「J-POP」の定義と今後のこと(私見)

昨日再オープンした渋谷パルコに本屋が入っていないということが話題になっていたので、渋谷の商業施設に本屋がどれくらい入っているのかざっくり確認してみたのですが。

ヒカリエ:本屋なし
ストリーム:本屋なし
スクランブルスクエア:TSUTAYA BOOKSTORE
東急プラザ渋谷:本屋なし
渋谷パルコ:本屋なし

東急百貨店本店:MARUZEN&ジュンク堂
西武百貨店渋谷店:紀伊国屋書店
渋谷マークシティ:啓文堂書店
渋谷modi:HMV&BOOKS

非常にわかりやすく、新しくできた商業施設のターゲットに「書店は刺さらない」という判断をしているようです。

で、上記の商業施設で新譜の売れ線CDを売っているのは渋谷modiのHMV&BOOKSだけで、やっぱりCDは本屋以下。
渋谷パルコのWAVEはアパレルとUSBと缶コーヒーの販売店という、何かよくわからないことになっていますが、同じくWAVEに入ったユニオンレコード渋谷も当然ではありますが、そのコンセプト上アナログが新譜として出れば店に出すでしょうが、売れ線のCDが店頭に並ぶことはないはずで。
で、ふと思ったのは、将来の「J-POP」の定義ってどうなるんだろうということ。

以前から「『J-POP』とはプロモーションも含めて本体である」ということは言っているのですが、もう少し突っ込んで話してみます。
「J-POP」という呼称を誰が最初に言い出したのか、という点には諸説あるそうですが、広めたのは間違いなくFM局のJ-WAVE。そこでJ-POPに含まれると判断された楽曲は局の電波に乗ることになるわけですが、それ以前と最も異なる点は、J-WAVEの電波に乗る、ヘビーローテーションに選ばれるということはそれ、楽曲にとっては間違いなくプロモーショナルな状況になるということです。
そして1980年代後半以降のFM局の増加によって多くの局が近しい手法を取り、「プロモーションの場」はずいずい拡大していきます。
時代はあたかもアナログからCDへの移行期。販売の手法もそれ以前とは相当に多様化していくことになり、そういう状況も含めて「J-POP」という言葉は広まっていくことになり、そしてCDが馬鹿みたいに売れることになるわけです。

そういう感じで、「J-POP」以前のニューミュージックだったり歌謡曲までは楽曲を指す言葉ですが、「J-POP」は楽曲のプロモーションであったりミュージシャンのブランディングであったり、そういう部分も含めて捉えないと本質は見えないのではないか、ということを踏まえて「『J-POP』とはプロモーションも含めて本体である」と言ってたわけです。嘘です少し後付けしました。

それで今です。
たとえばOfficial髭男dismは間違いなく「J-POP」でいいと思います。あいみょんや米津玄師も多分OK。
でも例えばまふまふとかの、全く既存のプロモーションラインに乗らずにブレイクしているようなミュージシャンを果たして「J-POP」と呼んでいいのか。先日紹介した長谷川白紙とかがうっかり売れたらそれはどうなのだろうか。

ということを考えたのでダーッと書いたのですが、考えてみればそもそも「J-POPにはプロモーションも含まれる」という定義をしているのが私なので、自分で解決しなければいけないことである、ということをここまで書いて気付いたのでやめにします。

あと、J-WAVEよりJ-POPよりJ-LEAGUEよりも先に「J.BOY」をリリースした浜田省吾がいちばん偉大です。というオチで終わろうとしたら、Wikipediaの「J-POP」の項に浜田省吾が写真付きで載っていたのでもう誰にも勝てる気がしない。