竹内まりやのアナログとサブスクのこと

11月3日の「レコードの日」に、竹内まりやの「プラスティック・ラブ」12インチシングルと、アルバム「VARIETY」「REQUEST」がアナログ盤で再発されました。
12インチの方は1985年にリリースされた盤とは微妙にB面のVer.が異なっているので正確な意味での「再発」ではないのですが、そこらへんはだいたいのところで。

今回のこれはアナログ・ブーム、そしてシティポップ・ブームな世の中で、これ以上なく完璧に「ど真ん中」なリリースのため、どれくらい売れるもんかと思っていたのですが、数字出ました。

「プラスティック・ラブ」:約1.4万枚(シングル5位・合算18位)
「VARIETY」:約5,000枚(アルバム6位・合算9位)
「REQUEST」:約4,000枚(アルバム9位・合算14位)

いや、売れてるわ。マジだわ。
「プラスティック・ラブ」なんか1985年のオリジナルリリースの際は最高位86位ですよ。それが再発のアナログの売上だけでこの数字。
そもそもがかつてアナログでリリースされて世に出ている音源で、CDならずっと買えていたものです。そしてただでさえ減っているCD店の中でもアナログ扱う店舗は更に少なくて。
それでこれというのはなかなかエグい。まあ、一番エグいのは、各プレス工場のラインは今はどこもいっぱいいっぱいの中、よくぞこれだけの枚数を用意できたという点ですが。東洋化成主催の「レコードの日」以外では実現できなかったでしょう。

アナログの流行は日本だけのものではないですし、シティポップの再興は、2010年代のVaporwaveからFuture Funkへの流れが元曲の再評価という形でオーバーグラウンドに上がって来た時点で理解はできていたのですが、やっぱこうやって数値として可視化されると、これは一時期の流行というレベルではないということは何となく理解するしかなく。

これらの音源、「REQUEST」は9月14日に、「VARIETY」アナログと同時の11月3日にストリーミング解禁されています。
彼女の音源はまさに「徐々に」解禁されておりまして。

2019/05/10:RCA時代のアルバム
2020/03/24:TRAD
2020/11/24:Expressions
2021/09/14:REQUEST
2021/11/03:VARIETY

RCA時代はともかく、山下達郎氏との魔神合体によってMOON所属になって以降の音源は、最新アルバム→ベスト盤→MOON移籍後の1st→2ndという順序で解禁されていますので、次は「Quiet Life」になるはずです、多分。
下手したら今度は来年のレコードの日に「Quiet Life」「Bon Appetit!」がアナログリリースされ、そのタイミングに合わせてサブスク解禁とか。ありえる。

山下達郎氏の音源の方もそろそろ出てくれないかと思うのですが、海外のシティポップ勢からのものを大いに含んだ「何でサブスクで聴けないんだ」圧は竹内音源の方が強いと思いますし、竹内音源の作業が終わらないことには山下音源に手を付けられないのでないかと思います。

正味、夫婦ともどもコロナ禍以前からリリース含めての動きは、ただでさえマイペース気味だったのがより一層ペースが落ちているのですが、これはきっとずっと「ストリーミング音源の最適化」作業をずっと行っているためではないかと、割と本気で自分は思っています。