HONDALADY/ROTH BART BARONのライブのこと

土日ともライブ。
8日はHONDALADY@高円寺HIGH。
2003年の「東京vinyl」を何かのはずみで買って聴いて「電子音楽なのにこんなに暑苦しいの何なん」と面白くなって愛聴して以来、出る音源はだいたい買い、行けるライブにはできる限り通っていたのですが、今回のライブで遂に活動休止。
ざっくり言うと「やることはやり切ったので」という清々しい理由で活動休止っていうのはなかなかないし、更にそれを誤解のないように丁寧に説明したインタビューを掲載したZINEをライブ後に全員に配布する律義さ。
40過ぎたおっさんなのにライブもぎっちり3時間近く動き倒し、活動休止ライブなのに一切湿っぽさはなくひたすら楽しくアガる。20年以上どこまでも誠実に馬鹿をやり続け、本当にそのまんまのライブを残して去って行きました。
またいつか会いましょう。

9日はROTH BART BARON@渋谷WWW。
バンドには「身の丈に合ったキャパ」があると思っています。たとえば下北沢シェルターで観たら死ぬほどかっこよかったけどそれ以上のサイズの箱で演ってるイメージが全く湧かないバンドがいて、案の定しばらくして解散したり、無理に大箱でライブをやったアイドルグループを観に行ったら、満員になってないのは当然ながら、そもそもパフォーマンス自体がその大箱の空気を支配するレベルに達していなくて微妙に寒々しい空気が常に漂っていたりとか。

ROTH BART BARONは、そういう意味ではもうWWWには収まりきらないレベルの音出してるんですよ。このまんまこの演奏を日比谷野音やアリーナクラスに持っていっても成立するんじゃないかと思うくらいに。VIVA LA ROCKで野外で演った時観たんですけどそれはそれは素晴らしくて。それくらいのスケールの音。
そういう音が400人そこそこの箱でぶちかまされているのですから、もう圧巻でしかなく。会場中をいろんな圧が充満し張り詰め、時折爆発する。完全に心持っていかれる。

だから、こんな場所でやってる場合じゃないんですよ。「アルバムに3年かかっちゃった」じゃないんですよ。前のツアーファイナルがLIQUID ROOMだったのがキャパ半分じゃないですか。
自分たちの音楽を他のJ-POPとは異なる、もっと高尚なものに捉えているのだとは思うのですが、1回2回でいい。下衆なところまで降りてきてほしい。そして馬鹿みたいにポップな曲出して受けて動員増やして、でかい箱で大人数のバンドで思う存分今回みたいなライブやればいい。受けた曲はアンコールの頭あたりでちゃっと片づければいい。そうじゃなきゃ本当のポテンシャル、真骨頂は見られない気がするんだ。

具体例としては夏フェスの際の森山直太朗。
出てきていきなり義務のように「さくら」。その後は好き放題エグい曲をやり倒し、最後に辻褄合わせのように「夏の終わり」を歌って終了。最高じゃないですか。で、ヒット曲で得た知名度でフェスに呼んでもらえるし、ヒット曲で掴んでエグい曲出しても離れなかったお客さんで全国ツアー回れるだけの地力は保っている。これでいいんですよ。
とにかく、でかい会場で観たいんだ。お願いします。