館山のカミヤマサウンドステーションが閉店したこと

先日の配信で、館山市のカミヤマサウンドステーションのことを話しました。
アーカイブ的にも残しておこうと思い、改めて書くことにします。

この10月9日、千葉県館山市のカミヤマサウンドステーションというCD/楽器店が66年の営業を終えて閉店しました。

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一部の方というか、X JAPANのファンの方には、YOSHIKIとToshiIが
学生当時通った店として「聖地」的に愛されてきた店でした。

この店の特異な点は、地方の単独店舗にもかかわらず法人組織による経営だったという点です。
家族経営でも形式的に有限会社の体を取っているところは他にもありますが、この店は閉店のご挨拶にも「社員一同」とある程度には企業としての運営だったようです。たとえ閉店1週間前に伺った際に店長しかいらっしゃらなかったとしても。

もちろん大きなチェーンはすべて法人ですし、単独店舗でも池袋の五番街、福岡天神のインドウ、鹿児島の十字屋クロス等、法人組織経営の店舗はありますが、人口5万人足らずの都市でそういう形でこの規模の店舗を維持してきたというのはちょっとした奇跡だと思うのです。
ショッピングモール内の小規模タワレコレベルの床面積の店舗に、立派な試聴スペース、そしてかなりレアなグッズも揃ったX JAPANコーナー。非常に楽しいお店でした。

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数年前にはもはや車で一杯になることのなくなった駐車場スペースを活用してのカーシェア事業にも乗り出したりしていたのですが、やはりそれ以上に本業がシュリンクしてしまってはどうしようもなく。

かくして南房総に残るCD販売店は、館山と鴨川のTSUTAYAと安房鴨川駅そばの「オーディオソニック」のみに。
かっこいい屋号ですが、店を守るは80歳のお爺ちゃん。

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閉店は悲しいことではありますが、閉店日を決めてきちんとお店を畳めることはまだ幸せな方でもあって。
「店長が体調不良のためしばらくお休みします」という貼り紙があって、しばらくたってシャッター閉まったままその貼り紙もなくなって、またしばらくしたら「テナント募集中」の看板かかってたりするの。
何の貼り紙もなくただシャッター閉まり続けて、次行った時には建物きれいになくなって更地になってたりとか。
ああいうのが一番辛い。