Zepp Tokyo・STUDIO COASTの閉館が決まりました。
どちらも相当に行き倒したライブハウスなので非常に残念な気持ちはあるのですが、Zepp Tokyoは元々もっと早くに閉館する予定で、Zepp DiverCityはその代替としてのオープンのはずだったのが、跡地の再開発計画の延期で営業期間延長しての今回ですので、むしろ今まで粘ってくれてありがとうという感じです。
が、今回何かSNSを見ていると「どんどんライブハウスが減っていく!」みたいな声も少なからずありまして「そんな全体として減ったんかいな」と思って、キャパ1000人以上のポップス音楽ウェルカムのホールやライブハウスを、首都圏に絞ってざっと挙げてみました。
幕張や横浜の多目的アリーナやスタジアム系の馬鹿でかいのは除いています。
(新)ぴあアリーナMM(12,141)2020年7月OPEN
(新)有明ガーデンシアター(8,000)2020年7月OPEN
---東京国際フォーラムホールA(5,012)1997-
---NHKホール(3,800)1973-
---TOKYO DOME CITY HALL(3,120)2008-
---日比谷野外大音楽堂(3,119)1923-
---豊洲PIT(3,103)2014-
(新)立川ステージガーデン(2,940)2020年4月OPEN
(新)Zepp Haneda(2,925)2020年7月OPEN
(閉)Zepp Tokyo(2,709)1999-2022年1月CLOSE
---Zepp DiverCity(2,473)2012-
(閉)新木場STUDIO COAST(2,402)2002-2022年1月CLOSE
---中野サンプラザ(2,222)1973-
(新)KT Zepp Yokohama(2,146)2020年3月OPEN
(閉)渋谷公会堂(2,084)2015年10月CLOSE
---J:COMホール八王子(2,021)2011-
---人見記念講堂(2,008)1980-
(新)LINE CUBE SHIBUYA(1,956)2019年10月OPEN
---品川ステラボール(1,884)2005-
---EX THEATER ROPPONGI(1,746)2013-
(閉)SHIBUA AX(1,697)2000-2014年5月CLOSE
---東京国際フォーラムC(1,502)1997-
---恵比寿ガーデンホール(1,500)1994-
(閉)赤坂BLITZ(2代目)(1,418)2008-2020年9月CLOSE
(閉)日本青年館(2代目)(1,360)1979-2015年3月CLOSE
---TSUTAYA O-EAST(1,300)1991-
---川崎CLUB CITTA'(1,300)1988-
---なかのZERO大ホール(1,292)1993-
(閉)ディファ有明(1,273)2000-2018年6月CLOSE
(新)日本青年館(3代目)(1,249)2017年7月OPEN
---横浜ベイホール(1,100)1995-
---恵比寿LIQUID ROOM(1,000)2004-
こんなところでしょうか。
Zepp Tokyo・STUDIO COASTが当てはまる「2000-3000人クラス」の箱についてはむしろ増えています。Zeppは羽田と横浜、あと立川ステージガーデンが2020年にオープンしましたので、Zepp Tokyo・STUDIO COASTの減り分を相殺して余った形。
こういう状況ですので、新規オープンしたことをご存じなければ「どんどん減っていく」と感じるのもやむを得ないところですが、実際にはむしろ一回り小さい「1000-2000人クラス」の方が、赤坂BLITZの閉館もあって厳しくなっています。
2018年にヒューリックホール(900)、ストリームホール(700)、神田明神ホール(700)が次々オープンしたりと、1000人以下は近年むしろ厚くなっているのですが、興行が重視される時代になり、会場の重要性が増している現状、1500人入れられる箱を作るだけの資本があれば、もう少し他施設との塩梅を調整して2000人クラスの箱にした方がビジネスとしてより有利なことは間違いなく、やむを得ないのかもしれません。
実際相殺して余ったとはいっても、「2000-3000人クラス」の箱は近年コロナになるまではずっと取り合いみたいな状況ではありましたので、やっぱ首都圏足りてないのは間違いない。
中野サンプラザも、いつになるかが決まっていないので上記では敢えて触れていませんが、建て替えは決まっていて、建て替え後は7000人クラスにするとか言っているので困ってしまうのですが、そのレベルの箱になると既存のところは音楽以外の業種とも取り合いになりますのでやっぱり大変で、ぴあアリーナMM・有明ガーデンシアターの開業もそこらへんのニーズを睨んだものと思われます。
結局、少なくとも首都圏はある程度のキャパ以上の箱は慢性的に足りていないわけですね。Zepp Tokyoというか、パレットタウン跡地の再開発で別の箱作ってくれねえかなあ、と正直思いますが、とりあえず直近でコロナ禍が去った後、音楽を生業にしているみんながみんなライブをやりたがるであろうタイミングで、どんな激烈な会場争奪戦が起こるのか。
というか、たとえばOfficial髭男dismのライブ、2020年5月に有明ガーデンシアターで開催予定のチケットを頑張って手に入れたもののずっと延期になっていまして、ようやく振替公演が2022年1月に決定したのですが、会場は代々木第一体育館になりまして。会場を元通り取り直せない状況が既に起きています。
正味ある程度以上の箱ではもう殴り合いがガツンガツンに行われているのでしょう。恐ろしい。