レコード店の分類仕切り板のこと

中古レコード店を巡る楽しみは、その店の品揃えの特徴というか癖というか、その店ならではの部分を見つけるところにもあるのですが、それが目に見えてわかるのがレコードの分類であり、その象徴とも言えるのが仕切り板。

私は概ね80年代UKバンドを探るのですが、ざっくりした店だとそこらへんのジャンル分けが「ROCK」だけなので、割と探すのが大変です。
そういう店はジャズやクラシックの分類板が細かかったりすることもあるので、止むを得ないというか、そういう店な場合も多いのですが。

それが60-70'sと80'sと90'sに分かれていると探しやすく、更に「Indies」が分かれていたりするととてもわかりやすく、「ROCK」とは別に「New Wave」や「Post Punk」があったりするともう大変にありがたいです。

あと、邦楽が強い店で、古くからの店だと昔からのまま「男」「女」「グループ」で並びが完全に分かれていることもあって、むしろ探しにくいのもご愛敬だったりしますが、歌手以外のレコードを並べているところの仕切りが異常に細かく「お笑い(ザ・ぼんちとか鶴光とか)」「野球(落合博光とか中畑清とか)」「相撲(増位山とか琴風とか)」「外国人(エマニエル坊やとかチャダとか)」まで分かれていたりすると、もうそれだけでその店のことが大好きになったりします。

そして昨今、微妙にその仕切りの「基本ルール」がブレつつあります。
通常の中古レコ屋における邦楽のレコードは、先述の通り「男」「女」「グループ」に分かれている場合はあるにせよ、あいうえお順に並んでいます。店の規模によって「あ行」なのか「あ」「い」「う」「え」「お」で分かれていたりの差はありますが、概ねどの店もそうでした。

が、ここ数年新たにオープンした、多分にインバウンドを意識したお店の一部では邦楽もABC順に並んでいる店が登場しています。
確かに外国の方だって邦楽のレコードを探すようなことも増えてきた今、非常に「優しい」仕様だとは思うのですが、既存の並びに慣れきった身としては非常に探しにくくて辛いのです。本当に疲れます。

先日、アルタの閉館に伴ってマルイ本館に移転したHMV record shop 新宿にようやく行ってきたのですが、これアルタの時はあんまり意識していなかったので気が付かなかっただけかもしれませんが、インバウンドと国内住居人とを双方微妙に意識した仕切りだったのでぐっときました。

とはいっても仕切り板の「あ」に「A」って添えてあってミュージシャン名にも英字併記しているだけなんですが。

それでも両者ともできるだけ探しやすくするにはここしかない落としどころだとは思うのです。

ただHMV、新品のアナログと中古レコードは別の棚になっているのですが、「あ」に「A」って添えてあるのは新品の方だけで、中古の方は添えていません。

これは「ただのうっかり」なのか「1回書いたからもういいだろう」なのか「外国人は単価の高い新品を買えばいいんじゃ」なのか、どれなのでしょうか。