第75回紅白歌合戦の出場歌手が発表されました。
毎年の口上ですが、もう「老若男女が知っているヒット曲」など今の日本にはほとんどなく、多くの人が納得する出場者の選出などできるはずもない、ということは前提です。
各人の趣味嗜好が細分化し、それぞれが好きなジャンルを持っていてそのジャンルの楽曲は様々好んで聴く一方、他ジャンルの楽曲はほとんど知らないという状況が当たり前。
NHK側は、多くのジャンルのうちからメジャーだったりニーズがあるものをチョイスして、その上位のミュージシャンから交渉という形になるのだと思いますが、もうその時点で番組全体のトーンなどコントロールできるはずもなく、継ぎはぎ状態になるのは目に見えています。
そこをどう辻褄合わせてひとつの番組としての体を成そうとするのか、という点がここ10年程の最大の見どころと言ってもいいわけで。
時代に合わずに没落したスターが、どう取り繕ってスターとして振る舞うかをニラニラ観察するような、ある意味悪趣味ではあると、自覚はしています。
ただ、本当にネット見てると、紅白や日本の音楽は毎年終わったことになっているので、そこもだんだん面白くなってきました。
というわけで今年。
自分的に一番大きいのは新浜レオンの初出場。
2006年以降、年を追うにつれてベテランの撤収とともに縮小するばかりだった演歌・歌謡曲の枠が、ここに来て拡大するとは思ってもいませんでした。
男性演歌・歌謡曲シーンは今年割と好調で、上位は以下のような売上。
01.山内惠介/紅の蝶(5.9万枚)
02.SHOW-WA/君の王子様(5.9万枚)
03.新浜レオン/全てあげよう(5.5万枚)
04.純烈/夢みた果実(5.3万枚)
05.辰巳ゆうと/迷宮のマリア(4.0万枚)
06.真田ナオキ/246(3.8万枚)
氷川きよし全盛期は、彼が10万枚超だったものの、その他の歌手は2万枚足らずとかそういう感じだったのが、彼が一旦一線から引いた後は割と群雄割拠、秋元康プロデュースのSHOW-WAがデビューして帯番組でレギュラーを張ったり、その他のバラエティ番組にも若手演歌歌手が呼ばれることが以前より多くなったり、微妙な追い風状態。
今回、新浜レオンがピックアップされたのは、「全てあげよう」のプロデュースが木梨憲武で作詞が所ジョージで話題性もありますし、また木梨憲武とのデュエットヴァージョンもありますので、ステージに引っ張ってくることで「ショー」として成立させることを目論んでいるのではないか、と思っています。
STARTO ENTERTAINMENT所属グループが出ないことについては、もうどうしようもないというか、10月にああいう番組をやって一方で「出てください」と言う方が相当無茶というか。
一方、それの余波というか、全体的に「事務所の強い意図」は弱まっているように感じます。
アミューズは4年前には福山雅治、Perfume、星野源、BABYMETALに司会の大泉洋という布陣で押したわけですが、今回遂にPerfumeが選ばれなかったこともそれなのではないかと。
また、B'zが出ない、米津が出ないという呟きもそこここで見受けられますが、後出し発表もありますし、特別枠もこれからまだまだ出てくるのでわかりません。
FRUITS ZIPPERや超ときめき♡宣伝部についても、何故出ないんだという声多めですが、彼女たちは「アイドル」という枠ではなく「SNSでバズった枠」として捉えると、結局そこはTuki.やこっちのけんとが選ばれたんじゃないか、とも思います。
でも彼女たちや、あとラブライブのLiella!なんかは、企画枠で出演する可能性はあるんじゃないでしょうか。
歌唱曲は12月になってからですが、そこで一番気にしているのは今年の石川さゆり。
ここまで17年間例のルーティーンを守り続けてきたわけですが。
2007:津軽海峡・冬景色
2008:天城越え
2009:津軽海峡・冬景色
2010:天城越え
2011:津軽海峡・冬景色
2012:天城越え
2013:津軽海峡・冬景色
2014:天城越え
2015:津軽海峡・冬景色
2016:天城越え
2017:津軽海峡・冬景色
2018:天城越え
2019:津軽海峡・冬景色
2020:天城越え
2021:津軽海峡・冬景色
2022:天城越え
2023:津軽海峡・冬景色
が、2024年はいろいろありましたので、「能登半島」を選んでくる可能性があるのではないかと。
元々のリリースは「津軽海峡・冬景色」と同じ1977年だったこともあり、紅白での披露は2003年に1度だけ。
ただ、歌詞があからさまに冬ではないので、そこがちょっと不安材料。
今日は一旦ここまで。