日本一地獄度が高い年間ランキングが今年も発表されました。
ブックオフオンラインの年間ランキングです。
ブックオフ公式オンラインストア 2024年 年間ランキング(CD)
毎年毎年、売られたCDを買ってまた売られてまた勝手をおよそ四半世紀グルグル回っているだけの売り上げランキング。
しかし昨年はキンプリの5人期最後のアルバムがいきなり1位になって「おお、こんなランキングのくせに時代を反映してやがる」と思ったのですが、今年はランキング外。
そして今年は宇多田がワンツー。
今年の彼女のアクティブな活動っぷりを思えば、これもある意味「時代を反映」した結果と言えそうです。
地獄ではあっても、何となく上位の理由はわかります。
1990年代にCDシングルをアホほど売ったミュージシャンが、1990年代後半から2000年代前半に次々にそれらの楽曲を収めたベスト盤をリリースしたわけですが、うち今も第一線で活動を継続している人たちが完全に上位を占めている形。たくさんの人が聴いた曲が、また今中古盤として売れる。当然と言えば当然。
ベスト盤が複数リリースされている場合、だいたい早い時期にリリースされたものが上位。
ユーミンは「ユーミンの40年」ではなく「neue musik」だし、スピッツは「CYCLE HITS」ではなく「RECYCLE」。初期のベストの方にも聴きたい曲が入っているとすれば、早くに出た方が販売価格は安くなっていますし、そもそも新しいのは高確率で2枚組ですが、こっちは1枚ものですし。
あと、早い時期にリリースされたものの方が所謂「CDバブル期」に近く、単純に物量が潤沢という側面もあります。
山下達郎の「TREASURES」が急に入ってきたのは、これ「OPUS」が2枚組のところこっちが1枚ものなのに加え、販売価格が3ケタ台中盤にまで落ちてきたため、お得感が出てきたからと予想。
で、表舞台を去ったり、第一線感が上位ミュージシャンほどではない方は徐々に下の方に。2019年以降表舞台に全く出てこなくなった井上陽水も20位外ですし、一時盛り上がったQUEENも落ち着き、中島美嘉も昔ほどメディアに露出しなくなりました。
そんな中SMAPとZARDはすごい。SMAPは各メンバー今でもメディアで活躍中ですのでまだわかりますが、ZARDは。
存在として「伝説」ではあるとは思うのですが、この「軌跡」、新品の売上の方は目に見える範囲ではここ15年以上一切チャートインしていません。
「いまだに熱狂的に支持されている」という温度感でもなさげ。
ただ、新しいベスト盤「ZARD Forever Best」(4枚組)は、2016年にリリースされて2024年12月現在、オリコン300位内にはずっと入り続けていますので、「負けないで」がテレビで流れるタイミングとかに「何となく思い出して聴きたくなる」というニーズが大きくなり、それで「軌跡」をブックオフで買ってみて、ハマったら新品の4枚組に手を出す、みたいな流れがあるのかもしれません。