ABBA「Voyage」のこと

ABBAの40年ぶりのニューアルバムが11月5日にリリースされました。
まず音源の内容云々の前にそのタイムラインにビビる。
前作「The Visitors」は1981年11月リリース。CDが初めて発売されたのが1982年10月ですから、今回のこのアルバムが「ABBA史上初めてCDがレコードと同時にリリースされたオリジナルアルバム」なわけです。CDの時代全部すっ飛ばしですよ。

自分が知る限りこれまでの「オリジナルアルバムのインターバル最長記録」は、The Pop Groupの「For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?(1980)」から「Citizen Zombie(2015)」までの約35年ですが、The Pop Groupが途中にメンバーチェンジ等挟まっているのに対して、ABBAはデビューから一切メンバーチェンジも脱退もなく、誰か死んじゃったりすることもなく、オリジナルメンバーでの再結成とオリジナルアルバムリリース。もうこの時点でレジェンド決定。

で、内容もまたこれ素晴らしい。何が素晴らしいって「すごくABBA」なこと。
「Waterloo」や「Lay All Your Love On Me」みたいな思い切り跳ねた楽曲はさすがにありませんが、でも今作の「Don't Shut Me Down」なんかもうABBAっぽさ役満状態じゃないですか。
ピアノのグリッサンドからリズムが入って次のグリッサンドでサビに行くとことか、Aメロのソロ歌唱から短いBメロでちょっとハモり、サビで盛大にハモるとことか、もう。

恐らく全盛期、曲作りについてある程度ルーティーン化されたメソッドとかもあって、それを久しぶりに持ってきたのだとは思うのですが、それでもこのブレなさはすごいよ。
声の老いはあります。たぶんちょっと声のデータいじってるところもあるでしょう。でもいいんだ。これでいいんだ。

あとは先日ネタにした際にも挙げた、このアルバムのきっかけとなった「ホログラム・ツアー」というか、何かいくつか記事を見ると「'Abbatar' concert」という表記になってますが、これを観たい。
延期に延期を重ねて遂に2022年5月に公演開始、そしてロンドンの同じ場所で12月までのロングランが決まっています。
なんだそのミュージカル公演みたいなのと思って公演予定を見に行ったら、完全にミュージカルのそれでした。