渋谷や新宿の商業ビルが空きになること

エンターキングは、最後まで頑張った2店舗のうち、浦安駅前店の方が「もう1日営業できるかも」と言い始め、28日に開けることが決まったと思ったらまた「あやしくなってきた」と言い出したり、いろいろ大変そうです。実際死ぬほど大変なことは間違いないです。

で、今日はFOREVER21の日本中の全14店舗が閉鎖されることが決定しまして。外資系は不採算店少しずつ切って延命という形はあまりなく、こういうばさっと切る事例が多いですね。親会社破産してるんだからしょうがないのですが。

新宿店のビルはFOREVER21が入る前はVirgin Megastoreで、渋谷店のビルは元HMVだったことを思うにつけ、そういう商業の新陳代謝がまた一回りしたんだな、という思いがいたします。
逆に言うと、既に世間的にはその次の周回が終わろうとしているのに、まだ世の中こんなにCD小売店が残っている方が本当はおかしいんじゃないのか、という気にもなります。

ここから先はCD店の話でも何でもないんですが、FOREVER21が退店した後の建物のことが大変気になっています。
新宿店の入っている京王新宿追分ビル、このビルは戦前まで京王のターミナル駅があった場所なのですが、正味現状の新宿の買い物客の周回路としてはメインになりえない位置ですので、次のテナント探しは大変そうです。
渋谷店が入っていた高木ビルは、渋谷のど真ん中、センター街からも井の頭通りからもアクセスできて非常に便利な場所ですが、両面が通りに面した出入り口になっているがために、納品口はこの大きさ
ヨドバシカメラとかがこの位置に入ったら面白いかもと一瞬思いましたが、これ絶対無理です。CDかアパレルが限度です。

というか、今渋谷に出店していなくて、6階建てのビルを1棟丸ごと展開できるだけの商品力と需要のある企業が果たして残っているのか問題。ブックオフが退店してけっこう間が空いたクアトロビル、後にg.u.が入店した時には「ああ、それが残っていたか」と思ったものですが、今回も全く思い付かない。
1棟丸ごとが無理なら小規模な店舗を多数入れる形にすればいい、という判断もありますし、クアトロビルもかつてはそういう形でしたが、ビルのオーナー企業が1棟丸貸しにアジャストしてしまうと、企業内のテナント営業等の機能は失われてしまいますので、もう一度組織としてそういうことをしましょうというのも難しかったり。

都心ではないですが、名古屋市郊外のmozoワンダーシティというショッピングモールがありますが、4階にまるっと入っていた大型複合書店フタバ図書が5月に撤退してしまいました。
その跡に何が入るかと思ったら、10月にOPAがオープンするという謎の展開に。
つまり、mozoワンダーシティというショッピングモール内の1フロアがOPA名義となり、そのOPAに新星堂の新店(!)等複数の店が入るという二重構造になるわけですが、これは「OPAが入った」だけではなく「イオングループのOPAに複数のテナント集めとフロアのディレクション業務を委託した」と考えると合点がいきます。
新宿・渋谷でもそういう、地力のある企業が請け負う形で商業施設を委託されてプロデュースするような形は、あり得るかもしれません。

2018年7月にBOOKOFFが撤退した後、2019年3月のg.u.のオープンまで結構長い間放置されていましたが、東京中あちこちで新たな商業施設がオープンする中、特徴出せない単なる箱としての商業ビルは、渋谷だろうが新宿だろうが今後どんどんしんどくなってくるのでは、と思います。恐ろしい世の中です。