、日本有数の大型イベントスペースの存在があるという点も大きいですし。

そしてHMVは2010年代、商業施設内で開催するそういうイベントとそれに伴う販売(予約と受け渡しも含む)に特化してそれ以外を削ぎ落した「HMV SPOT」という名義の極小店舗を出すに至ります。

しかしHMVはそこらへん、運用なのかコネクションなのか、削ぎ落したが故にコロナでイベントできなくなって詰んだか、うまくいかないところもあったようで、みなとみらいやキューズモールのHMV SPOT店舗はほどなく撤退、現在その名義で営業しているHMVは、商業施設でのイベントではなく、東京ガーデンシアターの物販を引き受ける形で生き残っている有明の店舗のみ。
(HMV&BOOK SPOTという名義では新宿や伊丹空港の店舗が営業中)

一方タワーレコードは、渋谷・新宿の大型店舗や、錦糸町パルコ店や今は亡き秋葉原店等で、自店舗内にステージを設けてインストア型でイベントを開催して集客するという手法に強みを持っていました。

もちろん商業施設内の各店舗でも、イベントがある際に即売は行っていましたが、2024年の海老名・名古屋への小型店の出店によってHMV SPOTのような「商業施設内イベントありき」タイプの小型店舗を拡大する方針を明確に打ち出します。

その流れの一環が今回のイクスピアリの店舗ですが、出店したのはイクスピアリの一番奥の方の他にあまり店がない位置、施設のクレジットカードサービスカウンターの隣で以前は幼児教室だった、およそ純粋な物販には向いていないロケーション。
しかも海老名や名古屋はまだ一応「普通のCD店」としての体をギリギリ保っているのですが、振り切ってきました。

ただ、イベントが行われるスペースには非常に近い。下の写真の「OUTBACK」の球体のちょうど裏のあたりです。

本当にイベント以外では商売する気がないというか、イクスピアリでのイベント販売担当がしたいがためだけの店。
これがCD販売の「今」のひとつの側面です。


ですのでHMVも諦めず、再び「HMV SPOT」を、以前あったあべののキューズモールの交差点を挟んではす向かい、JR天王寺駅ビルのミオに新たにオープンさせて、キューズモールを含む周辺のイベントを取りに行くようです。

天王寺ミオにはこの1月まで新星堂が入っていたのですが、その新星堂はかつて「インストアイベント特化型」の店舗というか小型イベントスペース「エンタバ」を、渋谷と秋葉原の2か所で展開していたものの現在双方撤収済み。
秋葉原の方は昨年11月末に閉店して、現在はトレカ屋兼デュエルスペース。

新星堂はダイエーやイトーヨーカドー等、後にGMSと呼ばれる商業施設内に出店する形で1970年代後半以降大きく伸長したのですが、その店舗網が分厚かったが故に大店法廃止以降の立ち回りが遅れて、大型ショッピングモールへの展開については当時の外資系ショップの後塵を拝し、その後GMS業態の弱体化もあって、CD全体が厳しい中でも現状で割と大きな差がついてしまっている。

商売って、恐ろしいですね。

Only Love Hurts a.k.a. 面影ラッキーホールのライブ@WWWのこと

Only Love Hurts a.k.a. 面影ラッキーホールのライブに行きました。

P-VINEレーベルからリリースされたアルバム3枚がアナログ化されたことに伴って、3枚のアルバムを1枚ずつ全曲披露するライブ、8月、11月と来て今回最後。
8月のライブには行ったのですが、11月はFoo Fightersと被ったので。

「on the border」編ということで、リリース当時は相変わらず酷いと思ったものの、その後のライブではあまり生き残っていない曲が多く、「おかあさんといっしょう」とか「ベジタブルぶる~す」なんか久々に聴いた気がします。

アルバム9曲やって本編終了、その後アンコールがありダブル・アンコールでいつも通り「甲子園」。今日もこれで終わりだな、と思ったら、まだ灯りが終わった感じじゃない。
まだやるかと、手を叩きつつ待っていると、ホーンとコーラス以外のメンバーが出てきて演奏を開始。aCKyが歌い出す。

JAGATARAの「タンゴ」だ。

それも、「タンゴ」の数あるヴァージョンの中で最も鬼気迫る、ライブ盤「君と踊りあかそう日の出を見るまで」の演奏をベースにしている。バイバイ、パンクス。

それまでとは比べようもないほど薄暗い照明の中、「ワン・ツー・スリー・フォー」のカウントと共にホーンが吠える。

こんなヒリヒリした面影をこれまで観たことがない。
ないけれど、でも彼らのファンクはフェラ・クティ以降ホワイト・ファンク経由であり、つまりはJAGATARA直系であることは間違いなく。

それでも、彼らはこれまで直接的にJAGATARAの楽曲には触っていなくて。
これまで音源化されたカバーはビブラトーンズの「金曜日の天使」と萩原健一の「54日間、待ちぼうけ」で、どちらも彼らの音楽的ルーツではあるけれど、前者は割とオチのある歌詞で、後者は歌はガチですが、「54日間」はショーケンが葉っぱで捕まった時の拘留期間である、という逸話でオチがつく楽曲であり。

それが一切の外連味もなく、こんなど真ん中を射抜くような楽曲をど真ん中を射抜くような演奏で。
いつでも彼らは真摯ではあるけれど、こういう真摯さは観たことがない。
JAGATARAのライブ盤と同様、そこまでのテンションが嘘のようにぷつっと終わり、aCKyは何も言わずぶっきらぼうにステージを降り、客電が付いて、終わり。

とんでもないものを観た。

終演後、仲間と居酒屋で、たぶん1時間くらいその話しかしてなかったと思うし、みんな飲みすぎ(1人は黒烏龍茶飲みすぎ)。

これ、もしかして映画「ストリート・キングダム」と何か関連あるんじゃね?という邪推もありつつ、でも今年もまだライブやりそうな感じなので、散々ライブ観ているバンドではあるけれど、これまでにないドキドキを抱えつつ、次を待つ。

東京23区「チェーンのCD店」のこと(2026)

前回、東京23区内の「街のレコード屋」が残り14店舗だったという話をしましたが、チェーンのCD店を含めても相当減っているのではないかと思ってそっちもカウントしてみた最初が2021年10月で、そのときは合わせて75店舗でした。

それが5年たってどれくらいになったのか改めてカウント。

〇タワーレコード(6)
新宿区:タワーレコード 新宿店
墨田区:タワーレコード 錦糸町パルコ店
江東区:TOWERmini ダイバーシティ東京プラザ店
渋谷区:タワーレコード 渋谷店
豊島区:タワーレコード 池袋店
葛飾区:タワーレコード アリオ亀有店
※2021年から-2(秋葉原と光が丘)。

〇HMV(5)(record shop除く)
新宿区:HMV&BOOKS SPOT SHINJUKU
江東区:HMV SPOT 有明ガーデン
江東区:HMVららぽーと豊洲
渋谷区:HMV&BOOKS SHIBUYA
豊島区:HMVエソラ池袋
※2021年から-1(日比谷)。

〇新星堂(1)
江戸川区:新星堂 アリオ葛西店
※2021年から-1(錦糸町)。
十数年前には20店舗以上あったのですが、残り1。

〇山野楽器(0)
※2021年から-2(銀座と新宿)
銀座の本店が2024年にCD取り扱いをやめた時点で23区内のCD取り扱いはなくなりました。

〇バンダレコード(0)
※2021年から-2(板橋と赤羽)。

〇TSUTAYA(CD販売取扱店のみ)(1)
世田谷区:二子玉川 蔦屋家電
※2021年から-22。純粋な「TSUTAYA」名義でCD販売まで行っていた店舗は全部閉店、SHIBUYA TSUTAYAと代官山 蔦屋書店については後述。

〇GEO(CD販売取扱店のみ)(0)
※2021年から-5。

5年前に「CD店」としてカウントしたのはここまでです。
困ったのはTSUTAYAで、通常の「TSUTAYA」の屋号でCDを販売していた店舗は全部閉店、現在店舗検索で「CD販売」にチェックを入れると結果には「二子玉川 蔦屋家電」の他に「SHIBUYA TSUTAYA」と「代官山 蔦屋書店」も出てくるのですが、実際見てみるとここで定義しているような「CD販売店」とは言い難い状況なのに検索機能が「CD売ってる」と言い張っている状態。

SHIBUYA TSUTAYAはリニューアル以降はB2階でレコメンドされている十数種のみを時期を置いて入れ替えながら販売するのみで、多種のCDが並べてある棚は一切なし。
代官山 蔦屋書店は、以前多少なりともCDを扱っていた2階のフロアはプリザーブド・フラワー等の商材を取り扱うスペースになっていて、1階に少しのアナログ盤と、あとは特集フロア的なところでその時々で特定のミュージシャンを取り上げて展開するスペースだけありました(自分が行った時はZARD特集)。
確かにCDを販売はしているが。が、決して「CD店」ではないぞこれは。

ということで、TSUTAYA系で「街のレコード屋」と同等の販売を行っているのは二子玉川 蔦屋家電だけと判断。ここもあの広い店内で棚1個分くらいですが。

ここまでで「街のレコード屋」と足しても27店舗。23区内で。
とはいえ他がメイン業態でもCDも取り扱っている、という店はありますので、「他がメイン業態だけどCDも広く取り扱う店」まで入れると。
5年前も一部カウントしていましたが、もう少し精緻に。

〇(CD取り扱いのある)書店(5)
新宿区:芳進堂 ラムラ店
江東区:紀伊國屋書店 イトーヨーカドー木場店
江東区:未来屋書店 南砂
大田区:くまざわ書店 イトーヨーカドー大森店
江戸川区:未来屋書店 葛西

全国的に見ても、ジュンク堂・三省堂はCDの取り扱いには昔から消極的。
三省堂有楽町店は一時扱っていたような気がしますが、少なくとも現在は扱っていません。
一方、紀伊國屋書店・くまざわ書店・未来屋書店は割と前向きで、商業施設内のCD専門店が撤退した際に、店内にCD棚を準備して代替のCD販売を引き受ける事例が割と多くあります。

〇家電量販店(2)
千代田区:ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
新宿区:ヨドバシカメラ 新宿西口本店

ヤマダデンキは2022年頃、全店規模でCD販売から撤退しているようです。
また、ビックカメラも23区内ではCD取り扱いなく、東京都下でも立川店くらい。
全国的に見ても、家電量販チェーンでまだCDを比較的取り扱っている方なのはヨドバシとジョーシンくらいです。

以上、全部足して34店舗。

そして、一部ジャンルさえあればいいという人にとっては有用な、一部ジャンル特化店も一応拾えるだけ拾ってみました。

〇アニメイト(アニメ/声優系の一部種のみ)(6)
千代田区:アニメイト秋葉原
千代田区:アニメガ×ソフマップ アミューズメント館
新宿区:アニメイト新宿
墨田区:アニメイト錦糸町
渋谷区:アニメイト渋谷
大田区:アニメイト蒲田(2/11閉店)
豊島区:アニメイト 池袋本店
豊島区:アニメガ×ソフマップ 池袋店

〇ラムタラ(アイドル系一部種)(1)
千代田区:ラムタラ MEDIA WORLD AKIBA

〇ヴィジュアル系(4)
中央区:littleHEARTS.東京店
新宿区:Like an Edison東京本店
新宿区:ピュアサウンド 西新宿店
葛飾区:CROSS CAT(2025年7月店舗営業終了とのこと)

〇セレクトショップ(洋楽を含む独自セレクト)(2)
世田谷区:JET SET 下北沢店
渋谷区:BEAMS RECORDS

〇ヴィレッジヴァンガード(メガミックスCD等一部種のみ)(4)
江東区:ヴィレッジヴァンガード ダイバーシティ東京プラザ店
世田谷区:ヴィレッジヴァンガード 下北沢店
世田谷区:ヴィレッジヴァンガード 二子玉川ライズ店
杉並区:ヴィレッジヴァンガード 高円寺店

〇一部の蔦屋書店
渋谷区:代官山 蔦屋書店
渋谷区:SHIBUYA TSUTAYA

こんなもんでしょうか。
ただ、一部種でも新譜CDを扱っていればいいということであれば、ディスクユニオンでも新譜扱いはありますし、中野のメカノや高円寺のLOS APSON?のように中古の他に専門ジャンルの新譜CDを置いている店もあります。

自主制作ネット系音楽CD/CD-R委託専門店の池袋TOKYO FUTURE MUSICのような店もありますし、もちろん「とらのあな」や「メロンブックス」のようなCDも取り扱う同人系ショップチェーンも。
アパレル系ショップで日本のヒップホップ系CDやMIX TAPE系の音源を置いているところなんかは割と数もあるはずです。

出演バンドが作成したCD等を委託の形でカウンターに何種か並べているライブハウスや音楽バー、ママが歌った演歌のCDがカウンターに積んであるスナックとかまで入れるともうわけがわかりませんし、絶対把握できていないジャンルの店もあるはず。正味「一部CD取扱店」まで含めると、実数はわかりません。

確か、他は全部そういうDVDとグッズですが「AV女優がリリースした音楽CD」だけは置いてあるアダルトショップがある、という話を聞いたことがあります。聞いたことがあるだけです。


手持ちの1986年版「TOKYO RECORDS MAP」(当時は普通の新譜レコード屋まで網羅)を開くと、新宿区と渋谷区だけで新譜レコード屋が34店舗ありました(当時のチェーン、ミュージック・テイトや十字屋、コタニ等を含む)。

ただ、当時は当時でレンタルレコードの影響を受けていて、少なくとも大きく店舗数を増やしている時期ではなかったはずで、平成に入るのにほぼ時を同じくして「CDバブル」期に突入したわけですが、その少し後には外資系が馬鹿デカい店を次々とオープンし、小規模店舗がバタバタと死んでいくわけです。
そしてCDバブルがはじけ、配信が始まり、ストリーミングのサブスクリプションが始まる。

そう考えると、「街のレコード屋」が14店舗でも生き残っているのはむしろすげえと思います。
すげえよ。

東京23区「街のレコード屋」のこと(2026)

先日、東京23区の「街のレコード屋」の数をカウントしたら13しかなかったのですが、実際どうなのということで、全店回ってきました。確認したらこの前にカウントしたのは2021年でその時は21店舗でしたが、今回きちんと数えたら実際には14店残っていました。

毎度の「街のレコード屋」の定義ですが、
1.大手資本傘下ではなく、多くの支店を持たない
2.CD新譜販売をメインにしている
3.販売している商品にセレクトショップ的な偏りがない

といったあたりですが、挙げた店舗の中には厳密には上記「3」に当てはまらない「演歌の専門店」的な店は存在しています。

入れているのは、現在「演歌の専門店」的な存在になる前は、そのほとんどが元々流行歌全般を取り扱っていた普通の「街のレコード屋」だったのが、その後演歌専門店化していった、元々は普通のCD店だから、という理由です。

J-POP以降の流行歌の多様化とカタログの増加、それに伴って昭和の頃までは割と明確だった各レコードメーカーの「一押し」的存在がわかりにくくなったこと、またCD卸会社の衰退によって「営業の見立て」機能がほぼ失われたこと。

要するに、昔のレコード店の店長さんは自分がよく知っている範囲で工夫を凝らしつつも、メーカーの「一押し新人」や卸営業によるレコメンド商品を置いていれば商売になっていたのが、今やレコード屋の店長という個人においてフォローし切れる状況ではなくなってしまい、そんな中で責任を以って「商売として取り回せる範囲」として「演歌・歌謡曲」に絞った結果の今、というお店が非常に多く、そういう流れですのでそういう店は「街のレコード屋」としてカウントしておきたい、というところです。

以下、閉店した店舗も、初めて「東京23区内の街のレコード屋」をカウントした2012年に存在していた店は名前とモノクロ写真は残しています。

■中央区:ミヤコ銀座店(東京メトロ銀座駅):2013年12月閉店

■港区:東京堂(JR新橋駅):2015年9月閉店

■新宿区:ムトウ楽器(JR高田馬場駅):2013年4月閉店

■新宿区:ニッポー(都電早稲田駅):営業中(全般)

■台東区:マコト商会(東京メトロ仲御徒町駅):閉店(閉店時期不明)

■台東区:ヨシダ(TX浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:宮田レコード本店(東武浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:宮田レコード新仲店(東武浅草駅):2015年8月頃閉店

■台東区:イサミ堂(東武浅草駅):営業中?(演歌中心)

■台東区:ヨーロー堂(東武浅草駅):営業中(演歌中心)

■台東区:リズム(JR上野駅):営業中(演歌のみ)

■墨田区:交楽堂(JR両国駅):2017年頃閉店

■墨田区:セキネ楽器(JR錦糸町駅):営業中(演歌中心)

■墨田区:光音堂スペースジャム(東武押上駅):2013年5月閉店

■江東区:天盛堂(JR亀戸駅):2021年1月閉店

■江東区:マエダ楽器(都営地下鉄森下駅):2024年12月閉店

■品川区:MMP1号店(東急武蔵小山駅):2016年10月閉店

■品川区:MMP2号店(東急武蔵小山駅):2019年5月閉店

■品川区:ペットサウンズレコード(東急武蔵小山駅):営業中(全般)

■目黒区:小田レコード(東急学芸大学駅):2025年1月閉店

■大田区:音楽堂(東急大岡山駅):営業中(全般)

■世田谷区:ピエス・マキ(東急松陰神社前駅):2021年10月閉店

■世田谷区:ノヴァリス(小田急千歳船橋駅):2021年8月閉店

■世田谷区:コヤマ(京王千歳烏山駅):2014年頃閉店

■中野区:中野名曲堂(JR中野駅・中野ブロードウェイ2階):営業中(演歌中心)

■杉並区:ゴトウレコード(JR西荻窪駅):2019年5月閉店

■杉並区:ツツ井サウンド 久我山店(久我山駅):2020年頃閉店

■豊島区:聖楽堂レコード店(JR大塚駅):2021年10月閉店

■豊島区:後藤楽器店(JR巣鴨駅):2016年11月閉店

■豊島区:山根楽器 東長崎店(西武東長崎駅):2017年12月閉店

■豊島区:五番街(JR池袋駅・東武百貨店内):2024年8月閉店

■北区:詩音堂(JR赤羽駅):2021年9月閉店

■北区:美声堂(JR赤羽駅):営業中(演歌中心)

■北区:ミュージックショップダン(JR東十条駅):営業中(演歌中心)

■荒川区:オガワデンキ(JR日暮里駅):営業中(全般)

■荒川区:三井屋楽器店(東京メトロ三ノ輪駅):2019年8月閉店

■板橋区:三光堂(東武中板橋駅):2023年頃閉店

■練馬区:ゆうき堂(西武富士見台駅):2023年頃閉店

■足立区:中田星光堂(JR綾瀬駅):2019年3月閉店

■足立区:一陽堂(東武五反野駅):2022年頃閉店

■足立区:ミュージックショップ演歌星(東武大師前駅):2017年頃閉店

■足立区:Fronte.Wonder Music Store(東武竹ノ塚駅):2012年頃閉店

■葛飾区:ワカナ堂(JR金町駅):2013年10月閉店

■江戸川区:音曲堂(JR小岩駅):営業中(移転)(演歌中心)

■江戸川区:アオヤマ(都営地下鉄一之江駅):閉店(閉店時期不明)

以上、現存はたぶん14店舗。

浅草のイサミ堂は演歌中心というか、伝統芸能系の音源に強く、浪曲については過去音源含めて日本屈指の品揃えの店なのですが、土曜の昼というタイミングでシャッターが閉まっていました。
が、状況調べるに今年になって店を開けていたようですし、今は午後から営業という店も割とあるので。

ヨーロー堂は雷門通りの店舗からほぼ裏手、若干横道に入ったところに移転、音曲堂はフラワーロードの自社ビルから駅前のテナントに移転、いずれも店舗としては小さくなりましたが、きっちりとイベントスペースは別途確保し、演歌のキャンペーンはできるようにしています。

他でも、セキネ楽器、中野名曲堂、美声堂、ダンは、そんなに広くない店舗の中にパイプ椅子をぎちぎちに並べてキャンペーン対応しています。

浅草の宮田レコードはゴリゴリめの演歌系である一方、同じく浅草のヨシダもそうかと思いきや、ジャズとクラシックの扱いも丁寧な店。

上野のJR高架下のリズムは、「演歌のセレクトショップ」と呼ぶにふさわしい硬派な品揃え。

早稲田大学にほど近いニッポーや日暮里駅前のオガワデンキ、大岡山駅前商店街入ってすぐの音楽堂は、昭和からのレコード店の雰囲気を色濃く残しています。
局地的な有名人だった「ニッポーのお姉さん」は今もお店を守られていて、時々チョコやキャンディーをくれます。

ペットサウンズレコードはその名の通り、残った店舗の中では断トツで洋楽に強く、またナイアガラ関連の音源の在庫も厚く、セレクトショップ的な雰囲気もあります。
武蔵小山駅前にして5階建て自社ビルの1階での営業ということもあり、時に触れては購入者にトートバッグやタオルを配布していたりする程度の余裕をもって商売されています。

で、ずっと23区内の話をしてきましたが、東京都全体ではどうなんだというところですが、23区以外の都下で現在も営業している「街のレコード屋」は、町田市の鈴木楽器だけじゃないかと思います。
西八王子のミチル楽器は移転後もCD取り扱っていらっしゃるのでしょうか。

ということで、これから今度は大手チェーンの店舗数もカウントしてみますが、多分この「街のレコード屋」含めても23区内に50あるかないか、だと思います。
人口約1000万人で、今もうこれです。通勤通学する人がいても、そんなもんです。

特にこういう「街のレコード屋」はPOSレジを導入されていないところも多く、その場合は主にボーイズグループの熱狂的ファンによる「週末に狙った盤が枯れるまで買い尽くす」行動パターンの対象にはなりませんので、CD販売が伸長している今の恩恵も受けにくく、今後更に減っていくかとは思います。

「tie in reactin DX」でいろいろ観たこと

24日は「tie in reactin DX」。
アイドルグループRAYのメンバー内山さんが主催、新宿・歌舞伎町の同じ通りにあるMARZ、marble、ACB HALLの3か所回遊型のサーキットライブイベント。

今回前代未聞なのは、アイドルグループのメンバー主催にして、本人が所属するRAY以外に一切アイドルグループ不在、インディーズ一部メジャーも含めたバンド及びミュージシャンのみ、という点。
それも全部内山さん自身でアポイントや調整、制作を行っているとのこと。
ただの有能なブッキングマネージャーじゃないですか。

ざっと見ると気にはなっているもののライブを観に行くまで至っていないバンドだらけだったので、今回はRAY云々抜きにして乗っかることに。

各ライブハウス3分程度で移動できる距離ではあるのですが、おっさん無理したら最後までもたないと判断、検討の結果およそACB HALLに籠城することに決定。

チケットのリストバンド交換はMARZだったため、そのままRAYの最初のステージを観てからACB HALLへ移動。

■テレビ大陸音頭
めちゃくちゃ初期衝動で突っ走って、実際フロアに飛び込んで大暴れしているのに、演奏はトリッキーだし、どこか「おもしろ」感もある不思議な感覚のバンド。インテリジェンスとクドさを両立した稀有な存在。

■インナージャーニー
1990年代前後、「J-POP」のフォルムがまだあやふやだった頃、歌謡曲とニューミュージックと「ロック」的な音楽と、いろいろ混沌としていた頃の音楽の総体のような音楽。対J-POP的な姿勢でもなく、J-POPに敢えて寄り添おうともしない、ふわっとしてはいても芯はある感じの。

■ポップしなないで
神田明神ホールでのワンマン以来。
あの頃は完全なキーボードとドラムの2音の体制が大好きだったので、そのワンマンで一部ギター&ベースがサポートに入った時に「なんかこれじゃない」と思って以降少し離れたのでした。
が、最近の音源ではそういう音作りがどんどんこなれている感じだったので、改めて観てみると、謝りたくなるくらいポップスとして進化していました。もう一回ワンマン行きます。

■tiny yawn
インナージャーニーと比較すると、こちらは洋楽寄りの音の重ね方。なのにVo.の女の子の歌等そこはかと、でも確実に「和」の匂いがするのが面白い。あとこの方たちMCがすげえ面白いの何。

■せだい
まったくもってスタイリッシュじゃない。でもそれが何かむしろかっこいいと思えるバンド。あと、上手方下手に向かってギター・ギター・ベースが並んで、それぞれの前にマイクが並んでいるのですが、センターマイク位置のギターが一番歌わないで弾き倒しているの、そういうの大好き。

■the Bercedes menz
これまでと演奏がまるで違う。何ていうか「間違いなくプロの演奏家がプロの演奏をしている」音。この手の音楽は総じて「必ずしも技術を前提としていない」ものだと思っていますし、だからこれまでも楽しく聴いていましたが、キレキレの演奏はやっぱり死ぬほどかっこいい。

■長瀬有花
相対性理論及びその周辺のバンド以降の音なことはわかるのですが、そこここに更なる変容が聴いてとれます。
正直おっさんの心には響ききらなかったのですが、でもこういう人のこういう音楽はむしろその方がいいとも思います。おっさんなんか気にせずに同世代に響く音楽をガンガンやってほしい。

で、Marzに戻って最後のRAY観て終わりなのですが、内山さんの選曲がアゲ曲並べてきたことと、フロアのみんなここまでいろんなライブ観てきたこともあって、信じられないくらい盛り上がる。クラウドサーフ起きるくらい。楽しい。

できるだけジャンル決めずに、いいと思うものは聴いているつもりですが、そういう身にこういうジャンルとジャンルが「混ざる」イベントは、オムライスも餃子も美味い町中華に近いというか、あっちの好きなものとこっちの好きなものを一緒に摂取できるのが純粋に嬉しい。
ライブハウスだから酒も飲んでるし。

そしてもうひとつ嬉しいのは、内山さんのバンド勢に対する信頼と同時に、バンド勢から内山さんやRAYへの信頼も垣間見えて。これはとてもいい傾向です。

ヴィジュアル系じゃないのに多くのヴィジュアル系バンドから全幅の信頼を置かれているTHE NOVEMBERSのような、今後そんな立ち位置にもなれるのではないかとも思います。割と本気で。

「アイドルミュージック」と「ヴィジュアル系」は、音楽の括りの中で「音楽としてのスタイルを指さない」括りの2台巨頭であり、その括りで客を呼べることもある代わりに「その音楽性を評価されにくい」部分も多々ありまして。

それが他ジャンルと繋がり混ざることで、フックアップされてその音楽が音楽として評価されたり、より面白い音楽が生み出されたりするのではないかと思うのです。

THE NOVEMBERSとRAYが対バンとかやって繋がれば、もっと混ざってもっといい感じになるかもしれません。やって。やってください。

タワーレコードの新店舗がまたオープンすること

2026年2月21日、舞浜イクスピアリにタワーレコードが新店舗をオープンさせます。

中古レコード店はともかく、新譜CDを販売する店舗が今後新規オープンすることはもうないだろうと思っていた2024年、タワーレコードが2店舗を立て続けに新規オープンさせて大層驚いたものです。

2024/08/30:TOWER RECORDS mini ビナウォーク海老名店

2024/09/13:TOWER RECORDS mini ららぽーと名古屋みなとアクルス店

見に行ったところ、屋号に「mini」と付いているだけあって、店舗の床面積は非常に小さく、店頭でジャケットを眺めながら買い物をするような感じでもなく。特に今回の舞浜は約10坪という、普通のCD販売なら成り立たないレベル。

2024年にそれぞれ大型ショッピングモールに出店した店舗は、そのモール内に大型のイベントスペースを持っていることがポイントで、そこで様々な音楽グループのイベントを開催し、それに絡むCDやグッズの現地即売を一手に引き受けることで商いとして成立させるタイプの店舗、ということで。

ジャニーズ事務所があんなんなっちゃって以降、日本資本、韓国資本、その他にネット系出身や二次元界隈出身も含めて、割と真っ当に売っていこうとするボーイズグループがガッツリ増えまして。

そのうちSKY-HI氏率いるBMSG所属グループ等一部例外を除けば、日本の既存のやり方通り「CDをできるだけ売っていく」タイプのプロモーションを行っています。

そういうグループの女性ファンは非常に熱狂度が高い方が多く、グループによっては「新譜のリリース週の週末、行ける範囲のCD店をぐりぐり回って店頭在庫があれば全部買い占めて、初登場ランキングをできる限り押し上げるべく行動する」ファンも割といらっしゃったりして。

そういうタイプのファンが多めのグループを連れてきて、ショッピングモールのイベントスペースでミニライブを行って、その後接触イベントもやるよといった形、ミニライブの観覧は完全フリーですが、接触イベントの参加はそのショッピングモールに立地しているCD屋で対象のCDを購入するともらえる参加券を持っている人のみ、みたいなスタイルの商いを行いまくるわけです。

元々そういうスタイルで売っているグループが多くいる女性アイドルグループも含めて、このあたりの「イベント→販売」をきっちり引き受けて、計画的に回していければ、店舗面積は小さくとも十分に店舗として成立するという計算。

実際、現状で複数のイベントスペースを持つ渋谷店や、週末ともなればイベントスペースが何回転もする新宿店に、これらの戦略的な新店舗の効果も含めて、タワーレコードは2024年度決算で最高益を叩き出し、2025年度も安定して利益を出す状況に至ったわけです。
もちろんそういうCDだけでなく、単価の高いアナログの取り扱いが大きくなってきたことも大きいですが。

ということで、2026年2月21日に、そのパターンの新店舗を舞浜イクスピアリにオープンするということです。

イクスピアリには2022年5月まで新星堂が入っていたのですが、入口入ってすぐのところにディズニー各種DVDが並んでいるという、割と立地におもねった感じの商売をしていまして、コロナ後の状況に耐え切れずに閉店しています。

今回タワーレコードが入るのは、イベント連動を考慮に入れていることは間違いないですが、イクスピアリにはビナウォークやららぽーと名古屋みなとアクルスのように巨大なイベントスペースはありません。

とにかく人が集まる場所ではあるので、イベントの数を回すことで成り立たせていくのか、もしくは現状は劇団四季専用になっている舞浜アンフィシアター、「美女と野獣」がこの3月で千秋楽を迎えるので、それ以降以前のように音楽も含めた各種イベントに使われるようになった際の「会場内即売担当」を狙っているのか。

「会場内即売担当」も結構侮れなくて、池袋サンシャインシティに新星堂が断続的に入っていたのは、噴水広場でのイベント時即売による販売量がそれなりにあったからで、イベントが途絶えた2021年に閉店したのもむべなるかな。
(現在の噴水広場の即売担当は主にタワーレコード)

あと、有明の東京ガーデンシアターの建物のすごく一部に、何かのオフィスの受付のように佇む、店頭ではほとんど物を売っていないに等しいHMV SPOT 有明ガーデンは、やっぱりガーデンシアター即売利権のためかと思います。

一方取られてばかりの新星堂ですが、まさに「イベント即売するためだけのスペース」であるところの「エンタバ」という屋号の店舗を渋谷と秋葉原に展開していたものの、渋谷は2021年7月に、秋葉原は2025年11月に撤収しまして、いよいよです。

それでも新星堂は先刻の「新譜のリリース週の週末、行ける範囲のCD店をぐりぐり回って店頭在庫があれば全部買い占めて、初登場ランキングをできる限り押し上げるべく行動する」対象ではありますので、まだその恩恵は受けています。

POSレジを入れていない店舗は、週末に店頭在庫買い占めても初週のランキングに反映されないので、買い占めの対象にならず、恩恵を受けられないので、そういう世の中の風潮に全く乗ることができずにバンバン閉まっています。
以前カウントしていた「東京23区内の個人経営CD店」、だいたいPOS入ってないわけですが、だからさっき改めて数えたら23区内残り13店。ヤバい。
13店舗の件は近々でまた。