今とこれからのジャニーズのこと

King & Princeの新曲「Mazy Night」が6月10日にリリースされました。
元々は4月29日リリース予定だったのが5月27日に変更され、更に再延期されてようやくのリリース。
売上数は2日間で43万を超えるというさすがっぷり。当然のようにサブスクなどなく、CDのみでこれだけ積み上げました。

スペシャ見てたらMVが放映されたんですけど、他のほとんどのジャニーズ勢同様、当然「Short Version」です。YouTubeにも上がっていますが当然それ。
盤を買った人間以外には絶対全部見せたくない、という頑なな意志を感じます。
というか、こんな時代にわざわざ盤を買ってくれる「お客様」に対しての、最低限のホスピタリティとしての線引きをそういうところに置いている、ということかもしれません。

嵐が作年11月にシングル曲、今年2月にアルバム曲をストリーミング解禁した時、さすがにこれからジャニーズもそうなっていくのだろうなと思ったのですが、それ以降続くグループはありません。既に解散したグループの音源を解禁するということもなく。

嵐の「盤」としての商いは、もちろん今後行われるであろうラストコンサートの映像は将来あるでしょうが、音源としてはベストアルバム「5×20 All the BEST!! 1999-2019」の売上が落ち着いた段階でおよそ終わりました。
それを踏まえての解禁と、シングル曲解禁時に同時に配信のみリリースされた「Turning Up」の曲調等を含めて考えると、これ要するに「日本以外でのニーズ」を期待していて、それを最大化するためにはストリーミングに出すしかない、という判断をしたのだと思います。

だから「他のグループが続かない」のではなく「嵐だけが特別」だということで、でもそれはたぶん「今のところ」で、たとえば今後キンプリの誰かがアジアでめっちゃ人気が出たとか、Snow ManかSixTonesのとある楽曲がTikTokで世界的にめっちゃバズった、みたいなことがあれば、またいろいろ世界戦略は変わっていくのだろうと思います。

それでも国内では、現状でSMAPを失い、嵐ももうすぐ失う、ジャニーズのグループも出ているミュージックステーションにDISH//の北村匠海くんが出演できてしまう、相対的にはジャニーズのパワーは正直低下しているわけですが、日本での「CD」優先のビジネスは、「もう若者誰もCDプレーヤー持ってへんよ」「もうどこのメーカーもCDプレーヤー作るのやめたよ」みたいな事態にならない限り続くのではないかと思います。

いや、もし世の中のCDプレーヤーの供給がヤバくなったとしたら、「ジャニーズショップ オンラインストア」でジャニーズ謹製のCDプレーヤーを売り出してしまうのではないかと、半ば本気で想像します。
一時、一部のミュージシャンが「CDで買ってほしい」と訴えたように、やっぱりCDの利益率は他の比ではありません。
ひたすら「盤」を売り、わざわざ盤を買ってくれる「お客様」をひたすら大切にする、利益率の高いビジネスモデル。

世界中が音源の販売から興行に、その売り上げの主軸を移してしまった状況下で発生したコロナ禍。コンサートも以前のようには開催できなくなってしまった今の世の中、実はジャニーズが頑なに守ったこのスタイルこそが、結果として2020年のビジネスとしての最適解になってしまったのではないか、と思うのです。

完全に結果オーライだけど、でも正しい。何かすげえジャニーズ。