元ジャニーズ事務所の人たちがどのレコード会社に所属していたのか、しているのかということが気になって調べてみました。
1997年以降は自社レーベルも持っている中、それでも自社にすべてを集約するでもなく、割とあちこちのレーベルに振り分けている感があったので。
時代を追って眺めてみるといろいろと趣深いところがありました。
以下表ですが、いろいろ注釈は必要そうです。
ピンクっぽいのが古参レーベル、オレンジっぽいのが新興レーベル、青がジャニーズ事務所の自社レーベルになっています。
古参と新興の区分は便宜上1968年設立の「CBSソニー」以前以後に邦楽部門があったかなかったか、というあたりで切りました。
何せフォーリーブスはCBSソニーの国内ミュージシャンとしては第1号の契約でもあったわけで。
ので、ワーナーの海外ミュージシャンはそれ以前から(東芝から)出ていたけど、ワーナーパイオニアとしては1970年設立なので「新興」、キャニオンも「株式会社ポニー」として童謡とかのカセット出してましたけど、一旦キャニオンレコードの設立が1970年なので「新興」扱いで。
逆にユニバーサルは、「ユニバーサル」という企業はその名前が誕生したのは1999年ですが、元をたどれば1920年代の「ポリドール」にまで遡りますので「古参」扱いという感じです。
また「ジャニーズエンターテイメント」は厳密には2019年を境にしてその前後では厳密には別法人なのですが(2019年5月まではJ Stormと並行して存在した別レーベルで、2019年6月からはJ Storm傘下の「子」レーベル)、そこは分けずに行きます。
あと、レーベルとレーベルの間に隙間があるのは、リリースがない間どっちに所属していたのかしていなかったのかはわからなかったので、リリースをベースにした結果です。
そんな感じで。
まず目につくのは初期の「CBSソニー」所属の多さ。
CBSソニーは1968年3月設立で、その半年後にはフォーリーブスがデビューしているわけですが、CBSソニーは社是として国内契約については一切他レーベルからの転籍で引っ張ってくることをよしとせず、全て「新規デビュー」でして、その第1号がフォーリーブスでした。
当時振興事務所であったジャニーズと、新興レーベルであったCBSソニーとで、相当に馴染んだのであろうと思われます。
以降、割といろんなレーベルと関係作りを行っていますが、それでもソニー系列とその後1970年に立ち上がったフジサンケイ系列のキャニオンと、やはり新興レーベルの多用が目立ちます。古参レーベルにはいろんな条件とかあったのでしょうか。
田原俊彦がキャニオンでの稼ぎ頭でしたが、近藤真彦はRVC(RCAとビクターの合弁)、野村義男はビクターとレーベルを分け、かつ「たのきん全力投球」はフジではなくTBSでの放映と、もうこの時点でいろいろと気配りというか利益配分をベースに様々な配慮がされていることがわかります。
ちなみにこの頃の新興レーベルと言えばフォーライフもそうですが、フォーライフはANKHとひかる一平を短期担当して以降リリースなし。
正味、当時のフォーライフにアイドルを大々的に売り出してブレイクさせるだけのノウハウやコネクションがあったのかといえば、確かに微妙です。
ジャニーズが自社レーベルを立ち上げたのは1997年、KinKi Kidsのデビューに際してですが、1992年に結成し、1994年のデビュー前の段階で武道館単独公演を成功させているくらいの人気をベースにした「何があってもそうそう転ばない」状況でもって、それでも大々的にプロモーションを展開した結果大成功、翌年には既にリリース間隔が空くようになっていた少年隊が移籍します。個々での活動も踏まえたリリース環境を与えるためだったのではないかと思います。
そして2001年には、ポニーキャニオンでは1位を取れたり取れなかったりの状況だった嵐を、自社の新レーベル「J Storm」を設立して移籍させ、その後の爆発的な売り上げに繋げます。
また、関ジャニ∞は、デビュー当初はテイチクの本レーベル、つまり「演歌・歌謡曲」部門としてデビューさせたことで「演歌・歌謡チャート」1位になるものの、その後テイチクのJ-POPレーベルIMPERIALに転籍し、さらにその後J Stormに合流します。
結局そのテイチク/IMPERIAL以降、古参レーベルからのデビューは一旦途絶えます。
正味、今のヒットチャートを考えた場合、ソニーとエイベックスとポニキャン押さえてればいいじゃん、というのは何となく気持ちはわからんでもないです。
その象徴的な存在がSixTONESとSnow Manの同時デビュー。ソニーからSixTONES、エイベックスからSnow Manを、でもデビューシングルは、その異なるレーベルからの2曲をスプリットシングルとしてリリースするという無茶さ加減(ソニー盤はSixTONESが1曲目、エイベックス盤はSnow Manが1曲目)。
これを実現させた、とにかく当時の事務所側の発言力・影響力がハンパなく大きかったということは間違いないことでしょう。
で、そんな中昨年配信でデビューしたTravis Japanはこれまでの流れから一転、古参の中に入るユニヴァーサルからのリリースでしたが、これはデビュー前の海外留学やジャニーズ組としては異色の配信デビューの流れから「世界」を視野に入れ、結果ユニヴァーサル傘下のキャピトルと契約を行ったため。
当時としては滅茶苦茶正しかったと思うのですが、今こんな状況下、「世界」はどうなってしまうのでしょうか。
ここまでリリースした楽曲群はまだ一切フィジカルな盤になっていないのですが、これ原盤権どっちが持っているんでしょうか。CDで出ることはあるのでしょうか。
というか、事務所所属の音源自体、今後どういうことになっていくのか。
いろいろまだこれから気にしなければいけないことはたくさんあります。