UVERworld@東京ドームのライブのこと

15日はUVERworld@東京ドーム。2DAYSの2日目だけですが観てきました。

彼らのドーム公演は今回で3回目ですが、2010年の初ドーム公演は観ています。
あの時は公演直前にものすごく鼻息が荒い感じの新曲「No.1」をリリースし、公演自体よかったのですが、盛りまくった映像演出と恐ろしく必死なパフォーマンスであったことは今も印象に残っています。

そこからフェス等で何回か観てはいるのですが、年月も経ち経験値も積んだ彼らがどういうドーム公演をかますのか。
とりあえず公演前に公開された新曲「Bye-Bye to you」「NO MAP」は、相変わらずの彼らではあるものの「No.1」ほど無闇に鼻息の荒いヤツではないことを確認して水道橋へ向かいました。

前日はスクリーンにカウントダウン表示され、それがゼロになった瞬間にステージ開始という演出だったということですしたが、日曜は10分前にちょっとだけカウントダウンが表示されたものの、ステージ上でSax/マニピュレータ担当の誠果がDJ的に音を出し始め、その傍らには既にTAKUYA∞もいるという状態。
そのまま18時ちょうどに映画的に凝りまくった映像とアホみたいなぶちかまされるレーザー光線と共に「PHOENIX」でライブ開始。
この曲は音源だと「ふーん」くらいなのに、ライブだと化ける化ける。

というか、それ以降ライブで聴いたことがある曲も何となく具合が違う。化け方の感触がこれまでとは異なっている。

1.映像・演出で煽りすぎない
もちろん銀テープやら炎やらは出るのですが、過去の自分が観たライブでは多用されていたスクリーンいっぱいにすごい勢いで畳みかけてくるCG映像演出が、ステージ中央上方のスクリーンに痕跡は残っているものの、左右の大スクリーンにはそれが映されることはほぼなく、概ねステージ上のメンバー映像とその上に被せされる歌詞のみで。

2.シーケンスの使用量が減っている
彼らのキャリアの初期は電子音ゴリゴリの曲も多くありまして、現在に至ってもそれなりに使っている音源もあるのですが、ライブ中それらの音が聞こえてくるのは印象的なイントロとか、ギターの奥の方で「鳴ってるやんけ」程度か、とにかくシーケンスで発せられる電子音は非常に抑えられ、バンドで鳴っている音がほぼ全て、という感じでした。

3.マイクの使い方が違う
TAKUYA∞はライブ中だいたい黒いマイクと白いマイクの2本を携行していまして、黒マイクは原則生声、白マイクはオートチューンぽかったりの加工声という使い分けなのですが、これまでと比較して圧倒的に白マイクの使用頻度が減っている印象。

要するに、ドーム公演にして今回は完全に「バンドの生身」をメインに据えて挑んできていたということで。

2010年、観ていてもいっぱいいっぱいなことが伝わってきて、それが故に大変に緊張感があり、それがむしろよいと感じた初ドーム公演であったと記憶しているのですが、もうその時とは全然違います。
生身でもって「もうお前らこのサイズの会場がちょうど適正じゃないの」と思えるくらいに会場の空気を操り、上に持っていく。
前回は「バンドとしての」覚悟を観たのだとすれば、今回は「ライブバンドとしての」覚悟を見せつけられた感じ。

ゴンドラが出てきた時には「ゴンドラかよ」と少し笑ったけど、2台に3人ずつ乗って回ってアリーナ最後方でその2台が繋がり、小さなライブハウスくらいの面積になり、高さ的にも近くなったスタンド席に向かってTAKUYA∞が「ここが最前だ」と言った時、何か泣きそうになったり。

そして2DAYSで土曜26曲日曜25曲のうち両日被り曲が12曲という滅茶苦茶さ。
ドームレベルのサイズの会場でそんな違う曲ををやるには、メンバー/スタッフともどれだけしんどいか。でもやった。
もうこの一点だけでも信頼に足るバンドだと思います。

セットリストの違いに「好きな曲が行ってない日でだけやった」みたいな不満の声も見られましたが、曲毎に強い言葉を持つだけに人それぞれに各曲に対する思いも強いので、その気持ちはわかります。
が、それでも労を惜しまずこういう形でライブを決行したバンドとしての「強さ」に自分は感じ入りました。

というか、多少不満があったところで「ごめん、じゃあもうそういうことやめます」みたいなバンドではないし、彼らを好きな人はきっとそういうところも含めて好きなのだと思うし、そういうファン層と共に彼らは続いていくのだと思います。

今回、ファンクラブに入っている友人にチケット取ってもらったのですが、座席が「スカイテラス」と呼ばれる立派な席で、おっさん大変快適に観られました。

ありがとうございました。これでこの先の人生の運をどれだけ使ったのだろうか。