JR大宮駅構内のCD GARDEN ディラ大宮店が8月18日で閉店。

かつてはJR東日本の得意技で、東京駅・上野駅・品川駅などでも展開していた「駅ナカCD販売」を運用していたわけJR東日本系列会社ヤンレイですが、これで駅の改札内でCD買える店が日本からなくなるとともに、ヤンレイ経営のCD店が全滅します。「ヤンレイ」は企業名であると同時に店の屋号でもあり、「ヤンレイ」「CD GARDEN」の2つの屋号で運営していたのですが、屋号の「ヤンレイ」は、2012年5月末に市川駅高架下にあったヤンレイ市川店が閉店した段階でなくなっていて、さらに5月にCD GARDEN藤沢店が閉店して今回の大宮店がヤンレイ経営のラスイチだったわけで。

まあ、通勤通学のついでにCD買うなんてコンビニエンスな需要は既にシュリンクしまくってますし、JR東日本駅ナカビジネスは、エキュート部門が鉱脈を掘り当てて現在は完全にそっち方面へシフトしてますし。
というか、大宮店がなぜ今まで残っていたかというと、大宮駅は改札が北と南に大きく分かれているのですが、エキュートは南の方に展開して、CD GARDENは北の方にあったからというそれだけの理由。実際品川や上野はエキュートへの改装によってCD店撤去されました。

それでもそれなりの歴史あるヤンレイ/CD GARDENの屋号がこれで消えるわけです。ということで、私が何となくCD店方面に興味を持ち出したのが香川のタマルの破産きっかけなのですが、それ以降で消えたCD店チェーンの屋号をまとめてみました。


2007:タマル(ZELL)(地方チェーン・香川)
創業1928年。香川県を中心に展開していたチェーン。
2007年5月28日、破産宣告によって営業4店舗が一斉閉店。

2007:マスヤ(地方チェーン・埼玉)
埼玉県の上尾を本店にその周囲に店舗展開していたが、
2007年末頃に全店閉店。

2008:ミュージックショップ国原(地方チェーン・北海道)
創業1952年。2000年頃の全盛期には21の店舗を道内に展開。
2008年3月20日旭川の本店を閉店して営業終了。

2009:ヴァージン・メガストア(全国チェーン・外資
1990年、丸井との合弁で新宿店をオープン。2005年、CCCに売却され子会社化。
2009年にはTSUTAYAに吸収される形で法人解散、その後営業継続店舗もすべてTSUTAYAの屋号となる。
東武宇都宮溝の口等、当時の場所で販売専門TSUTAYAとして営業継続している店舗もあり)

2009:ヤマチク(地方チェーン・石川)
創業1914年。石川県を中心に北陸地方に展開。
2009年3月6日、倒産により事業停止、営業3店舗が一斉閉店。

2011:TAHARA(地方チェーン・神奈川)
創業1964年。神奈川県・東京多摩地方を中心に展開。
2011年1月30日、厚木本店を閉店して営業終了。

2011:サウンドファースト(全国チェーン)
阪急グループの音楽映像ソフト店として、1998年に1号店を三宮駅構内に開店。
2011年6月30日の梅田店閉店で全店舗営業終了。一部ブックファーストとの複合店舗では現在もブックファースト名義で音楽映像ソフトの販売を継続。

2011:WAVE(全国チェーン)
1983年に1号店六本木WAVEを開店。
最大で全国30店舗以上を展開するが、2011年2月頃から閉店が加速、2011年7月31日、大宮店の閉店で全店営業終了。同年11月に自己破産宣告。

200?:Sam Goody(全国チェーン・外資
アメリカのチェーン。1996年頃に日本上陸し、仙台、郡山、宇都宮、有明清瀬、横須賀、四日市、難波、宇部、高松、高知、沖縄等に矢継ぎ早に全国に店舗展開したものの、ほとんどが短期間で閉店、2007年頃には完全に国内撤退していたようです。


秋田県横手市のカシワヤ楽器、新潟県上越市の多田金、岐阜県大垣市の電波堂、富山県富山市のフクロヤといったあたりは過去には10店舗前後の支店を展開していたものの、現在残り1店舗。福井市中心の松木屋は2店舗。
関東郊外中心に店舗展開していたギンセイは、松戸市常盤平の店が昨年閉店したため、残りは柏の本店のみですが、既にアニメ専門店化完了していて、CD店とは呼べない状態に。

通常のCD店として現存している地方チェーンも、北海道の玉光堂、関西のミヤコとJEUGIAくらい(福岡県の黒木書店フィルモアレコードは全店複合店舗なので除外)。静岡のすみやは屋号は一応残っているものの実態はほぼTSUTAYAだし、JEUGIAなんかはCD店やめてカルチャー教室一本にしたそうな感じで徐々に店舗数減らしていますし。

まあ、「企業」として考えた場合、ここに将来的な価値を置くことが難しいと判断するのはもう仕方ないもんで。できるだけ頑張ってくださいとしか、もう言えねえ。