TSUTAYAの上半期の動向をまとめてみること

半年ごとくらいでTSUTAYAの状況を総括していこうと思っていたのですが、気が付いたらもう8月でした。
なので、今年の7月までの閉まりっぷりをとりあえず羅列。

01/06 TSUTAYA 幸手店(埼玉県幸手市)
01/06 TSUTAYA 上尾原市店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA 上尾駅前店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA さいたま新都心店(埼玉県さいたま市中央区)
01/14 TSUTAYA 砥部店(愛媛県伊予郡砥部町)
01/20 TSUTAYA 新小岩店(東京都葛飾区)
01/20 TSUTAYA WILL 久万の台店(愛媛県松山市)
01/27 TSUTAYA 大倉山店(神奈川県横浜市港北区)
01/31 TSUTAYA 宇都宮鶴田店(栃木県宇都宮市)
01/31 TSUTAYA 仁戸名店(千葉県千葉市中央区)
01/31 TSUTAYA 祖師ヶ谷大蔵店(東京都世田谷区)
01/31 TSUTAYA 高須店(高知県高知市)

02/03 TSUTAYA フジグラン十川店(香川県高松市)
02/10 TSUTAYA MINANO分倍河原店(東京都府中市)
02/11 TSUTAYA 醍醐店(京都府京都市伏見区)
02/11 TSUTAYA JR野田店(大阪府大阪市福島区)
02/11 TSUTAYA フジグラン神辺店(広島県福山市)
02/17 TSUTAYA 学芸大店(東京都目黒区)
02/17 TSUTAYA 武蔵中原店(神奈川県川崎市中原区)
02/24 TSUTAYA 南宮崎店(宮崎県宮崎市)
02/28 TSUTAYA 天神駅前福岡ビル店(福岡県福岡市中央区)(移転)
02/28 TSUTAYA 名護店(沖縄県名護市)

03/03 TSUTAYA すみや富士中央店(静岡県富士市)
03/03 TSUTAYA フジ西宇部店(山口県宇部市)
03/06 TSUTAYA 京王稲田堤店(神奈川県川崎市多摩区)
03/12 TSUTAYA フジグラン宇部店(山口県宇部市)
03/17 TSUTAYA ときわ台店(東京都板橋区)
03/17 TSUTAYA 桃山店(京都府京都市伏見区)
03/17 TSUTAYA 箕面牧落店(大阪府箕面市)
03/20 TSUTAYA 園田駅前店(兵庫県尼崎市)
03/30 TSUTAYA BOOK STORE 神谷町駅(東京都港区)
03/31 TSUTAYA 旭川神居店(北海道旭川市)
03/31 TSUTAYA 登別店(北海道登別市)

04/14:TSUTAYA 岩槻店(埼玉県さいたま市岩槻区)
04/14:TSUTAYA 大船店(神奈川県鎌倉市)
04/30:TSUTAYA 那の川店(福岡県福岡市南区)

05/06:蔦屋書店 上野店(東京都台東区)
05/06:TSUTAYA 南陽通店(愛知県名古屋市南区)
05/06:TSUTAYA 学園都市駅前店(兵庫県神戸市西区)
05/06:TSUTAYA フジグラン川之江店(愛媛県四国中央市)
05/08:TSUTAYA 衣笠店(神奈川県横須賀市)
05/12:TSUTAYA フジグラン今治店(愛媛県今治市)
05/19:WonderGOO TSUTAYA QLuRi川越店(埼玉県川越市)
05/31:TSUTAYA 東大和店(東京都東大和市)
05/31:TSUTAYA 蒲郡三谷店(愛知県蒲郡市)
05/31:TSUTAYA 野田川店(京都府与謝郡与謝野町)

06/02:TSUTAYA フジ垣生店(愛媛県松山市)
06/09:TSUTAYA 姫原店(愛媛県松山市)
06/16:TSUTAYA つくば桜店(茨城県つくば市)
06/16:TSUTAYA 川越店(埼玉県川越市)
06/20:TSUTAYA 姫路車崎店(兵庫県姫路市)
06/23:TSUTAYA フジグラン北浜店(愛媛県八幡浜市)
06/30:TSUTAYA 東池袋店(東京都豊島区)
06/30:文苑堂 TSUTAYA 上飯野店(富山県富山市)
06/30:蔦屋書店 フジグラン葛島店(高知県高知市)
06/30:TSUTAYA AVクラブ 鷹尾店(宮崎県都城市)

07/07:蔦屋書店 フジグラン高知店(高知県高知市)
07/15:TSUTAYA 二子玉川駅前店(東京都世田谷区)
07/21:蔦屋書店 フジグラン野市店(高知県香南市)
07/31:TSUTAYA 田子店(宮城県仙台市宮城野区)
07/31:TSUTAYA 浦和店(埼玉県さいたま市浦和区)
07/31:TSUTAYA 成増駅前店(東京都板橋区)

年間100店ペースを継続中です。
この半年で最も目立つのは、愛媛拠点のスーパーフジの子会社フジ・TSUTAYA・エンターテイメントの店舗の大量閉店。これだけ減ってもまだ15店舗ほどあるのですが、愛媛県高知県は相当に間引かれてしまいました。
その他、浦和や二子玉川のように、新たに直営の「蔦屋書店」「蔦屋家電」がオープンしたものの残存していた従来型のTSUTAYAが遂に消されるというパターンも。

開店店舗もないことはないのですが、
04/25:ヤマト屋書店 TSUTAYA BOOKSTORE 仙台長命ヶ丘店(宮城県仙台市泉区)
04/25:TSUTAYA 天神ショッパーズ福岡(福岡県福岡市中央区)
06/28:TSUTAYA QLuRi川越店(埼玉県川越市)
06/28:TSUTAYA BOOKSTORE 宮交シティ(宮崎県宮崎市)
07/01:TSUTAYA 綾瀬駅前店(東京都足立区)

TSUTAYA BOOKSTORE 仙台長命ヶ丘店以外は全部、閉店した店舗のそばに移転の形でオープンしたもので完全新規店ではなく、仙台長命ヶ丘店も書籍とゲームのみの取り扱いで、CD/DVDはレンタルも販売もなしです。

また、閉店という形ではないですが、5月6日にTSUTAYA EBISUBASHI、5月10日にTSUTAYA名古屋栄店でレンタルが終了するなど、大都市圏の中心地にある大型店では着々と特にレンタルは減っています。
東京の都心でレンタルが残っているのは、上野店が閉店したので、渋谷店と、新宿は歌舞伎町の雑居ビル、池袋は西口のロサ会館の店と、それくらい。名古屋は名駅西口の店だけで、大阪は阿倍野店のみ。
これ確実に大都市圏の立派な場所の高いテナント料を嫌っています。レンタルはもうそれだけのアガりの期待できる商売ではないということでしょう。

これまでも、こういう動きはただ「不採算だから渋々切っている」わけではなく、ある程度業転の意図を持ってやっているということは言ってきましたが、かといって、Tカードもなかなかうまくいかなくなってきたし、図書館運営等のBtoB事業もこれまでの状況や拡大のスピードを見て、レンタル全盛期の頃に匹敵するような規模のビジネスになれるとは今のところは思えない。

ので、そろそろ赤が出ない店であれば維持も考えるという感じで、閉店ペースが今後多少緩むのではないか、というのが最近の見立てです。

海外ミュージシャンが来日したりしなかったりすること

何か今年は、若い頃に聴いていたあたりのミュージシャンが来日するよというニュースがやたらと飛び込んできがちだなあ、と思うのです。
とりあえず見繕って眺めてみます。今年来日したもしくは予定の80-90年代に活躍したミュージシャン、バンドの一覧。
「○年ぶり」はフェスや企画を除く単独公演でカウント、チケット価格は一番多い価格帯で。

2019/01 The Offspring 豊洲PIT等 6年ぶり \9,800
2019/01 Slash STUDIO COAST等 4年ぶり \8,000
2019/01 Starmarket 新代田FEVER等 17年ぶり \3,800
2019/01 Bobby Caldwell Billbord Live 5ヶ月ぶり \12,500
2019/02 Teenage Fanclub Zepp DiverCity等 1年ぶり \7,800
2019/02 Eddi Reader 渋谷QUATTRO等 2年ぶり \7,500
2019/02 NICKELBACK 日本武道館等 4年ぶり \12,000
2019/02 Janet Jackson 日本武道館 3年ぶり \18,000
2019/02 Julia Fordham Billbord Live 1年ぶり \8,900
2019/02 Jon Spencer LIQUIDROOM等 4年ぶり \6,500
2019/03 …And You Will Know Us by The Trail of Dead 渋谷QUATTRO等 7年ぶり \6,500
2019/03 Paul Draper O-nest \5,500
2019/03 Mineral 新代田FEVER等 4年ぶり \4,800
2019/03 Sheena Easton Billbord Live 4年ぶり \8,900
2019/04 Pet Shop Boys 日本武道館 19年ぶり \12,000
2019/04 The Primitives SPACE ODD 4年ぶり \6,900
2019/04 Sarah Brightman 横浜アリーナ等 3年ぶり \16,000
2019/04 Meshell Ndegeocello Billbord Live 2年ぶり \8,900
2019/04 J Mascis 渋谷WWW X等 \6,500
2019/04 Kraftwerk オーチャードホール 6年ぶり \13,000
2019/04 DESCENDENTS O-EAST等 7年ぶり \6,500
2019/04 Europe CLUB CITTA' 9年ぶり \9,500
2019/05 Christopher Cross Billbord Live等 1年ぶり \10,800
2019/05 Bozz Scaggs オーチャードホール等 4年ぶり \13,000
2019/05 Noel Gallagher's High Flying Birds 幕張メッセイベントホール等 4年ぶり \12,000
2019/05 The Jesus And Mary Chain STUDIO COAST等 3年ぶり \8,000
2019/05 Matt Bianco BLUE NOTE 2年ぶり \8,500
2019/05 Buck-O-Nine ACB HALL \3,000
2019/05 Fishbone LIQUIDROOM 6年ぶり \7,000
2019/05 Alcatrazz O-EAST等 2年ぶり \8,500
2019/06 Impellitteri 豊洲PIT等 4年ぶり \8,000
2019/06 Basement Jaxx ストリームホール 4年ぶり \9,900
2019/06 Thunder CLUB CITTA' 1年ぶり \9,000
2019/06 Mike Joyce 新宿MARZ \5,800
2019/06 Boyzone 豊洲PIT \15,800
2019/06 THE WiLDHEARTS O-EAST等 1年ぶり \7,800
2019/07 Corey Hart / Paul Young オーチャードホール等 31/29年ぶり \12,500
2019/07 The Wedding Present o-nest等 1年ぶり \5,800
2019/07 Jah Wobble 新宿MARZ \7,800
2019/07 Owen 西永福JAM等 6年ぶり \4,000
2019/07 Glen Matlock 六本木VARIT等 2年ぶり \3,500
2019/07 Howard Jones Billbord Live 2年ぶり \8,900
2019/08 T.S.O.L./ LUICIDAL ACB HALL 初/初 \6,800
2019/08 The Brand New Heavies BLUE NOTE 1年ぶり \8,500
2019/08 Bobby Caldwell Billbord Live 7ヶ月ぶり \12,500
2019/09 Lisa Loeb Billbord Live 5年ぶり \8,900
2019/09 Swervedriver 渋谷WOMB等 4年ぶり \6,800
2019/09 GBH ANTIKNOCK 9年ぶり \4,000
2019/09 Manic Streer Preachers Zepp DiverCity等 3年ぶり \9,500
2019/10 Velvet Crush 渋谷QUATTRO等 15年ぶり \7,800
2019/10 Night Ranger 人見記念講堂 2年ぶり \9,500
2019/10 Sting 幕張メッセ等 2年ぶり \18,000
2019/10 Cyndi Lauper オーチャードホール等 4年ぶり \16,000
2019/10 Hothouse Flowers 渋谷QUATTRO 1年ぶり \5,800
2019/10 Backstreet Boys さいたまSA 6年ぶり \12,000
2019/10 Buckcherry LIQUIDROOM等 3年ぶり \6,800
2019/10 SWV Billbord Live 3年ぶり \10,000
2019/10 Cast SPACE ODD 22年ぶり \7,000
2019/10 Gang Of Four 代官山UNIT等 7年ぶり \7,000
2019/11 Black Flag CLUB SEATA等 \6,800
2019/11 The Stranglers O-WEST等 27年ぶり \9,500
2019/11 Ride EX THEATER 2年ぶり \8,000
2019/11 Anvil Club SEATA等 3年ぶり \8,000
2019/11 The Monochrome Set 新宿MARZ等 3年ぶり \7,200
2019/11 Dave Stewart & Barbara Gaskin 月見ル君想フ 1年ぶり \15,000
2019/11 Masters At Work ageHa 1年ぶり \5,500
2019/11 Superchunk O-WEST等 8年ぶり \5,500
2019/11 Lightning Seeds Billbord Live \8,400
2019/11 The Melvins duo MUSIC EXCHANGE等 8年ぶり \7,000
2019/11 Stephen Malkmus ストリームホール \6,500
2019/12 Paul Gilbert 新宿ReNY等 3年ぶり \8,500
2019/12 Cutting Crew O-nest 32年ぶり \6,800
2019/12 U2 さいたまSA 13年ぶり \19,800

多いわ、この数。去年以前と比較したわけではないのですが、今年は何かあるたび新たな情報が入ってきては迷う、というのがすごく多い印象。
中にはむやみやたらに来日しがちなのもいたりしますが。Bobby Caldwellなんか本当は北千住あたりに住んでて日比谷線で六本木来てるんちゃうかと疑うレベル。

この中で私が既に参加したのがPet Shop BoysとThe Wedding Present、チケット確保済がU2、行く方向で検討中なのがLightning Seeds、諦めたのがMineralとジザメリ、いまだに迷っているのがSwervedriver、The Stranglers、The Monochrome Set、U2のチケットを押さえたがためにこれ以上この価格帯は無理だと断念したのがStingとCyndi Lauperです。
正味この数があると経済的&仕事の隙ついて定時で逃げ出すのにも限界があり、厳選せざるを得なくなります。

問題は主にその「経済的」なところ。つまり有名どころのチケット代の高騰。U2は何とかチケット確保しましたが、それと共に歯を食いしばって19,800円+手数料等を拠出したわけです。
海外ミュージシャンの場合、もう当然のようにCD等の音源の売り上げをメインにご飯を食べることは諦めて、興行に稼ぎのメインの軸足を移しているわけで、この来日ラッシュもそういうことではないかとは思います。

じゃあこのメジャーどころのミュージシャンのこの価格は何だと考えたところ、いよいよ80年代の人たちもストーンズとかポール・マッカートニー級の「大御所」価格化してきたということではあるのですが、何かよく言われている「欧米等海外に比べて日本の給料の上昇率が異常に低い」という世界経済の中での日本のアレが多分に影響しているのではないかと思います。
サラリーマンではあるもののおよそプラプラ生きていて、遊ぶ金欲しさに働いていると言っても過言ではない私でもキツい。
家族を養っている御仁なんかは特に行きたくてもいけない感じではないかと思います。申し訳ない。

Stingの10月の来日公演、間違いなくThe Police時代からのベストヒット祭りになるのですが何か思ったようにチケットはけていないようで、ネットで何か見るたびにすごい勢いでバナー出てくるのですが、これツアーの発表とチケットの販売開始がU2より先だったら、もう少しええ感じではなかったのではないかとも、思ったり思わなかったり。

そして、チケットが多少高くても主催と折り合いがついて来てくれるのならまだいいのですが、折り合いがつかずにワールドツアーから日本飛ばされたりもしているんじゃねえの、と思うのがMetallicaが2016年のアルバムリリースに伴って2017年から開始して現在も開催中のワールドツアー。
2017年にアジアツアーしていますが開催地はソウル、上海、北京、香港、シンガポール。2019年秋にはオセアニアツアーがありますが、今のところそのついでに日本に寄りますという話はなし。これやっぱりそういうことなんじゃないの、と思うわけです。メタリカだし。

とりあえずできるだけ飛ばさずに日本に来てほしいものです。来日公演で観たいのに限って東阪のみ公演で飛ばされがちだった、かつての名古屋圏の住民はそう思います。

tipToe.@渋谷CLUB QUATTROのこと

ふと思い立って行くことにしました。というのは、先日も話をした彼女たちのアルバム「daydream」が本当にいいアルバムだったことと、先日のヌュアンスのO-EAST公演が途轍もなく素晴らしかったのですが、あれを作ったフジサキPと一番つるんでいるのは、むやみやたらと企画ライブで一緒になっているtipToe.の本間Pであり、だったらその影響だか何かで、こっちも何かエゲツないことになってやしないかと思ったから。

結論としては、エゲツないとまでは行きませんでしたが、大変に素晴らしいライブでした。
アルバム「daydream」の1曲目「The Curtain Rises」からスタート。そこからは、1stやシングルや2ndの前半の楽曲を交えながら進み、インタールードを挟んで「茜」「アフターグロウ」。さあ、来たぞ。「daydream」後半「夜の部」に入る直前の2曲。
果たして改めてインタールードを挟んでポエトリーリーディング「はやく夜が明けておはよう。が言いたい。」が始まり、アルバム通りに「blue moon.」「砂糖の夜に」そして「ナイトウォーク」。やっぱりここの「夜の部」は解体できないのだな。やっぱりこの流れが大好きだ。
当然次はアルバムの曲順通り「星降る夜、君とダンスを」来るぞ、と思ったら、来ない。代わりに彼女たち史上最もハードなイントロと共に新曲。歌詞から「夜」という単語は聞き取れたので、恐らく世界観は地続きだ。そして新曲が終わってMC。ここで「夜の部」終了。
そこからはもうアげっぱなしで進みもう「エモい」としか言えない状態に。そして本編最後に「星降る夜、君とダンスを」。なるほど。全体としてアルバム「daydream」の大きな流れを、既存の他の曲、新曲も組み込みながら拡大して解釈したライブ、と認識しました。

初めて観た時、彼女たちを「『放課後に教室で静かに本を読んでいる女の子』のアイドル化」と評したのですが、間違ってはいないと思うのだけど、もうそれだけの女の子でないこともわかった。僕らがあの時教室で見ていた女の子は、教室でのそれが全てではなく、家に帰ったら生活をしているし、生活をしながら楽しかったり悲しかったりいろんな思いを抱えている。
担当カラーがあったり、自己紹介の決まった口上があったりするような特別なピカピカした「アイドル」ではなく、もう少し自分たちの「普段」に近いアイドル感。それはもしかしたらものすごく「正解」なのかもしれないと思います。

次のワンマンは10月、渋谷VEATSでバンドセット。行きます。バンドセットが観たいのと、新しくオープンするライブハウスVEATSに行きたいから。

ロッキンオンの声優オーディションのこと

ロッキング・オン社、遂にアニメ制作および声優のマネージメント業に進出。

ロッキング・オンが手がける音楽アニメプロジェクト始動!

フェス事業を始めたときにはどうなるかと思いましたが、それ以降他のフェスの制作まで請け負うまでになりましたし、今回のこっちも相当にいろいろ仕込んでの業務開始ということでしょう。

ロッキンオン誌については、まだ「ジャパン」が分かれて創刊される前の時点で「広告を出したらレビューでよく書く」方針は見受けられましたし、正味「ジャパン」はそうやって回り始めたビジネスモデルを全面的に展開する形で立ち上がったものだと考えています。
もちろんビジネスですから何の問題もないですし、嫌なら買わなきゃいいだけです。フェスも立ち上げ当初はいろいろ言われていたように記憶していますし、JAPAN JAMとか最初は大失敗のそれ以降の方針変更や場所の流転を繰り返して、それでも諦めずにようやくここ数年でおよそ普通のフェスとして落ち着いた感じに持って行ったり、結果オーライです。

今回のこれも当然やるからには本気でしょうし、どうなるかわかりませんから、ただクサすのはやめようと思います。クサしたくてたまらないけど。
とりあえず声優なのに顔写真・全身写真必須という時点で、タレントとしても売るつもり満々というか今の女性声優のアイドル化の男子版か、「快感フレーズ」のアニメ化に際して実際にデビューしたバンドΛuciferっぽい感じの展開をやりたいんじゃないか的な想像をしてしまいますし、課題セリフのものすごい「ロッキンオン」臭はむしろブレてなくて好感持てますし。

一点気になったのはBのセリフ。サラリーマンのサラリーマン的な仕事を貶すタイプのこういうの、久々に見た気がします。
もしこのアニメをきちんとビジネスにしていくとすれば、想定される顧客の相当部分はそういうサラリーマンであるということを考えたら普通はできませんし、実際最近のJ-POPの歌詞でもこういうのはもうほとんど見られなくなっているのですが、敢えて今それをやるのが「ロック」ってことなんでしょうか。

私がロッキンオン買わなくなった要因は、「ジャパン」ではなく1989年、The Stone Rosesが初めてロッキンオン誌に載った輸入盤レビュー。「She Bangs The Drums」を聴いて仲間うちで「とんでもないのが出てきた」と盛り上がっていたところに、そのレビューの人は彼らの1stアルバムを「The Byrds等の60'sリバイバル」という観点でしか聴けておらず、心底がっかりしたことです。
まあその数か月後、「ロックの未来」とかそんな感じで、カラーページで特集組んでたんですけどね。そういうところもとてもロッキンオン。

ニガミ17才×DATSの対バン@リキッドルームの話

昨日はリキッドルーム恵比寿15周年企画のニガミ17才×DATSの対バン。

先攻ニガミ17才。
そもそもYouTubeで「おいしい水」のMV見て、これどう聴いてもライブが音源以上になるヤツじゃないかと思っていて、一度は生で観ないとあかんと思っていたので来たわけですが、まさにそんな感じでした。原則がっつりプレイヤビリティの高さを前提にした楽曲なんだけど、でもやっぱり平沢が存在としてものすごいアクセントになっていて、結果何とも言えない独特の空気感がステージから放たれる。

フロントの岩下が以前やっていた嘘つきバービーは、楽曲はヘンテコでも演奏はひたすらストイックだったイメージなのですが、ニガミ17才の平沢のシンセの上物の音色はやっぱりポップな方向に全体の空気を引っ張っていくし、ステージ上では無闇にうろうろしたりとか、弦2人がドラムの周りに集まってパッキパキの演奏している中に用もないのにその輪の中に手ぶらで入って行ったりとか、キャラとしてもストイックとは真逆の方向に持っていく。
平沢本人は「岩下の『地下』的な感性を地上に繋げる役割」を自認している旨、インタビューでも語っているわけですが、制作上だけでなくステージでも間違いなくそういう役割を担っていて。
結果、存在として恐ろしくユニーク。かつ何ぼでもこの先転がっていけそうな懐の深さもあるし、もう少し継続して観察していきたいバンド。

で、後攻がDATSだったわけですが、正味この順番はあかん。
DATSは音もステージも現在進行形でひたすらストイックで、でもセッション的な緊張感でもって引っ張っていくタイプでもないので、もうバンド的な位置付けがまるで違う。
そういう場合、ニガミ17才のニガミ17才的なところを好きな人は、DATSを同じテンションで観られないんですよ。逆ならDATSのファンも「何かおもしろいもの」として観てもらえるのですが。
結果、これまでいくつも対バン観てきた中で1-2を争うレベルで「後攻演奏中の途中で退場する観客」の数の多さでした。
DATSはDATSで悪くないし、アガる曲なんかはUnderworldとマンチェスターの合体みたいでかなり好きなんですけど、相当な割合がそこまで持たなかった。

でも考えてみれば、ライブハウス叩き上げのバンドが上に行こうとする場合、なかなかストイックな演奏だけでは難しいのは事実なわけで。
SHISHAMOのように既存のメディアの露出に乗ったパターンを除けば、レキシやヤバTや打首獄門同好会あたりの、「おもろい」曲とライブを続けて企画ライブやフェスでひたすら見つかり続けての今みたいなバンドがいる一方、バンドのクオリティを上げたうえでその上にポップなイメージや雫のキャラ演出を見定めて行った結果、頭一つ抜けた感のあるポルカドットスティングレイみたいな事例もあったり、先日2枚組でアルバムを出したサカナクションなんかは、ひたすら売れるための「作為」を身に付けていっての今だったり。

バンドの音楽的本質以外のオプションがあってようやく売れるというのはもう世の定め的なものであり、ニガミ17才は結果としてではあるものの、平沢あくびという高性能なオプションを身に付けて、これから上を目指そうというわけです。深夜帯ではあるものの平沢単体で地上波のバラエティにまで出てますからそりゃ本気ですよ。

ただ、テレビに出たり単体で知名度上げたからといって、それがただちに母体に還元されるわけではないということは、川島海荷がいた9nineとか篠崎愛がいたAeLL.といったアイドルグループがどうにもドンと売れないままどうかなっちゃったことからもある程度明白であり、やっぱりニガミ17才もバンドを一生懸命やってください。また観に行きます。

あまり具合のよくない新譜CD店の特徴のこと

<あまり具合のよくない新譜CD店の特徴>

  • 薄暗い
  • 棚のCDの背が日に灼けている
  • 当然アルバム紹介のPOPなんかどこにもない
  • 洋楽の棚が特に迷走している
  • 男性・女性で棚が分かれている
  • かつては店のロゴ入りの袋だっのに、最近は無地の汎用袋になっている
  • ここ数年でブレイクしたミュージシャンのCDがない。あいみょんや米津玄師等の紅白レベルはあるけど、KANA-BOONとかヤバTとかは影も形もない。
  • かつては小奇麗だったが、今は通路に在庫の段ボールが放置されていたり棚の補充がされておらずスカスカだったり、荒れた感じになっている。

全国各地の「新譜CD店がどんどん演歌専門店化していく」現象については、昔は卸業の営業さんもしっかりしていて最近の状況も踏まえて品揃えの提案とかできていたのが、それがどんどんキツくなっていき、かつ売る方の店の人も興味のないところに頑張るのも辛いので、もうそれは仕方ないのです。
でもその路線でガッツリ攻めに入れる店もあり、浅草のヨーロー堂なんかは店の手前は演歌ガッツリ並べていますが、それだけでなく店の奥には昭和歌謡やニューミュージック等もそれなりに品揃え、中古レコードまで装備している「昭和のセレクトショップ」とでも言うべき素敵品揃えなので馬鹿にできないのです。

で、じゃあ世の中でチェーン店以外でどれくらいのCD屋が上記に一切当てはまらずに生きているのかと考えると、正味相当少ないです。
自分の知っている中では、岩手のエムズレコード、千葉県千葉市千城台のU-Dio、千葉県館山市のカミヤマサウンドステーション、池袋東武百貨店の五番街、武蔵小山のペットサウンド、名古屋栄地下街の音楽堂、京都の清水屋、岸和田のYOUNG、高松松山のDUKE、福岡天神のインドウ、北九州市小倉の松田楽器、熊本のムラヤマレコード、大分のヱトウ南海堂、鹿児島の十字屋。マジでそれくらいじゃないかと。
ロゴ入り袋ではないけどそれ以外は本当に素晴らしい北海道留萌市の吉崎レコードみたいな事例もありますが。

それでもまだ全国にきちんと行ってないCD店も数多く。もうね、正味全国のレコード店を巡って生きていたい。誰かそれでお金くれる人がいればいいのに。

敢えて一度解禁したストリーミングから撤退すること

こういう判断もありか。

正直、ストリーミングというサービスは、メジャーからマイナーまでありとあらゆる音楽が同一線上に並ぶ形ではありますし、マイナーであってもうまくバズれば一気に認知を上げられるチャンスは、過去の既存メディア頼りの状況よりずっと高いとは思います。
ただ、実際にはCDというパッケージ以上に「知名度の有無」で再生数=収入に大きく差が出てしまうサービスでもあると思っています。

たとえばストリーミングに楽曲を解禁していない大物のうちの1組であるB'z、もちろんどの形態でどれだけの割合の金額を受け取っているのかわかりませんから断言はできませんが、「ultra soul」等の超有名曲の場合、前回のベスト盤のリリースから6年経った今、収録されたCDの新品がどれだけ新たに売れているのかということを想像すれば、恐らくストリーミングに出した方がずっと稼げるのではないかと思います。
「ふと聴きたくなるという人が多い」「プレイリストに乗りやすい」等々、「既に知られている」ことによって得られるゲインはとてつもなく大きいはずです。

The Beatlesの場合では、ダウンロード配信開始がiTunes開始から7年後の2010年。一方ストリーミングで解禁されたのは2015年。Spotifyのアメリカでのサービスインが2011年、Apple Musicは2013年ですから、ストリーミングのリリース判断はダウンロードと比較して格段に早いのですが、ほぼ持ち歌全曲が「既に知られている」彼らの場合、「新たなユーザーがパッケージやアルバムデータを購入する」ことに期待するよりも、ストリーミングならではの聴かれ方に乗る方がビジネスとして得られるところが大きいと早々に判断したと推測できます。

しかし逆にそこまでメジャーでない多くのミュージシャンは、自分たちができる範囲でどれだけプロモーションしたところで、ストリーミングであっても自分たちを元々知っている人以外にはなかなかリーチしにくく、再生数は大物の「既に知られている」曲が何となくストリーミングで聴かれるその総数の足元にも及ばなかったりするわけで。
ストリーミングの再生回数に応じた収益は当然CDの収益に比べたら微々たるものですし、だとしたらこういう判断もありなのではないかなあ、と。

前々から言っている通り、ストリーミング解禁しないということは、ストリーミング・サービスへの課金が音楽にかけるお金の全てという若いリスナーにとっては「存在しない」のと同じです。
もちろんそれは長期的にはミュージシャンにとって、新たなリスナーを獲得するという点において確実に大きなリスクになります。
が、お店と同じで現状の運転資金も厳しいというような状況下で長期的なことだけ考えていたってお腹が膨れるわけでもなく、今日明日の生活すらおぼつかなくなってしまう。
彼らだってニコニコ笑いながらこういう判断をしたわけではなく、相当に苦渋の決断であったことは文面からも伝わってきます。

とりあえず、自分の出している音が正しいと思い、これからも続けようというのであれば、何したっていいのです。カッコ悪くても這いつくばっても、ステージでしゃんと立って鳴らせばいいのです。
実際彼らのことは文字列としての認知しかなかったのですが、こちらは継続するというYouTubeで聴いてみたら、これ結構カッコいいじゃないか。こういうニュースでの出会いだって、あっていい。というか、もっとあれ。

バンド名・グループ名を付けること改名すること

昔から数多のバンドやグループが生まれています。音楽だけでなくお笑いのコンビ名もそうですが、その大半は己を表す名前を付けるわけです。しかしその中には「それってどうなの」と思わざるを得ないも名前もあります。
そう思うものの中でも特に「既存の固有名詞や登録商標をそのまま付けてしまう例」と「あまりにも一般的すぎる名詞をそのまま付けてしまう例」については非常に疑問に思ってしまうのです。


前者の例では2年ほど前、こんな悲しい出来事がありました。
ザ・プーチンズが改名

これは、その改名前のバンド名を付けてパブリックで活動しようと思った理由がそもそもわからない。よりによって世界でも有数の怖い人の名前ですよ。俺こんなバンド名付ける勇気ないよ。そして案の定こうなってしまったという。というか、変えてそれでOKになって今も活動できていること自体がラッキーでしかありません。
[Champagne]が[ALEXANDROS] に改名した事例、乙女フラペチーノがおとといフライデーに改名した事例はいずれも商標に引っかかったものでしたが、この場合命名時にそれが商標だと知らなかったものなので、仕方がないのかもしれません。
しかしこのような名前は、ある程度の層に認知された時点でほぼ確実にこういう事態に巻き込まれます。それは人名であれば先方の活動諸々にも影響を及ぼしかねませんし、商標であればその名前を使用してのビジネスになってしまうので当然です。なので、わかっていてこのような名前を付けて世に出ようということは「売れる」「人気者になる」という将来を全く想定していない、志の低い行動であると言ってしまっても過言ではないのです。

この事例で今も元々の名前のままメジャーで活動できているのはお笑いの「ザブングル」くらいしか思いつかないのですが、彼らの場合はメジャーになる前に本人かスタッフが手土産持って上井草に挨拶に行ったものと思われます。とか言って今の彼らは大変そうで残念です。


後者の例ではこういうことがありました。
つぼみが「つぼみ大革命」に改名、4thシングルにzopp参加を発表

これも改名やむを得ない。「つぼみ」としての活動開始は2010年と早いのですが、ここ数年活動が活発化してきたこともあり、そのために改名したものと思われます。が、これもそもそも何で結成時にこのグループ名でいいと思ったのかがわからない。
2010年といえばもうネットも当たり前。それで「つぼみ」で検索して、一般名詞としてのそれや永世名誉処女的な女優の方を差し置いて、上位に入ることができるとなぜ思えたのかわからない。
今の世の中、検索して出てこないというのは相当に致命的な事態だと思うわけです。この人たちのことを知りたいと思ってくれる世の人がいたとしても、その人たちにリーチしてもらえないということですから。
2017年にデビューした「eyes」というアイドルグループがこの5月に解散したのには、いろいろな理由があるでしょうが、もっとユニークな文字列のグループ名であったらもう少し何とかなっていたかもしれないと思ったり思わなかったり。

こういう名前の検索しやすさで断トツなのはやはりハロプロの各グループ名。およそ完璧なレベルでユニークな文字列。スターダストのグループ名も相当ですが、ハロプロ後追い型で意識してそうしているような気がするのです。
ハロプロはインターネットが広く普及する前からそうですし、もし検索とかネットとか気にしてそうしていたとするなら、初期のアルバムにある丸付き数字付きのタイトルは文字化け等もあり得るので付けることは避けるでしょうから、ハロプロのあのグループ名の数々きっと完全に天然なんですよ。すげえよなハロプロ。

あと、最初に「その大半は己を表す名前を付ける」と、全部付けると断言しなかったのは、声優になる前の平野綾が所属していたアイドルグループが結局CDデビュー後1か月間本当に「ユニット名未定」だったことがあるからです。

The Wedding Present@渋谷o-nestのライブのこと

The Wedding Presentは自分にとって特別なバンドなんです。自分がどんな音楽が好きかというところが確立されていく上で「Bizarro」と「Seamonsters」は相当重要なポジションにあったアルバムで。
ギターといえばカッティングだろうという偏った価値観とか、聴いた音楽を評価するにあたって「張り詰め感」がその軸に入ってきてしまうのははまさにその影響下で。

彼らの初来日は1993年、心斎橋クアトロに観に行って本当に張り詰め切った緊張感におののいたことを覚えています。
ただ、その時には「Bizarro」のハイライトであるところの「Take Me」は演奏されず、「生でTake Me聴きてえなあ」と思ったまま18年、2011年に「Bizarro」再現ライブで来日するよと言われてもうすごい勢いでチケット取って行って、結果もう感動しっぱなしだったのですが、今回また「Bizarro」再現ライブですよと言われて、またもう条件反射的にチケット取るわけですよ。「Take Me」は何度でも生で聴きたいじゃないですか。

確か2011年の再現ライブの時は、前半「Bizarro」以外の曲をやってから後半アルバム完全再現という流れだったのですが、今回は「Bizarro」楽曲の合間にちょいちょい別曲挟みながら進んでいく形。
正直こういう記念ライブですし、そもそも私も彼も随分なおっさんになっているので、初来日の時の張り詰めた空気は期待できないし、実際あれとはもう全く違う。
でもDavid Lewis Gedgeはやっぱり最高の高速カッティングおじさんであり、「Seamonsters」の「Niagara」とか「それ最高じゃないっすか」みたいな選曲ありつつ、やっぱり「Take Me」でもうわけわかんないくらいアガって「Be Honest」でチルって終わるわけです。

過去の音を愛でるのはほどほどにしておこうとは思っているのですが、でも現役でやり続けているバンドが日本までやってきて、当時の音源であっても今できる最強でそれを奏でてくれるのであれば、それはもう全力で受け止めるしかないじゃないですか。
そういう方針でもって、U2のチケットも確保したわけですよ。

自分が聴いたことのある中での「世界三大『張り詰め感』アルバム」は、The Wedding Presentの「Seamonsters」と、エコバニの「Heaven Up Here」とU2の「War」であり、今回来日するU2は「The Joshua Tree」推し公演になるわけですが、でもやっぱり「Sunday Bloody Sunday」を聴きたい。たぶんやらない。

玉光堂とエンターキングの運営企業がダメになったこと

何かイヤな感じのニュースが。

株式会社小樽管財(旧:株式会社玉光堂)
CD・DVDショップ「玉光堂」展開
特別清算開始命令受ける

何か運営企業の流れがものすごくわかりにくいですが、

  1. 2007年に玉光堂が(株)星光堂の傘下に入る
  2. 2018年3月に(株)星光堂が別会社(株)星光堂マーケティングを設立して玉光堂グループの運営業務を移管。
  3. そのまま星光堂マーケティングは星光堂を離れて(株)メディアリンクス傘下に移行。
  4. 2018年6月に(株)メディアリンクスは子会社の(株)玉光堂を設立して玉光堂グループの運営業務を継承。
  5. 2019年1月に(株)玉光堂が(株)小樽管財に商号を変更
  6. 2019年3月に(株)メディアリンクスが改めて(株)玉光堂を名乗る
  7. 2019年6月に(株)小樽管財が特別清算開始命令を受ける

だいたいこんな感じで、現在玉光堂を運営しているのは元(株)メディアリンクスの方の(株)玉光堂なので、今のところ営業はこれまで通り継続しております。
玉光堂の企業サイトがこの春いきなりBtoB企業っぽくなって何だこれはと思ったのですが、これ要するに元々BtoBがメイン業務だった(株)メディアリンクスが玉光堂業務を親会社に吸収してさらに商号を「玉光堂」に変更したためにこうなったということですね。
それでも、本当に経営が順調であればこんなすごい勢いで運営企業を転がすはずもなく、正味「相当ヤバい」と認識せざるを得ません。

ちなみにですが、2011年に玉光堂グループにインしたバンダレコード、元々所沢駅前商店街にあった本店を2014年に畳み、近くのダイエー内の支店を改装して新たな「本店」としたのですが、そのダイエー所沢店、現在のイオン所沢店が9月末に閉店することが決定し、現在本店の行方が非常に微妙。弱り目に祟り目とはまさにこのこと。

で、この玉光堂のニュースは本日出てきたのですが、実は1週間前もう少し地味なのも出ておりまして。

(株)サンセットコーポレイション 民事再生法の適用を申請

千葉県を中心に展開しているエンターキングを運営している企業です。
こちらも店舗は運営を継続していますが、各店舗の具合を見てみるとなかなか厳しい。2019年1月の春日部店の閉店で埼玉県から完全撤収したのですが、現在営業中の15店舗のうち、15日に松戸市の八柱店閉店、28日には東京の小岩店閉店。また閉店日はまだ公開していないものの「閉店セール」と銘打ってすごい割引率のセールをしているのが3店舗。
ZEAL LINKの時にも言いましたけど、「すごい割引率のセール」っていうのは要するに「長期的な損益などどうでもいい、とりあえず当面の経営を転がせるだけの現金が欲しい」という店舗からのメッセージですので、そういうことだったのですが、こうなっちゃいました。

2019年始まった時に「正直2019年の実店舗はこれまで以上にヤバい」と申し上げましたが、けっこうな感じでヤバくなってきております。でも何かもう少し大きな何かがありそうな気もするんですよ。
何となく多くの人の音楽の聴き方とか、聴かない人の聴かなさとかが分水嶺越えたような感覚が最近あって。
もう、ただ淡々と観察するのみ。開店閉店のブログって、正直なところ「看取る」ことが目的だったりするのですが、運営開始して10年、遂に本当にそういうフェイズに入ってきた感があります。
実際そういうところに突っ込んでくると、けっこうそわそわします。

しかし「サンセットコーポレイション」って、何でそんな縁起よくない商号にしたのか。という突っ込みも今こうなっちゃったからできる。