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奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / 東京ブギウギ (Album)
昨日、奇妙くんの渋公のライブ行ってきたんですよ。大丈夫かと思ったけど、2階は埋まりきらなかったものの1階はびっちりだったのでまあOKだったのではないかと。
で、このカバーアルバムは買ってはいたもののほとんど聴かないままライブに臨み、でも披露される収録曲の数々に完全にヤられてしまい、結局帰り道の炉端焼き屋で同行者と共に「すげえなあすげえなあ」とうわ言のように呟きながら焼き鯖食ってたんですけども。
彼の声が「ギフト」であるっていう話はもう幾度としているんでこれ以上は申しませんが、彼の演じる幾多のカバー曲の、元曲との「距離感」というのが自分にとっては凄まじくジャストで、いろいろと素晴らしい。
「愛の讃歌」はこれまで聴いた中で男性では圧倒的に最強(注・美輪明宏は男に含みません)だったし、今回一番だったのはこのアルバムにも収録されている尾崎豊「ダンスホール」のカバー。殊更に元曲と異なるアレンジが施されているわけでもないというか、1本のギターで弾き語り形式なのに、譜からちょっとだけ音程や音を出す位置を変えたらもう元曲と完全に違う色、俺色。そして元曲を聴いていてはわからなかったことがいろいろとわかる。この曲はある意味ブルーズなんだなあとか、中島みゆきの「狼になりたい」「傾斜」「僕たちの将来」あたりの横客観目線の曲にかなり近い歌詞の構図だ、とか。
多分、奇妙くんのカバーは概ね全部そうなんだけど、元曲の歌い手演じ手には一切寄り添ってないんだけど、歌う曲そのものには誰よりもぴったり寄り添って曲そのもののコアまで迫っていく感じの。そういう距離感。そしてこのCDの音源も素晴らしいのですが、ライブがこれ輪をかけて素晴らしく。そういうことで、うわ言を呟きつつ焼き鯖食った次第。
「ダンスホール」の音源落ちてないし、バンド形式の音源も落ちてるの見つからなかったんだけど、でもこの曲もやっぱり素晴らしい。