KIRITO@TSUTAYA O-EASTのライブのこと

PIERROT、AngeloのKIRITOがソロ・ツアーを行っていまして、昨晩はそのファイナル公演。最近V系観ていないなあ、と思っていたので誘われて渡りに船状態で乗り込みました。
残念ながら満員とまではいきませんが、おバンギャのみならず、若い女の子も結構な割合でいます。まあ、自分からしたらだいたい若い女の子ですが。

KIRITOのソロは、自分が聴き込めていないからかもしれませんがAngeloとべらぼうに違っては聞こえず、バンドと違う音楽をやりたいがためのソロというよりは、その制作のプロセスの差に意味があるのかなと思いつつ観ていたのですが、でもライブで聴いているとPIERROTとAngeloの時は思わないのに、何となくUKの匂いがする。それはこのバンドの各メンバーのそもそもの方向性とかルーツのためか、方針としてそうしているのか。
よくわからないのですが、でもやっぱり俺こういう音が好きだ。

バンドとしては、さすがにパーマネントなバンドレベルの盤石感とまではいかないのですが、それでもリズム隊がしっかりしているので、歌やギターが比較的自由にそれに乗っかっていってる感じで気持ちよく聴けます。というかやってる方がすごく楽しそうなのでこちらまで楽しくなってくる。いいライブ。

そして最近のKIRITOのソロ・ライブの素敵ポイントだと思うのは、バンドに若手バンドのメンバーをフックアップしているところ。
ギターの一人はAngeloのギルがここでも担当していますが、今回の残り3人は、

Gt:海(vistlip)
Ba:Masa(NOCTURNAL BLOODLUST)
Dr:Allen(Serenity In Murder)

と、KIRITOより一回り若いバンドからの選抜。これすごいいいなあと思って。

前々から申し上げている通り、ヴィジュアル系界隈は徐々に勢いが衰えていて、いいバンドがいてもいいアルバムを作っても、それを界隈の外にまで発信できるメディアも少なくなっている状況。
そして、女子アイドルであればTIFや@JAM EXPOのように毎年大規模なフェスがあり、AKB48や乃木坂46のファンがまだワンマンライブもしていないグループのライブを覗いてみたり、メジャーなグループのファンが別のマイナーなグループを知ったり好きになったりできる、いわば「混ざる」機会がそれなりにあるのですが、ヴィジュアル系にはそれも少ないです。

そんな中、KIRITOのような固定ファンを持つレジェンド級のベテランがそういう若手をフックアップしたバンドでツアーをするというのは、このうえなく「混ざる」ことができる機会であるなあと。
NOCTURNAL BLOODLUSTのファンが、バンドが休止したけどでもメンバーが演奏しているのを観たいと思ってこのライブに来て、KIRITOのすごさを目の当たりにして、じゃあ次Angeloのライブに行きたいと思ったり、Angeloのファンが、もはや重鎮であるKIRITOのMCに容赦なく突っ込む海を観て感銘を受け、vistlipも一度観てみるかと思ったり、そうなったらもう今回のツアーは大成功だと思うのですよ。

どういう形でも、界隈の風通しをよくして、少しでも活性化してほしいと、思う次第です。きちんと観れば面白いことやってるバンド、けっこういるんだから。