映画「a-ha The Movie」のこと

「シン・ウルトラマン」も気になっていますが、こっち優先で本日観てきました「a-ha The Movie」。

ここんとここういうミュージシャンのドキュメンタリーが立て続けに公開されていますが、Dinosaur Jr.とかSparksとかは観たいなと思いつつぼんやりしている間に公開終わってしまい、これはよくないと前売り買って隙を見て。

a-haはUSチャートメインで眺める限りでは「Take On Me」の一発屋的な捉え方もできますが、日本では感覚的には3rdアルバムくらいまでは一時は過剰な感じもあったもののアイドル的人気を博していましたし、本国ノルウェー以外でもヨーロッパや南米ではデビュー以来ずっと人気で、特にドイツとブラジルでは正味「大スター」と呼べるレベルの地位を確立したバンドです。
それでも1993年の「Memorial Beach」から2000年の「Minor Earth Major Sky」の間は活動を停止して各自ソロ活動を行っていましたし、2010年にはいったん解散もしています。

そこらへんからも察するにもう「華やかなスターダムの裏に隠された苦悩」みたいなところがテーマであることは容易に想像でき、実際その通りだったのですが、ただそれがいちいち重い重い。想像以上のネガネガしいエピソード連発。
しかもバンドの3人のみでなくパートナーやらプロデューサーやら周辺人物も含めて数珠繋ぎ状態で様々なエピソードを告白しまくり、ライブ演奏とかは申し訳程度ですので、これ映像としてのダイナミズムは皆無。
正直途中で辛くなった時もあったのですが、それでもやっぱり目は離せなくて。

映像としては、ところどころにa-haならではの「Take On Me」MVメソッドがぶち込まれているところがポイントです。

特に日本ではアイドルバンドの権化みたいな扱いでしたが、1stアルバムの時点でアルバムタイトル曲のようなスケール感の化け物みたいな楽曲を放り込んできたりとか、映画内でも言及されていた「Manhattan Skyline」の構成のエゲつなさとか、2009年の「Foot Of The Mountain」はここに来てアルバムとしてのキャリアハイを更新したんじゃないかと思ったりとか、ミュージシャンとしてずっと信頼の置ける人たちでもありました。
そういう認識で見ると非常に納得度は高いので、とりあえず昔一度でも彼らの音楽を「好き」と思った人間は観るべき。「Take On Me」の1st Ver.以外のレアなヴァージョンも聴けます。
逆に顔だけでファンだった人間は観ると悲しい気持ちになると思うので注意です。
実際、映画館は自分含めて極めておっさんだらけでした。若者は一人もいませんでした。

あとはコロナで中止になった来日公演を、改めて何とか。よろしくお願いします。

「Take On Me」の1st Ver. 基本は一緒だけどプロダクションの重要性をここまで感じる事例ってなかなかない。