おニャン子クラブ結成30周年記念、圧巻の126枚組ボックス

すごい労作だとは思うのだけど、正直なところ何となく中途半端な感じは否めない。切れ目は「アナログ盤で出ているところ」までのようですが、渡辺満里奈工藤静香はこれ以降もCD音源出し続けるのだし。やるならCD以降やアルバム含めての関連音源完全収録とかまでやれよと思ったのですが、でも考えてみたら、もしそれやったら城之内早苗だけでとてつもないことになるので、やっぱりいいです。
あと、これリリースはポニーキャニオンということだけど、各歌手の所属レーベルへの売上金分配とか考えると、経理の担当の人が軽く死にそうな気がします。

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EXO、東京初ワンマン・ライヴ大成功!

韓国のSMエンターテインメント所属の中韓混在のグループ、ここまで来ました。
4月の段階でさいたまスーパーアリーナ3DAYSが即完だったのですが、今回代々木第一体育館大阪城ホール、マリンメッセ福岡で各3DAYSという規模。福岡はさすがに韓国からの動員も考慮入ってるかもしれませんが、それでもえらい規模で。

日本の現状、韓国絡みのネタはうっかりマスに乗せると大変な反発を食らうわけですが、だったら乗せなきゃいいじゃないか、というのが日本におけるEXO側の発想。CD/DVDはおろか日本向けの音源リリース一切なし。マスメディアへの露出も皆無。だから知らない人間は一切知らないまんまです。それでもネット経由で活発な発信があり、コミュニティもあり、そこに食いつく属性の人をきっちりまとめ上げる。そしてその人が今度は「発信する」側へ回る。そういう形で広がっていく。

CDの売上が下がり始めた際に、ライターやミュージシャン自身の一部から「CDなんかなくてもミュージシャンは音楽を作って届けることができる」という言葉が出ていたりもしたわけですが、結局今それを日本最大級のビッグビジネスとして形にしているのがEXOということになります。
当然彼らの場合、韓国で12年ぶりのミリオンを達成したり、その他中国や東南アジアでも大人気というベースがあるからこそ日本でもこれだけの成功を収められているわけですが、でもこれだけ巨大になってもこのジャンルに興味がなければほとんど知ることすらない。

ボカロPだったり歌い手さんであったり、国内で完結する規模のそういうサイクルもあるわけですが(音楽以外ならYouTubeの人とか)、そうなってくるともうそれを好きな層以外本当に誰も知らない。ちょっとしたジャンルの違いで「ハンドボール好きの人はバドミントンの有名選手知らない」レベルの状況になり得ることに。

ということで、国民的ヒットが出にくくなっているのは楽曲の質やらプロモーションどうこうという話ではなく、ジャンルやミュージシャン単位での囲い込み強化等々、もっと根本的なミュージシャンとファンの関係性作りの構造の問題と言えるのですが、こういうEXOみたいなある意味究極の例が出てくると、もっとどんどんそっちの流れに進んでいくのだろうなあ、という結論。