NUANCEの「dubrise」@渋谷WOMBのこと

1月20日は、割と推しているアイドルグループNUANCEのライブだったんですが、ちょっといつもと違うヤツ。

NUANCEはちょいちょい普通でないライブを開催しています。
ワンマンライブでもそこここに寸劇やコントとかが挟まったりしていたのですが、ライブによってはガチでお笑いの人を呼んできて、その中でメンバーも割と気合いの入ったコントをしてみたり落語をしてみたり。

そもそもライブアイドルはだいたい四六時中ライブをしているわけで、ガチのオタクやライブより特典会目当ての人が相手であったとしても、さすがに毎回同じものを見せるわけにもいきません。
そのため運営は毎回セットリストをいろいろ考えているわけで、NUANCEの運営はそれが行き過ぎた結果コントとかになるわけですが、それはメジャーなアイドルグループがテレ東の深夜にテレビでやってることを、それも興行としてやっているのだと考えれば、一応筋は通っている。

で、今回の「dubrise」と銘打ったライブシリーズはまた別の普通じゃなさ。
ざっくり言うと「ライブでBack To Back」。

クラブでDJが複数人同時にブースに入り、1曲ずつ交代で繋いでいくプレイがBack To Backですが、それをライブの形でやるわけです。
片方のグループがステージで歌い踊り、その曲が終わりそうになる頃にはもう片方のグループがステージ後方に控えていて、曲のラストだけ少しダンスを合わせたり歌を重ねたりしながら前後が入れ替わり、次のもう片方のグループの曲になだれこむ。それをひたすら繰り返すというスタイル。

正味、自前の曲じゃない振りや歌を、一部とはいえ入れ替わる数だけ覚える必要がある分、メンバーの負担デカいです。
そして通常の場合、PA側も複数のオケをとっかえひっかえになりますので、こちらもしんどいです。
ただ、そういう演る方はしんどいが観ている方は面白いヤツを、敢えて実行に移してくれるグループはそれだけでもう信頼に足るともいえるわけで。

そして今回の「dubrise」は、更に前に観たのよりもエグくなっていまして。
そもそもオーガニック気味な曲もレパートリーとして持っているNUANCEと、今回のお相手は割とハイカロリーなダンス系の楽曲がメインのsituasion。
普通にやってたらとてもBack to Backとして繋がらないのですが、今回何かNUANCE側のオケがおかしい。持ち曲の中でも割とニューウェイヴ方面の楽曲を揃えてきているのはわかるのですが、そのオケにいつもなら入ってないビートやSEがバンバンぶっこまれている。

いわばオケがREMIX化している感じ、さらにそれを完全に繋いで1本のMEGAMIX的なロングオケセット。それに乗せて休みなく続く1時間半のパフォーマンス。主催の方がゲストの方に寄せていくのもどうかしていますが、でも通常よりも遥かにアタック強めのオケに乗ったからかメンバーの歌も踊りもまた少し違って「強い」感じで、それも大変に楽しい。

今回のライブは、名古屋で開催したところ、異様な反響があったために東京で再演を行ったという形で、かつそれをWOMBというクラブ系の箱で演ったことにも意味があり。
ダンス系に寄せたオケの低音がもうエゲツないレベルで、純粋に音楽としても新しいエクスペリエンス。

正味、普段の普通のライブを観たことがない人にはなかなか伝わりづらいところもあります。
それでも、ライブアイドルは様々なアイデアで工夫を凝らしたライブで、来てくれるオーディエンスを少しでも面白がらせようとしているわけです。

というか、今後もしアイドルにハマることがあれば、そして顔のひとめぼれとかでなければ、是非運営の姿勢も含めて選んでいただければと思います。
少なくとも、運営がTwitterでメンバーやオタクへの文句を晒しているようなグループは避けた方がいいです。マジでいるのよ、たまに。

まあ、滅茶苦茶なメンバーもオタクもたまにいるので、なかなか難しいところではあります。