The Wedding Presentは自分にとって特別なバンドなんです。自分がどんな音楽が好きかというところが確立されていく上で「Bizarro」と「Seamonsters」は相当重要なポジションにあったアルバムで。
ギターといえばカッティングだろうという偏った価値観とか、聴いた音楽を評価するにあたって「張り詰め感」がその軸に入ってきてしまうのははまさにその影響下で。
彼らの初来日は1993年、心斎橋クアトロに観に行って本当に張り詰め切った緊張感におののいたことを覚えています。
ただ、その時には「Bizarro」のハイライトであるところの「Take Me」は演奏されず、「生でTake Me聴きてえなあ」と思ったまま18年、2011年に「Bizarro」再現ライブで来日するよと言われてもうすごい勢いでチケット取って行って、結果もう感動しっぱなしだったのですが、今回また「Bizarro」再現ライブですよと言われて、またもう条件反射的にチケット取るわけですよ。「Take Me」は何度でも生で聴きたいじゃないですか。
確か2011年の再現ライブの時は、前半「Bizarro」以外の曲をやってから後半アルバム完全再現という流れだったのですが、今回は「Bizarro」楽曲の合間にちょいちょい別曲挟みながら進んでいく形。
正直こういう記念ライブですし、そもそも私も彼も随分なおっさんになっているので、初来日の時の張り詰めた空気は期待できないし、実際あれとはもう全く違う。
でもDavid Lewis Gedgeはやっぱり最高の高速カッティングおじさんであり、「Seamonsters」の「Niagara」とか「それ最高じゃないっすか」みたいな選曲ありつつ、やっぱり「Take Me」でもうわけわかんないくらいアガって「Be Honest」でチルって終わるわけです。
過去の音を愛でるのはほどほどにしておこうとは思っているのですが、でも現役でやり続けているバンドが日本までやってきて、当時の音源であっても今できる最強でそれを奏でてくれるのであれば、それはもう全力で受け止めるしかないじゃないですか。
そういう方針でもって、U2のチケットも確保したわけですよ。
自分が聴いたことのある中での「世界三大『張り詰め感』アルバム」は、The Wedding Presentの「Seamonsters」と、エコバニの「Heaven Up Here」とU2の「War」であり、今回来日するU2は「The Joshua Tree」推し公演になるわけですが、でもやっぱり「Sunday Bloody Sunday」を聴きたい。たぶんやらない。