5/3-5、さいたまスーパーアリーナで開催されたMUSICA主催のフェス、VIVA LA ROCK行って参りました。
最近、ガンガン出てくる若手バンドを全くキャッチアップできていないことが気になっていて、このままだと本気でヤバいと思っていたところ、それを一気にまとめるには大変に具合のよいラインナップが出てきたために小躍りしてうっかり3日通しで。
3日間以下の通り回りました。
5/3:
KEYTALK→SiM→スカパラ→くるり→キュウソネコカミ→Dragon Ash→10-FEET→KANA-BOON
5/4:
Base Ball Bear→ゲスの極み乙女。→ドレスコーズ→クリープハイプ→SHISHAMO→スガシカオ→the telephones
(高橋優・ウカスカジー・エレカシちょっと見)
5/5:
tacica→plenty→LEGO BIG MORL→きのこ帝国→cero→[Alexandros]→森は生きている→フィッシュマンズ→サカナクション
(星野源ちょっと見)
1日目。
若手観たいとか言うて半分おっさんになってしまったわけですが、本当はグッドモーニングアメリカ観たかったんだよ。でもステージが恵比寿リキッドルーム一回り大きくした程度でかつクアトロばりに柱が生えている、フェス感皆無な場所のため、すごい勢いで入場規制がかかったんだよ。ワンマンでZEPP埋められるバンドを何でそんな小さなステージにぶっこんだのかはよくわからんです。
おっさんたちはさすがに安定してクオリティ高かったわけですが、それでも若手の「速さ」には圧倒されっぱなし。KEYTALK・SiM・キュウソネコカミ・KANA-BOON、全部速い。この日のハイライトはキュウソネコカミのヤマサキくんがエリア中央まで延々クラウドサーフした挙句にクラウドの中で犬神家状態になったこと。そんな絵見たことない。「ヤンキー怖い」のシンガロングも馬鹿で素敵でした。
このメンツの中ではおっさん扱いになる10-FEETですが、彼らのライブは本当にいつ観ても素晴らしい。正味日本のメロコア系の音はさっぱりわからないのですが、彼らは大好き。タクマ君になら抱かれてもいい。
2日目。
ミスチル桜井&GAKU MCのウカスカジーよりもクリープハイプやthe telephonesの方が圧倒的に客を呼んでいたという時点でこのフェスの特異性が見て取れるわけですが、結局3日間のベストアクトはスガシカオでした。一旦インディーズに下がった際、MUSICAの鹿野さんがいろいろと気にかけてくれたのを粋に感じての「恩返し」ライブ。溜めに溜め込んでたのを一気にぶっ放したような濃さ。一発目いきなりKAT-TUNの「Real Face」(メタル風アレンジ)。スガシカオでヘッドバンギング発生する意味のわからなさ。しかしその後はこってこてのファンクに振ったり感動的な新曲を披露したり。オーラスは「19才」。完璧じゃないですか。
the telephonesは何回か観てるものの、これまではそのすっ飛ばしっぷりに圧倒されて終了だったのが、今回ようやくきちんと落ち着いて音を聴けました。結果、このバンドはリズム隊が死ぬ程しっかりしているから上におかずをどんどん盛れるのだなあということを理解。特にドラムの誠治くんの、完璧ジャストタイミングの正確無比なリズムキープが素晴らしい。彼らのような音はうっかりリズムが前のめりになると途端にパンキッシュになりがちですが、そういうのが一切ないことで初めて「DISCO」という彼らのコンセプトが成り立つのだな、と。
それと、SHISHAMOが超可愛い。Vo&Gの子が一番薄らぼんやりしていそうなところを含めてまるで初期チャットモンチーのような風情。おじさん応援したいからとりあえずTシャツ買った。
3日目。
3日間で観た若手の中でのベストはcero。音源聴いて得体の知れんバンドだと思っていたのですが、ライブ観たら余計わからなくなった。掴みどころなく、いろんなジャンルへ容赦なくすっ飛んで行く。でもそれがとてつもなく楽しい。いいバンド。非常にフェス受けしそうなので、これからいろんなところに出るかも。
フロントがイケメン以外に何で他より評価されているのかわからなかった[Alexandros](ex.[Champagne])は、その理由がわかった。各人のプレイヤビリティが異常に高い。特にこのバンドもドラマーだ。裏で支えるとかそういうのじゃない、これもう完全にバンドの顔的な個性。うっかりこういうメロだったら普通にエイトビート刻むところを、エイトビートを叩くと直ちに死ぬ病にかかっているかのような、とんでもない手数の変態ビートで突き進む。この例は言い過ぎかもしれないけど、The Stone Rosesの個性を支えていたのがレニだったような、そんな感じの凄さ。
あと、サカナクションもフェスにいたら絶対観てしまう。彼らの凄いところはそのフェスなりのオリジナルな演出をきちんと施してくるところ。ああもうかっこいい。オーラスは今も大好きなBabeStar時代の「ナイトフィッシングイズグッド」。本当に久しぶりに生で聴いたら素晴らしく凝ったアレンジになっていていたく感動した次第。
でも山口君、本当にたまにだけど楽天・三木谷社長に見える瞬間がある。
そんな感じで、いろいろと楽しく過ごせました。初フェスということでいろいろ不備はあったのですが、たとえば会場間の導線に問題が生じたら速攻で2本ある通路の一方を入口専用にもう一方を出口専用にするなど、何か生じた際の対応の臨機応変っぷりがハンパなく、その臨機応変の結果が末端の係員まで至っていないことがある点を除けばほぼ完璧でした。
欠点を無理くり挙げれば、3番目のステージもう少し何とかしてくれというのと、メインステージ周り以外の場所にトイレがなく、しかも導線の一方通行化の結果、2番目3番目のステージの方に入り込んでしまうととんでもなく遠い場所まで行かないと用を足せなかったところと、恐らく運営側もそんなに客層若いと思っていなかったのでしょう、初日にすごい勢いでソフトドリンク類が売り切れていたり、喫煙所に入ってくる人間の数の割にJTのプロモーションスタッフ多すぎなこと。
そういうことで、見た限り客層は確実に8割以上が10代か20代という近年稀に見る若いフェスだったのですが、そんな若いオーディエンスの動向を見ているうちに、彼らとそれ以前の世代には大きな隔たりがあることに気付き、そこからいろいろ考えさせられました。それは次回。