沢田研二@さいたまスーパーアリーナのライブのこと

昨日は沢田研二@さいたまスーパーアリーナ。

彼のライブは5年前に一度観ているのですが、今回は「スペシャルゲスト:瞳みのる / 森本太郎 / 岸部一徳」がアナウンスされていて、要するにデビューから解散まで在籍したザ・タイガースのメンバーが揃うわけです。
ああ、これは観に行かなければならん。という、同じ気持ちの皆様で、さいたまスーパーアリーナはメインアリーナ超満員。最強の切り札を出してきたとはいえこれだけの集客力の75歳。
元祖ヴィジュアル系、強いです。

ライブは途中で休憩を挟んでの二部構成でしたが、もう少し細かく言えば四部構成。
1:ザ・タイガースのパート
2:80年代前半までのソロヒット曲パート
3:それ以降現在までの楽曲パート
4:アンコール

いきなり虎の着ぐるみで出てきて「シーサイド・バウンド」。恐らく3万人いるであろう観客がその一発でぶち上がる。
この年齢層のライブではなかなか見ない、いきなりほぼ総立ち状態。すごい。
元祖「バンギャ」と呼んでいいであろう、かつてのお嬢様方が当時に戻っている。いくつになっても「黄色い声」は出せるのです。
そして、MCではナベプロとの契約前の逸話等をメンバーで語る語る。「覚えてる?」「覚えてない」「えー」みたいな、お年寄り同士のいちゃいちゃがたまらなく愛おしい。

01.シーサイド・バウンド
02.モナリザの微笑
03.落葉の物語
04.銀河のロマンス
05.花の首飾り
06.青い鳥
07.君だけに愛を

ここで20分の休憩。ただし、MCがトータルで30分以上あったので妥当な線。
そしてそれ以降はほぼMCなし、ただし曲終わりの恒例「ありがとう、サンキュー、ありがとうね」は確実に入れてくる、以前に観た通りの感じですが、それでもやっぱりこのヒット曲連打は痺れる。

08.そのキスが欲しい
09.おまえにチェックイン
10.サムライ
11.ダーリング
12.勝手にしやがれ
13.時の過ぎゆくままに
14.危険なふたり
15.6番目のユ・ウ・ウ・ツ
16.TOKIO

ここからは最近の曲。
悪くはないのですが「思い出補正」がない分、心にダイレクトに来ることはない。
何となく思ったのは、ジュリーは「俎板の上の鯉」になる才能の第一人者だったのだということ。
結局彼が爆発的に売れたのはその音楽を他人に委ねていた時期であり、自我を押し出そうとしたPYG期とナベプロから外れて以降はそれほどではないということで。
「スター」とはえてしてそういうものなのか、と思ったり。

17.LUCKY/一生懸命
18.ROCK'N ROLL MARCH
19.時計/夏がいく
20.君をいま抱かせてくれ
21.愛まで待てない
22.いつか君は

アンコール出てきていきなり河内音頭にはビビりましたが、呼び込んだ合いの手仲間の中にいしのようこと南野陽子の「Wようこ」がいたので、何か得した気分。
と思ったら、その後改めてザ・タイガースのメンバーを呼び込んでからがヤバかった。
「十年ロマンス」や「色つきの女でいてくれよ」あたりを演ったらタイムライン的にも辻褄合うかなと思って期待していたら、出てきたのが「Time Is on My Side」ですよ。
これは要するにナベプロとの契約前、大阪で活動していた頃のレパートリーですよ。半世紀以上前に大阪のキャバレーで鳴らしていた音を今ここで鳴らしている。
そんなの最高じゃないですか。

23.河内音頭
24.Time Is on My Side(The Rolling Stones)
25.Do You Love Me(The Dave Clark Five)
26.(I Can't Get No)Satisfaction(The Rolling Stones)
27.ラヴ・ラヴ・ラヴ

ああ。本当に行ってよかった。
デビュー以来半世紀以上に渡る彼の人生を垣間見た気持ちになるライブ。
そして周りのかつてお嬢さんだった皆様の、恐らく当時と全く変わらない気持ち。
後ろの方できゃっきゃ言ってたグループの方も、私の隣ではかみしめるように聴いていた小さな元女子もいらっしゃって。

「推し活」どうこうというのはあまり得意ではないですが、でも長い方は半世紀以上に渡って推し続け、それで演者の方も活動し続けられている。
そんな素敵なことってないですよ。

そして全員後期高齢者になっても健在どころかまだバンドとしてきちんと素晴らしい音を出せているのが有難すぎて。
それ踏まえると、ローリングストーンズってやっぱバケモンだとは思います。