ひたちなかの新フェスのこと

昨年のROCK IN JAPANは、開催1か月と少し前、7月4日というタイミングで出された茨城県医師会の要請を受けて、7日に渋谷陽一氏のビジネス的な発表としては最大級のブチギレ感を露わにした声明でもって中止決定。
それを受けて14日には茨城県医師会、「来年度、この催しが安心安全な中で開催できますよう」とか呑気な声明を出していたものの、結局ひたちなかに戻ることなく今年の1月、千葉市での開催発表
別にただキレてひたちなか市を無視して蘇我に移ったのではなく、きちんと話を通しての移転でもありますので、この件について知らない部分を想像しての揶揄は避けますが、ただ、ひたちなか市は何十億もの経済効果を失ってしまったことはものすごく事実でありまして。

それを受けて開催決定した地元資本主催による新フェス、ROCK IN JAPANが千葉移転を発表した1月5日正午から数時間後には開催することが発表されていまして、フェス名や開催日等まで発表されたのが4月28日。7/23-24の2日間開催、名称はLuckyFM Green Festival
日本の大きな夏フェスはだいたいその年の年初には開催の発表を行っていますので、開催3か月前を切っての発表はいかにも遅い。
のですが、千葉移転をもし公表前の段階で内々に聞いていたとしても、恐らく準備期間は半年あるかないか。
正味、よくぞこのスピードでゼロから立ち上げたというレベルです。

こうして立ち上がったフェスですが、集客の規模は2日間各15,000人合計3万人。ROCK IN JAPANが5日間で最大33万人集めていましたので1/10以下の規模です。
正味、相当に逃した魚は大きい感じは致しますが、初開催でここまで半年の準備期間ではこの規模以上は逆に危険な気もします。これから少しずつ育てていけばいいのです。

いいんですが、ただすごく気になるのがその2日間のラインナップ。何ぞこれ。

1日目は「普通のフェスっぽい感じ(ただし目玉らしい目玉なし)」+数組のベテラン勢。そして2日目はガチガチのヒップホップ勢が相当数を占める中、ALI、JASMINE、SIRUP、水曜日のカンパネラ、SPECIAL OTHERS、 SOIL & “PIMP” SESSIONS、TOOBOE、yamaという感じなのですが。

今日出演者の追加発表がありまして、TOOBOEが入りましたのでyamaさん多少救われたのですが、それでもP&歌い手界隈のこの2組が何故ここにいるのか。
というか、2日目のヒップホップ界隈以外、全くどういうところを目指してのキャスティングなのかがまったくわからない。わからないんだけど、でも何となく状況は想像できます。

単にROCK IN JAPANの劣化コピーにするわけにもいかず、かといってこれまでひたちなかに来てくれていた人を全無視するわけにもいかないというタイトロープ。
かつ7/23-24日という日程。この週末以降は8月末まで毎週末どこかで大規模フェスが開催されている中、唯一「夏休み」にかかる日程で大規模なフェスのない週末ではあるのですが、そんな週末がただ空いているはずもなく、浜松市の渚園ではFUNDAY PARK FESTIVAL、大阪市舞洲ではOSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVALと、中堅サイズのフェスが同日開催を既に発表していて、当然ブッキングも着々と進めている、その中に無理くりにねじ込まざるを得ない立場。

ただの地獄じゃないか。よく2日分埋められるだけ揃えたな。もうそれだけで称賛したくなる。
それでもこれもう少し日割り何とかならなかったのか。泊りで2日間通いたいと思う人がどれくらいいるのだろうか。不安です。
過去の自分の性分が頭をもたげてきました。これ、行きたいです。