トップカルチャーといえば、全国を見渡しても最大手と言える規模のTSUTAYAのフランチャイジーですが、2021年7月に「2023年10月期までにレンタル事業からの撤退」と発表したものの完全に失敗し、現在でも営業中の過半数の店舗でレンタル営業継続しているという件は割と何度も言ったことですが。
というか、レンタル撤退よりもむしろ店舗ごと閉店することの方が目立っています。
トップカルチャーの蔦屋書店/TSUTAYA店舗の変遷、前にやったのから更新。
ひとつめの「○」はCD販売を行っている店、ふたつめの「○」はCD/DVDレンタルあり、「△」はDVDレンタルのみ、「×」はレンタルなし。
もうレンタル撤退よりも、閉められる店は全部閉めるくらいの勢いで店舗が減っています。
この7月に閉店が決まっている横浜市の蔦屋書店青葉奈良店は、当初は「レンタル撤退」の方針に沿ってレンタルを引き上げたものの、半年経たないうちに復活させたという経歴のある店ですが、今回は完全閉店です。
この店舗だけでなく、正直特に首都圏にある店舗はいつ閉まってもおかしくないくらいの気持ちでいた方がいいかもしれません。
ただ、本拠地である信越地域については首都圏ほど動きが大きくありません。
この地域は、トップカルチャーと共に、ひらせいホームセンターがTSUTAYAの大手フランチャイジーとして展開していて、トップカルチャーの蔦屋書店とひらせいのTSUTAYAが至近距離で店舗展開して、TSUTAYA同士で殴り合いのような状況も複数個所でありました。
トップカルチャーがレンタル撤退を発表した頃には、「そういう競合地域で住み分けをするという側面もあるのではないか」と思ったのですが、2021年以降、ひらせい側も割と店舗を閉めたりレンタルをやめたりといった動きを加速していて、現状では住み分けもクソもなくなってきた感があります。
現状わかりやすく至近距離で双方の店舗が住み分けられているのは新発田市くらいでしょうか。
ただ、ひらせいはホームセンターという主業が柱としてあるので、TSUTAYAを閉じてもまだ丈夫なのですが、トップカルチャーの場合「TSUTAYAのフランチャイジー」がそもそもの主業ですから、いろいろ大変です。
レンタルを撤収した店舗ではそのフロア部分に雑貨を売ったりダイソーを誘致したりしていますが、一部の店舗ではその売上が想定に届かなかったようで、まだマシだということでレンタルを復活させた店舗もあるくらいで。
トップカルチャー、6月に発表された連結決算でも想定以下の赤字ですが、「戦略を練り直す必要がある」ということは、まだ確たる先の見込みは立っていないということであり。
まあ、レンタル撤退した方がいいという見込みで発表して、販売や床貸しに転向したところそれがイマイチだったわけですから止むを得ないのですが、本当にどうするのか。
一方、親方であるCCCも全くもって安泰ではないはずなのですが、そもそもCCCは非上場。
そしてTSUTAYAのフランチャイズ事業は2023年に新会社カルチュア・エクスペリエンスに切り離され、かつ出資比率は日販51%・CCC49%なので、TSUTAYAのフランチャイズ事業がうまくいかないところでそれはCCCの連結決算対象ではないので、CCC本体の不調とはあまり関係がないということに。
それでもCCC本社、今年の5月に本社機能を渋谷ガーデンタワーから横浜みなとみらいに移転させています。横浜市から支援も受けているようですが、まあ渋谷と比べれば賃料も下がっているのでしょう。
今後シェアラウンジ事業に注力していくようですが、ホテルやマンション等の設備とタッグを組んで、TSUTAYAのブランド力でもって利用を高めていくという感じで、そもそものB to C事業の部分と、その後注力していたB to B事業のいいとこ取りみたいな感じでいいのではないでしょうか。
それでどこまで全体の業績を伸ばせるかは別問題として。