サマソニ行ってきました。

8/16
■White Ash

もっと殺伐としたバンドかと勝手に思っていたら非常にハキハキしたMCで面食らう。さすがメジャーレーベル。かっこいいんだけどもうちょい彼ら独自の何かすこんと抜けた部分があるとよいなあ、と思いました。

TOKIO
待ってる段階で過半数が男子という状況。さすがサマソニ初の兼業農家。「宙船」始まり、「LOVE YOU ONLY」終わりというガッチガチのストロングスタイル、しかし今や並みの「ロック」バンドなら泣き出すレベルの馬鹿テクバンドになったにもかかわらず、コテコテのアイドルソングなデビュー曲で野太い「オンリーユー!」が会場中に響き渡るのはなかなか痛快な光景。
言ってみれば全盛期のプリンセスプリンセスが本編ラストに「コアラボーイ コッキィ」で大盛り上がりみたいなもんじゃないですか。最高ですよ。

■MY FIRST STORY
ワンオクのTakaの弟、つまり例の演歌夫婦の次男がヴォーカルやってるバンド。
ワンオクは以前から言っている通り、楽曲のオリジナリティはハンパないにもかかわらず、リズム隊が技術はあるもののこの手の音楽をやるには致命的に軽いことがネックなわけですが、こっちはリズム隊は猛烈にしっかりしているのに、楽曲のオリジナリティがもう一声欲しい感じで、同様の他バンドとの差別化が図りきれていないように思えた。いろいろ惜しい。

浜田麻里
腰抜かしそうになった。とんでもない歌。俺が知ってる全盛期の彼女より声量・音域ともに上がってる。バックバンドもアホみたいにうまいんだけど、そっちに一切気持ちがいかないレベルの歌をひたすら聴かせる。サビでコーラスに主旋律歌わせておいて自分はここぞとばかりに高音の限界にチャレンジしてるとかどうかしてる。
いやこりゃ参った。ワンマンに行きたい。

JAMAICA
気持ちいいんだけどいまいちがーっと入っていけなかった。何でだろう。ただ、このバンドは少なくともライブではベースが非常に重要な役割を果たしているということはわかった。

Robert Plant
80年代馬鹿だからツェッペリン正直よくわからないんですけど、今回18年ぶりの来日でもうすぐ66歳ということを考えると、次観る機会はあるのかという気持ちに駆られて観た。談志を観に行くような気持ち。
ツェッペリンの曲はとりあえず「Black Dog」と「Whole Lotta Love」はわかったんだけど、民族楽器が多分にONしていて、血沸き肉躍るような感じにはならず。それでもマイクスタンド引っ掴んでアクションする彼は純粋にかっこいい。もうすぐ66歳なのに。

Arctic Monkeys
何だ、こいつら普通に王道なバンドじゃないか、ということにようやく気付いた。速い曲は切れ味鋭く、遅い曲はボトムしっかり。決して奇をてらうようなところはないんだけど、それでもきっちりがっちり聴かせる。特筆すべきことはないんだけど、十分満足した。かっこいい。

矢野顕子
小さいステージだし弾き語りやるんだろうと思いつつ観に行ったらベース&ドラムの3ピース形式(+シーケンス担当)で嬉しい。全体的にニューアルバム中心のためかなり電子音多めだったんだけど、生リズムのおかげで全然色が違って聞こえる。生リズムの「飛ばしていくよ」超かっこいい。


8/17
■A GREAT BIG WORLD

ハッピーで楽しかったんだけど、「2014年度版Owl Cityやなあ」という感想を持つことには抗い難い。

■Little Mix
「One Directionの妹分」的な触れ込みでデビューした最新版スパイス・ガールズみたいな女の子たち。いつサッカー選手と交際し始めて活動休止するかわからんので今のうちに観ておこうと思って観たのですが、思いの外よかった。曲が終わるたび始まるたびに「ギャーッ!」という悲鳴が上がって、いつの日も洋楽の熱狂的ファンは熱いのだということを思い知りました。

木村カエラ
相変わらずしなやかで、でもフレンドリー。彼女のMCの語り口調の軽みというかすっと懐に入ってくる感は実に気持ちいい。幾多のモデル出身者やSAKU SAKU出身者がCDデビューしては討ち死にしていく中、彼女だけがトップに近い位置で生き続ける理由はそこなんじゃないかと思ったり。

Dreams Come True
圧巻。怒涛のエンターテインメント。もうアガるアガる。でもそりゃそうだ。他のミュージシャン・バンドにとってフェスの舞台っていうのは概ね通常公演よりずっと大きく、それにどう付け加えてアジャストするのかもしくはそのまま行くのかみたいな選択を迫られるわけですが、ドリカムの場合既に単独公演でこの規模以上のものをガッツンガッツンやってて、フェスにアジャストするのに「何を省略するか」という通常とは全く逆の思考でもってここに合わせて来ているわけで。
結果「てめえ300万枚舐めんじゃねえぞ」と胸倉を掴まれたような心持ち。参りました。あんたら最高や。

森高千里 with tofubeats
ああ。可愛い可愛い。目がハートになる。45歳なのに萌える。あかん。45歳(青いミニスカのワンピース)が歌う「私がオバさんになっても」最高。土下座してお願いしたいレベル。たとえ比較対象としてtofuくん(23)が隣にいても、約2倍の年齢差でも何ら問題はないのだ。
トラックも「ストレス」とか相当面白いアレンジなので、音源出して。初回限定盤映像付きで。

■Ellie Golding
パッと見べらぼうな美人でもないのに数々の浮名を流す彼女ですが、生で観たらいろいろわかる。だいぶお肉とかあれなのにシースルー着てて、でもそれも含めてもう何かいろいろとチャーミング。「男好き」するタイプです、間違いなく。そして音楽もかなり振れ幅のデカい音を実に器用に乗りこなしていて、才能もハンパない。そりゃモテる。

SEKAI NO OWARI
最近の彼らの盛り上がりは何だと思い、最初の2曲だけ。ぽんと売れた途端に大御所的なコンセプトライブ始めたりするのがよくわかんなかったんだけど、考えてみれば彼らはリズムを完全にシーケンスに任せている特異な編成なわけで、そうなると演奏のダイナミズムの追求であるとかの方向性に行った場合他と比べるとどうしても限界が早い。ということを自覚しているが故に「演出」の方向性でもってライブをより魅力的にしていこうという方針なのであれば、決して間違ってはいないのだなあと。

The Horrors
The Drums観た時と全く真逆の感想。The Drumsは音源では真っ当でライトな感じだったのがライブでは諧謔性バリバリのダークな空気漂っていたのですが、The Horrorsは音源ではサイケ色ニューウェイブ色非常に強いのに、ライブは実に真っ当なギターバンド。ただライブ若干直球すぎというか、かっこいいんだけど、もう少し音源の色が強くてもええんちゃうか、とも思った。

KRAFTWERK
事前に配布された3Dメガネをかけて臨む3Dライブ。こういう形式のライブは映像化しても伝わりにくい表現なわけで、要するに興行ビジネスとしての差別化的な発想ではあるのですが、そしてクラフトワークのあの独自のライブスタイルだからこそ可能になるスタイルだとは思うのですが、それでもブライアン・メイと並んでこのサマソニ最高齢参加者のヒュッター爺さん(67)が、誰よりもライブの未来・興行の未来を考えているっていうのがすごい。
何かもういろいろと感銘を受けたライブ。

<加筆>
実際の最高齢はLIFE IS GROOVEに参加していたムッシュかまやつ(75)とのご指摘。化け物だ。


そんな感じで今年は群を抜いて爆発的にすごいというのはなかったんだけど、やっぱりフェス楽しいやねと思うには十分な感じ。来年も行こう。ただ今年の俺にはまだ@JAM EXPOが残っている。
が、さんざっぱらいろんなフェス行き倒しているつもりですが、ここまで細かく刻まれたタイムテーブルはこれまで目の当たりにしたことがなく、もうどうしていいのかさっぱりわからず今の時点でくじけそうになっている。