GOGO PENGUIN「A Humdrum Star」のこと

GOGO PENGUIN / A Humdrum Star (Album)

どんな音楽が好きかと聞かれた場合、「技術が評価の前提にならない音楽」と言うことがあります。HR/HMやジャズやブルースにどっぷり行けないのはまさにそのせいで、というか1990年前後のThe Pastels最高という気持ちとか。
それでも、たとえばトリプルファイヤーはああいう歌詞のあんな歌だからだけでなく、恐ろしいほどにソリッドな演奏が乗っているからこその評価だと思うし、SHOBALEADER ONEを見て「技術力も力であり力技が効くのだ」ということにようよう気付いたり、20-30代の頃より最近はずっと技術前提の音楽への心理的ハードルは下がってきています。良い傾向です。

で、このGOGO PENGUIN。舐めたバンド名ですがリリースはBLUE NOTEレーベルから。今作で2枚目。まだ普通のジャズはまったくもってわからないのですが、彼らは何となくわかる。というのもピアノジャズトリオでありながら演ってる音の音像はジャズではなくポストロック・エレクトロニカ的なそれだから。
ものすごくすんなり入ってきて気持ちよく聴ける。これはひとつの発明ではないでしょうか。
それでもBLUE NOTEの盤を新品で買ったのって初めてかもしれない。この歳にして少し大人になった気分です。

友人に、元々はヒップホップしか聴かなくて、でもヒップホップをどんどん遡るうちにアフリカ・バンバータまで辿り着き、そのはずみでうっかりクラフトワークに入り込んでしまい、今度はそっちを追い求め始めて結果1990年代以降のテクノばっかり聴くようになったという極端なのがいますが、私もこのまま行くとそのうちにジャズの沼にハマってしまうのでしょうか。いや、もうこれ以上ハマりたくないんですよ。特にそっちはヤバいんですよ。アイドルも聴きたいんですよ。