もう更新されてる様子もないのに、いまだに公式サイト行くと昨年10月のアルバム売上枚数カウンターがポップアップし続けるmisonoさん。
実際これ以降CDは出していないようですが、イベント情報見る限りそこここのイベントに顔を出しては歌っているようです。あとはタレントですからあちこちの営業もけっこう忙しく、公式サイトに載っていないものとしてはこんなのを見つけました。働いているのです。
働いているんだから事務所はそろそろ新しいアー写を撮ってもいいんじゃないかな。

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13日はレベッカ横浜アリーナ
お盆だからって18時開演にしやがって、普通に仕事してる人間は会議途中でばっくれて横浜へ向かう。
前売り開始時期から「あんまりよく見えないかもしれないけどそれでもいいなら買ってね」席が売り出されており、さらに立見席も含めて全部ソールドアウト、結果アリーナ部分の3/4くらいがステージ領域でそれ以外全部人。スタンドは360度満員。こんな人の詰まった横浜アリーナを初めて見た。ただ、やっぱりお年寄り中心なので当然アリーナにも椅子は並ぶ。これがホスピタリティ。

開演し、SEの後に円形の緞帳がすっと上がると同時に後ろの方のお姉さんが「ぎぃやあああああああああ」と叫ぶ。でもそうなんだよね、80年代まではまだ「スター」がいて、スターに対してそういうリアクションは決して珍しいものじゃなくて。出てくるなりNOKKOの存在感ハンパないもの。彼女は間違いなく当時スターで、今またスターになってるんだ。
一発目「Raspberry Dream」、次が「Moon」。しかも音も、キーボードとか古めのシンセ音もそのまま律義に再現してやってるから、結果すごい勢いで思春期がえぐられる。当時はヒットチャートものも大好きだったけど、対外的には洋楽指向を強調していた当時の中高生あるあるパターンだったので、レベッカのライブ行くなんてことはなかったんだけど、そこから二十数年後、今こんなにアホみたいにフラットになった状態で復活した彼女たちを生で観ると、思春期の怨念がすごい勢いで洗われていくのです。成仏しそうです。

本当に生で拝めるだけでありがたくて勿体ないのですが、演奏がまたハンパないことになっていた。バンドは当然ずっと音楽界にいた人ばかりなのでぱっきぱき。そしてNOKKOも概ねずっと歌ってきたわけですが、彼女、自分が知っている範囲のソロ時と比較しても異常に歌がうまくなっている。高音の伸びや張りはレベッカ全盛期当時からすごかったけど、低音で伸ばすところがやや弱かった印象だったのが、今回これ出るわ出るわ。安定感抜群、盤石の歌。
かつ衣装替えして羽の付いた80年代的衣装になってダンサー従えて出てきてからはダンスもぱっきぱき。しかも当時テレビで見ていたちょっとダサいやつのまんまで。歌って踊って、演奏もほぼまったく当時のノリのまま。客席も当時のままだから決まった振付とかほとんどなくて思い思いに手拍子したり手を振ったり歌ったり踊ったり。でもこの求心力。この一体感。この盛り上がり。ノスタルジーだけではここまでいけん。

全体の感覚としては、昔の知り合いの年上の人のところに懐かしい話でもしようと出向いて行ったら、確かに見た目はやや老いてはいるものの、服も喋り方も何も変わっておらず、更に何だかガチのマッチョに鍛えられていて、懐かしい気持ちのまま発達した腕力に任せてぶん殴られ続けている感じ。やっぱ長年音楽やってる人たちがここ二十数年で最大の本気を出すとこうなるんですよ。お年寄りの本気は恐ろしいですよ。

ただひとつだけ言いたいのは、横浜アリーナに集ったこんなにたくさんの方々、そんなお前ら当時が好きならもう少しいろいろ思い出して6月のPERSONZの武道館にももうちょっと来てくれよ。ということです。
あと、「MOON」を聴いて、尾崎豊に触れた時にも書いたんだけど、こんな救いのない絶望的な歌詞の歌がヒットチャートの上位に行く時代って一体何だったのだろうかと、今の日本を普通に感じる体になってしまうと、ひどく不思議に感じました。どっちがいいのだろうかね。