TSUTAYAが2019年に100店舗閉店したこと

久々にTSUTAYAの話。というかおよそ今年の開店閉店の情報が出切った感がありますので、2019年のまとめとして。
2017年は70店以上、2018年は90店以上が閉店して、これヤバいよという話を以前よりちょいちょいしていたわけですが、2019年は現状で100店舗以上の閉店が確定しています。

f:id:wasteofpops:20190831121337j:plain
TSUTAYA 立場店(2019/10/09閉店)

01/06 TSUTAYA 幸手店(埼玉県幸手市)
01/06 TSUTAYA 上尾原市店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA 上尾駅前店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA さいたま新都心店(埼玉県さいたま市中央区)
01/14 TSUTAYA 砥部店(愛媛県伊予郡砥部町)
01/20 TSUTAYA 新小岩店(東京都葛飾区)
01/20 TSUTAYA WILL 久万の台店(愛媛県松山市)
01/27 TSUTAYA 大倉山店(神奈川県横浜市港北区)
01/31 TSUTAYA 宇都宮鶴田店(栃木県宇都宮市)
01/31 TSUTAYA 仁戸名店(千葉県千葉市中央区)
01/31 TSUTAYA 祖師ヶ谷大蔵店(東京都世田谷区)
01/31 TSUTAYA 高須店(高知県高知市)

02/03 TSUTAYA フジグラン十川店(香川県高松市)
02/10 TSUTAYA MINANO分倍河原店(東京都府中市)
02/11 TSUTAYA 醍醐店(京都府京都市伏見区)
02/11 TSUTAYA JR野田店(大阪府大阪市福島区)
02/11 TSUTAYA フジグラン神辺店(広島県福山市)
02/17 TSUTAYA 学芸大店(東京都目黒区)
02/17 TSUTAYA 武蔵中原店(神奈川県川崎市中原区)
02/24 TSUTAYA 南宮崎店(宮崎県宮崎市)
02/28 TSUTAYA 天神駅前福岡ビル店(福岡県福岡市中央区)(移転)
02/28 TSUTAYA 名護店(沖縄県名護市)

03/03 TSUTAYA すみや富士中央店(静岡県富士市)
03/03 TSUTAYA フジ西宇部店(山口県宇部市)
03/06 TSUTAYA 京王稲田堤店(神奈川県川崎市多摩区)
03/12 TSUTAYA フジグラン宇部店(山口県宇部市)
03/17 TSUTAYA ときわ台店(東京都板橋区)
03/17 TSUTAYA 桃山店(京都府京都市伏見区)
03/17 TSUTAYA 箕面牧落店(大阪府箕面市)
03/20 TSUTAYA 園田駅前店(兵庫県尼崎市)
03/30 TSUTAYA BOOK STORE 神谷町駅(東京都港区)
03/31 TSUTAYA 旭川神居店(北海道旭川市)
03/31 TSUTAYA 登別店(北海道登別市)

04/14:TSUTAYA 岩槻店(埼玉県さいたま市岩槻区)
04/14:TSUTAYA 大船店(神奈川県鎌倉市)
04/30:TSUTAYA 那の川店(福岡県福岡市南区)

05/06:蔦屋書店 上野店(東京都台東区)
05/06:TSUTAYA 南陽通店(愛知県名古屋市南区)
05/06:TSUTAYA 学園都市駅前店(兵庫県神戸市西区)
05/06:TSUTAYA フジグラン川之江店(愛媛県四国中央市)
05/08:TSUTAYA 衣笠店(神奈川県横須賀市)
05/12:TSUTAYA フジグラン今治店(愛媛県今治市)
05/19:WonderGOO TSUTAYA QLuRi川越店(埼玉県川越市)
05/31:TSUTAYA 東大和店(東京都東大和市)
05/31:TSUTAYA 蒲郡三谷店(愛知県蒲郡市)
05/31:TSUTAYA 野田川店(京都府与謝郡与謝野町)

06/02:TSUTAYA フジ垣生店(愛媛県松山市)
06/09:TSUTAYA 姫原店(愛媛県松山市)
06/16:TSUTAYA つくば桜店(茨城県つくば市)
06/16:TSUTAYA 川越店(埼玉県川越市)
06/20:TSUTAYA 姫路車崎店(兵庫県姫路市)
06/23:TSUTAYA フジグラン北浜店(愛媛県八幡浜市)
06/30:TSUTAYA 東池袋店(東京都豊島区)
06/30:文苑堂 TSUTAYA 上飯野店(富山県富山市)
06/30:蔦屋書店 フジグラン葛島店(高知県高知市)
06/30:TSUTAYA AVクラブ 鷹尾店(宮崎県都城市)

07/07:蔦屋書店 フジグラン高知店(高知県高知市)
07/15:TSUTAYA 二子玉川駅前店(東京都世田谷区)
07/21:蔦屋書店 フジグラン野市店(高知県香南市)
07/31:TSUTAYA 田子店(宮城県仙台市宮城野区)
07/31:TSUTAYA 浦和店(埼玉県さいたま市浦和区)
07/31:TSUTAYA 成増駅前店(東京都板橋区)

08/04:TSUTAYA フジグラン北島店(徳島県板野郡北島町)
08/07:TSUTAYA あびこ店(大阪府大阪市住吉区)
08/18:TSUTAYA 矢向店(神奈川県横浜市鶴見区)
08/23:TSUTAYA 南松本店(長野県松本市)
08/25:TSUTAYA 座光寺店(長野県飯田市)
08/25:TSUTAYA 高速長田店(兵庫県神戸市長田区)
08/31:TSUTAYA 山形新庄店(山形県新庄市)
08/31:TSUTAYA 西五反田店 中古館(東京都品川区)
08/31:TSUTAYA 大岡山店(東京都大田区)
08/31:TSUTAYA 雪谷大塚店(東京都大田区)
08/31:TSUTAYA 立川柏町店(東京都立川市)
08/31:TSUTAYA 佐世保梅田店(長崎県佐世保市)
08/31:TSUTAYA ココアドバンス諫早店(長崎県諫早市)

09/01:コーチャンフォー釧路店 TSUTAYAレンタル(北海道釧路市)
09/08:TSUTAYA 伊丹大鹿店(兵庫県伊丹市)
09/15:ビデオ100 坂出店(香川県坂出市)
09/16:TSUTAYA サクラス戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区)
09/16:TSUTAYA 高浜店(愛知県高浜市)
09/29:TSUTAYA ライフガーデン綱島店(神奈川県横浜市港北区)
09/30:TSUTAYA 石神井公園店(東京都練馬区)
09/30:TSUTAYA 金沢文庫駅前店(神奈川県横浜市金沢区)
09/30:TSUTAYA 児島店(岡山県倉敷市)

10/06:TSUTAYA 志木東口店(埼玉県志木市)
10/09:TSUTAYA 立場店(神奈川県横浜市泉区)
10/13:TSUTAYA 小杉店(神奈川県川崎市中原区)
10/14:TSUTAYA 横山店(神奈川県相模原市中央区)
10/27:富貴堂 南6条通店(北海道旭川市)
10/27:TSUTAYA 江曽島店(栃木県宇都宮市)
10/31:TSUTAYA 苫小牧日新店(北海道苫小牧市)
10/31:TSUTAYA 酒田北店(山形県酒田市)
10/31:TSUTAYA 富久山店(福島県郡山市)
10/31:TSUTAYA 港南台駅前店(神奈川県横浜市港南区)
10/31:TSUTAYA 西陣店(京都府京都市上京区)

11/19:TSUTAYA 川尻店(秋田県秋田市)
11/21:TSUTAYA 下田店(静岡県下田市)
11/30:TSUTAYA 大沢野店(富山県富山市)

12/15:TSUTAYA アトレ大井町店(東京都大田区)
12/20:TSUTAYA 出町柳店(京都府京都市左京区)
12/25:TSUTAYA 町田小川店(東京都町田市)

GEOの2019年の閉店は23店舗、かつ「GEO文教堂」の形の店舗は文教堂の体たらくのとばっちりでの閉店になるわけですが、24店舗中9店舗はそれ。
そして、スマホで発注してから店に行くとロッカーの中にDVDが入っているという、「新たな仕組み」としては「高速回線に接続されたPCで注文するとDVDが郵送されてくる」サービスと同じレベルの珍妙さではあるのですが、それでもビジネスモデルとしては「パッケージビジネス最後の牙城」とでも言うべき「GEO SPEED」を東京都の仙川と祖師ヶ谷大蔵にオープンするなど、とりあえず「攻め」の姿勢を見せています。

TSUTAYAは11月12月で一旦減りが落ち着いて、ここでそろそろ打ち止めかと思ったのですが、2020年1月の閉店は現段階で6店舗まで拾えているので、やっぱり赤字店を泣く泣く閉店するというよりは、「計画的な縮小」の路線であることは不変のようです。
フランチャイジーと話をしつつ、敢えて漸減させていく方針であることは間違いなく。新店舗もそれなりにオープンしていますが、その大部分はカフェ等を併設しつつのTSUTAYA BOOKSTOREの書籍専門店。もう音楽や映画を売ったり貸したりする気はほぼありません。

かつては経堂、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵と各駅にあった世田谷区の小田急沿線、現在の最近は成城店か馬事公苑店。馬事公苑店は直営で世田谷道路沿いではあるものの、どの駅からも遠いロードサイド店的な趣き。大阪府豊中市には4店舗ありましたが阪急駅そばの3店舗は閉店して残った上新田店はやっぱりロードサイド型。
通学通勤の帰りに寄って小銭を落とす人を最大化するという形ではなく、わざわざ来てもらって滞在してもらい、結果一人頭の消費額を大きくする方向へと向かっているわけです。

大都市近郊のTSUTAYAはレンタル専門型が多いのですが、地方ではCD/DVDレンタル・CD/DVD販売・書籍販売を兼ねる総合書店型が多いという特徴がありますが、それぞれ規模は違えど、徐々に地域内での密度を減らす形で閉店は進んでいます。

最大のフランチャイジーであるトップカルチャーが頑張っている新潟県はまだ比較的密度高く総合書店型の「蔦屋書店」の店舗がありますが、一方で小田急沿線の店舗が壊滅したのは、小田急商事がフランチャイジーから全面的に手を引いたためであったり、愛媛県・高知県を中心に展開しているスーパーフジが相当にTSUTAYA事業の規模を縮小したため、すごい勢いで店舗が間引かれたりとかしています。

そういうひとつのフランチャイジーの動きではなくても、山形県なんかは北部の最上・庄内地方に残るのは酒田店1店舗のみになったりとか、首都圏では南武線沿線の減りっぷりがなかなか壮絶だったりとか。

正味、「CD/DVDを借りに行く」という選択肢を選ぶことが事実上不可能になったという地域も多くなり、というか地方の「総合書店型」が消えた場合、CD買いに行くこともできなくなるし、言うたらまともな本屋も地域からなくなりました、ということになりますので、この漸減の動きが来年以降も続き、どんどんこれまでの常識があちこちで常識でなくなっていくわけです。

そして、こういうことを書き続けるのもおっさんのノスタルジーということになっていくのです。