BiS@両国国技館のライブのこと

本日はBiS@両国国技館。
旧BiSからのオリジナル・メンバーであるプー・ルイの卒業ライブということもあり、かつスタンド席だと2,000円ということもあり、無事ソールド・アウト。その2,000円の席から眺める。

旧BiSはその炎上上等のプロモーション手法がどうにも好きになれず、フェスか何かで1回観たきり、新BiSも今回が初めてだったのですが、間違いなく旧と新は地続きであり、旧がなければ今の新がこういう形で活動することもなかったし、BiSHが現状のような人気を獲得することもなかったであろうと強く感じました。

BiSもBiSHもWACK所属のアイドルグループはおよそ「アイドルグループをメタ的にアイドルの枠に放り込んで活動させ、その枠からはみ出した部分がオリジナリティになる」という構造だと思っています。自分でも何言ってるのかよくわからないんですけど、でも意外にそれって難しいことで。
アイドル界隈は現状でほぼ何でもあり状態でありまして、音楽性を過激にしようが馬鹿なことをさせようがエロいことをさせようが、もはや「アイドルの枠」からはみ出ることはできません。が、WACKの場合は旧BiSがアイドルグループに今ほどの多様性雑多性がない時代に悪の限りを尽くしたため、それ以降ももうこいつら界隈絶対何かあかんやろ、というイメージがあります。

その時点で「ワル」に焦がれる層には訴求になりますし、そうでもない層には逆にきちんとすれば「雨の中で子犬を拾う不良」状態となり、「意外にやるじゃねえか」的に訴求可能になります。「枠」からはみ出るためのハードルが旧BiSの過去によって他グループよりも多少なりとも下がっているというか。そして一旦はみ出てしまえばその部分によって、ファンのグループへの心証は本当に強くなります。
BiSHは本当に旧BiSのブランド力があったからこその今の位置付けだと思いますし、今回BiSを観て「予想以上にきちんとやれてて思ったよりずっといい」という感想を持ったのは、まんまと渡辺淳之介の掌の上で転がされているようでありますが、でも悪い気持ちではありません。

ライブ本編でプー・ルイが挨拶していなくなり、アンコールでは彼女を除いた残り6人で出てきてアッパーな新曲をやって終わりという、全く湿っぽくない「To be continued」感のある構成も素晴らしく、しばらく勢い的にWACKの天下は続くのだろうなあと思いました。

あと、ライブ会場としての両国国技館の「非日常性」は他の会場と比較して断トツだと思います。
撮影可なので少し撮ってみましたが、土俵の上の屋根がずっとぶら下がっているのとか。

かっこよく照らし出される優勝力士とか。