怖いアルバムジャケットのこと

今日、中古レコ屋でMarc & The Mambas「Untitled」のLPを買ったんですよ。
Marc AlmondとThe TheのMatt Johnsonが組んだバンドで、Some Bizarreレーベルからリリースされたという、UKニューウェイブのタイムライン上ではそこそこ重要な作品ではあるのですが。
家に帰ってLPサイズのジャケット眺めてたら、これこのサイズで見るとなかなか怖いんですよ。

検索してネットで「怖いアルバムカバー」とかやってる方のを見ると、だいたいBlack Sabbathの1stとかKornの1stを挙げていまして、間違いなくSabbathのそれは大変に怖いのは確かなのですが、そういうの多めそうなHR/HM系・ラウド系を除くというか、他の方が挙げていたのは挙げないというルールで、家にある奴中心に自分でも選んでみました。
ジャケットの絵の部分クリックするとAmazonへのリンクでもう少し大きく見られます。

・My Bloody Valentine / You Made Me Realise EP

いきなり純粋な意味でのアルバムではないんですけど、でもこれ初めて見た時、正味少しビビった記憶があります。

・Curve / Doppelganger

人形系の怖いヤツ。色処理してますがよく見ると非常にいろいろ怖い。

・Strangelove / Time for The Rest of Your Life

人形系のヤツの最高峰。アルバムタイトルからして酷いですが、ちなみに楽曲の歌詞もだいたい酷いです。

・The Sound / From The Lion's Mouth

シチュエーションが全くわからないのですが、「怖い絵展」的な怖さがあります。

・Chumbawamba / Slap!

岸田劉生の絵画的な怖さ。しかも顔色が悪い。

・The Ids / Psycho Babylon

壊れてしまった人の絵画のような、何ともいえない気持ちになります。

・Modern English / Mesh & Lace

実際何をしているのか知る由もないのですが、正味「手が使えない状態で顔に濡れた紙を被せられて苦しんでいる」ところにしか見えないわけです。

・Julian Cope / Skellington 3

亀の甲羅を背負ったり、彼のジャケ写はごく一部を除いてだいたいどうかしているのですが、2018年のこれを見た時には本当にどうしようかと思いました。

・Exhibit B / Playing Dead

Flipper's Guitarも元ネタにしたと言われる比較的ポップな音楽なのに、何でこんな霊安室みたいな。で、このタイトルですから、冗談としても非常にアレです。

時間をかければもっと出てくるのでしょうが、2時間ほど棚とかをゴソゴソした段階では、以上です。

「筒美京平 SONG BOOK」のこと

筒美京平楽曲のカバーアルバム。生前から企画されていたということですが、結局本当の意味での「トリビュート・アルバム」的な形でリリースされました。

これがとてもいい。
通常のカバー曲集、トリビュート・アルバムは企画から各ミュージシャンの担当曲を決めたら相当な部分はミュージシャン側に丸投げなところが多いわけですが、このアルバムは、サウンド・プロデュースこそ、武部聡志氏の他に亀田誠治氏、本間昭光氏、西寺郷太氏、松尾潔氏、小西康陽氏が名を連ねていますが、総合プロデュースとして武部氏ががっつり全体を束ねていて、アルバムとしての全体的な一貫性は抜群。

そしてそういう形ですので、「sumikaの片岡健太」「DISH//の北村匠海」「TUBEの前田亘輝」という形での参加者はいるものの、あくまでもヴォーカリストとしての参加ですので、若手バンドが自分たちの解釈によるほぼコピーとか早めのエイトビートにしただけとかの「浅い」リアレンジをした結果の正味つまんねえ楽曲。みたいなのは皆無。

というか、アレンジも大変にいいのですが、でもこのアルバムの真骨頂は「どの曲にどのヴォーカリストを当てがうか」の選択の素晴らしさ。
橋本愛の「木綿のハンカチーフ」のエゲツないレベルの儚さを筆頭に、JUJUに敢えて元曲は男声の「ドラマティック・レイン」を歌わせたり、少年隊「君だけに」をフルオケでリアレンジしたトラックに西川貴教の声を乗せたり。LiSAの「人魚」は、Aメロを聴くだけで彼女が「声量お化け」なだけのエセ「歌うまい」歌手ではなく本当に歌える人なのだということがわかる。

他もとにかく曲に合った声を選んでいるのですが、最強なのは斉藤由貴の「卒業」を乃木坂46の生田絵梨花が歌ったの。この曲にこの声、もう何度でも聴ける。最高に耳が気持ちいい。
唯一難点があるとすれば、「ごめんね んーん」の「んーん」のところをいくちゃんは「うーう」と歌っているところ。そこは「うーう」じゃなくて鼻に抜けるような「んーん」だったら本当に最強だった。

そしてアレンジで最強だったのはmiwaが歌う「サザエさん」。この曲は自分が高校生の時「このアレンジ、モータウンじゃねえか」ということに気付き、初めて筒美京平氏を意識した楽曲なのですが、元曲は一番古いタイプのモータウン的アレンジだったのが、このリアレンジではもう少し新しいタイプの、でもやっぱりモータウン的アレンジにはなっている。これ本当に面白い。

本当にいろいろ挑んで、いろいろ実現しているアルバムです。
カバーのコレクターは諦めましたが、でも聴き続けてきてよかった。

ポップしなないで@神田明神ホールのライブのこと

先日の土曜日、今年初ライブ。去年は2月までは普通に行っていたので、やっぱ何か違和感がある。
とはいえ自分にもどっか不安はありますので、沸きがちな感じの音楽をやる人たちのライブに行くのも少し憚る感じで、そういうところに割と具合のいい感じの彼女たちのライブ。

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定刻18時から少し過ぎてVo&Keyのかめがいさん一人で登場、おもむろに弾き始める。と同時に揺れる。一瞬自分の気持ちの問題かとも思ったのですが、やっぱり明らかに物理的に揺れている。
それでもしばらく弾くの止めず、やるのか続けるのかと少しドキドキしたのですが、ほどなく演奏停止、仕切り直し。
なかなかにえげつないタイミングでした。
そこから数分後、改めて開始されたのですが。


自分は音楽の表現をもちろんそれは単純に「正と逆」の関係性ではないものの「感情」と「知性」という形で比較すると、どちらかといえば「知性」の音楽を好むタイプの人間です。
CoccoとかJungle Smileとかは、音楽として間違いなく優れていることはわかるけど、「感情」が前面に出すぎているように感じて積極的に聴くまではいかなかったりとか。
でも椎名林檎はすごく聴いたのは、曲に込めた「感情」以上にポップミュージックを制作する上での「知性」が上回っていると自分が感じたから、なんじゃないかとも思います。
もちろんそんなの自分の感じ方次第ですけど。

で、ポップしなないでの音楽にも「感情<知性」を感じていて、だから好きなのかなとも思ったり。
歌詞を書いているのがVoの女子であるかめがいさんではなく、Drの男子のかわむらさんであるということを知って、その気持ちはより強くなって。
これはポップミュージックとしての仕掛けであるわけですが、でもそれに乗っかる気持ちよさはやっぱりライブが最高なんですよ。

かつそれをキーボードとピアノのみという、プリミティブな編成でやるからこそ、そのポップミュージックが生々しく「感情」的に響くという彼女達ならではの構造があり、それがこのバンドを唯一無二の存在にしていると思っています。

だから、サポートでギターとベースを入れての演奏は、悪くはないんですが、ポップしなないででそれをやる必然性は感じねえなあと思いながら新曲を聴いていて。
それでも、MCを聞くに今後そういう最小編成での楽曲は減っていくのだろうなあ、と思いながらも、ただ今後自分がヤられた「マキちゃん」とか「Creation」レベルの曲を大人数の編成でかまされたら、「あり!あり!」とか思っちゃうんだろうなあ、とも思ったり。
単に、好き。

「第4の外資系」SamGoodyのこと

我が家には、開店閉店ブログを開始するにあたって事前に半年くらいかけて作成した日本全国のCD店リストというのがありまして、一時メンテしてなかったのを2018年に大改訂、そしてコロナで外出できなくなったことを機に「既に閉店している店舗」も含めた「日本レコード・CD店(できるだけ)全リスト」化する構想を掲げて日々情報収集を行っています。

その過程で掘り起こしてきたのが、過去に撤退・廃業したチェーン店の情報。中でもたかだか20年前なのに全体像がよく掴めないのが、SamGoodyという外資系のチェーンです。

外資系のCD店チェーンと言えばタワー、HMV、ヴァージンの三大チェーンですが。

■タワーレコード
1979年:輸入盤卸業として日本進出
1980年:札幌に1号店開店(無断で屋号を使用していた輸入盤店を公式店化)
1981年:日本法人設立
1981年:渋谷店開店
2002年:国内投資会社が全株を取得して国内企業化
2005年:NTTドコモが筆頭株主に
2011年:セブン&アイが筆頭株主に
2012年:NTTドコモが再び筆頭株主に

■HMV
1990年:日本法人設立
1990年:1号店の渋谷店開店
2007年:国内投資会社が全株を取得して国内企業化
2010年:ローソンが全株を取得して完全子会社化

■ヴァージン・メガストア
1990年;マルイも出資する形で日本法人設立
1990年:新宿に1号店開店
2003年:マルイが全株を持つ形で国内企業化
2005年:全株を譲渡する形でCCCの子会社化
2009年:TSUTAYAに吸収される形で法人解散

ざっくりこういう形で現在に至るわけですが、「第4の外資系」であるSamGoody、アメリカを拠点にするチェーンで、ハワイのアラモアナセンターとかにも入っていたのですが、1995年頃に日本進出を開始し、各地に店舗を構えたものの、2002年に入る頃には全店が撤退しているというスピード展開のため、あんまり多くの方の心に残っていない状況で。
拾える限り拾った店舗網は以下。

SamGoody 仙台店(仙台市青葉区中央1-1-1 エスパル仙台1階)<1995年頃-2001年頃>
SamGoody 郡山店(郡山市字燧田195 エスパル郡山1階)<1997年頃-2000年頃>
SamGoody 宇都宮店(宇都宮市馬場通り4-1-13 上野百貨店T-ZONE 2階)<1997年-1999年頃>
SamGoody 宇都宮パセオ店(宇都宮市川向町1-23 宇都宮駅パセオ4階)<1998年頃-2001年頃>
SamGoody ららぽーと店(船橋市浜町2-1-1 ららぽーとTOKYO-BAY2 1階)<1995年頃-1999年頃>
SamGoody 成田オーディオスペース店(成田市三里御科牧場1-1 成田空港第1旅客ターミナル内)<1999年頃-2001年頃>
SamGoody 成田オーディオプラザ店(成田市古込字古込1-1 成田空港第2旅客ターミナル内)<1999年頃-2001年頃>
SamGoody 渋谷店(渋谷区道玄坂2-29-1 SHIBUYA109 5階)<1995年-1996年頃>
SamGoody ワンザ有明店(江東区有明3-1 ワンザ有明BAYMALL2階)<1996年-2000年頃>
SamGoody 羽田空港店(大田区羽田空港3-3-2 ピア2内)<1997年頃-2001年頃>
SamGoody 清瀬店(清瀬市元町1-4-5 西友新清瀬店4階)<1996年頃-1998年頃>
SamGoody 横須賀モアーズシティ店(横須賀市若松町2-30 モアーズシティ6階)<1998年頃-2001年頃>
SamGoody 四日市店(四日市市諏訪栄町6-4 スターアイランド4階)<1995年頃-1997年頃>
SamGoody 難波店(大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATモール4階)<1996年-2000年頃>
SamGoody 八木店(橿原市八木町1-8-15 八木ラブリー5階)<1995年頃-1999年頃>
SamGoody 宇部店(宇部市島3-3-8 幸太郎本舗2階)<1997年頃-2001年頃>
SamGoody 高松店(高松市常盤町1-4-1 高松OPA4階)<1998年頃-2001年頃>
SamGoody 高知店(高知市帯屋町1-13-8 アルカ1-2階)<1997年頃-2001年頃>
SamGoody 佐世保店(佐世保市常盤町5-3 佐世保ラッキーボウル1階)<1997年頃-1999年頃>
SamGoody 沖縄テラスハウス店(沖縄市久保田3-241 プラザハウスフェアモール3階)<1997年頃-2001年頃>

以上20店舗。
1995年には私は東京にいたはずなのですが、渋谷に店があったことを全く知りませんでした。知っていたとしても、SHIBUYA109に店を出されたところで、コギャル文化真っ只中のそんな場所に田舎から出てきたばかりの人間が入れるはずもありません。

出店した場所を眺めてみると、店舗網を拡大することを急ぐあまり何のコンセプトも思想もなかったように見えます。
宇都宮店なんか、死に体になって百貨店業態を諦めて床貸しを始めた上野百貨店に入ってみたり(2000年に破産)、難波店は湊町駅だった頃の、繁華街から遠く離れたJRなんば駅の再開発地域、今でこそ高速バスのターミナルとしてそこそこではありますが、それ以前の赤字を垂れ流していた頃。
四日市店は元々ハイソ気味のテナントしか入れない方針でオープンしたはずの商業施設スターアイランドが、バブル崩壊で迷走を始めたあたりでの出店だったり。他にも地方都市の西友とかロードサイド気味のボーリング場の一角とか、何のこだわりもなく、ある程度以上の床面積さえあればウホウホ手を挙げオープンさせていたような雰囲気が漂っております。

そして店内。記憶があるのは四日市店だけなのですが、置いてあるCDが全部馬鹿でかい万引き防止ケースに入っていて、そのせいでCDがびっちり整然と並んでいる感は皆無、どちらかといえば棚は「雑然と並んでいる」感もあり、何というか非常にやるせない気持ちになったことを覚えています。明るく華やかな店内ではあったのですが、そのケースのせいでいろいろ台無し感がありまして。何も買う気になれずに退店した記憶があります。

そういういろいろもありますが、日本撤退の最大の理由は恐らく、アメリカの方のチェーンの売上が麗しくなく、2000年に家電量販店チェーンのBestBuyに買収されてしまったことが大きいのだと思います。
そこからいろいろ再建策を打ち出すものの上手くいかず、2003年に投資会社に売却され、2006年には破産に至りますが、その「いろいろ再建策」の中に「日本での事業からの撤退」があったのではないでしょうか、という推測。

正味、再建策の中に入るくらいには上手くいってなかったのだろうなあ、というのは何となくわかります。それでも日本法人がどうだったとかはどんだけ調べても全くわかんなくて。

それでも、「SamGoody」で日本のサイト検索するともう過去に自分が触れたネタ以外あんまり出てこなくなってしまったこともあり、とりあえず知っている&調べてわかる限りをまとめてみました。

今週のオリコンチャートの合算とCDの違いのこと

今週のオリコンチャート
ジャニ系等の大きなリリースがないこともあり、BEYOOOOONDSの2枚目のシングルがオリコン合算チャートでも1位。
新人アイドルが1枚目のシングルから2枚目のシングルまでのインターバルが1年半開くというのは、途中でアルバムが入ったにしても、過去の常識で考えると相当なことですが、ジャニーズと並んでサブスク大嫌いなハロプロということもありまして、初週のCD売上でもって1位を獲得した次第。

とはいえ、今週の合算チャートとCDのみチャートを比較するとなかなかエグい。

CD01位(合算01位)BEYOOOOONDS
CD02位(合算12位)Kis-My-Ft2
CD03位(合算43位)NIGHTMARE
CD04位(合算49位)柏木由紀
CD05位(合算47位)SixTONES
CD06位(合算51位以下)わーすた
CD07位(合算39位)THE IDOL M@STER
CD08位(合算51位以下)大西阿玖璃
CD09位(合算32位)乃木坂46
CD10位(合算51位以下)=LOVE

1年くらい前までは、最近のヒットメイカーの楽曲が間にぐいぐい入ることはあるものの、CD売上での順位と合算の順位が入れ替わるということはあんまり多くなかったはずなのですが、今やこの有り様。
合算チャートで集計される数の中での「非フィジカル」の割合が凄い勢いで増加しているということで。

で、今回見ていて初めて気付いたのがBTSの「Dynamite」が「CD」でのカウントが一切なかったこと。「あれ」と思って調べてみると確かに国内盤ではCDのリリース一切なかった。
もうシングルとしてのリリースなどない、というのは世界標準としても、「Dynamite」が収録されているアルバムは昨年11月にリリースされた「BE」なのですが、アルバムも国内での扱いは、「韓国盤をユニバーサルミュージックジャパンを通じて販売」という形でありまして、洋楽でよくある「国内流通盤」に近しいスタイル。
全世界的にパッケージの売上が落ちている状況、確かに生産の拠点はできるだけ集約した方がいいに決まっています。ものすごく納得。

逆に、欧米の洋楽については「CD」という形でのリリースがあるのが日本のみ、という状況もちょいちょいあるわけですが、今後それが減っていった時、日本も世界並みになったという証左になるのです。

以下告知。

人生3度目の「多くの人に向かってお話をする」機会、トークイベントに出させていただきます。
正味、全国のレコ屋を散々回ってきてそこそこいろんな店を見てきてはいるものの、ブログで話す内容はおよそ「各論を踏まえての総論化」がメインでして、各論を各論のままアウトプットすることってあんまりなかったのですが、今回はそこらへんをできるだけ面白可笑しく話すことができればと考えております。
よろしくお願いします。

SONYが最近やたら強いこと

3月8日付オリコン合算シングルチャートに入っている人とレーベル。

01. Kis-My-Ft2<avex trax>
02.22/7<SONY>
03. Official髭男dism<PONY CANYON>
04. Ado<Virgin(Universal)>
05. 優里<Ariola(SONY)>
06. 刀剣男士 髭切膝丸<ユークリッド>
07. YOASOBI<SONY>
08. Awesome City Club<cutting edge(avex)>
09. NiziU<SONY>
10. BTS<Universal>
11. YOASOBI<SONY>
12. NiziU<SONY>
13. SixTONES<SONY>
14. LiSA<SACRA(SONY)>
15. 乃木坂46<SONY>
16. Eve<Toy's Factory>
17. 黒崎蘭丸(鈴木達央)<ブロッコリー>
18. Ado<Virgin(Universal)>
19. 山内惠介<Victor>
20. YOASOBI<SONY>
21. 菅田将暉<EPIC(SONY)>
22. YOASOBI<SONY>
23. 平井大<avex trax>
24. yama<SONY>
25. Novelbright<Universal>
26. DISH//<SONY>
27. あいみょん<unBORDE(WARNER)>
28. YOASOBI<SONY>
29. SKE48<avex trax>
30. Official髭男dism<PONY CANYON>

YOASOBIがたくさん入っていることを差し引いても、SONYが強い。
米津玄師もKing GnuもSONYです。異様に強い。

それも、JYPとジャニーズと坂道系を押さえながら、アニソン・ボカロP系・歌い手系・ジャニ以外の男性グループまで隙がなく、かつ年齢幅的にもそつがない。
特にネットとかSNS発の人を押さえまくっている感があります。
記憶にある限り、ネット発の人で初めてメジャーに行ったのは「MYSPACE」から出てきてVictorと契約したたむらぱん、SONYが契約した最初はニコ動出身のピコだったか。
以降、ハチ→米津玄師の大ブレイクもあったりして、そこらへんのアンテナとかが他レーベルよりも発達しているのかもしれません。唾つけた人には栄養費みたいなの配っていたりして。
SONY以外を挙げるとWarner内のunBORDEくらいでしょうか。あいみょん・Tempalay・WANIMA・バルーン→須田景凪とか。

一方1990年代あたりは爆発していたavex、Kis-My-Ft2はともかく他は、もちろん良曲を出してきているとしても、過去から所属してた平井大や移籍組のAwesome City Clubをメディアの力で押し上げようとしている感じで。正味「即戦力になる新人」がいないってことでないかと。
三浦大知の頃からそういう感じはあったんですが。彼についてはスポットライト当たって本当に良かったとは思いますけど。

Awesome City Clubが今この位置にいるのはにわかには信じられないのだけど、以前の彼らとはもう随分違うバンドになっていて。俺ユキエさん推しだったんだよ。つうか「映画『花束みたいな恋をした』インスパイアソング」って、何やねん。

各レーベル恐らく「何がバズっているのかバズろうとしているのか」を必死になってウォッチしているのだろうとは思うのですが、でもそういう感じになってくるとレーベルが元々持っていた「育成」の役割はなくなることはないにしてもいろいろ意味合いは変わってくると思いますし、SoundCloudがインディーズに有利な収益配分を行おうとしているというニュースもあったり、レーベルという存在が、今「卸業」の力が弱まっているように、単なる仲介業者として扱われる未来も、可能性としてはあるのだろうと思います。

「興行」に全振りするリスクを恐ろしいほどに知ってしまった今、ミュージシャンにとっても「音源をどう扱うのか」は相当に重要になってきています。己で己のマネージメントまでやってやろうと思う人であれば、「もうレーベルなんぞいらんわ」という判断もこれまで以上に容易にできてしまう時代。

レーベルにはそういう流れが大きくなる前に、ミュージシャンを立たせて育てるための資金力・組織力であったり、ミュージシャン・リスナー双方にとって信頼に足るだけのブランド力というのも必要になってきます。
SONYはそこらへんある程度先まで見通せているような気はするのですが、他はあんまり変わっている気がしない。いや、多分中では頑張ってる人も多いと思うのだけど。もっと頑張って。偏るのあんまりよくない。

「輸入盤CD」がそろそろ終わりそうなこと

タワーレコードの渋谷店がイベントスペースを大幅拡張したり、新宿店の最上階をアナログ専門フロアにしたりといった動きは、「体験を売る」動きであったりとか、アナログの再評価があったりとかをキャッチアップした結果というのは、当然そうなのですが、そういう方針転換を行う上での前提として「そもそも日本に入ってくる輸入盤CDのカタログ数が減少している」という状況がありまして。

2016年頃に、タワレコに行ってもThe Divine ComedyやThe Wedding Presentの新譜が入手できなくて、ということはそもそもCDが日本に入ってくるのが相当に遅れているということじゃないか、みたいなことを言っていたのですが、結局待っても店頭には入ってきませんでした。

要するに洋楽はどんどんパッケージのリリース数が減っていて、多少作ってはいてもまとまった数が輸入盤として日本まで届くことはないという状況。タワレコの店頭を見ると、さすがに超メジャーな人は国内盤輸入盤とも並んでいるのですが、そうでない場合はもう国内盤しか並んでいない。
つまり、国内盤をリリースするという判断がされなかったミュージシャンであれば、そもそも店頭に並びません。そういう感じになっていて。
オンラインで探せば「在庫わずか」という表記になっていることもあり、入ってきていないことはないがそこに少ししかなく、店頭に並ぶことを期待することはもうできません。

以前、タワレコ渋谷店・新宿店のフロア構成の変遷というのをやったのですが、渋谷店は2011年頃は7フロアのうち3フロア以上が洋楽系で、新宿店は4フロアのうちだいたい2フロアが洋楽系でしたが、現在は渋谷店が2フロア弱、新宿店が9階の1フロア化。だいたい半減していまして、その分がイベントスペースとかアナログのフロアになっている、ということです。

で、東京の大型店舗がそういうことになっているとすれば、地方の店舗はどうなってるのということなのですが、年始くらいの水戸オーパ店は洋楽これだけ。

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先日行ったアリオ川口店はこれだけ。このほとんど全ては国内盤。

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水戸はもう売れ線J-POP以外はK-POPとジャニーズと坂道とアニメ・声優系以外あんまり売る気がない構成、川口もだいたいそんな感じですが、そんなに広い店舗ではないのにもうこんなゆとりのある状況で。

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逆によくこれで商売もっているな、と思うレベル。もってないのかもしれませんが。

HMVも大体そんな感じ、新宿のHMV&BOOKSは「洋楽」コーナーはなく、置いてある「輸入盤」はK-POPの特殊パッケージのみ。レコファンも秋葉原と武蔵小金井にしか店舗がなくなった今、1990年頃以降我々に多大なる恩恵をもたらした輸入盤CDが終わりそうになっています。

1989年、大学入試のために上京し、でも正味「記念受験」的な気持ちだったため、新幹線を降りてそのまま渋谷に直行し、宇田川町の東急ハンズのはす向かい(現在サイゼリヤが入っているビル)にあったタワーレコードで、紙の細長いケースに入ったCDをがっつんがっつん掘って、They Might Be GiantsやThat Petrol Emotionとか買ったのを覚えています。

そこから30年。CDを売る店舗の終焉の前にまず日本における「輸入盤」がもう終わり間近。でも止むを得ない。

最近のJ-POPのタイトルや歌詞のこと

所謂「なろう系」小説のタイトルが長いという話。
それを知った時、最初は「最近の若い読者は読む前に内容ができるだけわかった方がいいのかな」くらいに思っていたのですが、実際に「小説家になろう」サイトに掲載するにあたって、できるだけ多くの人の目に留まるには、「検索での「当たり」判定を可能な限り大きくする」=「多くのワードが検索対象になるように設定する」=「タイトルに検索されそうなワードをできるだけ多くぶち込む」という、非常に実利的な理由があることを知って大変に合点がいきました。
最近のアダルトビデオのタイトルがやたら長いのが多いのも、FANZA等での検索対策としてのそれである、ということもそこから容易に推測できまして、非常に勉強になりました。

ということは、サブスク時代の今、J-POPのタイトルもそうなっていくのではないか、と一瞬想像したのですが、考えてみれば検索されるのは着うたの頃から当たり前のようにありまして、そこに明確にアジャストした結果と判断できるのは「さくらソング」の数々くらいで、あとはダニエル・パウターの2005年のヒット曲「Bad Day」の邦題「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」しか思い付かない。

で、それ以降そういう感じのある意味エゲツないタイトルの楽曲は目立って多くなる気配はなく、歌詞の内容についても、着うたが流行った時期に大量に現れた、「恋愛あるある」的な、内容が具体的な割には全体の感触としてはふわっとしたラブソングは、現在もまだあるにしてもそんなマジョリティでもなくなっています。

そういう歌詞は要するに、マスに乗ることを前提にして最大公約数的なところをターゲットにしたが故のそういう構成であり、もう2020年代にはそれだけではしっくりこなくなっていて、歌詞でゲインを得ようとすれば、ずば抜けてキャッチーなフレーズを持っているか、一聴して尖っているが故に刺さりやすくなっているかしないと難しく、結局音楽はタイトルや歌詞のみではなく、メロディやアレンジも併せて認識されるものであるな、とは思うのですが、とはいえ、いつまでもそうでもないような気もします。

例えば様々な楽曲を解析して「最も今刺さりやすいワーディング調査」みたいなことはどこかで既に成されているような気もしますし、もしかしたら最近バズっている曲のどれかはその成果なのかもしれません。
今後も技術は進んでいきますし、歌詞以外も含めて「マスに乗ることを前提にして最大公約数的なところ」ではなく、「最近バズった言葉とメロディとアレンジを解析した結果の最大公約数的なところ」は今後現れることになるのであろうとは思っています。

そうでなくても、YOASOBIの事例はSONY運営の小説投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説で直接マネタイズするのではなく、そこからひと捻り加えた結果音楽を売るためのビジネスモデルとして成立しましたし、サブスク解禁を渋っていた頃にはまったくもって時代に遅れているように見えていたメジャーレーベルも、ようよういろいろ今に合わせてきているので、今後「すげえ!」と思うのとか「それはないだろ…」と思うのとか、出てくることになるのです。

とりあえず、SONYを筆頭にしてワーナーとかもそういう今の状況を把握している感はありますが、90年代に頭角をあらわしてきた時は最先端だったはずのavexが現状全くそこらへんにアジャストできていないので、頑張れ。

Climb The Mind「蕾」のこと

去年11月にニューアルバムが出ていた。気付かなかった。慌てて発注しました。

1999年結成、名古屋拠点で活動中の3ピース。今回の新譜でオリジナルアルバム4枚目というなかなかの寡作っぷり。
自分が彼らを初めて聴いたのはたぶん2010年、どっかのレコ屋の試聴機に2ndアルバム「ほぞ」が入っていたのをたまたま。その1曲目で随分と驚いて。

こういうメロディを何でこんな滅茶苦茶なドラムに乗せようと思うのか。思ったとして何で録音してしまうのか。
こういう場合、ベースが間を紡ぐような感じになるはずなのですが、聴いた限りそんな様子はあまりなく、むしろベースはベースで時々あさっての方へ向かって行ったりして。
それでも曲全体としては壊れていないというか、聴いたことのない謎のアンサンブルというか、独特の聴き心地が癖になるというか。そういうバンドで。

2017年の3rd「チャンネル3」は多少であれ「普通」に近付いた感があって、今後どうなるかと思ったことも忘れた2020年にニューアルバム到着。
ああ、滅茶苦茶だ。最高だ。

YouTubeで公開されている2曲は彼らのこのアルバムの中では比較的「普通」の部類に入る曲なのですが、それ以外で言うと、1曲目「灯火」の、「こういう感じで始まる曲って時々あるよな」という感じで始まるものの、結局最後までそのまま押し切るとか、各楽器のあさってっぷりここに極まれりといった風情のタイトル曲「蕾」とか、「最高の3ピース」と言ってしまうのはちょっとはばかりますが、「3ピースの極北」と表現するのはやぶさかではない感じの、そういう唯一無二。

彼らの楽曲はblood thirsty buchersのカバー以外サブスク出ていませんので、CD買ってください。
彼らの音源は名古屋のレコ屋Stiff Slackのレーベルから出ているのですが、Stiff Slackの店舗ではガンガン売っていますので、できればそこで。
名鉄瀬戸線の清水駅の改札出て階段降りてその階段の裏の方に回ったところです。すごくいい感じのレコ屋でもありますので、みんな行ってそこで買おう。
自分は昨年の夏に行って、Climb The Mindも収録された地元バンドのコンピカセット等を気持ちよく買い物しました。

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元々繁華街に近いところで営業していたのを、ライブできる場所も併設した形で移転したのに、こういう状況のため、きちんとライブできない状況で営業されていますので、とりあえず買いに行け。そして近々でライブにも行け。

90年代前後デビューの女性アイドルの今のこと

とりあえず酒井美紀さん(42)が初グラビアとの報を受け、勇んで週刊プレイボーイを数十年ぶりかで購入したわけです。
正味、自分もたいがい歳を取りましたので、これくらいがちょうどよく素敵です。ありがとうございます。

週刊プレイボーイが定価500円を超えていたことと、誌内にある広告らしい広告が、自社のもの以外には、国税庁からの確定申告のお知らせと、もはや広告を出せる場所が著しく限られてしまっているJTしかないことにビビりました。表2や表4にも広告入ってないことにはいろいろと考えさせられます。
グラビア以外の記事は非常に十年一日感はありますが、週刊SPAの第一特集がほぼ「月給以外の小銭稼ぎ」と「上級の人間が没落してざまあみろ」と「下にはまだ下がいる」のローテーションになっているのよりはまだ健全だと思いました。

酒井美紀さんには本音を言えばもう一度歌っていただきたいところですが、ブレイクした時点で女優としてでしたので止むを得ない。
そこはそれ、着実にソロキャリアを重ね、一方1stアルバムにして90年代アイドルアルバム屈指の名盤「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ」がアナログでリリースもされた宍戸留美さん(47)、昨年秋リリースの30周年ベストアルバムに年甲斐もなくアップテンポな新曲をぶっ込んできた高橋由美子さん(47)、昨年配信で新曲をリリースし、今年になってフィジカルでもニューアルバムをリリースした中江有里さん(47)あたりを聴くことで、気持ちとしては代替としたいと思います。

あとは谷村有美さん(55)が、今回のマクドがマクドしてマクドされた件を機に、改めて歌っていただけるようなことがあれば、もう何も言うことはありません。がんばれブロークン・ハート。