第72回紅白歌合戦の出場者傾向のこと

第72回紅白歌合戦の出場歌手が出ました。

とりあえず、まふまふと中村佳穂でしょうか。
近年の「ネット発」が選ばれがちな状況下、「顔を伏せているわけではないから生放送のステージに出られないこともない」属性の方たちの中では、確かにまふまふか須田景凪(バルーン)が筆頭ではないかと思います。
中村佳穂については、NHKというよりは細田守監督の慧眼の結果ですが、あの曲をmillennium paradeの生演奏で演るのはかなり観たい。

ジャニーズ枠は今年は5。昨年はSnow Manが決定していたにもかかわらず、コロナの絡みで辞退を余儀なくされ、元々は7、実質6という値でしたが、今年はさらに減りました。

<2020>

関ジャニ∞
Kis-My-Ft2
King & Prince
SixTONES
Snow Man(辞退)
Hey!Say!JUMP

<2021>
KAT-TUN(NEW)
関ジャニ∞
King & Prince
SixTONES
Snow Man

1994年以降2008年までは長らくSMAPとTOKIOの2組体制だったのですが、2009年に嵐、2012年に関ジャニ∞がレギュラーとして参入して枠拡大、それ以降その他のグループが出たりいなくなったりを繰り返しつつだいたい5組程度を維持していて、昨年発表時の7組は歴代ジャニーズ濃度最高値だったのですが、さすがに過ぎたようです。
ちなみにSMAPとTOKIOの2組体制時代、2001年と2004年はSMAPが不出場、2001年は稲垣メンバーの件での辞退だったわけですが、その2年を1組だけで支えたTOKIOがその後ああいう件のためにその後出場しようがなくなってしまったのは、皮肉というか何というか。

それでも、各グループともメディアに出まくっていて露出は多い分楽曲の知名度も他よりは高く、元々紅白が持っていた「その年流行った楽曲が集まる場」という側面では、ジャニーズ勢は総じて馴染むといえば馴染むわけで。

とはいえ今年特に気になるのは、男子グループではDISH//、女子グループではBiSH。グループの勢い的には両者1-2年前に出ていてもおかしくはないのですが、DISH//は北村くんのお茶の間への浸透、BiSHはNHKアニメの主題歌が決め手になったのではないかと思います。
というか、2010年代前半から地道にやってきたEBiDANとWACKが、遂に紅白にまで来たかと思うとなかなかに感慨深い。

そいで、毎年やってる演歌枠の話。
とりあえず毎年恒例の出場歌手中の演歌のシェア。

2003[紅:11/31 白:10/31]
2004[紅:10/30 白:09/28]
2005[紅:09/31 白:10/31]
2006[紅:11/27 白:09/27]
2007[紅:10/31 白:08/27]
2008[紅:09/26 白:08/27]
2009[紅:08/25 白:08/25]
2010[紅:08/22 白:05/22]
2011[紅:08/25 白:06/25]
2012[紅:07/25 白:05/25]
2013[紅:07/25 白:06/26]
2014[紅:07/27 白:05/24]
2015[紅:07/26 白:06/26]
2016[紅:07/23 白:05/23]
2017[紅:07/23 白:05/23]
2018[紅:06/22 白:05/22]
2019[紅:06/21 白:05/20]
2020[紅:04/20 白:05/21]
2021[紅:04/22 白:04/21]

紅組:石川さゆり・坂本冬美・天童よしみ・水森かおり
白組:純烈・氷川きよし・三山ひろし・山内惠介

五木ひろしが不出場となりましたが、その分他の男性演歌歌手が選ばれることもなく、純粋に1減です。
紅組は去年の段階で丘みどりや島津亜矢が出たりしていた「浮動」的な枠が廃され、男子も五木ひろしの分が今年浮動枠に転じることもなく、これで若手演歌歌手は当面の間、ハンパなくヒットするかハンパなくタレントとして目立つかしないともう出てきようがなくなりました。今の演歌の置かれた状況では相当しんどい。
氷川きよしは、今年はポップスのアルバムをリリースしたこともあり、どんどん「演歌」でいいのか「白組」でいいのかわからなくなっているとしても。

今年は司会の紅組白組制が廃止されますが、さすがに番組全体の建付けまではいじれなかったようで、それでも来年以降どうなっていくかはやっぱり氷川きよしくらい気になります。
でも今年の最注目は、ギリギリのタイミングで代役として急遽抜擢された結果、「むしろこっちの方がよかったんじゃないか」レベルの活躍で株を大いに上げた川口春奈の司会っぷりです。沢尻エリカのいる方に足を向けて寝られない。でも沢尻エリカは今どこにいるのだろう。

竹内まりやのアナログとサブスクのこと

11月3日の「レコードの日」に、竹内まりやの「プラスティック・ラブ」12インチシングルと、アルバム「VARIETY」「REQUEST」がアナログ盤で再発されました。
12インチの方は1985年にリリースされた盤とは微妙にB面のVer.が異なっているので正確な意味での「再発」ではないのですが、そこらへんはだいたいのところで。

今回のこれはアナログ・ブーム、そしてシティポップ・ブームな世の中で、これ以上なく完璧に「ど真ん中」なリリースのため、どれくらい売れるもんかと思っていたのですが、数字出ました。

「プラスティック・ラブ」:約1.4万枚(シングル5位・合算18位)
「VARIETY」:約5,000枚(アルバム6位・合算9位)
「REQUEST」:約4,000枚(アルバム9位・合算14位)

いや、売れてるわ。マジだわ。
「プラスティック・ラブ」なんか1985年のオリジナルリリースの際は最高位86位ですよ。それが再発のアナログの売上だけでこの数字。
そもそもがかつてアナログでリリースされて世に出ている音源で、CDならずっと買えていたものです。そしてただでさえ減っているCD店の中でもアナログ扱う店舗は更に少なくて。
それでこれというのはなかなかエグい。まあ、一番エグいのは、各プレス工場のラインは今はどこもいっぱいいっぱいの中、よくぞこれだけの枚数を用意できたという点ですが。東洋化成主催の「レコードの日」以外では実現できなかったでしょう。

アナログの流行は日本だけのものではないですし、シティポップの再興は、2010年代のVaporwaveからFuture Funkへの流れが元曲の再評価という形でオーバーグラウンドに上がって来た時点で理解はできていたのですが、やっぱこうやって数値として可視化されると、これは一時期の流行というレベルではないということは何となく理解するしかなく。

これらの音源、「REQUEST」は9月14日に、「VARIETY」アナログと同時の11月3日にストリーミング解禁されています。
彼女の音源はまさに「徐々に」解禁されておりまして。

2019/05/10:RCA時代のアルバム
2020/03/24:TRAD
2020/11/24:Expressions
2021/09/14:REQUEST
2021/11/03:VARIETY

RCA時代はともかく、山下達郎氏との魔神合体によってMOON所属になって以降の音源は、最新アルバム→ベスト盤→MOON移籍後の1st→2ndという順序で解禁されていますので、次は「Quiet Life」になるはずです、多分。
下手したら今度は来年のレコードの日に「Quiet Life」「Bon Appetit!」がアナログリリースされ、そのタイミングに合わせてサブスク解禁とか。ありえる。

山下達郎氏の音源の方もそろそろ出てくれないかと思うのですが、海外のシティポップ勢からのものを大いに含んだ「何でサブスクで聴けないんだ」圧は竹内音源の方が強いと思いますし、竹内音源の作業が終わらないことには山下音源に手を付けられないのでないかと思います。

正味、夫婦ともどもコロナ禍以前からリリース含めての動きは、ただでさえマイペース気味だったのがより一層ペースが落ちているのですが、これはきっとずっと「ストリーミング音源の最適化」作業をずっと行っているためではないかと、割と本気で自分は思っています。

ABBA「Voyage」のこと

ABBAの40年ぶりのニューアルバムが11月5日にリリースされました。
まず音源の内容云々の前にそのタイムラインにビビる。
前作「The Visitors」は1981年11月リリース。CDが初めて発売されたのが1982年10月ですから、今回のこのアルバムが「ABBA史上初めてCDがレコードと同時にリリースされたオリジナルアルバム」なわけです。CDの時代全部すっ飛ばしですよ。

自分が知る限りこれまでの「オリジナルアルバムのインターバル最長記録」は、The Pop Groupの「For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?(1980)」から「Citizen Zombie(2015)」までの約35年ですが、The Pop Groupが途中にメンバーチェンジ等挟まっているのに対して、ABBAはデビューから一切メンバーチェンジも脱退もなく、誰か死んじゃったりすることもなく、オリジナルメンバーでの再結成とオリジナルアルバムリリース。もうこの時点でレジェンド決定。

で、内容もまたこれ素晴らしい。何が素晴らしいって「すごくABBA」なこと。
「Waterloo」や「Lay All Your Love On Me」みたいな思い切り跳ねた楽曲はさすがにありませんが、でも今作の「Don't Shut Me Down」なんかもうABBAっぽさ役満状態じゃないですか。
ピアノのグリッサンドからリズムが入って次のグリッサンドでサビに行くとことか、Aメロのソロ歌唱から短いBメロでちょっとハモり、サビで盛大にハモるとことか、もう。

恐らく全盛期、曲作りについてある程度ルーティーン化されたメソッドとかもあって、それを久しぶりに持ってきたのだとは思うのですが、それでもこのブレなさはすごいよ。
声の老いはあります。たぶんちょっと声のデータいじってるところもあるでしょう。でもいいんだ。これでいいんだ。

あとは先日ネタにした際にも挙げた、このアルバムのきっかけとなった「ホログラム・ツアー」というか、何かいくつか記事を見ると「'Abbatar' concert」という表記になってますが、これを観たい。
延期に延期を重ねて遂に2022年5月に公演開始、そしてロンドンの同じ場所で12月までのロングランが決まっています。
なんだそのミュージカル公演みたいなのと思って公演予定を見に行ったら、完全にミュージカルのそれでした。

ドリカムのシングルが売れてないこと

前にこの記事を見て確認しようと思って忘れていたことを今日思い出したので、確認しました。

ドリカム中村正人、売り上げワースト記録更新明かし異例の呼びかけ

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<追記>
実際に中村さんがこの件を発信したのはご本人のブログ「MASABLOG」でツアーの状況報告のPSとして末尾で少し触れたのみの部分。
ここばっかり取り上げて申し訳ありません…。
MASABLOG 10/5
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今回のニューシングル「次のせ~の!で -ON THE GREEN HILL-」のCD売り上げ、最新の数値を見てみたところ、5週目で7,500枚弱。
順位的には、初登場で20位、2週目で下がったものの3週目には23位まで再浮上していますが、これがきっと中村さんの「呼びかけ」によるものだと思います。
が、それでも多少踏ん張った程度であって、1ヵ月たってドリカムをしてこの数というのは確かにちょっと辛い。

それで確認しようと思ったのは、「自己ワースト」と仰っていた点。
本当にそうかいなと思って確認したところ、デビュー直後の2枚「あなたに会いたくて」「APPROACH」はそもそもオリコンの集計に乗るレベルまで売れておらず、その後3枚目「うれしはずかし朝帰り」がプチヒットしたものの、4枚目「LAT.43°N」が5,000枚行かず。
そして5枚目「笑顔の行方」がドラマ主題歌としてバカ売れして以降はスター街道という流れであって、要するに今回のシングルは「自己ワースト4位」が正解。もしくは「ユニバーサル移籍後ワースト」でもありますが、ただもう30年以上前のブレイク以前のことですし、中村氏に危機感があるのは当然かと思います。
つうか今となっては、シングルとしてリリースされた当時「LAT.43°N」がそれだけしか売れていなかったことにビビります。

ただ、今回のニューシングル、楽曲自体は伊藤園「お~いお茶」のCMタイアップで割と耳にするものの、内容を確認すると楽曲自体は30年前にセガ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』用に中村氏が書き下ろした楽曲のリプロダクション。
そしてシングルの内容的にもカップリングは別Ver.とカラオケが2Ver.の4トラックで、他の未発表曲はなし。
パッケージとしては当然ジャケ写は撮り下ろしでアートワークも奇麗なのですが、特殊パッケージや映像特典等が付くなどガチファン以外が「パッケージとしてどうしても欲しくなる」仕様ではなく。

要するに2021年、わざわざ出かけようにも近隣にCD販売店はなく、週末にショッピングモールに家族で出かけた際にCD販売店にエンカウントする率も徐々に減りつつあるこんな世の中、曲だけであればサブスク契約している人なら普通に聴ける今、TVCMでの接触程度でCD購買にまで至るような環境ではなくなっているわけで。
特殊仕様やライブフル収録の映像ディスク付き、果ては演歌の一部のようにカップリング曲を6種用意して時期ごとに差し替えて再発売するとか、各社各者パッケージの売上数を積むために様々な「武器」を搭載して、それでもギリギリの戦いを繰り広げている中、今回のドリカムのシングルはあまりにも平成の従来に近い方針だったというか「丸腰」すぎたというところでしょう。

いろいろミュージシャン・運営としての考えはあるとは思いますが、恐らく今後ドリカムがシングルをリリースする際には何らか「武器」を搭載することになるでしょう。
もしくはミスチルやB'zのように、「(デカいタイアップで確実に数が出ることが推測可能な場合を除いて)パッケージではシングルもう出さない」判断になるか。
まあ、実際こうやってオリコンシングルチャートは今のようなことになっていったわけで。時代ということで全部片づけよう。

館山のカミヤマサウンドステーションが閉店したこと

先日の配信で、館山市のカミヤマサウンドステーションのことを話しました。
アーカイブ的にも残しておこうと思い、改めて書くことにします。

この10月9日、千葉県館山市のカミヤマサウンドステーションというCD/楽器店が66年の営業を終えて閉店しました。

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一部の方というか、X JAPANのファンの方には、YOSHIKIとToshiIが
学生当時通った店として「聖地」的に愛されてきた店でした。

この店の特異な点は、地方の単独店舗にもかかわらず法人組織による経営だったという点です。
家族経営でも形式的に有限会社の体を取っているところは他にもありますが、この店は閉店のご挨拶にも「社員一同」とある程度には企業としての運営だったようです。たとえ閉店1週間前に伺った際に店長しかいらっしゃらなかったとしても。

もちろん大きなチェーンはすべて法人ですし、単独店舗でも池袋の五番街、福岡天神のインドウ、鹿児島の十字屋クロス等、法人組織経営の店舗はありますが、人口5万人足らずの都市でそういう形でこの規模の店舗を維持してきたというのはちょっとした奇跡だと思うのです。
ショッピングモール内の小規模タワレコレベルの床面積の店舗に、立派な試聴スペース、そしてかなりレアなグッズも揃ったX JAPANコーナー。非常に楽しいお店でした。

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数年前にはもはや車で一杯になることのなくなった駐車場スペースを活用してのカーシェア事業にも乗り出したりしていたのですが、やはりそれ以上に本業がシュリンクしてしまってはどうしようもなく。

かくして南房総に残るCD販売店は、館山と鴨川のTSUTAYAと安房鴨川駅そばの「オーディオソニック」のみに。
かっこいい屋号ですが、店を守るは80歳のお爺ちゃん。

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閉店は悲しいことではありますが、閉店日を決めてきちんとお店を畳めることはまだ幸せな方でもあって。
「店長が体調不良のためしばらくお休みします」という貼り紙があって、しばらくたってシャッター閉まったままその貼り紙もなくなって、またしばらくしたら「テナント募集中」の看板かかってたりするの。
何の貼り紙もなくただシャッター閉まり続けて、次行った時には建物きれいになくなって更地になってたりとか。
ああいうのが一番辛い。

五木ひろしのこと

はい、来たるべき時が遂に来ました。

紅白連続出場50回の大ベテラン、ここで卒業ということになりました。
言うても昨年の登場の際、クドいくらい「区切り」「区切り」と強調され、歌唱中には過去出場の映像が総集編のようにインサートされ、逆にあれで終わりでなかったら何なのレベルの状況ではあったわけですが。

それでも彼は、過去に出場しなくなった演歌勢のベテランとは明らかに異なる存在ではありました。
まず、彼は長野五輪の際に「千曲川」を選んだり、その年亡くなった作家の先生の楽曲を追悼として選んだことはありましたが、そういう特別な理由がない限り本当に「その年発表した楽曲」を歌い続けた人でした。
50回出場して41曲歌っているという被ってなさっぷり。

元々最初のヒット「よこはま・たそがれ」は作詞:山口洋子、作曲:平尾昌晃という、当時としては所謂「演歌」とは異なるフィールドの作家陣による、演歌と呼ぶよりは「歌謡曲」と呼んだ方が近しい楽曲。
というかロカビリーのシーンからデビューして、その後も「カナダからの手紙」等ポップスシンガーでもあった平尾昌晃が初めて演歌的な楽曲を手掛けたのがこの曲だったということもありまして。

以降、楽曲提供した方の名前を見ていくと、猪俣公章・遠藤実・岡千秋・古賀政男・船村徹・星野哲郎といった演歌の大家から、秋元康・阿久悠・芹澤廣明・筒美京平・都倉俊一・松本隆といったポップス系をメインフィールドにしている作家、宇崎竜童・岡林信康・小椋佳・玉置浩二・つんく・永井龍雲・南こうせつといったフォーク・ニューミュージック・J-POP系の自作自演の方と、凄まじい幅。
こんだけの幅の楽曲歌った人は、彼以外に果たしているのでしょうか。

楽曲のタイプとしても歌謡曲的な空気感の曲が割と多く、他にはボサノバ系やラテン系等、海外の音楽に寄せた感じのものもあって、実は「ド演歌」的な楽曲はそんなに多くなかったりとか。

更にコンサートになると、自曲の幅広さに輪をかけて、サザンから安室奈美恵からPuffyから「ピクミンの歌」までをカバーして歌い倒す怪物っぷり。

彼のモノマネをする人はだいたい右手のこぶしを握ってリズムを取るあのポーズをするわけですが、あれも完全に狙った結果「代名詞」と言える存在にまでなったもので、これは雑に言えば最近のK-POPとかの人たちの「〇〇ダンス」のはしりのようなものと言ってもいいかもしれないのです。雑に言えば。

要するに彼は「演歌歌手」であること以上に「流行歌を歌う人」であることにこだわり続けた人であり、だからこそ元々は「その年に流行った曲の歌手が一堂に会する」場であった紅白歌合戦で「その年の曲」を歌うことに執着し続けたのであろうと思うのです。

そして、様々に嗜好が細分化して「老若男女みんな知ってる流行歌」が極限まで減ってしまったこの時期に、いわば「最後の流行歌歌手」が紅白から去るというのは、ある意味非常に象徴的でもあります。

というか、そういう人が完全にいなくなって、果たして紅白歌合戦が今後どういう形になっていくのか。まあ現状半ば「みんなが好きな懐メロ大会」ではあるのですが、五木ひろしがいなくなることで完全に「元々の意義」が消失するわけで。
今後新しいキーを見つけ出すのか、よくわからないグダグダなまま、ただ続いていくのか。後者の可能性が非常に高いというか現状でほぼそうなっているのですが、それでもそういうグダグダが嫌いではないので、毎年観ているのです。
ただ、実家でもだんだんキツくなってきているので、そろそろ録画したのを後から見ることも考えなくてはいけません。割と本気で。


東京23区「中古・輸入盤屋」のこと(2021)

23区の新譜CD店を、チェーン含めて数えた後、ふと「これもしかしたら中古輸入盤屋の方が多いんじゃね?」と思いまして、今度はそっちを数えてみました。

基本は「レコード+CDマップ 21-22」ですが、編集タイミング以降の開店閉店を確認し、掲載されてない店も割合多いのが実際のところですので、そこは自前の資料とか記憶とか検索とかで補足。
各区の後の数が区内の総数、その下の「町名」部分は、その区内の総数のうち、その町名の地域に何店舗あるかを示します。

それでも中古レコード屋は、現状でそれ単体で商売していない店も非常に多く、アパレルのついでにレコード置くとかカフェと併業とか、そういうのもできるだけ拾ったつもりですが、正味知らない店も絶対あると思いますので、まあ概数として捉えていただければ。

あと問題は「ディスクユニオンをどう数えるか」。
例えば新宿の山田ビルは6フロア別ジャンル展開していますが、ディスクユニオンの言いなりになるとそこだけで6店舗ということになるのですが、さすがにそれはどうかと思ったので「フロア数にかかわらずひとつの建物=1店舗」としてカウントすることにしました。

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こちらは昨年7月に文京区湯島にオープンした東都 records & books。

千代田区:15
 ・神田神保町:8

中央区:3

文京区:4

新宿区:26
 ・新宿:6
 ・西新宿:14
 ・高田馬場:2

渋谷区:22
 ・宇田川町:9
 ・神宮前:5
 ・神南:2

目黒区:4

世田谷区:19
 ・北沢/代田:14
 ・三軒茶屋:3

杉並区:12
 ・高円寺北/南:6

中野区:6
 ・中野:6

豊島区:4

板橋区:1

練馬区:2

北区:1

台東区:1

足立区:1

墨田区:2

江東区:2

合計:125

つうことで、新譜CD販売店が75でしたので、やっぱり23区という括りの中では中古屋の方が多かった。

が、それでもやはり最盛期と比較すると「激減」と言っていい状況ではあって。
渋谷の宇田川町をはじめとした駅周辺エリアや西新宿は、最盛期の21世紀初頭には余裕でそれぞれ50店舗以上あったのが今やこういう数ですし、最近の東京では最もレコ屋が元気な下北沢も、店舗数としては最盛期よりは減っています。
新譜CDがバンバン売れ、結果中古CDもばかすか市場に流れ、それもガンガン売れていた頃と比較すると、アナログ流行りとはいえ、やっぱり商材の総数はシュリンクしているわけです。

とはいえ、地方から見たらこの状況はまだ「ある」ことには間違いなくて。
最近は、地方と呼んでいい場所に新たに割といい感じそうな中古レコード屋が続々とオープンしていますが、今後全国的に中古レコード屋が続々誕生したとしても、かつての新譜CD店のような分布数になるはずもなく、「音源を売る店」はやっぱり減っていくのです。

あとはそういう地方のレコ屋が変に突っ張って「アナログしか置きません」とか言わずに、雑でもいいのでCDも置いてくれれば、「配信もされずアナログもない」音源を主に探る「地方レコ屋巡り」の私の道程は今後も際限なく続くのです。

東京23区「街のレコード屋」のこと(2021)

土曜日にまた古書店&レコード店トークをやらせていただきました。
10月23日までアーカイブで見られますので、今からでもよろしければ。

準備していたのですが流れで一部以外はしょったのが、東京23区の「街のレコード屋」の話でした。
この場合の「街のレコード屋」とは、
・街の路面店
・国内邦楽新譜をメインに販売する
・チェーンではない
あたりを定義としていますが、それでカウントすると2016年に数えた時に営業していたのは、当時は不明としていたものの移転して営業していたことがわかったピエス・マキを加えて33店でした。
その後閉店したと思っていたら移転して営業していたゆうき堂、あと上記の定義とずれるのですが、今回改めて考えたところ他に属するところがなかったので、中野ブロードウェイ内の中野名曲堂、池袋東武百貨店内の五番街もここに入れた形にして、5年半ぶりに改めてカウント。

■新宿区:ムトウ楽器(JR高田馬場駅):2013年4月閉店
■新宿区:ニッポー(都電早稲田駅):営業中
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■中央区:ミヤコ銀座店(東京メトロ銀座駅):2013年12月閉店
■港区:東京堂(JR新橋駅):2015年9月閉店
■品川区:MMP1号店(東急武蔵小山駅):2016年10月閉店
■品川区:MMP2号店(東急武蔵小山駅):2019年5月閉店
■品川区:ペットサウンズレコード(東急武蔵小山駅):営業中
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■大田区:音楽堂(東急大岡山駅):営業中
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■目黒区:小田レコード(東急学芸大学駅):営業中
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■世田谷区:ピエス・マキ(東急松陰神社前駅):2021年10月閉店
■世田谷区:ノヴァリス(小田急千歳船橋駅):2021年8月閉店
■世田谷区:コヤマ(京王千歳烏山駅):2014年頃閉店
■杉並区:ゴトウレコード(JR西荻窪駅):2019年5月閉店
■杉並区:ツツ井サウンド 久我山店(久我山駅):2020年頃閉店
■豊島区:聖楽堂レコード店(JR大塚駅):営業中
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■豊島区:後藤楽器店(JR巣鴨駅):2016年11月閉店
■豊島区:山根楽器 東長崎店(西武東長崎駅):2017年12月閉店
■板橋区:三光堂(東武中板橋駅):営業中
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■北区:詩音堂(JR赤羽駅):不明(2021年9月閉店?)
■北区:美声堂(JR赤羽駅):営業中
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■北区:ミュージックショップダン(JR東十条駅):営業中
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■台東区:マコト商会(東京メトロ仲御徒町駅):閉店(閉店時期不明)
■台東区:ヨシダ(TX浅草駅):営業中
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■台東区:宮田レコード本店(東武浅草駅):営業中
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■台東区:宮田レコード新仲店(東武浅草駅):2015年8月頃閉店
■台東区:イサミ堂(東武浅草駅):営業中
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■台東区:ヨーロー堂(東武浅草駅):営業中
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■台東区:リズム(JR上野駅):営業中
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■荒川区:オガワデンキ(JR日暮里駅):営業中
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■荒川区:三井屋楽器店(東京メトロ三ノ輪駅):2019年8月閉店
■墨田区:交楽堂(JR両国駅):2017年頃閉店
■墨田区:セキネ楽器(JR錦糸町駅):営業中
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■墨田区:光音堂スペースジャム(東武押上駅):2013年5月閉店
■足立区:中田星光堂(JR綾瀬駅):2019年3月閉店
■足立区:一陽堂(東武五反野駅):営業中
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■足立区:ミュージックショップ演歌星(東武大師前駅):2017年頃閉店
■足立区:Fronte.Wonder Music Store(東武竹ノ塚駅):2012年頃閉店
■葛飾区:ワカナ堂(JR金町駅):2013年10月閉店
■江東区:天盛堂(JR亀戸駅):2021年1月閉店
■江東区:マエダ楽器(都営地下鉄森下駅):営業中
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■江戸川区:音曲堂(JR小岩駅):営業中
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■江戸川区:アオヤマ(都営地下鉄一之江駅):閉店(閉店時期不明)
■練馬区:ゆうき堂(西武富士見台駅):営業中
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■中野区:中野名曲堂(JR中野駅・中野ブロードウェイ2階):営業中
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■豊島区:五番街(JR池袋駅・東武百貨店内):営業中
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ということで、ゆうき堂・中野名曲堂・五番街を加えて21店舗ということになりました。
トークでも言った通り、上野のリズムは「街のレコード屋」というよりはガチの「演歌セレクトショップ」なので、果たしてここに入れていいのかという気もしなくはないのですが、前回ママで入れてます。

ピエス・マキはつい先日まで営業されていたのですが、9日の昼間に見に行ったら撤収作業の真っ最中でした。
また、赤羽の詩音堂は、話をした時はまだ全く知らなかったというか、9月22日に行った時には普通に営業されていたのですが、どうも9月いっぱいでビルの建て替えのため一旦閉店され、建て替え後にCD店を再開するかはまだ未定ということのようです。

で、ここまで減るともう「街のレコード屋」とか言ってられなくなり、諸々チェーンも含めて「CD販売店」は23区にどれくらいあるのか、数えてみました。
レンタルだけとか、書籍のみの店は除き、チェーンの中で「CD販売」を行っている店のみで。

〇タワー(8)
千代田区:タワーレコード 秋葉原店
新宿区:タワーレコード 新宿店
渋谷区:タワーレコード 渋谷店
豊島区:タワーレコード 池袋店
墨田区:タワーレコード 錦糸町パルコ店
葛飾区:タワーレコード アリオ亀有店
江東区:TOWERmini ダイバーシティ東京プラザ店
練馬区:タワーレコード リヴィン光が丘店

〇HMV(6)(record shop除く)
千代田区:HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE
新宿区:HMV&BOOKS SPOT SHINJUKU
渋谷区:HMV&BOOKS SHIBUYA
豊島区:HMVエソラ池袋
江東区:HMV SPOT 有明ガーデン
江東区:HMVららぽーと豊洲

〇新星堂(2)
墨田区:新星堂 アルカキット錦糸町店
江戸川区:新星堂 アリオ葛西店

〇山野楽器(2)
新宿区:山野楽器 小田急新宿店
中央区:山野楽器 銀座本店

〇バンダレコード(2)
板橋区:バンダレコード イオン板橋店
北区:バンダレコード イトーヨーカドー赤羽店

〇TSUTAYA(23)(CD販売取扱店のみ)
港区:六本木 蔦屋書店
港区:TSUTAYA 新橋店
港区:TSUTAYA 赤坂店
渋谷区:SHIBUYA TSUTAYA
渋谷区:代官山 蔦屋書店
品川区:TSUTAYA 西五反田店
品川区:TSUTAYA 大崎駅前店
目黒区:中目黒 蔦屋書店
目黒区:TSUTAYA 自由が丘店
世田谷区:TSUTAYA 馬事公苑店
世田谷区:TSUTAYA 三軒茶屋店
世田谷区:二子玉川 蔦屋家電
杉並区:TSUTAYA 浜田山店
中野区:TSUTAYA JR中野駅前店
板橋区:TSUTAYA セブンタウン小豆沢店
北区:TSUTAYA 赤羽店
台東区:TSUTAYA 浅草ROX店
葛飾区:TSUTAYA 亀有店
葛飾区:TSUTAYA 青戸店
江東区:TSUTAYA 東大島店
江東区:TSUTAYA BOOKSTORE APIT東雲店
練馬区:蔦屋書店 練馬春日町店
練馬区:TSUTAYA 練馬区役所前店

〇GEO(5)(CD販売取扱店のみ)
大田区:GEO グランデュオ蒲田店
荒川区:GEO 町屋店
足立区:GEO 綾瀬店
葛飾区:GEO 立石店
江戸川区:GEO 江戸川店

〇古本市場(5)(CD販売取扱店のみ)
足立区:古本市場 竹の塚店
足立区:古本市場 保木間店
葛飾区:古本市場 新小岩店
江東区:古本市場 西大島駅前店
練馬区:古本市場 光が丘店

〇くまざわ書店(1)(CD販売取扱店のみ)
大田区:くまざわ書店 イトーヨーカドー大森店

以上、全部合計して75店舗。数え漏れあっても許してください。
正味中にはレンタルや書籍でいっぱいのでかい店舗の中にCD販売は棚がひとつ、みたいなところも多分にあるのですが、それでもこの数。
いや、2021年にこれは、多いのか少ないのかよくわからなくなりました。

ただ、見ていると東京の真ん中あたりの区、たとえば文京区はもう1店舗もなく、昔はWAVEとかデカい店がけっこうあったはずの港区もTSUTAYA3店舗のみで、更に西の方と東の方を比べると東が圧倒的に多く、区の単位で一番多いのは江東区だったりするのは、これいろいろ含んでるような気はするのですが、気がするだけかもしれない。

「CD店路線図」を作ろうとしたこと

Twitterにはちょっと上げた件ですが。

「カフェ路線図」がバズってるのを見て「これCD店とかでやったらいけるんちゃうの」と思い、情報を拾ってEXCELに置いてみたのですが、予想以上に地獄じみた様相を呈してきたため、きれいにデザインすることなく止めてしまいました。
とはいえせっかく作ったので、成仏させるためにEXCELのままでスクリーンショット撮って公開することにします。

  • 白丸は店が現存しているところ、黒丸はかつてお店があったところ
  • 基本的に駅からの徒歩圏内にあることが条件。
  • かなり調べてはいるのですが、新星堂やTSUTAYAは、すごく昔にあったとか一瞬だけ存在していたとかで落ちているところもあるかもしれないです。

JR(山手線・中央線快速・中央総武緩行線・京浜東北線)
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私鉄(東急東横線/田園都市線・小田急線・京王線)
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私鉄を西ばかりにしたのは、HMVや山野楽器は東京の東の方に店があんまりないので少しでもサマになるようにです。

で、こうやって見てみると新星堂とTSUTAYAの地獄っぷりがかなり可視化されてしまって切なくなります。
他のポイントとしては、過去にあったものも含めて、都心を除いて出店率が異様に高いのが吉祥寺と町田ですが、吉祥寺は元々それなりの住民がいるところに観光地的に人が集まる側面もあるので、都市の規模以上に商業が集積しているからだなあとか、町田は「町田市」だけだとここまでいかないはずですが、実質的に相模原市の首都でもありますのでこのレベルになるだろうなあ、とか。

人はそこそこ住んでいるはずなのにほとんどここに載るような店がない京王線の府中から八王子の間は、ここらへん地方チェーンDORAMAの本拠地だからかなとか、中央緩行線の新宿から秋葉原の間は、駅近の程よい場所にそれなりの床面積&そこそこの賃料の物件がなかったのだろうなあとか。

とはいえ、今こういう状況なんだよなあということを見ていただいて一緒に切なくなっていただければもうそれでいいです。

そして、こういう話のもっと濃いやつをまた配信トークライブで話す機会をいただきました。
twitcasting.tv
また、とみさわさんのヤバい話に負けないよう、私も頑張ってネタ繰りをしています。いろいろとまだ全く世に出していない新ネタを繰り出せるよう準備しています。
ぜひよろしくお願いいたします。

洋楽のカラオケのこと

こういうのを見かけてRTしたのですが。

で、試しに検索してみると意外にある。検索したのはジョイサウンド。原則「お店で歌える曲」で検索してみました。

My Bloody Valentineは「Soon」以外にも「Only Shallow」「Sometimes」「To Here Knows When」の、いずれもアルバム「Loveless」収録曲のうち割と歌い甲斐のありそうな4曲。あと「When You Sleep」があればおよそ完璧じゃないでしょうか。

シューゲイザー系で他はないのかと探すものの、「Ride」「Lush」で1件も該当曲がなかった時点で絶望的。
諦めかけながらThe Jesus And Mary Chainで試してみたところ、1件ですがヒット。「Just Like Honey」。確かに1曲とすればそれか。カラオケ映えという意味では「Happy When It Rains」とか「Sidewalking」の方がよいとは思うのですが、贅沢言っちゃいけない。

次、ブリットポップ等90年代UKのあたり。
OasisBlurRadioheadあたりは当然のように潤沢。ただRadioheadの「House Of Cards」とかを、敢えて選んで歌う人がどんな人かと考えると少しドキドキします。
その他はなかなか厳しい。Suedeが7曲、Pulpが4曲、The Boo Radleysは「Wake Up Boo!」のみあり。そんな中でAshが何と30曲、Ocean Colour Sceneも8曲あるのは大健闘。ファンが死ぬほどリクエストしたのでしょうか。

次、USオルタナ系。
NirvanaThe Smashing Pumpkinsあたりはそれなりに潤沢にありますが、それ以外が結構微妙。Alice in Chains12曲、Pearl Jam11曲、Sonic Youth11曲、Stone Temple Pilots9曲、Pixies7曲、Soundgarden7曲、Dinosaur Jr.4曲。そんな感じ。
Sonic Youthの中には9分を超える「Sympathy For The Strawberry」もあるのですが、やっぱり「前奏 約3分33秒」とか表示されて歌う本人以外全員絶望したりするのでしょうか。
一方「ないだろうなあ」と思って検索してみたJane's Addiction、2曲ですがあったのすごい。「Been Caught Stealing」をリミックスVer.の方で歌いたい、というのはないものねだりです。

パンク系はThe Damnedが2曲、Buzzcocksがない時点で先を察し、ネオアコはAztec Cameraが5曲のみという時点でそれ以上は期待薄と判断しました。

それまではスナック的な店で嗜むものだったカラオケが、専門店やカラオケボックスの普及で一気に学生レベルにまで達したのが1990年前後。
結局60-70年代含めて「レジェンド」的なバンド以外は、受け手側がそのタイミングに間に合ったかどうかがカラオケの潤沢さに直結しているのではないかと思うわけです。
自分はぎりぎり間に合っている世代のはずなのですが、でも学生時代含めてカラオケは「自分が好きな歌を歌う」場ではなくあくまでもコミュニケーションツールでしたから、マイナーな洋楽を歌いたいと思ったこともなく、ですのでヒトカラも普通になった今、こういうのを敢えて歌いに行くのはアリかなと思うのですが、でも歌うならThe Pale Fountainsを歌いたい。