Bring Me The Hrizon
初期のゴリゴリのイメージがずっとあって、あんまりきちんと聴いていなかったのですが、最近のfeat.とか共演とかの幅の広さを見て改めて聴きなおしたら非常に面白くて。
ただ、ライブでは音源のレンジの広さをただそのまま演るのではなく、きちんと流れで聴くことのできるアレンジでもって、ゴリゴリと多彩さの間を縫うように進む匠の技。
所謂「ギターバンド」な音とダンスミュージックの融合、1980年代末頃にはThe Stone RosesやHappy Mondaysのような、どちらかと言えば「本能」に忠実な感じのヤツと、実際インタビューで「順列組み合わせ」という言葉も使っていたJesus Jonesのような「理」を優先して音楽を組み立てていった感じのヤツに分かれていたわけですが、どちらがシーンとして時代を席巻したかと言えばご存じの通り。
まあダンスするにはそりゃ本能に忠実な方がいいだろうと、今なら言えますが、当時は様々な試行錯誤が行われていたわけで。
そして「理」で組み合わせるにしても彼ら以降には、順列とは言えないレベルで複雑になっていったり、組み合わせていじくった結果もうギターバンドでもダンスミュージックでもない独特の音楽が生じたりして、ものすごい勢いで進化を続けました。
Jesus Jonesは正直その進化についていけなくなってしまった感じでドロップアウトしていった、そんなイメージです。
5人組ですが5人ユニゾンはなく、ソロか2声。ごくたまに3声。ただでさえトラックの音が厚いので、それ以上重ねると必要以上に重たくなってしまうということでしょうか。
決して「Born to Sing」「Born to Dance」な女の子たちではありませんが、というか、もしそうだったらそもそもシューゲイザーアイドルなんかやってないでしょうし。
初めて観た時は下北沢シェルターで7拍子のハンドクラップを強要していたことと、オタクが3拍子でコールを打っているくらいが面白ポイントだったMaison book girlが、その後映像に凄い勢いで凝り始め、徐々に常軌を逸していき、それに伴って動員も伸ばし、結果人見記念講堂やLINE CUBE SHIBUYAで滅茶苦茶な映像と演出を伴ったえげつないショーを見せ付けるに至った、という事例もあります。