第73回紅白歌合戦の出場者のこと

第73回紅白歌合戦の出場歌手が発表されました。今年は割と早いな。
とりあえず、嗜好が年齢のみならず様々な要因で細分化多様化していますので、「みんなが知っているヒット曲」を求められる時代ではなくなってしまっているよ、ということはもう前提で。

今のところわかりやすい目玉的な存在はいらっしゃらない感じですが、最近は大物は後出しで発表するのが常ですので、これで全部判断するのも早計ではないかと思います。


ただ、こまごまとした変化は割とある感じです。

■緑黄色社会・SAUCY DOG初出場
緑黄色社会はもう間違いないだろうとは思っていましたが、SAUCY DOGはちょっと意外でした。
ぼんやり考えていた頭では、バンド系の初出場可能性として
1.緑黄色社会
2.マカロニえんぴつ
3.Novelbright
4.SAUCY DOG
くらいの順序だと思っていたので、SAUCY DOGがマクったように感じます。
というか、マカロニえんぴつは10月に「紅白出場濃厚」のスポーツ新聞記事が出ていたのですが、どうしちゃったんでしょうか。
負けるな、はっとり。

■JO1・BE:FIRST初出場
もうここらへんの男性ダンス&ヴォーカルグループは、ジャニ勢に匹敵する売上とチャートアクションですので、いろんな事情を加味してもさすがに外すわけにいかなくなりました。健全な世の中になったということでしょうか。
直近では今回は選ばれていないINIがセールス的には一番売れているはずなのですが、そこはJO1との先輩後輩関係も考慮して、ということで。このまま人気を継続すれば来年には出られるのではないでしょうか。

■ジャニーズ系枠は1増
昨年出場したKAT-TUNが去り、なにわ男子とKinKi KidsがINして結果としてジャニーズ枠は1増。
なにわ男子はジャニーズグループ内での売上を比較すると妥当ではあるのですが、ジャニーズWESTオタの皆様の気持ちを考えると複雑です。
昨年作成した「ジャニーズグループ紅白出場一覧」を見る限り、今年KinKi Kidsが選ばれるというのは流れで考えると少し妙な感じがします。
なのでこの抜擢は、今年で「引退」する吉田拓郎をサプライズで呼ぶなり何なりするための「外堀埋め担当要員」という可能性を考えてしまいます。
「LOVE LOVE あいしてる」の最終回スペシャルも光一くんから拓郎さんへの働きかけで実現したものですし、拓郎さんも「LOVE LOVE あいしてる」前の1994年に紅白出ていますので「絶対出ない」みたいな頑なな態度でもないと思いますし、割とあり得るのではないかとドキドキしています。

■LDH枠、消滅
2007年から1-2組は必ず出場していたLDH勢がいなくなってしまいました。
ジャニ外の男性ダンス&ヴォーカル勢が出張ってきた結果、押し出された感はあるのですが、実際チャートアクションも芳しくなく、止むを得ないところです。

54(2003):EXILE
55(2004):EXILE
56(2005):
57(2006):
58(2007):EXILE
59(2008):EXILE
60(2009):EXILE
61(2010):EXILE
62(2011):EXILE
63(2012):EXILE・三代目
64(2013):EXILE・三代目
65(2014):EXILE・三代目
66(2015):EXILE・三代目
67(2016):三代目
68(2017):三代目
69(2018):EXILE・三代目
70(2019):GENERATIONS
71(2020):GENERATIONS
72(2021):GENERATIONS

■Adoではなくウタ名義での出場
もう今の日本ではトップクラスのプレゼンスを誇るAdoさんですが、万が一Adoさん本人名義で「うっせぇわ」を歌唱した場合、口癖のように歌っていたお子様とそれを快く思っていなかった親御さんとの確執が大晦日のお茶の間で深刻化してしまいますし、そもそもAdoさんが顔出ししない方針のままではテレビとしての絵が持たない可能性もありましたので、今年ウタというある意味「ペルソナ」を得たことで、本人・NHK・配給元の三方よし状態完成。
おめでとうございます。

■K-POP範疇のグループの出場数が増加
2019年にTWICE(JYP所属)が出場して以降、所謂K-POP範疇のグループの出場はなかったのですが、今回TWICE復活とともにLE SSERAFIM(HYBE所属)、IVE(STARSHIP所属)と3組の出場。
いずれのグループも所属は韓国の事務所ですがメンバーに日本人がいるところがポイントです。
とはいえIVEの場合はK-POP枠というよりは、日本国内でのマネージメント担当であるアミューズ枠の側面の方が強いのではないかと思います。去年出場した宮本浩次が今年は出ない分。

■back number出場しない
朝ドラ主題歌なのに何で出ないんだという声が結構あったのですが、10月期の朝ドラ主題歌担当ミュージシャン、2015年以降は隔年で出場不出場が繰り返されるルーティン状態で、それで行くと今年は確かに「出ない」が正解です。

2011 椎名林檎 カーネーション
2012 HY いちばん近くに
2013 ゆず 雨のち晴レルヤ
2014 中島みゆき 麦の唄
2015 AKB48 365日の紙飛行機※
2016 Mr.Children ヒカリノアトリエ ×
2017 松たか子 明日はどこから
2018 DREAMS COME TRUE あなたとトゥラッタッタ♪ ×
2019 Superfly フレア
2020 秦基博 泣き笑いのエピソード ×
2021 AI アルデバラン
2022 back number アイラブユー ×

※歌唱はNMB48

こんなところでしょうか。

もう演歌勢は浮動的な枠が完全になくなって面白くないので、石川さゆりの歌唱曲ルーティンを確認するくらいしかすることないし、篠原涼子は「90年代はもう本格的に懐メロ枠なのだな」と思わせるだけだったりするので、あとの興味は、「SixTONES」「milet」の他に「Aimer」「LE SSERAFIM」等、一見さんには読むのが辛い方々が増えたことにどれくらいの人がキレるのかということと、果たしてVaundyさんをNHKがどう映すのか、くらいでしょうか。