眉村ちあき/フィロソフィーのダンス/大阪☆春夏秋冬@新宿LOFTのこと

昨日は行けなくなった友人のチケットをトスしてもらって新宿LOFT。

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音源だけ聴いているだけでは本質を捉えにくいという点では3組共通ですが、眉村ちあきはその文字通り「フリースタイル」っぷり、フィロのスはそのハッピーでアッパーな空気感、大阪☆春夏秋冬はその勢いと熱量と、そのライブは三者三様で、これかなり素晴らしいブッキングじゃないかと思ったり。

眉村ちあき。
相変わらずの落ち着きのなさで、また知らん曲もたくさんやり、突然思い付いてこの日誕生日だった大阪☆春夏秋冬のMAINAへのバースデー・ソングを即興で歌っては名前を間違えたり、絶好調。
で、彼女はこの世の他の何とも似ていないとは思うのですが、一番近い存在として1990年代のUSを中心にしたLo-Fiバンドの一派、特にGuided By Voicesあたりが挙げられるんじゃないかと突然思い付いて。
1曲の完成度を時間をかけて磨くよりもその時々のアイデアを優先し、結果やたらと楽曲を量産してはライブでやり倒すといった点で。
こういう配信中心の世の中になって、そういうタイプのミュージシャンはむしろ生きやすくなっていると思うので、もっと彼女みたいな活動方針の人が出てくればいいのにと思う。

フィロソフィーのダンス。
相変わらず最高に楽しい。この日はアッパーな曲で押しまくるのではなく緩急付けた感じのセットリストで、それもなかなかいい感じ。ハルちゃんとマリリの歌はもう間違いないのですが、おとはすとあんぬちゃんの歌が観るたびにうまくなっていて、それはこの完成度から更にまだ伸びしろがあるということで、本当に恐ろしい。
が、この日の白眉はものすごく中途半端にSCOOBIE DOコヤマシュウの物真似をするハルちゃん。何だそれは。面白いじゃないか。でも3マンでそれやってもあんまり伝わらないと思った。

大阪☆春夏秋冬。
ハードな曲を並べてこの日も一歩も引かない押しっぷり。観ていて熱くなるのは間違いないのだけど、彼女たちの場合本当に気にしてしまうのが、前2組がぐんぐん伸びている最中な一方、彼女たちは正直今のところピークから少し落ち着いてしまっているところ。
2017年の@JAM EXPO、横浜アリーナのメインステージで「いつかワンマンをここでやる」という宣言をしたのを覚えています。でもだったら今LOFTみたいなキャパの箱で企画ライブに出ている場合じゃないだろうと正直思うのです。
「全部エイベックスが悪いんや」と言ってしまうこともできるし、正直そう思ってるところも多分にあるわけですが、各メンバーの恐ろしいほどのダンス経験値やMAINAの圧倒的な歌唱力が今のスタイルで本当に100%以上に発揮されてるのかと言えば、ややアンマッチのような気もしています。
グループとしてのポテンシャルはとてつもないことは間違いないので、何とかガツンと行っていただきたい。

ただ、現在のアイドル界隈、概ねZeppクラスやった後、それ以上に伸びてかつ人気をある程度以上でもキープできているグループは、AKB坂道・スターダスト・ハロプロ・アミューズ・WACK以外にあんまりいないわけで。
正直、そこが限界なのかという気持ちにもなりますが、でもJ-POP界隈ではもう既存メディアに乗らない形でビッグネーム化している事例がいくつも出ているわけで、何とか基本性能高いのは当然として、様々な手をうまいこと使いこなしててっぺん取るようなグループ、出てこないかなと期待もしているのです。まだしているのです。