サブスクになくてYouTubeにはあった曲のこと

今後「レア・グルーヴ」の概念は、アナログではリリースされず、ストリーミングサービスでもリリースされていない、CDの形でしか世の中に提供されていない音源を指す方に移っていくと思っています。

自分は本来の「レア・グルーヴ」に当たるようなジャンルは詳しくないのですが、家にあるCDの中には、少なくとも現状ではストリーミングにない音源というのが結構ありました。
ざっくり言えば「1990年以降にリリースされ、アナログ化されるほど売れないままいなくなったバンド・ユニット」がおよそそれに当てはまります。
一部ごく少数の7インチが出ているものもありますが、中から適当にかいつまんで紹介してみます。

Magicdrive / On The Soft
1996年にFierce Pandaレーベルから7インチをリリースし、それが評判を呼んでメジャーと契約するという当時のよくあるパターン。
そこで才気溢れるEPを2枚出すもののそこで契約終了し、そこから随分経って2002年にようやくフルアルバムを出したものの、「やりたいこと」の方向性が完全に一般人には窺い知れない方向にいってしまい、そのまま行方不明に。
そのフルアルバムだけストリーミングにありますが、そっちは聴かなくていい。

Fixed Stars / Every Night
こういう、シングル2枚で解散みたいなバンドはストリーミングに回る可能性が非常に低いと思います。Dicogs見てたらプロモCDも数枚出ていたので、きっとフルアルバムくらいのマスターはどこかにあるんだろうなあ、聴きたいなあ。


The Dandys / Dirty Weekend
初期2枚のシングルは最高だったのに、多分マネージメントかなんか付いたんでしょう、その途端に中途半端な「ブリットポップ」っぽい音になってシオシオになってしまったバンド。この曲は確か2枚目のシングル。大好き。

Blameless / Breathe
1996年にロンドン行ったとき、名前を聞いたことがあるという理由でライブを観に行ったら、「前座の方がよかったなあ」であり、悪くはないのだけど心に刺さらなかったバンド。めっちゃ久々に聴いたら全く同じ感想でした。

My Life Story / Sparkle
何度か紹介しているバンドですが、もう本当に大好きなバンドなので。ストリーミングにいくつか楽曲はあるのですが、彼らの真骨頂である大所帯時代の1st,2ndアルバムだけなく、その後の「普通のバンド」然とした3rdとB面集と再結成後の音源しかないという地獄。

boutique / I've Told You Before
以前このユニットを紹介した時に「カシオトーン以外身ぐるみ剥がされたThe Cure」と例えましたが、改めて適切だったと思っています。彼らもシングル3枚で解散なので、もう世に出ることはないかもしれません。

Unbelievable Truth / Stone
トム・ヨークの弟のバンドのデビュー曲。本当に美しい曲で1stアルバムも素晴らしい出来だったのですが、英国の音楽メディアの大半は無理くり兄と比較して酷評するという地獄状態。
結局、2ndアルバムに「Sorrythankyou」というタイトルを付けて解散。
ストリーミングにはそっちの「Sorrythankyou」しかない。かなり悲しい。

The Heads / No Talking, Just Head (Album)
これは上記パターンの例外。Talking Heads解散後、デヴィッド・バーン以外の3人が集結して曲ごとにゲスト・ヴォーカルを迎えて制作されたアルバム。このアルバムの場合、デヴィッド・バーンが嫌がったから以上に、各ゲスト・ヴォーカルの権利や意向とかもあったりするのだと思います。
Apple Music検索していて思うのが、「意外にそこそこ有名なカバー曲がない」ということ。それも権利処理上の問題だと思います。

で、今回Apple Music検索しててすごく思ったのは、以前アイドルグループ名の話した時にも言ったことに近いのですが「バンド名はできるだけ検索の際に弁別されやすい言葉にしようぜ」ということ。
上記のバンドでも、「Blameless」で検索するとヒットはするんですけど、ヒップホップの同名異人で、他には「Ether」で検索すると1990年代バンドのEtherも出てくるんですが、この画面上に一体何種類の「Ether」が混在しているのか全く分からない状態。

こんな時代だからこそ、名前、大事。