「楽曲派」アイドルについての補足のこと

先日、RealSoundからご依頼いただき、「楽曲派」アイドルの歴史について書きました。

Perfumeの登場、BABYMETAL世界的ヒット……「楽曲派」アイドル誕生から現在に至るまで

プロットを詰めて編集の方に確認取った上で全体を書く形で進め、プロットまではいろいろ細かいところまで挙げたりもしたのですが、全体的な流れ優先でだいぶ省略したところもあります。

  • amiinA・代代代・ヌュアンスあたりの、今一番好きなあたり、「ジャンルを特定できるほどではないが、プロデューサーによる楽曲コントロール下で『楽曲派』と呼んでいい活動をしている」グループ。
  • 元々非アイドルの曲を歌うグループ。要するにアイドルネッサンス。
  • 眉村ちあき・里咲社長あたりの、自作自演組。

ここらへんはどう触ろうか幾分考えた結果、流れ重視と判断して略しました。すみません。
バンもんのみさことか大森靖子のような、アイドルとそうじゃないっぽいのと二股かけているのは、それ入れたら絶対全体がブレると思って最初から入れてません。

私は普段はただのサラリーマンですので、基本、編集の方から要望いただけば、削ったり書き足したりは厭わない習性ではあるのですが、逆に「ここは押さえたい」と思って納品時にそう明記をさせていただいたのが「Perfume以降のテクノアイドル」と「さくら学院の部活動」の部分。

「楽曲派」についての文章はWebでもそこここにあって、ただそれらは総じて「こういう音楽性のグループがいるよ」という紹介のものばかりだったので、今回私の原稿も世に出る余地があったのですが、そういう原稿の中でいろいろ書かれている中で、自分としては歴史上決定的なポイントだと思っていたにもかかわらずほぼ誰も触れていなかったのがその2点だったので。

Perfumeだけで後に誰もフォロワーが続かなかったら「固定化チーム方式」がその後続いたかわからないし、さくら学院もそもそも「部活動」という「楽曲派」的なコンセプトでの活動こそが、今のBABYMETALに至る全ての始まりにあるわけで。この2点が意外に最重要ポイント、というのが自分の認識です。

ブログというか、ブログ前の個人サイトとしても、10年近く前からミュージシャンに対する「思い入れ」はポジもネガもほぼ封印し、「いいアルバムだよ」と「いいライブだったよ」以外はだいたい過去に遡って俯瞰したり、細かい事実の点と点を線で結んだから何か見えてくるんじゃね、みたいなことしか書いてないですし、そしたら案の定依頼される原稿もタイムラインに沿って俯瞰するようなのばっかりになっていますが、それはほぼ私の本意にも沿ったものですので、これからもご依頼お待ちしております。

とりあえず今回の原稿については、流れ上そう書いたけど小泉今日子『BEAT POP』についてはアルバムとしてのレベルは高いかどうかはいろいろ異論もあるので、そこに突っ込みがなかったので助かった。
後に同様の「BEAT POP」方式で制作された、山瀬まみ『親指姫』や内田有紀『愛のバカ』とか。アルバムとしては正直散漫だよね。でもどれも大好きなんだよ。

で、今の私立恵比寿中学なんか、2nd以降オリジナル・アルバムが普通に毎回「BEAT POP」方式で、でもアルバムとしてもよくできているので、やっぱ世の中って進化していくんだな、と思います。