CD店の休業がさらに増えたこと

緊急事態宣言が全都道府県に拡大したことで、全国のCD店の閉店がより一層増えています。
現状で「CD販売店チェーン」と呼べる店舗網の状況をざっくり確認してみました。
カッコの中は(営業店舗数/全店舗数)。

タワーレコード(5/76)
営業店舗:上田店・明石店・若松店・久留米店・香椎浜店

新星堂(9/73)
営業店舗:鶴岡店・カルチェ5柏店(土日休業)・アピタ松任店・明石ヨーカドー店・ゆめタウン広島店・福山店・サンリブシティ小倉店・長崎夢彩都店・ゆめタウン光の森店

HMV(0/56)
全店休業

玉光堂・バンダレコード(23/47)
営業店舗:
小樽本店・四丁目店・イオン北見店・イオン千歳店・イオン岩見沢店・イオン江別店・函館駅前ビル店・イオン釧路店・イオン帯広店・帯広イトーヨーカドー店・セレオ甲府店(玉光堂)
さくら野弘前店・イオン仙台中山店・イオン東根店・福島西道路店・イオン福島店・イオンマリンピア店・イオン板橋店・イオン金沢八景店・イトーヨーカドー八千代店・LIVIN田無店・ライオン堂高宮店・三島店(バンダ)

山野楽器(0/28)
全店休業

■BIG(2/15)
営業店舗:御経塚店・加古川店

■We's(9/10)
営業店舗:石狩緑苑台店・室蘭店・会津若松店・新潟西店・イオン長岡店・名古屋緑店・延岡店・都城店・鹿児島店

JEUGIA(0/6)
全店休業

■イケヤ(2/4)
営業店舗:プレ葉ウォーク浜北店・イオン小牧店

ミヤコ(0/2)
全店休業(アリオ鳳店は5月中閉店予定を前倒して4/7閉店)

DUKE SHOP(2/2)
全店営業(高松店・松山店)

タワーレコード、HMV、山野楽器、JEUGIAは自己判断でこのような措置を行っている感じですが、それ以外のチェーンは、テナントとして入っている商業施設が専門店街についてどういう判断をしているかに依っています。
たとえば「イオンモール」は全国の大部分が有無を言わさず専門店街は全店閉店となっていて、でもモールじゃない「イオン」は各専門店の判断に任せているところも多くあります。
そういう全体としての判断で閉めなければいけないのであれば閉めるし、自己判断に任せられている場合は営業継続という判断を概ね行っている感じで。

そういうことで、BIGはイオンモールへの出店が大半のためほとんどの店舗が閉店になっていますが、We'sはモールじゃないイオンが大半なのでほとんどの店を閉めずに済んでいる、みたいんなことも起きています。

それでこれで売られるCDの方がどうなるかというと、リリースしても買える場所の相当数が開いていないので、すごい勢いで発売延期になっております。タワーレコードの発売延期一覧がこれまた相当にすごいことになっています。
が、気になるのはこれは全部ではないということ。

例えば4月22日リリース分だと赤西仁のアルバムやHKT48のシングル、4月29日リリース分だとDa-iceのアルバムやPEDROのシングルは今のところ延期のアナウンスは出ていません。
これ、売り手が「ライト層によるCD購入」を期待しておらず、ライト層はハナからサブスクで聴く、ということを念頭に置いているのであれば、延期する必要はあんまりないと思うのです。
コア層は入手が遅れたとしてもパッケージを購入してくれますので。
延期しているのはやっぱり「CDの売上」または「CDチャートの順位」を気にしている方々、ということになるのではないでしょうか。もしくは「制作・配給の遅れ」という如何ともし難い理由か。

ただ、これだけリリースが乱れ、かつ予約したCDをリリース日に手にする手段がない人間が相当いるというこの状況、CDチャートが前代未聞の滅茶苦茶なことにになりそうで、こんな世の中それだけは大変に興味深く待っております。