蔦屋書店のトップカルチャー、レンタル撤退の進捗のこと

TSUTAYAの最大手フランチャイジーのひとつ、トップカルチャー。
新潟県を本拠地に北は岩手県、西というか南は静岡県までの店舗網を持っていますが、そのトップカルチャーが「2023年12月までにレンタル業態から撤退します」という宣言をしたのが2021年の7月。

蔦屋書店・TSUTAYA 74店展開のトップカルチャー、レンタル事業撤退へ

発表した期日まで残り10か月を切った現在、進捗としてはどんなもんかいなということを調べるのが今回の目的です。

まずは全店の状態をざっくりまとめ。
最初の○×が「CD/DVD販売の有無」で、2番目の○×がレンタルの有無。△は映像レンタルのみ有りでCDレンタルは無し。

レンタル撤退宣言は2021年7月15日ですが、閉店した店舗については2021年の分から記載しています。
2022年9月には、蔦屋書店佐久小諸店(レンタルあり)が移転して蔦屋書店佐久平店(レンタルなし)として再オープン、というパターンもありましたが、以下は佐久平店のみ反映しています。
あと、ここ最近でレンタルをやめてもサイトに反映されていないという事例も見られましたので、実際とのズレはあるかもしれません。


とりあえずの感想は「思ったよりまだレンタル残ってるなあ」ということと、「レンタル撤退だけかと思っていたら、割と店ごと潰す判断が多いなあ」というあたりでしょうか。

前者については、新潟県はそこそこ撤退していますが、長野県・群馬県あたりの残りっぷりがしぶとい感じで。
新潟県内ではひらせいというホームセンターがTSUTAYAのフランチャイジーでもあり、かなりの地域で「TSUTAYA同士でライバル争い」している状態ですので、レンタルはひらせいに丸投げしちゃうという判断も割とできそうですが、他の地域は簡単にそうもいかず、というところがあるのかもしれません。

後者については東京が半減以下というのが強烈ですが、東京都下の「TSUTAYA」名義の店舗は元々他のフランチャイジーがオープンさせたものを譲渡された形で運営している店がほとんどです。
それらの店舗はトップカルチャー自社物件の標準業態である「郊外を中心とした割と床面積が広い店舗で、書籍・文具・CD/DVD販売・レンタルをまとめて取り扱う」にはもとよりマッチしていないため、今後の標準を考える際にその「標準」が展開できない規模の店舗はこれからを考えたら切るしかない、という判断は割と理解できます。

で、これから10か月で全店のレンタル撤退完了できるかということを考えると。
もちろん全社的な指令が出れば物理的には可能なんでしょうけど、さすがに現状でこれだけ残っているともう少しの間残るような気もしなくはないし、絶対的な方針は変わらずとも、少なくとも2023年内なのが「年度内」になるとか、一部2024年までとかくらいは。

ボーイズグループの展開拡大によって「CD/DVD販売」がもう少し延命しそうな状況なのと比較して、「レンタル」という業態が既に収束に向けての最終段階に入っていることは間違いないと思っています。

が、CD/DVDではないのですが、トップカルチャーの店舗でも本社は「レンタル業態から撤退する」言うてるのに、この3月に「コミックレンタル開始します!」とか言ってる店舗もありますし。既刊本を閉店した店舗から持ってきたとしても、何で今それなのか、全くもって謎です。

トップカルチャーのみではなく、TSUTAYA全体でも割と店舗網は順調にシュリンクしていますが、一方でGEOはこの3月にもレンタルも行う店舗を2店舗オープンさせますし、正味よくわからなくなってきた。