ジャニーズの紅白出場のこと

先日、紅白の話をしたのですが、ジャニーズ勢のここ何年かの出場したりしなかったりの出入りが非常に目まぐるしいため、これは一度可視化した方がよいのではと思ったので表にしてみました。

起点は1980年、田原俊彦の初出場のタイミングとし、出場していない歌手・グループを含めてデビュー日順に並べました。
オレンジ色の地になっているのはCD/レコードデビューした年。ジャニーズ勢の場合、ジュニア内ユニットとして相当長く活動を続けた末にデビューというパターンも多いのですが、「結成」をキーにしてしまうとそもそも紅白の話から離れますし、ジュニア内ユニットのまま消滅したのまで拾い切るのはちょっと無理なので。
「在籍期間」は、CD/レコードデビューから、ソロは退所、グループは解散や活動休止までです。
また、SAY'Sとかテゴマスとか舞祭組とかのようなグループ内ユニットや、修二と彰とかトラジ・ハイジとかのような企画ユニットは入れていません。

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いろいろわかります。
まず、「レコードデビュー」のさせ方が少年隊の前と後で変化しています。「前」はその年の一押しはいてもそれ以外の人/グループも割とデビューしていますが、「後」は一撃必殺というか、デビューまで至るのはおよそ「一押し」のみで、代わりにデビューさせたからには紅白まで確実に送り込む。

ジャニーズは現在に至るまで割とイベント等に絡ませる形でデビューさせるパターンが多めですが、「前」の時期には乃生佳之のように映画「だいじょうぶマイフレンド」絡みでデビューまではしたもののそれ以降は何かシオシオみたいな、「人生賭けて企画物」に見えてしまう状況もありました。
それが「後」になると、そういう単発の企画には既存デビュー組から企画ユニットを出すスタイルでこなしていくようになっています。

その分、少年隊後の数年は「デビューすれば紅白」パターンが続いたのですが、TOKIO以降状況ががらりと変わり、「SMAP」「TOKIO」にほぼ固定された2枠時代が15年も続くことになります。
SMAPの過去グループと比較しての特異点は「デビュー時までにゴールデンの歌番組がほとんど消滅してしまい、バラエティに活路を見出さなくてはいけなくなった結果、むしろお茶の間タレントとして最適化された」ところにあるわけですが、TOKIOも同様に続き、1998年までにはSMAP・TOKIOともゴールデンに冠番組を持つことになります。
要するにSMAP・TOKIOのタレントとしての認知度・人気が圧倒的かつ長期に渡ったせいで、その後デビューするグループが入り込む余地がなくなり、そして恐らくNHK側も枠の拡大を望まなかったことで、こういう状況が続いたのではないかと思います。

そこに風穴が開くのが、デビュー10年目にして人気が一段シフトアップした嵐の存在。
歌手としても2組をしのぐ平均売り上げを記録するようになり、俳優・タレントとしての人気もSMAP・TOKIOに肉薄した結果、当然の状況として枠を拡大されたところに、事務所側はもう1枠、NYC boysの出場までを勝ち取った形。
そしてそれ以降はジャニ側の発言力が増したか割とユルユルになっていき、タレントとして頭角を現した関ジャニ∞が4つめのレギュラー枠を勝ち取り、他に2枠時代に出場してこなかったグループを出場させたりすることになります。

SMAPが解散したり、TOKIOが出場できなくなって既存の枠が空いたことで、更に混沌の度合いを増しての今ということになりますが、KAT-TUNが今回初出場したことで、嵐の出場によって「決壊」が起きた2009年以前にデビューした現役グループでいまだ出場に至っていないのはNEWSだけということになりました。

出ていなかった既存グループの出場順としては、V6が出て次にKinKiが出て、のようにせき止められていたグループの出場にはある程度デビュー順が意識されているような気がしますが、何年間出るかとかその基準はさっぱりわかりません。
ただ、「元メンバーのやらかし度」が高いグループは後回し、みたいな気もします。単に想像ですが。
来年にはNEWSも出られればいいと思うし、出て「『生きろ』」を歌ったら泣くかもしれません。

若いファンの中には、11月デビューのなにわ男子が出ていないと言って嘆いていた方もいらっしゃいましたが、光GENJIも1987年8月デビューで社会現象レベルの人気を博したものの、初出場は翌年でした。来年に期待しましょう。
さらに15年目にして初出場のKAT-TUNやデビュー20年で1回出てそれっきりのKinKi Kidsのファンに至ってはもう何となく「悟り」みたいな境地を感じてしまいます。強い。

ただ、去年には7枠を占めていたのが(Snow Manがコロナ絡みで辞退したため実際の出場は6枠)、今年5枠にまで縮小しているので、事務所内での競争も今後さらに激化するかもしれませんが。こういう状況、前例がないのでわからんのですよ。
様々な思惑の結果決まることとは思いますが、それでも嵐や関ジャニのように、有無を言わさない認知度を得られれば出ることにはなるでしょうから、頑張って推していただきたいと思います。

あと、前に昨年が「最大の7枠」と申しましたが、調べてみると2015年が実際の出場も7組いてここが最高でした。すいません、マッチさんをカウントしていませんでした。