NEX_FEST@幕張メッセ9-11のこと

11月3日はNEX_FEST@幕張メッセ9-11。
Biring Me The Hrizonがキュレーションを担当した単発のフェスです。主催はクリエイティブマン。

10/31に神戸、11/1に名古屋、そして11/4には幕張の同じ場所で「Extra」として4-5組出るショーもあったのですが、11/3のこれが本丸。2ステージ制で計12組が出演する割とガチのフェス形式です。
もうこれは開催が発表され、トリがBMTHは当然として、YOASOBIと花冷え。の出演がコールされた時点で行くの決定。
サマソニの時、YOASOBIのことを気にすることなく一切揺るがずBlurに専念できたのは、既にその時このチケットを押さえていたからです。

2ステージそんな離れてないし、音出しは完全に交互になる形になっているタイプなので、頑張れば全部見られるのですが、もう頑張れない年齢なのでおよそサブステージの方は花冷え。以外無視する方針で臨み、昼御飯も割ときちんととった結果、観たのは以下。

YOASOBI
だいたい全部なじみの曲だし、そもそも「夜に駆ける」始まりで「群青」で歌わせて「アイドル」でアゲるだけアゲて締めた時点でもう完璧なわけです。
生で観て思ったのはやっぱこの2人すげえなということ。
Ikuraさんは決して声量で圧倒するディーバ系の歌い手ではないのですが、音階とピッチ感についてはおよそ完璧な化け物であり、Ayaseさんはあんな滅茶苦茶を完全にポップ&キャッチーに落とし込む化け物である、ということはわかっていたのですが、ライブで全く誤魔化すことなく歌いこなすIkuraさんと、ベーシックなトラックは完全にサポートに任せた結果、太鼓叩いたりヘドバンし続けたりオーディエンスを煽ったり、これはまるでセンチメンタル・バスの鈴木明則氏のようではないかと思わせるAyaseさん。
ポップスとしての面白さを完全に表現したライブでした。すごい。


花冷え。
周りから「観ろ」「すごいぞ」と言われていたバンド。観た。すごい。
雑に言えば、「可愛い女の子が可愛い格好をしてゴリゴリの曲を演るバンド」なわけですが、ポストBABYMETALという感じでもない。
仕掛けた側はそういう意図もあるのかもしれないのですが、メタルと言えるほどの「様式美」的なものはなく、でもデス声も駆使する割と本格的にラウドな音。

MCになると割とふわふわ感のある女子トークになり、でも演奏を開始するとゴリゴリ&デス声というこの感じが素晴らしく素敵。
公式には「ボーカル」なユキナさんと「ギター&ボーカル」のマツリさんですが、ユキナさんはデス声担当多めで、メロディ部は割とマツリさんが弾きながら歌うので、これ一番近い既存のバンドはマキシマム ザ ホルモンだと思いました。
ユキナさんのパート名は是非「キャーキャーうるさい方」にしていただけるとよいかと思った次第。


マキシマム ザ ホルモン
盤石としか言いようがないのですが、こういうタイプのフェスで「メガラバ」を外してきたのは割と意外でした。
ナヲさんのMC「動画撮ってる人がいるけど、目で見た方がいいから! 花火や月とかも目で見た方がキレイだから!」という割とマジなことを言った後、本当に見える範囲からスマホの画面消えたのすごい。


YUNGBLUD
二言目にはファックファック言うナイスガイ。
でも、実際ファックとしか言いようのない世の中で、そういうペルソナでもってそれをエンターテインメントとして展開する、刹那的ではありつつも真摯な表現者でもあり。

そして過去にそういうペルソナでもって活躍していた「ロックスター」と比較すると、圧倒的な敷居の低さ。
正味洗練されていない、ドカドカうるさくてせわしない音楽とパフォーマンスですが、もはやオーバーグラウンドでは割と希少種となってしまった感のあるこういう音楽を支えている大切な人でもあります。
というか、単純に愉快。楽しい。最高。


BABYMETAL
サマソニでも観ているのですが、そこから比べても更に「仕上がっている」感。
新曲「メタり」は既にライブの中核を担う曲として存在感を放ちまくり、MOMOMETALも全くもって違和感ないというか、もうかっこいい。
まあ、世界中をツアーして回るゴリゴリの「ライブバンド」ですので、それも当然か。


Bring Me The Hrizon
初期のゴリゴリのイメージがずっとあって、あんまりきちんと聴いていなかったのですが、最近のfeat.とか共演とかの幅の広さを見て改めて聴きなおしたら非常に面白くて。
ただ、ライブでは音源のレンジの広さをただそのまま演るのではなく、きちんと流れで聴くことのできるアレンジでもって、ゴリゴリと多彩さの間を縫うように進む匠の技。

このフェスはバンド主催のフェスとしては割と正しくて、feat.のミュージシャン、共演したバンドをきちんと連れてきたブレの少ない感じのメンツだったわけですが、feat.曲でYUNGBLUDも登場し、BABYMETALとの「Kingslayer」に至っては、このライブのピークと言っていいレベル。
いや、もう素晴らしかった。
問題があるとすれば、一応ストーリー的な演出のあるライブだったのが、結局そのストーリーの落としどころがどこだったのか、さっぱりわからなかったことくらいです。


ということで、大変すばらしいライブ続きのいいフェスでした。
圧倒的にオーディエンスの反応も良く、百戦錬磨のマキシマム ザ ホルモンが「すげえ」というレベル。
オーディエンスの反応がいいと当然バンド側もアガりますし、それでまたオーディエンスがさらに盛り上がる、正のループが出来上がりまくりの現場でした。
YOASOBIでサークルモッシュが登場し、元メタルコアバンドのAyaseさんがご満悦というのは、これなかなか観られない。

ただ、問題は幕張メッセの9-11だったということ。
幕張メッセ、1-8であればおよそ問題ないのですが、別棟の9-11は周辺の余裕エリアも少なく常設のトイレも少なめ。
女子トイレは臨時の設置があったのですが、男子は置くスペースなく、結果として女子よりも男子のトイレの方の行列が長いという稀有な状況。
フードエリアも狭いところに無理くりいくつか置いてみましたというレベルなので、どれも長蛇の列。
これは無理だと思って昼飯は駅前まで歩いてうどん食いました。

9-11は、ワンマンとかなら何とかなるのですが、フェス系になるとだいたいこういう感じです。
2016年の「VISUAL JAPAN SUMMIT」もこの9-11でした。まあこれの場合それ以外にもいろいろ酷かったので並べてはいけないという説もありますが。

ともあれ、今後「幕張メッセ9-11」でライブ、というアナウンスが入った際には、用心することが肝要です。割とマジで。