マハラージャンのこと

普段つるんでいるメンツ、会うことは多くないけど比較的濃くSNS上で繋がっている仲間。そういう、自分が絡んでいるいくつかのコミュニティ。
音楽についても絶大な信頼をおいていて、彼ら彼女らが紹介してくれる過去現在の音楽はだいたいどれも面白くって。

そしてたまに、新しいミュージシャンが複数のコミュニティから同時に絶賛される、という事例が発生します。
過去「エレクトロ・ワールド」の頃のPerfume、「レキツ」リリースの頃のレキシ等もそんな感じだったのですが、先週そんな過去と同様に、面識はないはずの2名からほぼ同じタイミングで挙がったのが「マハラージャン」という名前でした。

それならと、とっととiPadのApple Musicで検索して出てきたのは果たして、おもしろいのかおもしろくないのかもよくわからない、どう感想を述べていいのか非常に困るジャケットの2枚のEP。
しかし、先に出た「いいことがしたい」の方から聴き始めると、これはいかん、最高じゃないか。一気に2枚10曲。ポップスとしての「立ち」の抜群さ、そしてアレンジの偏執さは、このようなファンク&ソウル的な音楽的ベースを持つ偉大な先達と肩を並べるレベル、と言いたいくらい。多少言いすぎだけど、でも言いたい。

そして、異質なのはファンク&ソウル的な音楽は概ねラブソングであるというのが筋なのに、ほぼそういうラブ&セックス的な歌詞が皆無だという点。この歌詞は何に一番近いかと考えたのですが、多分カステラとか初期The ピーズあたりの、言いたいことがあるんだかないんだかよくわからない、あそこらへんじゃなかろうか。歌詞を活字で読みたい。

この人は、こんな位置のまま趣味で制作するのではなく、音楽で食っていくべき人間だと思うし、何となればデカい箱で生バンドで歌うべきだと思うので、応援したい。
本人がどう思ってるかはわかんないんだけど。

1st「いいことがしたい」
2nd「ちがう」

で、オリジナル曲以外には、CM曲をシティポップとか風にアレンジしたのをYouTubeにアップしたりしている。この人やっぱ只者ではない。頭おかしい。

UKのチャリティー楽曲が1位になっていること

今週のUKのシングル・チャート1位はCaptain Tom Moore, Michael Ball & The NHS Voices of Care Choirによる「You'll Never Walk Alone」。
退役軍人で現在99歳のTom Moore氏が、4月30日の100歳の誕生日までに家の庭を100往復しますよ、という形で医療従事者へのチャリティー・ウォークを始めたところ、円に直して35億円以上を集めるに至り、その勢いで、彼自身の歌唱は微妙ですが、ミュージカル歌手のMichael Ball氏と医療従事者の皆さんのコーラスでもってリモートで楽曲制作し、ストリーミングでリリースしたところ、こちらもチャート初登場1位ということで。

「You'll Never Walk Alone」は元々1945年にミュージカル内の楽曲として発表されたものですが、1963年にリバプール出身のGerry and the Pacemakersによるカバーでもってブレイク、そのままプレミアリーグのLiverpool FCのサポーターソングとして歌い継がれるようになり、以降他のチームでも歌われるようになり、UKではスタンダードになっている楽曲です。俺知らんかったけど。

今のところ、日本でもアメリカでも少なくともヒットチャートに出てくるような規模のチャリティー・ソングは出てきておらず、そこは、ジョージ・ハリソンの「The Concert for Bangla Desh」とか、Band Aid、Live Aid等いち早くそういうアクションを行う、イギリス人のそういう意識の高さの他の追随を許さない感じが、ここでもまた発揮されているということです。

こういうアクションをいち早く取れることは大変素晴らしいのですが、でもBand Aidの「Do They Know It's Christmas?」のそのタイトルとか「Feed The World」という歌詞とかは、良くも悪くもキリスト教的だなあと常々思っています。
でもさ、現状誰も音頭を取る様子のない日本は、それはそれで頑張れよ、とも思います。

CD店の休業がさらに増えたこと

緊急事態宣言が全都道府県に拡大したことで、全国のCD店の閉店がより一層増えています。
現状で「CD販売店チェーン」と呼べる店舗網の状況をざっくり確認してみました。
カッコの中は(営業店舗数/全店舗数)。

タワーレコード(5/76)
営業店舗:上田店・明石店・若松店・久留米店・香椎浜店

新星堂(9/73)
営業店舗:鶴岡店・カルチェ5柏店(土日休業)・アピタ松任店・明石ヨーカドー店・ゆめタウン広島店・福山店・サンリブシティ小倉店・長崎夢彩都店・ゆめタウン光の森店

HMV(0/56)
全店休業

玉光堂・バンダレコード(23/47)
営業店舗:
小樽本店・四丁目店・イオン北見店・イオン千歳店・イオン岩見沢店・イオン江別店・函館駅前ビル店・イオン釧路店・イオン帯広店・帯広イトーヨーカドー店・セレオ甲府店(玉光堂)
さくら野弘前店・イオン仙台中山店・イオン東根店・福島西道路店・イオン福島店・イオンマリンピア店・イオン板橋店・イオン金沢八景店・イトーヨーカドー八千代店・LIVIN田無店・ライオン堂高宮店・三島店(バンダ)

山野楽器(0/28)
全店休業

■BIG(2/15)
営業店舗:御経塚店・加古川店

■We's(9/10)
営業店舗:石狩緑苑台店・室蘭店・会津若松店・新潟西店・イオン長岡店・名古屋緑店・延岡店・都城店・鹿児島店

JEUGIA(0/6)
全店休業

■イケヤ(2/4)
営業店舗:プレ葉ウォーク浜北店・イオン小牧店

ミヤコ(0/2)
全店休業(アリオ鳳店は5月中閉店予定を前倒して4/7閉店)

DUKE SHOP(2/2)
全店営業(高松店・松山店)

タワーレコード、HMV、山野楽器、JEUGIAは自己判断でこのような措置を行っている感じですが、それ以外のチェーンは、テナントとして入っている商業施設が専門店街についてどういう判断をしているかに依っています。
たとえば「イオンモール」は全国の大部分が有無を言わさず専門店街は全店閉店となっていて、でもモールじゃない「イオン」は各専門店の判断に任せているところも多くあります。
そういう全体としての判断で閉めなければいけないのであれば閉めるし、自己判断に任せられている場合は営業継続という判断を概ね行っている感じで。

そういうことで、BIGはイオンモールへの出店が大半のためほとんどの店舗が閉店になっていますが、We'sはモールじゃないイオンが大半なのでほとんどの店を閉めずに済んでいる、みたいんなことも起きています。

それでこれで売られるCDの方がどうなるかというと、リリースしても買える場所の相当数が開いていないので、すごい勢いで発売延期になっております。タワーレコードの発売延期一覧がこれまた相当にすごいことになっています。
が、気になるのはこれは全部ではないということ。

例えば4月22日リリース分だと赤西仁のアルバムやHKT48のシングル、4月29日リリース分だとDa-iceのアルバムやPEDROのシングルは今のところ延期のアナウンスは出ていません。
これ、売り手が「ライト層によるCD購入」を期待しておらず、ライト層はハナからサブスクで聴く、ということを念頭に置いているのであれば、延期する必要はあんまりないと思うのです。
コア層は入手が遅れたとしてもパッケージを購入してくれますので。
延期しているのはやっぱり「CDの売上」または「CDチャートの順位」を気にしている方々、ということになるのではないでしょうか。もしくは「制作・配給の遅れ」という如何ともし難い理由か。

ただ、これだけリリースが乱れ、かつ予約したCDをリリース日に手にする手段がない人間が相当いるというこの状況、CDチャートが前代未聞の滅茶苦茶なことにになりそうで、こんな世の中それだけは大変に興味深く待っております。

今後のオリコンチャートとCDの売り方のこと

さて、緊急事態宣言が全都道府県に出されることになったわけですが。
これに沿って各道府県がどのような要請をかけるのかはまだわかりませんので、世の中のお店がどれくらい閉まるかはわかりません。

大手チェーンのCD店は、先に宣言が出された7都府県に所在する店舗は要請に応じて全て閉めていまして、TSUTAYAも直営の大型店は概ね閉店し、その他の店舗でも1階が書店で2階はCD/DVDの販売・レンタルのように分けやすいお店では2階をクローズしている事例も見かけます。
かつ、予約されたCDを代引きで配送するというような気の利いたサービスを行う店もなく、要するに既に現段階で「日本の人口の半分近くが販売日・フラゲ日に店頭でCDを購入することができない」環境にあります。

正味、今オリコンのCDのみチャートで1位を取るようなミュージシャンの音源は、予約販売に相当に依っているわけですが、予約していても発売日に手にすることができない状況。
ということは、今後オリコンのCDチャートは相当におかしなことになるということです。

最新の週間チャートはぎりぎりフラゲ日が緊急事態宣言の前でしたので、何となく普通なのですが、来週以降のチャートは随分奇妙なことになりそうな気がしています。
発売日になってもそのCDを買いたい人間の相当数が手にする手段を持たないという、前代未聞の状況が発生するわけで。
今週の合算チャートですら、3位以降はCDの売上以上にDL・ストリーミングが侵食している状況ですから。

それに対してサブスクには回らないジャニーズの場合、4/29リリース予定のキンプリの新曲のリリースを1か月後倒ししています。
でも、正味の話をすると、1か月後に普通にCD買える世の中になっているかといえば、懐疑的で。5月6日で世の中何の問題もなくなるかと言ったら、そんなわけないだろと思っていますし、だから5月6月のライブイベントもガンガン中止・延期になっているわけで。
で、5/27になっても世のCD店があんまり自由に動けない状況だった時、ジャニーズはどういう判断をするのか。

本当に、今の状況が今後をいろいろ変えていくと思うのです。
ジャニーズの嵐以外のサブスクおよそ無視継続の姿勢とか、接触イベントを売りにしてアイドルのパッケージを大量に売りさばくビジネスモデルとか。B'zとか。

もう本当に家に閉じこもっているの辛いし勘弁してほしいんですけど、でもこの先どう変わっていくのか、という点については結構興味深く捉えております。

サブスクになくてYouTubeにはあった曲のこと

今後「レア・グルーヴ」の概念は、アナログではリリースされず、ストリーミングサービスでもリリースされていない、CDの形でしか世の中に提供されていない音源を指す方に移っていくと思っています。

自分は本来の「レア・グルーヴ」に当たるようなジャンルは詳しくないのですが、家にあるCDの中には、少なくとも現状ではストリーミングにない音源というのが結構ありました。
ざっくり言えば「1990年以降にリリースされ、アナログ化されるほど売れないままいなくなったバンド・ユニット」がおよそそれに当てはまります。
一部ごく少数の7インチが出ているものもありますが、中から適当にかいつまんで紹介してみます。

Magicdrive / On The Soft
1996年にFierce Pandaレーベルから7インチをリリースし、それが評判を呼んでメジャーと契約するという当時のよくあるパターン。
そこで才気溢れるEPを2枚出すもののそこで契約終了し、そこから随分経って2002年にようやくフルアルバムを出したものの、「やりたいこと」の方向性が完全に一般人には窺い知れない方向にいってしまい、そのまま行方不明に。
そのフルアルバムだけストリーミングにありますが、そっちは聴かなくていい。

Fixed Stars / Every Night
こういう、シングル2枚で解散みたいなバンドはストリーミングに回る可能性が非常に低いと思います。Dicogs見てたらプロモCDも数枚出ていたので、きっとフルアルバムくらいのマスターはどこかにあるんだろうなあ、聴きたいなあ。


The Dandys / Dirty Weekend
初期2枚のシングルは最高だったのに、多分マネージメントかなんか付いたんでしょう、その途端に中途半端な「ブリットポップ」っぽい音になってシオシオになってしまったバンド。この曲は確か2枚目のシングル。大好き。

Blameless / Breathe
1996年にロンドン行ったとき、名前を聞いたことがあるという理由でライブを観に行ったら、「前座の方がよかったなあ」であり、悪くはないのだけど心に刺さらなかったバンド。めっちゃ久々に聴いたら全く同じ感想でした。

My Life Story / Sparkle
何度か紹介しているバンドですが、もう本当に大好きなバンドなので。ストリーミングにいくつか楽曲はあるのですが、彼らの真骨頂である大所帯時代の1st,2ndアルバムだけなく、その後の「普通のバンド」然とした3rdとB面集と再結成後の音源しかないという地獄。

boutique / I've Told You Before
以前このユニットを紹介した時に「カシオトーン以外身ぐるみ剥がされたThe Cure」と例えましたが、改めて適切だったと思っています。彼らもシングル3枚で解散なので、もう世に出ることはないかもしれません。

Unbelievable Truth / Stone
トム・ヨークの弟のバンドのデビュー曲。本当に美しい曲で1stアルバムも素晴らしい出来だったのですが、英国の音楽メディアの大半は無理くり兄と比較して酷評するという地獄状態。
結局、2ndアルバムに「Sorrythankyou」というタイトルを付けて解散。
ストリーミングにはそっちの「Sorrythankyou」しかない。かなり悲しい。

The Heads / No Talking, Just Head (Album)
これは上記パターンの例外。Talking Heads解散後、デヴィッド・バーン以外の3人が集結して曲ごとにゲスト・ヴォーカルを迎えて制作されたアルバム。このアルバムの場合、デヴィッド・バーンが嫌がったから以上に、各ゲスト・ヴォーカルの権利や意向とかもあったりするのだと思います。
Apple Music検索していて思うのが、「意外にそこそこ有名なカバー曲がない」ということ。それも権利処理上の問題だと思います。

で、今回Apple Music検索しててすごく思ったのは、以前アイドルグループ名の話した時にも言ったことに近いのですが「バンド名はできるだけ検索の際に弁別されやすい言葉にしようぜ」ということ。
上記のバンドでも、「Blameless」で検索するとヒットはするんですけど、ヒップホップの同名異人で、他には「Ether」で検索すると1990年代バンドのEtherも出てくるんですが、この画面上に一体何種類の「Ether」が混在しているのか全く分からない状態。

こんな時代だからこそ、名前、大事。

緊急事態宣言で休業するCD店のこと

もう何ていうか、いろいろ大変で、それ関連の記事書いていても楽しくないし、個人経営の中古輸入レコード店の中にはこのタイミングで既に「もう店を畳みます」と宣言しているところもひとつふたつありまして、もう何とも言えん気持ちにもなるのですが、こういうこともこれまでになく、チェーンだけでもまとめておきたいという欲もあり、結局「記録マニア」の自分の方が勝ったので、まとめます。

ということで、全国・地方のCD/DVD店が「緊急事態宣言」以降同営業して休業するのかの一覧。

タワーレコード
緊急事態宣言都府県の店舗休業。その他の地域も店舗によって短縮営業。

HMV
緊急事態宣言都府県の店舗休業。その他の地域も店舗によって短縮営業。

新星堂
緊急事態宣言都府県の店舗(一部除く)休業。その他の地域も店舗によって短縮営業。

山野楽器
緊急事態宣言都府県の店舗休業。その他の地域も店舗によって短縮営業。

バンダレコード
緊急事態宣言都府県の店舗休業。その他の地域も店舗によって短縮営業。

■玉光堂
店舗は北海道のみなので原則通常営業。

BIG
公式サイトには記載なし。そもそも更新情報が2年半更新なし(店舗情報は時々こっそり更新)。
でもイオンモールのテナントは、専門店街の一斉休業によって休業。「イオンモール」じゃないイオンのテナントは、短縮営業。

We's
公式サイトには記載なし。そもそも更新情報が3年以上更新なし(店舗情報更新もけっこう滞り気味)。
が、現在の店舗網には緊急事態宣言都府県が含まれないため、たぶん通常営業。

■イケヤ
店舗が静岡県・愛知県のみなので通常営業。

JEUGIA
緊急事態宣言都府県の店舗は大阪の2店舗だけなのですが、京都府・滋賀県の店舗も休業。
現在のJEUGIAは音楽含めた教室事業という、CD販売以上に濃厚接触のリスクが高い商売がメインなので、それと併せての措置の模様。

MIYAKO
現在、全3店舗なのですが、大阪府・兵庫県なので全店休業。

■TSUTAYA
SHIBUYA TSUTAYA、代官山 蔦屋書店、六本木 蔦屋書店、二子玉川 蔦屋家電、TSUTAYA EBISUBASHI等の直営店は休業。
ただし直営でもTSUTAYA 三軒茶屋店、TSUTAYA 馬事公苑店のような通常のTSUTAYAは時間短縮の上で営業、FC店も概ね時間短縮で営業の模様。

■GEO
概ね時間短縮で営業の模様。所謂「都市型」の店舗はないと思うので。

ディスクユニオン
全店舗が緊急事態宣言都府県にあるので、全店舗休業。

何か今回初めて思ったのは「全国チェーン」という形はリスクヘッジにもなり得るのだな、ということです。そりゃ首都圏がアウトになったらただじゃ済まないけど、それでも「収入ゼロ」は避けられる。
ディスクユニオンとか、これどうなるのだろうかと。

あと、毎度言いますが我々が在宅でできること。通販があるところには突っ込め。ただ、物流も大変なのでできるだけ発注はまとめて。
自分はサラリーマンで、確かに会社には業績的に打撃はありますが、ホテルとか飲食のように今回の件で直接酷いことになってしまう業種でもないので、通常時にCD買ったりライブ行ったりする分は確実に在宅でも散財する気満々で、現在生きています。

さっきも難波ベアーズのコンピCDをステッカー付きで買った。これメンツすげえからお勧め。
あと、余裕があったら「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」、こちらにも。

いろいろやってるクラブやライブハウスやミュージシャンのこと

とりあえず我々は、在宅でもやれることやって、やれることやってるヤツらを応援しよう。
自分に余裕があって、気持ちが乗れば。そんな感じでいいと思います。
ざっくり見ていっただけなので、当然抜け漏れあると思います。

■ドリンクチケットや投げ銭等のネット販売等を行っているクラブ・ライブハウス

IndieGrab【NEWS】ライブスペース、クラブ 支援用ウェブショップリスト


■クラウド・ファンディングを募っているクラブ・ライブハウス
(indieGrabとのカブりもあり)

中野heavy sick zero

立川Crazy Jam

扇町para-dice

Soap opera classics-Umeda-

福岡市内のライブハウス

フェス救済ファンド

club FLAVA

THE ROOM

VENT


■自粛後にアクションを起こしているミュージシャン

BAROQUE(新曲の公開)

lynch.(新曲によるライブハウスの救済企画発表)

星野源(新曲の公開)

里咲りさ(新曲の公開)

ハンブレッダーズ(新曲の公開)

さくらしめじ(手洗いソングの公開)

打首獄門同好会(新曲作りまくり・カバーも)
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origami PRODUCTION所属(楽曲データ無償提供)

WONK(楽曲データ無償提供)

鬼龍院翔(新曲の公開)

ゴールデンボンバー(通販の送料撲滅キャンペーン)

「桜ソング」ネタを多分終了させること

ずっと「桜ソング」の数を数えてみる作業というのは年1回、忘れてなければ確実にネタにしておりまして、これいつからやってたんだろうと昔のサイトを掘り返してみたら、2005年にその発端となるネタを繰っていました。
確実に自分史上最古の定番ネタです。
が、もうそろそろやめ時かなあ、と思いまして。

去年、「音楽ナタリー」で「桜ソング」についての原稿を書かせてもらったことで、何となく気持ち的に一区切りついたこともありますが、もう少し根本的には、「桜」を数える際の「シングルの表題曲」というルールが、もう完全に時代からアウト・オブ・デイトになってしまったというところです。

以下、各年1-5月のリリースされた「桜」「さくら」「チェリー」などが曲のタイトルに含まれた楽曲、数だけ改めて再掲してみます。

1999:(5)
2000:(5)
2001:(8)
2002:(3)
2003:(11)
2004:(14)
2005:(19)
2006:(28)
2007:(22)
2008:(36)
2009:(37)
2010:(31)
2011:(17)
2012:(25)
2013:(23)
2014:(19)
2015:(19)
2016:(15)
2017:(13)
2018:(12)
2019:(10)
2020:(5)

今年の数、これはただ「桜ソング」が随分減ったな、ということではないと思っています。「シングルをシングルとしてリリースする数が減った」ということです。
2020年の5曲はアイドル2曲、演歌3曲、以上。そういうことで。

こちら、RIAJで取っている新譜数の数
インディーズは含まれていないのですが、でも傾向としては使えるものです。
で、これを見ると12cmシングルのリリースが一番多いのは2016年です。だからこれまでの当ブログもナタリーの記事も「桜ソングのピークからの減少は総リリース数の減少が主因ではない」ことを前提に書けたのですが、2019年には総リリース数は3000を切り、これは体感的にですが、アイドルと演歌に著しく偏るようになっている。
2020年にまた各ジャンルあまねく増加するなんてことは、今年後半に「CDブーム」が何故か起きない限りない。

もちろん、トラックとしてリリースされて、アルバムに収録されている「桜ソング」は今年もこれまでも、もっとあると思うんですよ。
ただ、そこまで拾おうとすると、リリースされたアルバムの収録曲をひとつひとつ目視で確認して、という作業が発生します。それを自分の可処分時間の中でやろうとすると多分それだけで数か月かかります。無理です。嫌です。
ということで、シングルのリリース一覧を検索してスッと出てくる数値をもとにしていたからこそ、続けられていたネタであったということもありまして。

まったくそんな気はなく始めた「桜ソング」ネタですが、まとめてみると結果として「着うた」の時代を測る「ものさし」になっていました。
何かこれからのサブスク時代の「ものさし」になるような新ネタはないかと考えています。多分そんなよこしまな動機からは何も出てこない。

ラストライブが中止や無観客になった人たちのこと

そろそろライブ行きたいしどこか旅行にも行きたいのですが、「もし自分が」と思うとやっぱ申し訳なくなるので、おとなしくしています。
しかし、過去に見たことがない勢いでライブがばんばん飛んでいて、なかなか絶望的な気持ちになりますが、一番絶望的なのは当然ミュージシャン本人ですので、もうこれだけは。

そんなライブの中でも、「解散ライブ」であるとか「現役ラストツアー」であるとか「現体制ラストライブ」であるとか、ミュージシャン・グループ・バンドにとってものすごく重要な節目のライブが取りやめになった方々もいらっしゃいまして。
知ってたのと、適当に検索しただけでこれだけ出てきました。

02月28日:中島みゆき(ラストツアー大阪公演)⇒振替
02月29日:中島みゆき(ラストツアー大阪公演)⇒振替
03月09日:中島みゆき(ラストツアー愛知公演)⇒振替予定
03月10日:中島みゆき(ラストツアー愛知公演)⇒振替予定
03月26日:中島みゆき(ラストツアー札幌公演)⇒振替
03月27日:中島みゆき(ラストツアー札幌公演)⇒振替
04月05日:中島みゆき(ラストツアー岩手公演)⇒未定
04月07日:中島みゆき(ラストツアー山形公演)⇒未定

02月29日:E-girls(解散ツアー東京公演)⇒中止
03月01日:E-girls(解散ツアー東京公演)⇒中止
03月14日:E-girls(解散ツアー福岡公演)⇒振替
03月15日:E-girls(解散ツアー福岡公演)⇒振替
03月20日:E-girls(解散ツアー埼玉公演)⇒振替
04月14日:E-girls(解散ツアー福岡公演)⇒振替公演中止
04月15日:E-girls(解散ツアー福岡公演)⇒振替公演中止

03月21日:MERRY(現体制ラストツアー東京公演)⇒振替
03月22日:MERRY(現体制ラストツアー仙台公演)⇒振替
03月28日:MERRY(現体制ラストツアー松山公演)⇒振替
03月29日:MERRY(現体制ラストツアー福岡公演)⇒振替
04月05日:MERRY(現体制ラストツアー熊谷公演)⇒振替
04月10日:MERRY(現体制ラストツアー福岡公演)⇒振替

03月15日:井乃頭蓄音団(現体制ラストライブ大阪公演)⇒振替予定
03月22日:井乃頭蓄音団(現体制ラストライ下北沢阪公演)⇒振替予定
03月29日:井乃頭蓄音団(現体制ラストライブ渋谷公演)⇒振替予定

03月05日:Q-pitch(解散ライブ)⇒中止
03月25日:XOX(卒業前ラストライブ)⇒無観客
03月27日:PRIZMAX(解散ライブ)⇒無観客
03月28日:フルーレット(解散ライブ)⇒未定
03月30日:こぶしファクトリー(解散ライブ)⇒無観客
03月30日:ころころパピー(解散ライブ)⇒中止
04月12日:ELEKITER ROUND 0(解散ライブ)⇒中止

こういうのってすごいキツいと思うんですよ。
いろいろあって辞めます、抜けますということになって、でもこのゴールまでは今の形で頑張りますということで踏ん張っていたところに、そのゴールがいきなりなくなってしまったら。
これ想像しただけで相当キツい気持ちになります。
小規模なアイドルグループの場合は、もう振替公演も無観客配信もできる予算もなく、ただ終わりにせざるを得ない状態。

そんなのただの「自粛要請」にすぎないんだからじゃんじゃんやれよとは思いませんが、ただ現状で音楽や舞台関連の職種の方々に対しての助成の策は具体的にはほとんど出てきていませんから、それを考えるとなお苦しい。
ここにはないですが、先日のBAD HOPの横浜アリーナ公演、そして現在個人事務所で活動しているTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム2DAYS。これどんだけの気持ちで中止にしたのか。

できることはしたいと思っています。
クラウドファウンディングで何か募っていたら放り込む、ライブで売るはずだったグッズを通販していたら突っ込む、先々のライブのチケットが販売されたらとりあえず買う。
それでどれだけ運営や事務所にプラスになるかはわかりませんが、何もしないよりはマシだという気持ちで回せるお金を回す。

みんな生きよう。生かそう。

女性アイドルのストリーミングの解禁っぷりのこと(90年代半ばまで)

前にSONY系のミュージシャンのストリーミングへの楽曲の提供状況を見てみたら面白かったので、別ジャンルもやろうと思いまして、とりあえず「アイドル歌手」が生まれて一旦およそ絶滅寸前までいった1990年代半ばまでの女性アイドルで。

〇は少なくとも「アイドル」として活動していた時期の音源を網羅している場合、△はベスト盤のみ等一部音源のみの場合、×は少なくとも「アイドル」として活動して時期の音源は一切ない場合。
レーベルは〇か△の場合は、Apple Music内でのクレジット。なのでナベプロとかSUN MUSICとかもあります。×の場合はオリジナル音源のリリース元で、今は消滅したレーベルの場合は後ろに今権利を所有しているレーベルを明記してみました。
抜け漏れご容赦。わかっている。絶対いろいろ漏れているしでもコンプする気はない。

天地真理 SONY MUSIC
南沙織 SONY MUSIC
小柳ルミ子 ナベプロ
アグネス・チャン ナベプロ
麻丘めぐみ Victor
浅田美代子 SONY MUSIC
森昌子 King
キャンディーズ SONY MUSIC
桜田淳子 Victor
山口百恵 × SONY MUSIC
相本久美子 SONY MUSIC
伊藤咲子 EMI MUSIC
太田裕美 SONY MUSIC
木之内みどり PONY CANYON
松本ちえこ × PONY CANYON
岩崎宏美 Victor
岡田奈々 PONY CANYON
三木聖子 × PONY CANYON
ザ・リリーズ ナベプロ
ピンク・レディー Victor
大場久美子 EMI MUSIC
榊原郁恵 × Columbia
高田みづえ × NAV(PONY CANYON)
石川ひとみ ナベプロ
石野真子 Victor
井上望 × Victor
倉田まり子 × King
能瀬慶子 × PONY CANYON
岩崎良美 PONY CANYON
甲斐智枝美 × Victor
柏原芳恵 UNIVERSAL
河合奈保子 COLUMBIA
浜田朱里 SONY MUSIC
松田聖子 SONY MUSIC
三原順子 × King
伊藤つかさ Victorのみ徳間なし
松本伊代 Victor
新井薫子 × TDK(Columbia)
石川秀美 × RVC(BMG)
小泉今日子 × Victor
中森明菜 WARNER
早見優 SUN MUSIC
堀ちえみ × PONY CANYON
三田寛子 SONY MUSIC
伊藤麻衣子 SONY MUSIC
岩井小百合 × King
太田貴子 徳間※
菊池桃子 × VAP
徳丸純子 × TDK(Columbia)
松本明子 × VAP
森尾由美 PONY CANYON
荻野目洋子 Victor
岡田有希子 PONY CANYON
倉沢淳美 × WARNER
少女隊 EMIのみフォノグラム・BROADWAYなし
セイントフォー PONY CANYON
井森美幸 × PONY CANYON
大西結花 POLYSTAR
おニャン子クラブ PONY CANYON
うしろゆびさされ組 PONY CANYON
河合その子 SONY MUSIC
吉沢秋絵 FOR LIFE
浅香唯 × ハミングバード(WARNER)
網浜直子 × SONY MUSIC
斉藤由貴 PONY CANYON
佐野量子 × RCA(BMG)
中山美穂 × King
本田美奈子 EMI MUSIC
松本典子 SONY MUSIC
南野陽子 SONY MUSIC
森口博子 × King
芳本美代子 テイチク
新田恵利 PONY CANYON
国生さゆり SONY MUSIC
高井麻巳子 PONY CANYON
福永恵規 PONY CANYON
渡辺美奈代 SONY MUSIC
渡辺満里奈 SONY MUSIC
内海和子 PONY CANYON
ニャンギラス × WARNER
相楽晴子 SONY MUSIC
西村知美 × EMI MUSIC
島田奈美 COLUMBIA
杉浦幸 × WARNER
藤井一子 × 徳間
水谷麻里 Victor
八木さおり × King
山瀬まみ × King
うしろ髪ひかれ隊 PONY CANYON
工藤静香 PONY CANYON
ゆうゆ PONY CANYON
小川範子 × トーラス(UNIVERSAL)
小沢なつき SONY MUSIC
後藤久美子 × Columbia
酒井法子 Victor
立花理佐 EMI MUSIC
中村由真 VAP
仁藤優子 × VAP
畠田理恵 × WARNER
森高千里 WARNER
生稲晃子 × PONY CANYON
伊藤智恵理 SONY MUSIC
伊藤美紀 × SONY MUSIC
Wink POLYSTAR
西田ひかる PONY CANYON
河田純子 SONY MUSIC
CoCo PONY CANYON
三浦理恵子 PONY CANYON
瀬能あづさ PONY CANYON
姫乃樹リカ × キティ
ribbon PONY CANYON
永作博美 PONY CANYON
田村英里子 EMI MUSIC
田山真美子 × SONY MUSIC
中山忍 × SONY MUSIC
宮沢りえ × SONY MUSIC
川越美和 × NEC
高橋由美子 Victor
田中陽子 × PONY CANYON
寺尾友美 × VAP
東京パフォーマンスドール SONY MUSIC
西野妙子 × WEA(WARNER)
早坂好恵 PONY CANYON
Qlair SONY MUSIC
宍戸留美 SONY MUSIC
中嶋美智代 PONY CANYON
観月ありさ × COLUMBIA
中江有里 × BMG
牧瀬里穂 PONY CANYON
酒井美紀 Victor
内田有紀 × King

元々「アイドル歌手」という業態自体、当時新興レーベルで大御所がいなかったSONYが発明したものという話もありますので、最初の方はSONY強い。
そのSONY、山口百恵はまだ出していませんが、それ以外はだいたい出ている。SONYで△なのは単にニーズの高くないものですが、ただ宮沢りえはない。本人の意向でしょうか。

他にも本人の意向っぽいのもあって、PONY CANYONは結構出しているのに堀ちえみがないとか。PONY CANYONでは能瀬慶子も全く出ていないのですが、これは単にニーズがないのか、もしくは彼女の楽曲のメインライターは売れる前の浜田省吾でしたので、そっちの意向かと邪推したりとか。

レーベルごと後ろ向きなのが、コロムビアとKINGとVAP。
コロムビアは河合奈保子と島田奈美は出ていますが、榊原郁恵・後藤久美子・観月ありさはないという、よく基準がわからん事態。
KINGはももクロとか水樹奈々とか最近の人気者は出ていますが、過去のものはほとんどない。三原順子・中山美穂・山瀬まみ・森口博子。それなりに聴いてもらえそうな気はするのですが。
VAPはここ多分今の日本で一番ストリーミングが嫌いなレーベルだと思います。アイドル以外でもマキシマム ザ ホルモン出してないし。いや、ホルモンの場合はバンドの意志かもしれないのですが、たとえば若手ガールズバンドのHump Backも出してない。でも忘れらんねえよは出ている。やっぱ謎だ。

あと、活動の途中でレーベル移籍していたりすると、伊藤つかさとか少女隊とか、キャリアの中のメインの方が聴けない事態になっていて、イラつきます。

一時期、アイドルのベスト盤CDが各社似た仕様でバンバン出たことがありますが、確かにその形でリリースされていない人がここで解禁している率は極めて低いのですが、ただベスト盤出ていてもストリーミングにない人も山ほどいるので、やっぱ各人いろいろあるのでしょう。