Official髭男dism「Traveler」のこと

Official髭男dismのニューアルバム「Traveler」がやっぱりすごかった。

彼らについては認識するのが本当に遅くて、名前は聞いたことあるけど「何か変な名前だな」で終わり、「ノーダウト」は聴いたことあるけどその時は彼らだとは気が付かなくて、そしてある日深夜テレビで「Stand by you」を聴いて遅まきながら腰を抜かすんですよ。
何がすごいって、今1回聴いただけなのに聴き終わった直後から脳内リピートが始まるレベルのメロディの強さ。

「Stand by you EP」、そしてその後のシングルを聴いて浮かんだフレーズは「ユーティリティの怪物」。片っ端からタイアップ付いて、そのタイアップ対象にきっちり以上に合わせてきているにも関わらず、どう聴いてもまったくブレなくOfficial髭男dismでしかない。
ということで、死ぬほど期待していたアルバムでしたが、軽くその期待を超えてくる恐ろしさ。すごい。

何となく以前、いろんなミュージシャンを野球に例えるとどうよ、ということを考えたことがあります。
米津玄師は道具は野球のものを使ってはいるものの、よくわからないルールを勝手に発明して微妙に何か違うスポーツを始めたけどそれめっちゃおもろいやん、みたいな感じで、あいみょんは過去の名選手のスタイルをきっちり会得しつつも独自のスタイルもさらにプラスしてものすごい成績を上げている、という感じで。

その流れでOfficial髭男dismを過去音源から例えると、インディーズ初期は剛速球ぶん投げる高校野球界期待のエース。それが「エスカパレード」あたりになるとプロ入りしてものすごい曲がるカーブと高速スライダーも駆使してチームの勝ち頭クラスに。で、「Stand by you」以降になると、恐ろしい落差のフォークボールと何だかよくわからない魔球まで投げるようになってもう日本球界を代表するピッチャーになってしまった、みたいに見える。すごい成長です。
「エスカパレード」は微妙にまだインディーズだったことを考えるとこのアルバムが言ってみればメジャーデビューアルバムになるわけですが、この時点でこんな凄まじいスタンダード感を携えた、J-POPの王道をぶち抜いてしまうような音作ってどうすんのよ、という気持ち。

ライブはVIVA LA ROCKで観たのだけど、こちらも恐ろしくこなれていてすごく気持ちよく観られて「うわ、これワンマン観なきゃ」と思ったらもう武道館売り切れだったし、今回のツアーも箸にも棒にもかからん。

本当にこれからどうなっていくのか、正直空恐ろしくなる。けど、メディアの露出量のみでなく、こういうあからさまに優れたバンドが正しく注目されてフックアップされる今の世の中は悪くない。

あとは、「変な名前のバンドをその名前で舐めるな」ということはトルネード竜巻の時に思い知ったはずなんだけど、もう一度気合い入れなおします。