金土日ライブ3連発。
2/17(金):MARQUEE BEACH CLUB / オワリカラ@下北沢GARAGE
水戸発エレクトロ系ポップバンド。俺呼んで「いなたいサカナクション」。
オワリカラは当日発表のシークレットゲストの体。行くまでは誰だろうと想像していまして、メンバーが水戸繋がりということでなるほど感はあるものの、U字工事まで想定内に入れていた身としてはサプライズという意味では若干物足りない。でもすごくいいライブだったので全く問題なし。
MARQUEE BEACH CLUBは初見、洋楽指向の音構成の割に極めてドメスティックなメロディ。つまり私の大変好きな組み合わせ。本当にポップだしキャッチーだし言うことないはずなのですが、少しだけ物足りない。
正直言ってしまえば「華がなさすぎる」。
カリスマ性とまではいいませんが、バンドメンバーがいい音は出していても個々のパーソナルがステージ上で輝かない。あなたがたはステージ上では間違いなくスターなんですから、もう少し何かそういうの欲しいのですよ。特に上手のギター兼キーボード兼ときどき太鼓の彼。そんな古着屋のワゴンセールで買ってきたようなテロテロのしわしわのシャツなんか着てステージ立っちゃ駄目だ。それなりにスタイリッシュな音楽なのですから。
サカナクションだって決してべらぼうなスター性があるわけでもないけど山口くん頑張って引き受けてるし、マックブック並べるキャッチーな演出でもってステージにもフックを持ち込んでいる。そういうの。
男女のフロント、コイブチくんはよく見たらけっこうなイケメンだし、アスカさんは思ってたよりずっと可愛らしいしパイオツカイデー。少なくともステージに立っている間は僕らにとってはスターです。胸を張って、スターとして振舞ってほしいのです。
2/18(土):DYGL / ONLY REAL@渋谷WWW X
2015年の10枚に入れたONLY REALと、Ykiki BEATが解散して完全に専任状態となったDYGLの対バン。
ONLY REALは元々フロントのNiallくんの宅録プロジェクトなのですが、今回はバンド編成で4人での演奏。異常なテンションですごい勢いでアゲにかかる。面白い。「ベッドルームで始めたことがこんなすごいことになって!」みたいなこと言ってましてけど、まだこれから先に行けるような感じで。
バンドとの仲も大変に良さそうで、次の音源はこのバンドのまま録音に入るんじゃないかなと思うのだけど、1stアルバムは宅録ならではの部分がオリジナリティとして立っていたところも間違いなくあるので、バンドになって埋もれてしまわないよう頑張ってほしいです。
DYGLはパッと一音出しただけでわかる「洋楽力」の高さにビビる。明らかに他の日本のバンドとは一線を画している。
「洋楽好きです」みたいな日本の若いバンドけっこういるわけですが、蓋を開けてみたら元ネタはOASISとかPrimal ScreamとかSuedeとかレッチリとかで、それ俺らは楽しいけど20年以上前からある音じゃねえの、若者なのにそれで嬉々としててええのですか、と思うことも正直あるわけです。
一方DYGLは過去の音の引用はあるものの定型におもねることはほとんどなく、幕前にかかっていたDIIVとか今回対バンのONLY REALとか、今の欧米のインディーズシーンと完全に地続きな現在進行形の音。
世界的にいろんな音が同時に耳に入ってくる今であれば、バンドとしてはそっちの方が健全なんじゃないのかと思いつつ、でもここまでそれを体現できているバンドって日本には他になかなかいないということを改めて感じてしまうわけで。
4月にようやくフルアルバム。楽しみです。
2/19(日):革命アイドル暴走ちゃん@横浜あかいくつ劇場
ライブというかパフォーマンスというか、そもそもアイドルという看板は立てていても普通のアイドルグループに混ぜることもできないわけで。
誰に聞いても彼女たちを的確に表現する言葉を持つことはできていないようなのですが、今回初めて観て無理くり表現すると「アイドルとそのオタクが別々にやっていることをいっぺんにやった挙句に、映像や電飾や降らせものや小道具やありとあらゆるオプションを駆使して嵐のような情報量と勢いで駆け抜けるパフォーマンス集団」とでも言えばいいのでしょうか。やっぱわかんないね。
あの異常な混沌と昂揚感は場にいないと伝わらないし、伝わったとしてもそれを是と取るか非と取るか極めて人によって分かれそうな代物。それでも、たとえば普通のアイドルグループだって是と非に分かれるわけであり、だったらここまで振り切っても何ら問題ないような気もします。
今日までの公演、撮影及びアップロード完全自由のため、観たまんまの演目フルが既にYouTubeにも上がっていました。これ最前の撮影なので客席一切入っていませんが、この舞台上で行われている状況のほとんどが客席側でも行われているわけでして、アンコールでは客席ほぼ全員を舞台上に上げ、演者の方だけが客席にいるという逆転の状況となり、それを放置したまんま演者が全員いなくなって演目終了というオチです。
女の子たちが「舞台に上がって!」としきりに促すところで何となく理解して私も移動しましたが、一部恥ずかしがって頑なに席に座り続けていた方も何名かいらっしゃいまして、でも最終的には座り続けていた方がむしろ恥ずかしい状態に。結局それも「意図」なのでしょう。
とにかく、今まで観たことのないものを観ました。もはや活躍の舞台はワールドワイドになり、日本ではなかなか公演すら観られなくなりつつありますが、せっかくなので観られるときには観に行こうと思います。この嵐の形がこれからどうなっていくのか見届けようと思います。