Lightning Seeds@ビルボードライブ東京のこと

昨晩はLightning Seeds@ビルボードライブ東京。

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初来日。というか、まさか来日するとは思ってなかった。18歳で大学入ってバイト代でレコードを漁る際、ネオアコに遡るついでにCareにぶつかって、そこでエコバニの「Porcupine」のプロデューサーだったことと紐付き、以降ミュージシャンとしてもプロデューサーとしてもIan Broudieは自分にとっては「神」的存在で。
Lightning Seedsの人気が落ち着いて以降は来日するきっかけもなく、そういう、きっかけのないここらへんの類の人を日本に呼ぶのはこれまではだいたいVinyl Japanでしたが、ここ最近は急な来日中止案件があったりいろいろ大変そうで、Lotus EatersもDream Academyもそれで観られたのですが、今はあんまり期待できない。

そこに、時折頭のおかしいブッキングが突っ込まれることでお馴染みのビルボードライブがまさかの招聘。最高に頭おかしい。泣くわそんなの。そして行くわ。

正直満員ではない。
ただ、このタイミングで2日間で計4公演埋められるだけのパワーが今あるとは確かに思えないのでやむを得ない。
でも、一発目「Marvellous」からほぼベストヒット状態、というか来日前のインタビューでは「30年の間にリリースしてきた楽曲を演奏する予定」と言っておきながら、Careの「Flaming Sword」まで俺ヴォーカルでぶっ込んできて、「Best of Lightning Seeds」ではなく「Best of Ian Broudie」な佇まい。すごくいい。
「The Life of Riley」は確実にアガるアレンジになってるし、もちろん「Three Lions」は会場中ブチ上がるし、何よりも楽しそうに歌い弾くIan Broudie先生が目の前にいる。ついでに名前と見た目からして息子もギタリストとして参加。Broudie祭り。

アンコールなし、でも約75分という、海外のミュージシャンであれば普通のライブ会場でもこれくらい普通にある、でもビルボードライブではありえない長尺。たぶん20曲くらいやった。すごい満足感。
先生ありがとう。

CDはシングルからだいたい全部持っているので私は大丈夫なのですが、でも一緒に行った先輩が気付くに「初期の2枚だけストリーミングに解禁されてない」。見てみたら本当に3rd以降はあるのに「Cloudcuckooland」と「Sense」だけない。
これ一体どういうことかと考えたのですが、CD最盛期の「何でCDで出ないの」問題と同じ原因ではないかと。要するに「マスター失くしちゃった」問題。
例えばDead Or Aliveのメジャー前のゴシック期のシングル群がCDでも一切出てこなかった理由はそれとか言われてますし、CD音源あればそこからリマスター頑張れば何とかなるのかもしれませんが、頑張った分のコストの元が取れるだけの見込みがなければたぶん誰も頑張らないし。

というか、デジタル録音初期でマスターがDATだったりして、誰もそこからダビング等を行って保存してないとかの場合、アナログのオープンリールとかより間違いなく失くしやすい。確実に失くしやすい。自分だったら失くす。
こうやって次の世代の「レア・グルーヴ」、つまりアナログもデータもなく、CDでしか存在しない音源は生まれるのかもしれません。