継続してレコード店やら複合書店やらの閉店っぷりをぼーっと観察していると、時々波があることに気付きます。
タワーレコードやHMVはここのところ比較的落ち着いています。HMVとかローソングループ傘下に入る前は「これもう死ぬわ」レベルでヤバかったのですが、少なくとも現在はバタバタ潰れる状況ではなくなっています。
TSUTAYAについては今年1-3月は毎月10店舗以上死んでいましたが、さすがに4月は実質3店舗と少なめ。まあ、5月には現在の時点で8店舗閉店確定とまた本気出しつつありますけど。それについても多分にCCCの意向も込みではないかという点はこれまでに言ってきたとおりです。
で、今年に入っての最大の波は文教堂の具合の悪さです。様々なブランドや業態合わせて全国で150店舗程度の規模のチェーンなのですが、今年に入って閉じた、閉じることを発表した店舗は以下の通り。
自分は基本CD/DVDの販売かレンタルを行っている店を見ているので、書籍雑誌のみ取扱いの店はざっくり確認のため抜け漏れある可能性高いですが。
01/14 CAみなとみらい店(販売)
01/20 糀谷店(GEO)
03/10 CA江田駅店(販売)
03/17 千歳店(販売)
04/20 CA溝の口南口店(販売)
05/06 ひばりが丘店
05/06 本庄店(GEO)
05/11 経堂店(GEO)
05/12 アニメガ札幌パルコ店
05/19 CAカフェ渋谷店
05/19 ユーカリが丘店(販売)
05/26 JQストア京都店
06/02 川口朝日町店(GEO)
06/03 東大宮駅ビル店(販売)
06/06 横浜北山田店(GEO)
06/09 RZP西岡店
(販売)はCD販売を行っている店舗、(GEO)は「GEO文教堂」の形で出店している店です。CAは「カルチャーエージェント」の略で、極小の床面積ではありますがエキナカ等の利便のいい場所に出店しているタイプの店舗、RZPは正味よくわからんですが、レッドゾーンプライスの略なのでアウトレット的な側面も持ったお店でしょうか。
とりあえず、半年足らずで1割減ってるのはちょっと尋常じゃありません。今年以前についても宮脇書店やらくまざわ書店等の他の全国チェーンと比較してよく潰れている印象なのですが、ここに来てすごい勢いでまくってきました。
2011年から「アニメガ」の屋号でアニメ系商品をがっつり扱う店舗を拡張したり、「文教堂Hobby」でプラモやフィギュア等の趣味系を厚くしたり、コンビニのスリーエフと組んで併設型店舗出したらスリーエフがローソンに吸収されちゃったり、渋谷店をカフェ併設店舗にしたらこの19日、開店3年で閉店になったり。
性急に別業態の店舗を展開するという状況は、正味のところ「本業の調子が少なくとも麗しくはない」からとも言えるわけで、こういう展開してからの閉店続きなの、本当によくない。
HMVはCDよりはマシな書店の業態の方に寄せる店舗もここんとこオープンさせていますが、書店は書店で大変で。
つい先日も北海道の喜久屋書店BOOK JAMが破産して8店舗が閉鎖になったり(全国チェーンの喜久屋書店とは直接の資本関係なし)、書店でもギリギリのところは相当にギリギリです。
以前比較的川崎に近いところに住んでいて、川崎市の溝の口にある文教堂本店にも何度か足を運んだことがあるので、頑張ってほしいです。書店にしろCD店にしろ、実店舗に未来を求めるのはそろそろよろしくないとも思うのですが、それでもここまでそうやって生きてきてしまったんだもの。