ジェニーハイ@Zepp DiverCityのライブのこと

昨晩はジェニーハイ@Zepp DiverCity。
後から聞いたら即完もいいところだったらしいのですが、LINEチケットの先行でぶっこんでおいたら取れたのでもうラッキーですよ。とりあえず頭のおかしい編成の人たちなので、どういうスタイルでやるのか一度ワンマンで観ておきたいと思っていたので。

幕前ずっとステージのスクリーンにアー写とバンド名のロゴが繰り返し映し出されるという、なかなか他に見ない状況から暗転すると、出てきたのは天竺鼠。要するに前座ではなく「前説」です。
ちょっと喋ってショートコント2本やってハケるとようやくジェニーハイ登場。そして当たり前のようにステージ中央に5人並んで「ジェニーハイのテーマ」からスタート。あのぬるい振り付けも生で観られました。今度はステージの上の方にのぼって椅子に座って「愛しのジェニー」。まだ楽器に触らない。
ようやく楽器を持ったと思ったら「ランデブーに逃避行」「ダイエッター典子」とわりかし最高めのヤツを連続でカマす。ガッキーのピアノが抜群。このバンドの音楽的な要はやはり彼で、彼の作る音色で楽曲全体の色が決まっていくのだなと理解する。絵音くんのギターは基本刻みに徹しているわけですが、何て言えばいいのだろうか、本当にうまくピアノに寄り添う音になっていて。
リズム隊も頑張っている。友人に聞いた話では、彼が都内のとあるスタジオで練習をして喫煙所に入ったところくっきーと小藪がいたという話。要するに2人で特訓していたということで、実際ステージでも間違いなし。

途中で観客からお題もらって即興で曲を作るというバラエティ的な展開もあり、そこでものすごい勢いでクッキーがネタぶっこんで来たり、それをあしらう小藪が実に座長ぽかったり、「不便な可愛げ」ではアイナ・ジ・エンド(本物)が登場したり、結果として前説あり歌あり踊りあり笑いありゲストありという、ものすごく「芸能ショー」として成立しているステージになっていて。

ゲスの極み乙女。というバンド名を付ける時点で絵音くんはそういうトリックスター的センスであり、そんな頭脳に最強にマッチした「本体」がこのバンドだと思うのです。
元々バンドでフロントの2人、芸人の2人、そして演奏上の圧倒的な要であるガッキー。言うたら5人全員フロントで、実際5人横並びでラップしたりする楽曲も多数。もう「ロック」であることとか「バンド」としての有り様とかどうでもよくて、やってて面白い、観ていて面白い音楽があればいいというとても清々しい態度。もうそんなの圧倒的にアリに決まってるじゃないですか。

絵音くんについては未だに嫌悪感がある、という方もいらっしゃいますし、その気持ちは何となく程度は理解しますが、そんな人間の作る音楽は最低だという方がいらっしゃるのであれば、4人揃ってドラッグキメまくっていたビートルズとか、プロデュースしたアイドル歌手をアルコール漬けドラッグ漬けSEX漬けの廃人同然にしたローリング・ストーンズの作る音楽なんかはさぞや最低に聴こえるのだろうなあ、難儀だなあと思う次第です。